朝笑サプリ 自己紹介編アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 宮下茜
芸能 フリー
獣人 フリー
難度 普通
報酬 0.8万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/01〜10/03

●本文

『ここはとある高等学校。
 少し面白い先生と生徒達が織り成す学園の1コマを、出勤・通学前の貴方に・・・』


 ガラリと扉を開けて入ってきたのは、どう見ても高校生にしか見えない、ゴシックロリータな衣装に身を包んだ1人の女性だった。
 無言でツカツカと教壇に上がると、教卓をバンと思い切り叩いて顔を上げた。
「初めまして、私の名前は綾音 乱華(あやね・らんか)。貴方達の担任です」
 口調はキビキビとしているのに、声はいたって可愛らしい。
 かなりキツイ口調で言っているつもりなのだろうが、甘い声が全てをぶち壊している。
 乱華がクルリと黒板の方を向き、白いチョークで自分の名前を書き付ける。
「趣味は人形集め、特技はレース編み、好きな言葉は一攫千金!」
 乱華は丁寧にそれらの言葉もカツカツと黒板に書き連ねると、チョークを置いた。
「さて、私の自己紹介はこれくらいにして・・・今度は貴方達の番ね。出席番号1番の人からその場に立って自己紹介をしてもらうわ」
 黒板に書かれていた文字を消すと、新しくチョークで何かを書き始める。

・自分の名前
・趣味or特技
・好きな言葉
・得意な教科or苦手な教科

「この4つについて紹介して頂戴。それから、この教室内でのルールを幾つか紹介します。これはとても大切なことなので、資料にして作っておいたから手元に渡り次第よく読んでおいてね」

・暴力はいけません
・教室内のものを壊してはいけません
・教室内を汚した場合は罰掃除
・誰かがボケた場合は必ず誰かがツッコんであげましょう
・笑いは爽やかにとりましょう
・制服はきちんと着ましょう
・クラスでの合言葉を忘れないようにしましょう

「合言葉は最後に皆で声を合わせて言います。“皆さん元気に行ってらっしゃいませ”これが言えない人はクラスの人間ではなく、他のクラスの刺客です。皆さん気をつけましょう」

●今回の参加者

 fa0048 上月 一夜 (23歳・♂・狼)
 fa0868 槇島色(17歳・♀・猫)
 fa1294 竜華(21歳・♀・虎)
 fa1401 ポム・ザ・クラウン(23歳・♀・狸)
 fa1890 泉 彩佳(15歳・♀・竜)
 fa2132 あずさ&お兄さん(14歳・♂・ハムスター)
 fa3635 甲斐・大地(19歳・♀・一角獣)
 fa3822 小峯吉淑(18歳・♂・豚)

●リプレイ本文

「それじゃぁ、出席番号1番、甲斐・大地(fa3635)から」
 その言葉に立ち上がったのは大地とあずさ&お兄さん(fa2132)だった。混乱する教室内。ドッペルゲンガー!?それにしても随分似ていないと、焦るクラスメイト。
「妙ね、2人いるわ。まぁ、いーか。それじゃぁ、自己紹介を・・・」
「えぇっ!!どっちが本物の甲斐さんなんですか!?」
 乱華の投げやりな言葉に立ち上がったのは『疾風のツッコミ隊長“小峯吉淑(fa3822)”』だ。
「って言うか、なんですかそのテロップ!」
「えっと、それじゃぁ僕が偽物かな?」
 本物の大地が苦笑しながら席に座ろうとして・・・あずさが「てへ♪」と可愛らしく笑うと何事も無かったかのように席に着いた!!
「貴方が本物じゃないですか!」
「うん、そう。僕が本物の甲斐・大地です。親しい人は“だいち”って呼んでくれるんだ。趣味は踊ることだよぅ。好きな言葉は、マツ・・・」
「それ好きな言葉とはちょっと違うと思いますからっ!」
「え、違うの?えっと、苦手なきょうかは体力きょうかだよね。あの体力増進プログラムで体の限界・・・」
「えーっと、“きょうか”違いだと思うのだけれど。強いじゃなくて教えるね」
 竜華(fa1294)がパシっと的確なツッコミを入れ、大地が無邪気に「そうだったんですか〜」と呟くとペコリと頭を下げて席に着いた。

「それじゃぁ、次は竜華」
「名前は竜華。趣味は料理です。好きな言葉は一日一ぜん。苦手な教科は家庭科です」
 何事もなく終わったかのように見える竜華の自己紹介だったが、疾風のツッコミ隊長吉淑には1つだけ気がかりなことがあった!
「あの、どうして夏服なんですか?」
 むき出しの腕に視線が集中する中、竜華が「あぁ」と口の中で呟く。半袖であると言う事に何か重大な意味でもあるのだろうか!?
「もう十月だったか、道理でちょっと肌寒いかと。皆さん、衣替えの季節です。こういった間違いのないようにしましょう」
 バッチリカメラ目線で真顔の竜華。
「その前に自分が間違えてるじゃないですか!」
「ふむ、好きな言葉は一日一善。それでキミは今日、なにか良い事をしたのかね?」
 上月 一夜(fa0048)がそう言って首を傾げ、腕を組む。
「え?しっかり朝食は作ってきたけれど」
「一日一膳と間違えてないですかそれ!?と言うか、苦手な教科家庭科でしたよね!?」
「料理の腕前に疑問があるなら作るけど?まずは野菜を切ります」
「お料理番組じゃないです!野菜なんてないですよっ!」
「すでに出来たものがここに・・・。あら?スタッフさん!持って来てください!」
「スタッフさん頼りなんですかそこ!?」

「じゃ、次は上月 一夜」
「はい。私の名前は下月卓(しもづき・すぐる)・・・多分画面下のテロップには『上月 一夜』と出ているだろうが気にしないでくれ。そちらが本名だ」
「あんたもですかっ!!!」
 ツッコミの同志だと思っていた一夜の不意の裏切りに、吉淑の心は本能寺の変での織田信長の心とリンクした!!
「さて、好きな教科は国語。好きな言葉は早くもマカデミー賞絶望!」
「その言葉のどこが好きなのか知りたいわね」
「趣味は登山と毎朝のラジオ体操。余談ながら何故だか私の辞書にはラジオ体操が第3まであるのだよ」
「本当に余談ね・・・」

「それじゃ、次は槇島色(fa0868)」
「じこ紹介・・・さっき、近くの交差点で車同士の衝突があってパトカーや救急・・・」
「その事故じゃないから!」
 吉淑が顔の前で手を振り、必死に色の間違いを正そうとする。
「名前は槇島色。趣味はバイクに乗ることで、これがバイクに乗る時のヘルメットです」
 そう言って出されたものは、安全第一と書かれた眩しいまでの黄色のヘルメットだった。
「随分面白いものをかぶっているのね・・・」
「あれ?いつの間に摩り替わったんだろう。それで、好きな言葉は一石ニちょう。二丁拳銃で一枚岩を砕くなんていつかやってみたいですね」
「・・・一石ニちょうは、鳥って書くのよ」
「えっと、好きな科目は科学。実験は爆発です」
「そんな恐ろしいこと声を大にして言わないで下さい!」
 ツッコミは夏服の竜華と自分しかいないと言うことを悟った吉淑が健気にツッコミを入れる。
「これで自己紹介を終わります。・・・それで、さっきの事故だけど、車は・・・」
「それはもう良いですからっ!」

「それじゃぁ次、明日葉あずさ」
「はい。初めまして、明日葉あずさですっ。ちなみに正式な発音はイェアスィタヴァ・イェアズスァ・・・です♪」
「え、それ何語なのかしら?」
 可愛い笑顔には似つかわしくない濁った名前の発音に、竜華がこめかみを押さえながら口の中で「イェアズ・・・違う。イェアスィ??」と何度も繰り返している。
「えっと、趣味は多分良い方だと思います」
「え・・・趣味はなんなの?」
「あ、趣味は男の子ウォッチン・・・っと、食べ歩きです!」
 テロップに採用されたのは前者の方だった。
「好きな言葉は、疲れたよ、パト・・・」
「“疲れたよ”で始まる言葉なんかを好かないで下さい!」
「得意なメニュー・・・じゃなく、得意な教科は給食です!」
「給食は教科じゃないわ。家庭科にしたらどうかしら?」
 竜華の助言に素直に頷くあずさ。自分の得意科目なのに、それで良いのか・・・?

「次、泉 綾佳(fa1890)」
「はい。学園のアイドル、泉 綾佳です。アヤって呼んでください☆」
「今日初めて来たのに、もうアイドルになってるんですか!?どれだけ情報網張られてるんですかこの学校!」
「好きな言葉は、男の子に『好きです』『カワイイ』とか言われちゃうとアヤも嬉しいです」
 微妙な顔をするクラスメイトは気にもせず、自分で言って自分で照れている綾佳。
「得意な科目はホームルームと修学旅行です」
「どっちも科目じゃないんだけれど・・・」
「あとアヤ、占いが得意なんです。後で皆さんを占ってさしあげますねぇ」
 無邪気な綾佳の笑顔に、占いと聞いて心動かされる女性陣。だがしかし、竜華と吉淑は何か言い知れぬ不穏な空気を感じ取っていた。

「次、ポム・ザ・クラウン(fa1401)」
「おはようございます。ポム・ザ・クラウンです。プロレスラーみたいな名前―とか、思わないでっ!デストロイヤーとか付くよりはマシだと思うのー」
「おっと、残念ながらテロップにはポム・ザ・デストロイヤーと出ているようですね」
 乱華の言葉に、ショックを受けるポム。よりにもよってそんな横暴な間違いをしなくても!
「・・・泉さん、芸名取り替えてみません?」
「えぇっ!アヤはアヤですよぉ〜!」
 急に話を振られたアヤが首を振る。
「ポムは、仏語で林檎。林檎のように愛されるようにとつけられました。と言うのは嘘で、ポン菓子からつけられたそうです。と言うわけで、お近づきの印にポン菓子をどうぞ」
 思わぬおやつに一番喜んだのはあずさだった。パクパクと食べ・・・手がベタベタになる。
「はい、手がベタベタですね。さて、得意教科は体育です」
「って、何事も無かったかのように自己紹介続けちゃうんですか!?」
「好きな言葉は『芸のためなら級友泣かす』です。それでは、特技を披露しますね」
 吉淑がツッコもうとする前にポムはそう言うと、傘の上に色々なものを乗っけて回し始めた。野球のボールから何から、どんどん投げて良いと言う言葉に面白がって皆が一様に思いのものを投げる。その中で、不意に四角形の黒いものが乗せられ、ポムが首を傾げる。
「あれ?誰かのお弁当箱が・・・中身、凄いことになってるだろうね・・・」
「あぁっ!!僕のお弁当箱っ!!」
 そう叫んだのは吉淑だった。ガラガラと容赦なく回されるお弁当箱は虚しいものがある。
「・・・あ、でもビビンバだから大丈夫ですね」
 不意に中身を思い出した吉淑が安堵する・・・が、ビビンバだから良いと言う問題でもない。

「それじゃぁ最後はツッコミ隊長」
「変な名前つけないでください!アンニョン、小峯吉淑です。韓国から来ました!趣味はキムチの砂糖漬けを作ってケーキにすることです」
 ツッコミ隊長の華麗な食生活に、誰もが閉口する。
「好きな言葉は『人の振り見て我が振り直せ』得意教科は論理、微分積分、クリーニングです」
 教科と言うよりは得意分野といった細かな指定に、クラスメイトが非難の視線を向ける。さっきまでアレほどツッコミ隊長だったのに、自己紹介ではとんだボケだ。
「・・・えっ!?な、なんですか、僕はボケてないですよ!しっけいな!」
「きっと、吉淑さんは天然なんですね。可愛いです♪」
「ツッコミ天然ボケ隊長小峯だな。よし、覚えた」
「先生!そんな微妙な名前で覚えないで下さい!」
「・・・おっと、そろそろ時間だな。そう言えば泉、占いやるんだろう?」
「はい!『アヤの12星座&血液型占い☆48』を!」
「時間的に終わらないわよそれ」
 竜華のツッコミも虚しく、アヤは既に早口で占いを読み始めている。
「ラッキーパーソンは人間国宝、ラッキーアイテムは・・・」
「よし、泉だけ居残りで占い全部言って帰れよ。それじゃぁ、起立・礼!」


 「皆さん元気に行ってらっしゃいませ!!」


「ラッキーカラーは・・・」