which!?アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水凪十夜
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
易しい
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報酬 |
0.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/17〜08/21
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●本文
――某番組会議。
「ですから、やはり芸能人はカリスマ性が大事なんですよ!」
力強く机を叩きながら熱弁するスタッフA。
今日の会議は、新しいバラエティ番組を作るための最終的な会議。
この会議で番組の内容が決まる。
「カリスマ性ねぇ〜‥‥」
決定権を持つプロデューサーがため息混じりに呟く。
あまり乗り気じゃないのか、手元にある灰皿には煙草の吸殻が山盛りだ。
「カリスマ性を全面に押し出した番組内容、例えばどんなだ?」
プロデューサーの言葉にスタッフAは踏ん反り返って答えた。
「少数派ですよ!」
「少数派?」
「芸能人は多数派より少数派でないと!」
ドンッと机の上に出されたフリップには、二択問題が沢山書かれていた。
「‥‥カリスマ性ってのは置いといて、少数派‥‥ってのはおもしろいかもしれねぇな」
プロデューサーはニヤリと口の端を持ち上げた。
■番組名
「which!?」
■番組内容
クイズ番組形式で、出される問題に対し二択の答えからどちらかを選ぶ。
選んだ人数の少ない方が正解となりポイントが入る。
優勝者は、番組which!? にカリスマ性があると認定され、歴代カリスマ芸能人として写真が飾られる。
■今回の問題
1:大型テーマパークに一緒に行くなら?
A:阿波踊りを踊りながらじゃないと歩けない金髪外人
B:赤ちゃん言葉しか喋れないおじいさん
2:食べるならどっち?
A:コンデスミルクたっぷりのキムチ
B:チョコレートたっぷりのポテトサラダ
3:存在しても許せるのは?
A:渡ろうとしたら赤にする信号機
B:渡ろうとしたら遮断機を下ろす踏み切り
4:受け取るとしたら?
A:たっぷりと使い込まれ汗と匂いの染み付いた見た目は綺麗な靴
B:新品なのに何十年も使い古された様に見える程汚い靴
●リプレイ本文
●オープニング
「カリスマ性を求めて灼熱の戦いが始まろうとしています!」
やたらとマイクを持つ手に力が入っている司会者が、声を張り上げ観客を盛り上げる。
会場に入っている観客は仕込みなのかそうでないのかは不明だが、異様な程盛り上がっている。
「ルールは簡単! 出される問題の答えを二択から選ぶだけ! ましだと思うほうを選んでください」
司会者の後ろにある大きなスクリーンに簡単な図解で番組の内容が映し出される。
「選んだ人数の少ない方が正解となりポイントが入ります。こんな問題を正解して優勝したからってカリスマとは言えないんじゃないか?」
司会者は口元をニヤリと持ち上げて笑った。
「そこはそれ! 気にしてはいけません! 早速チャレンジャーご紹介!」
「根っからのギャンブル好き! その運の強さで優勝も持っていくのか!? 豊浦 まつり(fa4123)!」
「全てはサイコロ次第だけど、負ける気はしないよ」
手に握っているサイコロを空中に軽く投げ、パシッと華麗にその手に握り締めた。
「経験豊富な大人の意見で優勝を掻っ攫うのか!? 白海龍(fa4120)!」
「経験豊富かは分かりませんし、それが関係あるのかは分かりませんが、やれるだけやってみマス」
口では謙遜気味だが、その表情は優勝という栄光の先にあるカリスマの炎を見つめている。
「その声は天使の如く! 神をも味方につけ、優勝を勝ち取るのか!? 豊田そあら(fa3863)!」
「神様が味方してくれるかは分からないけど、頑張りますねっ!」
アイドル声優らしい可愛らしい仕草と声で、観客達(特に男)のボルテージも高まった!
「最年少のチャレンジャー! 今回のダークホース現る!? 武田信希(fa3571)!」
「やるしかない‥‥だよね? が、頑張ってみます」
少し不安げな表情を浮かべながらも、その目には気合のオーラが光っていた。
「爽やか好青年! その笑顔で、さらりと優勝もいただきか!? ラリー・タウンゼント(fa3487)!」
「どんな問題が出るのか不安だけど、ポーカーフェイスで頑張ってみるよ」
にっこりと微笑むと、観客達(特に女)のボルテージがはちきれんばかりに高まった。
「意欲的なチャレンジ精神の持ち主! 勢いに乗って優勝もその手に掴むのか!? 咲夜(fa2997)!」
「やっほ〜、咲夜だよ。バラエティ初参加だけど一生懸命頑張ります!」
カメラ目線を決め、片手に握り拳を作り顔の横に掲げ気合をアピール。
「おっとりフードファイター! カリスマフードファーターの栄光を目指し優勝も美味しく頂くのか!? 津野雪加(fa0513)!」
「あまり深く考えないで、直感的に頑張ってみようと思います」
ふわっとした微笑みに、スタジオ内の緊張した空気が良い感じに解けた。
「舞い降りたる美声! まるで楽を奏でるかの様に、華麗に優勝を手にするのか!? 篠田裕貴(fa0441)!」
「全ては感じたままに‥‥ってね」
甘さの滲んだテノールの声に、観客達は(男女共に)酔いしれた。
「以上の8名! 早速問題といきましょうっ」
●第一問
「第一問。大型テーマパークに一緒に行くなら?」
A:阿波踊りを踊りながらじゃないと歩けない金髪外人
B:赤ちゃん言葉しか喋れないおじいさん
「それでは、一斉に答えを出して下さい。あ、豊浦さんから順に選んだ理由も簡単にお願いします!」
豊浦まつりの回答。(サイコロを振っての回答。出目1)
「Aだね‥‥理由? まあ‥‥楽しいじゃない阿波踊り? (微妙に疑問系)」
白海龍の回答。
「Bですネ。Bのほうは言葉ダケなのデ問題ありまセーン!」
豊田そあらの回答。
「あたしはAの方かな? 一緒にいると一緒に踊らされそうだけど、踊れば楽しいかもしれないし〜♪」
武田信希の回答。
「A。どうせテーマパークなんてアトラクションの間を走るものだし‥‥」
ラリー・タウンゼントの回答。
「Aかな。いや‥‥なんとなーく一緒に居ると愉快そうだからね。視覚的にはもの凄く疲労感を覚えそうなんだけども」
咲夜の回答。
「B! 言いたい事を先に理解しちゃえばいいし、最悪の場合『言葉がこのごろ不自由になっちゃったから』って言い逃れも出来るしね」
津野雪加の回答。
「Aですね。おじいさんと行くよりも楽しめそうですし、一緒に踊ってもいいですね」
篠田裕貴の回答。
「Bだね。喋らせないようにすれば万事解決! 喋ろうとしたら話を遮るということで。‥‥実際、本当にそうできるかは全く自信ないけどね」
A5人。B3人。結果Bを選んだ、白海龍、咲夜、篠田の3名に1ポイントづつ加算。
●第二問
「つづいて、第二問。食べるならどっち?」
A:コンデスミルクたっぷりのキムチ
B:チョコレートたっぷりのポテトサラダ
豊浦まつりの回答。(またもサイコロ回答。出目3)
「ん、Aで‥‥んーと‥‥ほら、甘いのと辛いので中和されたりするんじゃない? 多分(明らかに適当)」
白海龍の回答。
「Bデス。ポテトにチョコレートを絡めたお菓子ナラ普通に無くはナイカラです!」
豊田そあらの回答。
「迷わずにBかなかな? メキシコかどこかにチョコレートを使ったソースって言うのがあるくらいだし♪」
武田信希の回答。
「B。キムチって食べたことないから、味が想像できる方がいいかと思って」
ラリー・タウンゼントの回答。
「Aだね。どっちも許せないけど、強いて言えばこっち。ポテトサラダの方はカロリーが馬鹿みたいに高そうだから」
咲夜の回答。
「Bだよ! 辛甘いモノより甘いモノの方が許せるし、見た目がまだましだからね。乙女的にAの見た目は許せないしね」
津野雪加の回答。
「Bです。チョコレートの付いたポテトチップスはおいしかったですし、案外おいしいかもしれません」
篠田裕貴の回答。
「A。甘いものと辛いものでお互いが相殺されるかもしれないし。料理をする立場の人間としてはどっちもいやなんだけどね」
A3人。B5人。結果Aを選んだ、豊浦、ラリー、篠田の3名に1ポイントづつ加算。
●第三問
「勢いに乗って第三問。存在しても許せるのは?」
A:渡ろうとしたら赤にする信号機
B:渡ろうとしたら遮断機を下ろす踏み切り
豊浦まつりの回答。(相変わらずサイコロ。出目2)
「ハイハイ‥‥偶数だからBね。車は止まれるけど電車は止まれないから危ないから、でいいかな理由は? (疑問系)」
白海龍の回答。
「B。だって、踏み切りナラ××××××××(ピィーッ)マス‥‥あ、禁止音が入っちゃいマシタネ」
豊田そあらの回答。
「これはBかな? 実際に開かずの踏み切りってこんな感じじゃない?」
武田信希の回答。
「A。だって、赤信号みんなで渡れば怖くない、ってカンヌ賞受賞監督も言ってるし。‥‥駄目?」
ラリー・タウンゼントの回答。
「Bで。日本にはこういうところがあるってのを聞いたことがあるから。俺の国に存在したら、訴訟起こされまくりな代物ではあるよね」
咲夜の回答。
「Aの方かな。本当はしちゃ行けないんだけど、車の流れを見ていれば、赤信号だって結構安全に横断出来たりするからね。あ、本当にやっちゃ駄目だよ?」
津野雪加の回答。
「Aです。それを避けて、回り道すると信号のほうが短くてすみそうですし」
篠田裕貴の回答。
「Aで。どっちも厭だけど、強いて言えばマシなのはこっちかな、と」
A4人。B4人。結果引き分けなので全員に1ポイントづつ加算。
●第四問
「もうラスト! 受け取るとしたら? 」
A:たっぷりと使い込まれ汗と匂いの染み付いた見た目は綺麗な靴
B:新品なのに何十年も使い古された様に見える程汚い靴
豊浦まつりの回答。(最後までサイコロ。出目5)
「ん、Aで。まあ、使い込んである靴って靴擦れしづらいから? (もはや棒読み)」
白海龍の回答。
「Bデス。見た目しか問題ナイんですから、受け取ってどっかに仕舞いコンデおけばイイデス」
豊田そあらの回答。
「Bかな? ビンテージ物とかってこんなのばかりでしょ? 古い物の方がいいって言うのはあるじゃない♪」
武田信希の回答。
「B。長持ちするじゃない。外見は手入れの問題。後でこまめに、ね?」
ラリー・タウンゼントの回答。
「Bかな。理由は、どうせ靴なんて履き潰しちゃうんだから、新品の状態でボロボロだろうが何だろうが構わないよってことで」
咲夜の回答。
「Bの方がましかな。だって、Aの方は見た目はともかく持ったら手が腐りそうだから、たぶん生理的に受け付けないと思うよ」
津野雪加の回答。
「Bです。水虫がついていそうでいやです」
篠田裕貴の回答。
「Bで。誰かが使ったものってすっごく抵抗があるんだよね。うっかり水虫とかうつったら笑えないし」
A1人。B7人。結果Aを選んだ、豊浦に1ポイント加算。
●総合結果
豊浦まつり3P
篠田裕貴3P
白海龍2P
ラリー・タウンゼント2P
咲夜2P
豊田そあら1P
武田信希1P
津野雪加1P
「豊浦さん、篠田さんのお二人が同点優勝! 初代which!? 認定カリスマ芸能人の誕生です!」
「ん‥‥この賭け、私の勝ちだね」
深く興味は無さそうだが、やはり同点とはいえ優勝の栄冠を得た豊浦は満足そうに微笑む。
「まさか優勝するとは思わなかったな。カリスマっていうのは置いておいて、素直に優勝は嬉しいよ」
篠田の柔らかい微笑みと共にスタッフロールが流れ、第一回の放送は幕を閉じた。