レッツ! お手伝い!!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水凪十夜
芸能 1Lv以上
獣人 フリー
難度 易しい
報酬 0.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 08/02〜08/06

●本文

世の中には色々な職業が溢れている!
中には、労働力が足りなくて毎日の運営に困っている企業も‥‥!
アルバイトが足りなくて困っている企業さんに愛の手を! 出演者募集中です。
芸能人の皆さんの一日お手伝い店員姿を収録し、放送させて頂く形になります。
貴方の笑顔を! 貴方の愛を! 貴方の時間を!! ほんのちょっと、分けてあげましょう。


ってな事で、記念すべき第一回のお手伝い先は‥‥!!!

■今回のお手伝い先「マンガ喫茶 αnet」
■お仕事内容
 ・お客様の接客<席案内・本探し・お食事出し>
 ・本棚整理<何万冊とある漫画を綺麗に整頓>
 ・オススメ本案内<特に読みたい本が無い客に、今人気の作品を教えてあげる>
 ・清掃<席清掃・床清掃>
■勤務時間<話し合いをして頂き、1つ選んで下さい>
朝8:00〜17:00
夜16:30〜23:00
深夜22:30〜09:00
■接客方法
店長より「おまかせします」とのお言葉を頂いております。
普通のバイトには出来ない芸能人的接客術に期待しているとの事。

尚、服装は完全自由となっております。
メイド服でもホスト服でも、思い思いの服装での勤務となります。

●今回の参加者

 fa0182 青田ぱとす(32歳・♀・豚)
 fa0829 烏丸りん(20歳・♀・鴉)
 fa1414 伊達 斎(30歳・♂・獅子)
 fa1463 姫乃 唯(15歳・♀・小鳥)
 fa1890 泉 彩佳(15歳・♀・竜)
 fa3066 エミリオ・カルマ(18歳・♂・トカゲ)
 fa4229 日下部 亮(17歳・♂・猫)
 fa4235 真喜志 武緒(29歳・♂・狸)

●リプレイ本文

●朝8:00〜17:00
 朝担当の姫乃 唯(fa1463) 、泉 彩佳(fa1890) 、エミリオ・カルマ(fa3066)の三名がスタッフルームに待機していた。
「あたし、メイド服にしてみたよ!」
 姫乃はフリルいっぱいのロングタイプのメイド服を身に纏い、くるりと軽く一回転してみせた。
「彩佳もメイドさんにしたんだよ。唯さんとダブルメイドで集客率アップだね」
「即興のメイドグループ始動だね」
 きゃいきゃいと盛り上がる女性二人の前に、やたらワイルドにスーツを着こなしたエミリオが姿を見せた。
「‥‥この格好。一応、今人気の漫画ヒーローを真似たつもりなんだけど」
 エミリオは片手に持っていた漫画を顔の横に掲げ、二人の感想を待つ。
「「そっくり!」」
 それぞれの役割を確認したのち、三人はそれぞれ店内へと向かっていった。

「いらっしゃいませ」
 とびっきりの笑顔で客を店内へと迎え入れているのは姫乃。
 惜しみない笑顔は客達の驚きと笑顔を誘い、皆こぞって店内へと押し入ってくる。
「あの、姫乃 唯さんですよね?」
 馴れ馴れしく近づいてきたのは、どうみても未成年の少年。
 口には煙草が咥えられている。
「そうですけど‥‥あっ! 煙草の煙で喉を痛めてしまうんですぅ」
「あ、すみません」
 姫乃の優しい言葉にに、少年は慌てて灰皿に煙草を押し付けた。
 煙草を消したのを確認し、姫乃は少年の手を軽く取りその目を見つめた。
「貴方の健康にも良く無いですし、煙草を吸うのは大人になってからのお楽しみっですよ」
 にっこりと笑顔で注意し、遠くから聞こえる赤ん坊の泣き声がする方へとかけていく。
 その手には、自分で用意しておいた、赤ちゃん用の玩具が握られていた。

「おはようございます」
 眠そうな目を擦りながら受付近くを歩いていた客に、泉は柔らかく笑いかけた。
 突然目の前に現れた芸能人に客は大げさに仰け反って驚いた。
「はい、どうぞ。シークヮーサーのジュースです。朝はやっぱりフレッシュなジュースが一番ですよ」
「ありが‥‥とう」
 今だ驚きの表情のままの客にもう一度微笑むと、今度はやたらと耳に付く大きな音で話している客へと向かう。
「あの、すみません」
 泉の声に、耳元に持っていた携帯電話を少し下げ、めんどくさそうに客が振り向いた。
「もう少し声を落として頂けませんか? 他の客様のご迷惑になりますので‥‥」
 泉の可愛らしい顔にうっすらと浮かぶ涙。声は可愛らしいアニメ声。
「す、すみません」
 慌てて頭を下げた客に、わかってもらえれば、っと泉は微笑み返した。

「いらっしゃいませ、我が主」
 漫画のヒーローになりきり、客達を迎えるエミリオ。
「‥‥な本あるだろぉ?」
 在庫補充をしていた時、耳に入った不快な声。
 女性アルバイトにいかがわしい本を探す様に言っている男性。
「お探しの本は何でしょうか? 本探しの担当は俺が担当していますので、俺が探しますよ」
 スッと女性アルバイトと男性の間に体を割り込ませる。
「あぁん?」
「さっき店長が君の事を探していたよ。早く行った方がいい」
 さりげない作り話で女性アルバイトをその場から離れさせる。
「お探しの本は何でしょうか?」
 笑顔を崩さないエミリオ。
 その笑顔の中に強い力を感じ、客は舌打ちして席へと戻っていった。

●夜16:30〜23:00
 朝の三人がそろそろバテて来た頃、夜担当の烏丸りん(fa0829)、伊達 斎(fa1414) 、日下部 亮(fa4229) の三名が店へと到着した。
 颯爽と最初に更衣室から現れたのは烏丸。つづく様に、伊達、日下部がそれぞれの準備を終えて集まった。
 ウェイター風の男性的な服装の烏丸に伊達が少し驚いた様に言った。
「随分と中性的なイメージだな。もっと女性的にいくのかと思ったよ」
 伊達の言葉に、烏丸は髪を束ねながらにっこりと微笑む。
「この方が男女問わず好感が持たれるかと思っただけよ」
「俺の服装はどうだ?」
 カッコよくポーズを決める日下部。身に纏っているのは今時のホスト系スーツ。
「あら、いいんじゃない? 女性客の人気を集めそうね」
「皆、用意が出来たみたいだな。‥‥それじゃ、朝の三人からバトンタッチといこうか」

 時刻は21時をまわった頃。何の問題も無くしっかりと仕事をこなしていた烏丸。
「‥‥すみません」
 客が席に置いていった漫画を本棚に戻していると、若い20代前半ぐらいの男性が声をかけてきた。
「あの、何かオススメの少女漫画とか、ありませんか?」
 男性が少女漫画を読むとゆう事に恥ずかしさがあるのだろうか。居心地悪そうに男性が顔をしかめた。
 烏丸はしばらく悩み、一つの漫画を手に取った。
「これとか、いかがですか? 10年ぐらい昔の漫画なんですけど、私は大好きなんです」
 そっと手渡された漫画。男性は恥ずかしそうに伏せていた顔を持ち上げた。
 その瞳に映ったのは優しく微笑みかけている烏丸の姿。
「‥‥だから、貴方にも好きになってもらえたら嬉しいです」
「は、はい。ありがとうございます」
 最後まで男性を見送り、烏丸は小さく微笑むと残りの本を戻し始めた。

 夕方、店に届いた明日発売の雑誌と漫画の新刊。
 結構な数が届いたのだが、伊達は恐ろしい程のスピードでテキパキと作業を行い陳列していく。
「すみません、ちょっといいですか?」
 片付けていた伊達に、遠慮気味に声をかけたのは若い女性。
「あの、何か子供の気持ちを理解出来る様になる漫画とかって‥‥ありませんか?」
「子供の気持ちですか?」
「私、保育士を目指していて。難しい本でも勉強もしているんですけど、漫画の方がとっつきやすいかなって」
 女性の話に、伊達はなるほどっと頷き、レディースの漫画棚に置いてあった漫画を手に取った。
「コレは孤児院を営む女性にスポットを当てて書かれた作品なのですが、とても深い所まで書かれていて勉強になると思いますよ」
「ありがとうございます、早速読んでみますね」
 ペコリと頭を下げ、女性は嬉しそうに伊達から離れて行った。
「事前に色々なジャンルを調べて確認しておいて正解だったな」
 伊達も満足そうに微笑ながら、次の客の相手を始めた。

「よっしゃ!」
 大きく喜びを表しながらも、少し遠慮気味な日下部の声が店内に響いた。
 先着5名様まで自分と腕相撲をし、勝ったら利用料1時間無料っとゆうゲームを行っていた。
 3人目からラストまで連続で負けつづけた。
「こんな所に来る様な客なら腕力ないと思ったんだけどな‥‥」
 激しく落ち込み、カウンターの隅で影をしょって座っていた姿がカメラにしっかりと撮られていた。
 勝手に書き加えた日下部特別メニュー。女性対象のエスコートも、腕相撲もどちらも大盛況だったが‥‥いよいよ問題発生。
 お酒が入った男性客が、意味も無く大声で怒鳴り散らしている。
 日下部は男性客に注意をするが、聞く耳を持たず、大声は止まらない。
「ちょっと、こちらまでお願いできますか?えぇ、ちょっと‥‥はい、こちらです」
 引きつった笑顔で、半強制的に男性客を誰も居ないスタッフルームに連れ込む。
カメラも入ろうとしたが、日下部に止められドアの前で待機。拳でのお話し合い中であろう。
 数秒後、スッキリ笑顔で男性客が姿を現し、カメラ目線を決めて離れていった。
「顔だけは守った俺を褒めて‥‥」
 それだけ口にすると、日下部はパタリと完璧に倒れこんだ。

●深夜22:30〜09:00
 夜の三人が忙しく走り回っている時、深夜担当の青田ぱとす(fa0182) 、真喜志 武緒(fa4235)の二名が店にやって来た。
 店に着くや否や、真喜志は心配そうに携帯を握り締めている。
「どうかしはった?」
「幼い娘を置いてきたんで、心配でっ! でも、あの子はしっかり者だから! きっと大丈夫ですよね?」
 青田にすがる様な視線を向ける真喜志。一瞬キョトンとした青田だったが、豪快に笑った。
「大丈夫! 大丈夫!! あんたも早よ準備しな。あたしらの出番でっせ!」
「はっ、はい!」
 堂々と店に出て行く青田の後を、真喜志は追う様に後に続いて店に出て行った。

 昼間に出来ない、細かい部分の清掃や、在庫補充など、青田は忙しそうに走り回る。
「夜はテンションが上がるのはわかりますが、朝になるととっても恥ずかしくなると思うので程ほどにお願いしますね♪」
 酔っ払い達が騒ぎ出すと、可愛らしい少女の声色で邪魔にならない程度の店内放送を流した。
「こちらにコーヒー置いていきますわ。ほな、ごゆっくり」
「のまはりますか? 今、ご用意させてもらいますさかいに」
「最近これの新刊出たんですけどな、少女マンガとか読みはります?」
 押し付けがましくない、気の利いた接客に、客は満足そうに時間を過ごしていた。
 青田自身も、自分の接客に対しての好意的な反応に満足していた。

 アロハと麦わら帽子の格好で、ウクレレ片手に店内を彷徨っている真喜志。
 希望する客に、ウクレレの演奏サービスをしてまわっている。
 予想以上に好評で、真喜志が調子にのりかけた時、問題発生。
 深夜の迷惑客が騒いでいる。
「すみません、お客様。少々よろしいでしょうか?」
 言葉で注意しても駄目そうだったので、真喜志は迷惑客を厨房へと呼び出す。
 不機嫌そうな客に、真喜志はいきなりお得意の芸を披露し始めた。
「マキ・マキ・マッキー♪ マキタケオ♪ 漫画カフェでアルバイト♪ 」
 ウクレレ弾きながらの漫談。
「‥‥‥‥」
 気付けば客はその場で爆睡中。
 穏やかな顔で眠る客の顔を見て、小さな達成感とも呼べる喜びが湧き上がり、真喜志の顔に笑顔が浮かんだ。