神霊装甲 燃える北海アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
2人
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期間 |
09/14〜09/18
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●本文
・声優募集
ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。
●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。
・世界設定
神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。
魂の騎士 ヴァルハラに召喚された現代人のこと。彼らは、過去に起きた光と闇の戦いの英霊の魂を内に秘めた人間たちである。魂が力になるヴァルハラでは、絶大な力を持ち。神霊装甲の適正がヴァルハラ人よりも数倍上である。
覚醒 魂の騎士が、英霊の魂に目覚めること。過去に起きた戦いの記憶と共に、真の力(本来のSAの力)を発揮できるようになる。元々の人格が変わることはないが、過去の記憶に引っ張られて行動してしまう者も‥‥。
SA本来の力 SAとは現在ではロボットのような存在だが、元々は精神を具現化させた鎧である。そのため、覚醒し本来の力を取り戻した者は、SAの上に自分の精神を具現化させた姿を投影し、一時的に武装を変化させることができる。このようなSAは、従来機より数倍の能力を有する。イメージは変身といった感じ。
アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。 君主制を敷いており、王の下に内政、外政、軍部の各担当者がそれぞれを指揮している。軍の様子は、規律統制のとれた現代軍隊に近いイメージ。
反アース勢力 アースに占領された様々な種族、巨人族やヴァン神族、ドヴェルグなど。またオーディンの侵略行為に批判的なアース神族などが集まって出来上がった反アース勢力。一応はお互いに協力関係を築いているが、その中には種族間など派閥ができており、微妙な温度差がある。
ヴァルキュリアーズ アース神族の王オーディンが、治安維持を名目に結成した、王直属のエリート軍隊。通常の軍とは管轄が別だが、様々な権限を与えられ、普通のアース軍よりも上位に扱われる。主な任務は、反アース勢力の駆除。何故か上官に多くの女性を起用しており、ハーレム軍隊などと揶揄されることも。
現代世界 魂の騎士達が召喚されるまえに暮らしていた世界。我々が暮らしている世界とほとんど変わりはない。こちらの世界では、魂の騎士達の召喚から一ヶ月が経っており、「無差別失踪事件」として大きなニュースとなっている。
SAと近代兵器 現代世界では、SAの周囲にオーラの膜が張られ、近代兵器の衝撃をほとんど無効化するため、近代兵器でのSAの破壊はほぼ不可能。そのため、SAはSAでしか破壊できない。
アウドムラ ヴァルハラ世界と現実世界を一つにする鍵と言われる存在。伝承では北極に眠っていると言われているが、それがどんなものなのかは不明である。巨人族が守り、現在はオーディンの手中にあるユミル(詳細不明)と共に、二つの世界を一つにするとされており、オーディンは世界新生のためにこれを求めている。
・主な登場SA
SAヴァルキュリア�U アース神族の量産SAを基に、魂の騎士用に新しく作られた高性能SA。従来機より基本性能が3倍弱アップし、飛行能力も向上された。基本形態以外に、ゲイレルル(遠距離射撃)、スルーズ(高火力)、フリスト(近接)、ヘルヴォル(特殊遠隔)の四種類の兵装が用意されており、局面にあわせて変更する。
SAウルオレルス アース神族の次期主力量産SA。SAヘーニルの後継機で、装甲、運動性能共に向上している。ヴァルキュリアーズの一般兵士用。局地専用の兵装を用意され、これらを換装することにより様々な戦場での運用を可能としている。兵装は、空戦用、水中用、雪原用などが確認されている。
SAフレイア SAフレイを元に、SAヴァルキュリアの飛行技術を起用した、ヴァン神族の次期主力SA。量産のためにS・O・Vを無くし、代わりに意志力で飛ばした球体でバリアを発生させるアクセサリ・オブ・ブリーシンガメン(A・O・B)を搭載。現代人の意見を参考にし、形態を人型から飛行形態に変形することによって、空中での高速飛行が可能。現在は、反アースの主力として使用されている。
SAスキールニル改 反アース軍の量産SA。ヴァン神族のSAスキールニルを改修した機体で、従来機から大幅に運動性が向上している。肩に二門のオーラキャノン、脚部にホバー機能を搭載し、水上での戦闘も可能。すでに別機体とも言える性能UPにより、アースの新型量産機にも十分対抗できる。
・次話あらすじ
窮地を脱したヴァンの騎士の旗艦スキーズヴラズニルは、トリックスターから送られてきた文書の真偽を確かめるため、北極へと向かっていた。文書には、オーディンの目的が北極に眠るアウドムラであり、それを手に入れ世界を作り直そうとしている、と記されていた。
一方、アメリカ合衆国を掌握したオーディンは、北極へと旗艦を進める。同じく、トリックスターが陰で操る反アースの軍勢も、北極へと移動を開始した。そして、二つの軍勢は北海でぶつかり合うことになる。
北海洋上で激しい戦闘を繰り広げる両軍。スキーズヴラズニルは、この戦いにどのような役割を果たすのか。そして、アウドムラとはいったい‥‥。
・登場人物
アース神族側現代人 アース神族に収容され、魂の騎士として戦うことになった現代人。
ヴァン神族側現代人 ヴァン神族に協力し魂の騎士として戦うことになった現代人
オーディン アース神族の王。王は代々この名を継いでおり、現在の王は見た目20台の若い男性。実際は王位についてからすでに20年以上で、40歳を越えている。今代になってからSAの量産、積極的な侵略戦争を行い。アース神族を、世界の半分以上を統治する種族にのし上げた張本人。
その他 一般兵士、反アース勢力など
●リプレイ本文
その日、ミユキ・デリカットは自宅から少し離れた街からの帰りに、空を飛ぶ飛行物体を発見した。
「あれは‥‥飛行機? 違う、SAだ!」
それは、自宅方面へと向かっており、ミユキは慌てて自宅へと急ぐのだった。
「え、どういうこと‥‥?」
広い農場を抜け、家族の暮らす自宅へと辿りついたミユキ。しかし、そこで待っていたのは、ヴァルキュリアーズの兵士達であった。彼らは、ミユキに敬礼し、上官に対する態度で状況を説明した。それによれば、軍の命令によりミユキの家族を保護するために彼らが赴いたときには、すでに不審なSAが家族を拉致し、飛び立っていったあとだというのだ。
「そんな‥‥パパは!? ママは!? 弟まで‥‥」
悲嘆にくれるミユキに、兵士達は軍に復帰し家族を救出するように説得する。
「私の家族はきっと連れ戻す」
ミユキはその説得に応じ、家族を見つけるため再び戦うことを決意するのだった。
「これが本当なら、オーディンは世界創造のために戦乱を起こしたのね」
ヴァンと魂の騎士達の旗艦スキーズヴラズニルでは、トリックスターから送られてきた謎の文書の解析が行われていた。そこには、北極に眠るアウドムラの存在と、それを用いて世界を再構築しようとするオーディンの目的が記されていた。緑マリアは、この文書の内容の真偽を疑いながらも、オーディンの強行すぎる侵略戦争に対して納得するように頷いた。
「それじゃ、我々は北極へと向かい、もしこの文書の通りにオーディンが世界を再構築しようなんて馬鹿げた事を考えてるんなら、阻止するのがとりあえずの目的ってことでいいね?」
「トリックスターの思惑通りですが、真偽を確かめなければ始まらないわね。北極へ向かいましょう」
「まぁ、真偽はともかく、北極に何かあるはず。わざわざ我々に文章を送りつけるようなことをするんだ。吉と出るか凶と出るか、楽しみだな」
ヴィオ・ローザが場を仕切り、今後の目的を決める。マリアは、相手の思惑に乗らねばならないことに顔を顰めるが、渋々頷く。その様子に、フッと笑みを浮かべながら、緑川安則は遙か彼方の何かを見据えるように目を細めるのだった。
「でも、世界の再構築なんて、そんなとんでもないこと、ほんとにできるのかな?」
話の大きさに、首を傾げる小学生、鹿島駈。
「それはわからない。けれど、私達は違う世界とかSAとか、とんでもないものを経験してきたんだ。そういうことがあってもおかしくないとは思えるね」
「できるできないじゃないの。オーディンがそれを信じて戦争を起こしてることが問題なのよ。それを止める、それが私達の使命のはず」
「マリア、あんた変わったね。以前とは違って、言葉に力がある」
駈の疑問に、首を横に振るヴィオ。彼女も、やはり話の大きさに戸惑っていた。しかし、マリアは決意を秘めた瞳で、力強く答える。その様子に、ヴィオは感心するように頷き、微笑みを浮かべた。
こうして、北極へと進路を向けたスキーズヴラズニルに、思わぬことがおきた。
「なに? 微弱なSA反応!? 敵か? ‥‥フレイBだって!?」
突然の報告を受けたヴィオが、驚きの声をあげる。報告は、大破したSAフレイBを発見したというものだった。
「それで、レイは!」
フレイのパイロットであったヴァンの騎士レイの安否を気遣うヴィオ。しかし、見つかったフレイBには、レイの姿は無かったのだった。
「ヴィオ‥‥彼女の意思は、貴女が受け継いで」
「マリア‥‥」
落胆するヴィオに、マリアは肩を叩いて言葉をかける。ヴィオはその言葉に深く頷き、その瞳に決意を込めるのだった。
「君達にも、事の真実を伝えねばならん」
ヴァルキュリアーズ旗艦、フリズスキャルヴにて、オーディンは全軍に対し演説を行っていた。
「この世界は歪んでいる! 魂の世界ヴァルハラ、肉体の世界ジ・アース、魂と肉体に別たれてしまった二つの世界のあり方は、間違っているのだ! 私は、この二つの世界を一つにし、世界を正しいあり方にするべく立ち上がった‥‥」
演説は、この戦いの意味、オーディンの目的、今後の展望を改めて伝え。結束強化、士気高揚を高めることが目的であった。
「私のやっている事は非情かも知れん‥‥だが、人心を惑わし私怨の為に戦火を伸ばす彼らの如く非道ではない。兵士諸君! 世界のため、愛する家族のため、共に戦い、正しき未来を勝ち取ろうではないか!」
「オーディン!! オーディン!!」
王たるカリスマによって裏づけされた言葉は、聞く全ての兵士を魅了し、オーディンは多くの歓声に包まれた。
「ミユキ、君の家族は反アース軍により拉致されたとか‥‥同じヴァルハラ人として恥かしい‥‥許してくれ」
「そ、そんな、オーディン様が頭を下げられることなんてないです」
旗艦、オーディンの執務室に呼ばれたミユキは、頭を下げるオーディンに萎縮し、慌てて首を横に振った。
「だが、かならず君の家族は救助する。しかし、そのためには君の力が必要だ。戻ってきてくれて嬉しいよ」
「は、はい‥‥家族は絶対に助け出します。オーディン様、よろしくお願いします」
「ああ、約束しよう」
オーディンはミユキを安心させるように優しく微笑む。ミユキもその笑みに、ホッと胸を撫で下ろした。
「私は戦後世界を統べるのは女だと確信している。勿論君達もその一人だ。両世界の真の平和の為、頑張ってくれたまえ」
「は、はい!」
オーディン率いるヴァルキュリアーズが、北極へと向かう途中で、反アース軍が移動を阻止しようと待ち構えていた。そして、北海洋上で二つの軍がぶつかり合うことになる。
「今回はアタシも出るよ! アタシとミユキは陽動、ヘルガは敵旗艦を堕としな」
ヴァルキュリアーズの司令官シェリー・ローズは、部隊に命令を出しながら、自分用のSAベオウルフのコックピットへと乗り込む。
「雑魚がいくら束になろうと、アタシには敵わないんだよ。さあ、ショーの開幕だ!」
「前方で戦闘!?」
「敵の主力はおそらくヴァルキュリアーズ、相手は反アース軍だな」
「今まで散々戦ってきてまだ戦いたいっていうの?」
北極へと向かうスキーズヴラズニル。進路の前方で戦闘が行われているという報告を受けたヴィオは、安則の報告に顔を顰めた。
「進路はどうするんだ?」
「進路このまま、戦場へと向かうわ。話し合いなんて無意味なのかもしれない、でも諦めるわけにはいかない」
「そうか。隊長のシェリーは切れている切れ者だ。いろんな意味でな。機体性能もかなり高い。ベルセルクにはフェンリルに未搭載のオーバードライブと呼ばれるシステムを装備されている。開発局でも極秘のそれは元々、トリックスターが開発したそうだ」
「シェリー。それがあの機体のパイロットの名なの。‥‥決着を着ける時が来たようね」
「北海か───行った事はないけど、人を巻き込まない、という事だけに於いては正しいのかもね」
ヴィオの判断に、全員が頷く。彼らは、戦いの場で、戦いを止めるための戦いに赴くのだった。
「勝てば官軍負ければ賊軍か‥‥この戦いに正義も悪もない、あるのは想いのすれ違い、譲れない想いだけなのにね」
回収し、修繕したフレイに乗り込んだヴィオ。激しい戦いを繰り広げられる戦場を見て、苦悩と決意の言葉を呟く。
「平和を願う人々の心は、まだ失われてはいません!」
共に戦う、フレイのパートナーエリスの言葉に、ヴィオは頷き、北海の空へと飛び立った。
「戦うしかないよね、今誰かに操られていると分かっていてもこの想いのために。エリス、行くよ」
「‥‥墜ちろ‥‥光の篭の中で‥‥メイデンズ・ケージ‥‥」
数機の反アース軍のSAを取り囲むように、無数の鏡のような遠隔兵器、鏡面エンフェリアが展開される。そして、その籠の中に数え切れないビームが飛び交い、囲まれたSA達が一度に爆発する。エンフェリアは、それを放ったSAヘル改の元に集まり、淑女を隠すヴェールのようにヘルの周囲を舞う。パイロット、ハイブリッドは表情の無い顔で淡々と敵を激破していった。
「‥‥何故オーディンと同じ感触を彼から感じる‥‥惹かれいるというのか‥‥人形であるこの私が‥‥」
そんな彼女が、一瞬表情らしきものを見せる。それは、前回戦ったトリックスターを思い出した時だった。
「あなた達は何のために戦っているのです? オーディンに言われるまま、現代世界に戦火を広げることに疑問を持たないのですか!?」
そこへ現れたのは、SAフレイアに搭乗したマリア。周囲の兵士を説得するように、声をかけていく。
「‥‥私はオーディン様の戦闘人形‥‥ハイブリッドだ‥‥そんな戯言には聞く耳は持たない‥‥」
「くっ、それでも戦うというのなら‥‥容赦はしない!」
マリアへと攻撃目標を変えたハイブリッド。その苛烈な攻撃をなんとかかわしたマリアは、決意を秘めた瞳でヘルを見据えると、機体を覚醒させSAヴェズルフォニルへと変化させる。
「反射板からはね返って来るより早く懐に飛び込む!!」
「!?」
疾風を思わせる動きで、鏡面エンフェリアの攻撃をすり抜け、ヘルへと一撃を加えるヴェズルフォニル。その一撃は、ヘルの片腕を切り離した。
「‥‥ちょこまかと‥‥」
「戦いをやめるんだ! 疾くいましめよ! 女の髭、猫の足音、魚の息! グレイプニール!!」
反撃をしようとするヘルに、駈のSAヴァルキュリアから特殊兵装『グレイプニール』が放たれる。
「機体が‥‥ううっ、頭が‥‥」
機器を狂わせ機体を拘束するグレイプニールによって、身動きが取れなくなるヘル。その拍子に、ハイブリッドは頭を押さえ、消されていた記憶を思い出す。
「‥‥私は‥‥クー・フェイル‥‥姿は小さいが巨人族の戦士‥‥」
「え、なに? うわっ!」
小さく呟いたハイブリッドは、グレイプニールの拘束を破り、そのままどこかへと飛んでいってしまった。
「トリックスター‥‥私には行く場所も帰る場所も無い‥‥だから貴方の成すべき事を私に見せて欲しい‥‥嫌でもついて行く‥‥」
「おやおや命乞いかい? 好きだよそういうの」
シェリーのSAベオウルフが、無情に敵を切り裂いていく。彼女の周囲には、どす黒いオーラが浮かび上がり、敵の攻撃はそのオーラに阻まれ効果が無かった。
「弱き者は消えな! 暗黒鳳凰天昇!」
敵が密集するど真ん中に機体を突っ込ませると、オーラを増大させ周囲を包み込む。すると、そのオーラに包まれた敵SAは、次々と爆破していった。シェリーのあまりに強力な攻撃的オーラは、SAさえも破壊することができるのだ。
「こんな所で朽ち果てる己の不幸を呪うがいい、あはっははは!」
「やっぱりシェリーは性格最悪だが腕と器量はいいぜ。立場と出会いと性格がよければ告白していたかもな!」
周囲の敵を全滅させ、高笑いをあげるシェリー。そこへ、高速で接近したのは安則の巨大SAフェンリルであった。
「はん! 裏切り者の緑川か! こんな所へのこのこ!」
安則の姿を確認したシェリーは、鼻で笑いながら攻撃を開始する。シェリーは、フェンリルから放たれる、遠隔兵器エンフェリアの攻撃、四方八方からのビームを軽々とかわし、時にはそれを打ち落とす。
「いまだ、グングニール!」
「ちっ!」
安則は、一瞬の隙をつき、長射程高出力オーラライフル『グングニール』を放つ。確実に当たると思われたその一撃は、ベオウルフを包む黒いオーラに阻まれ、弾かれてしまう。
「馬鹿だね、武器をいくら強くしてもアタシには無駄なのさ。言ったろ? アンタ、男としては二流だって」
必殺の一撃を弾かれたフェンリルは、ベオウルフの攻撃を受け次々と武装を破壊されていく。それはまるで、猫がネズミを弄ぶようである。
「だったら、これでどうだよ! 武装ユニット! パージ! ドライブ全開! ブースト!」
「なに!?」
安則が叫び、使用不能になったほとんどの武装を機体から排出、身軽になった機体は強力なブーストで加速され、シェリーとの間合いを一気にゼロにする。そして、その距離で大出力オーラソード『ブルトガング』を展開、ベオウルフを吹き飛ばす。
「ちぃ、やってくれるじゃない。まあいい、目的は達した。お前達と遊んでいる暇はないのさ」
「待て! くっ‥‥さすがにダメージを受けすぎたか。なに!? あれはスキーズヴラズニル!!」
さすがにその攻撃にはダメージを受けた様子のシェリー、しかしいまだ余裕は崩さぬまま、捨てゼリフを残し撤退する。安則は追いかけようとするが、機体の損傷は酷く、それ以上の追撃は無理であった。しかも安則は、旗艦であるスキーズヴラズニルが攻撃を受け、墜落していくところが目に入る。
「ロキ、貴方は何処‥‥え?! アタシは何を言ってるんだ?」
撤退する途中、ふと無意識に呟くシェリー。自分の言葉に顔を顰め、振り払うように首を横に振るのだった。
「我が名はヘル‥‥望むは久遠の静謐。死の円舞曲をお目にかけよう‥‥」
ヘルガの搭乗したSAヘルの攻撃に、スキーズヴラズニルは大きなダメージを受ける。そして、戦艦は北極へと墜落していくのだった。
●キャスト
シェリー・ローズ
大道寺イザベラ(fa0330)
ハイブリッド
槇島色(fa0868)
緑マリア
稲森・梢(fa1435)
ヴィオ・ローザ
レティス・ニーグ(fa2401)
緑川安則
名無しの演技者(fa2582)
鹿島駈
晨(fa2738)
ミユキ・デリカット
RURI(fa3654)
オーディン
大空 小次郎(fa3928)
ヘルガ・ベル
桜 美琴
エリス・リヴァイア
水鏡・シメイ