サムライ×ブシドーアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水貴透子
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
易しい
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報酬 |
4.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/08〜07/10
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●本文
電脳世界『ヘイアン』の治安を守るサムライ達の物語―‥開幕!
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『サムライ×ブシドー』というネットゲームが今、爆発的に人気を誇っている。
プレイヤーは『サムライ』と呼ばれるキャラクターを製作し、電脳世界『ヘイアン』の事件を解決していく。
ゲームの内容は至ってシンプルなもので、事件などは毎日のように更新されている。
これは――‥電脳世界『ヘイアン』に住むサムライ達の物語―――‥。
※※※
火のエリア:サラマンド
水のエリア:ウンデネ
風のエリア:シルフィール
土のエリア:ガイスアト
これが『ヘイアン』を分ける四つのエリアだ。
サムライ達は『御所』と呼ばれるギルドに登録して、仕事である依頼を探す仕組みになっている。
今回はサラマンドの地を夜な夜な徘徊する『緋色の男―ブラッドマン―』の退治という依頼になる。
緋色の男はサラマンドの住人を無差別に殺してしまう『有害者』だ。
有害者を放っておけばサラマンドの住民は、どんどん殺されてしまう。
そこでキミ達、サムライの出番と言うわけだ。
詳しい詳細は報告されていない。
頑張って緋色の男を退治してくれ――‥。
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●募集事項
◎映画『サムライ×ブシドー』では出演者の皆様を募集しています。
◎今回の話に必要な役柄は以下の通りです。
・サムライ(何名でも可)
・緋色の男(男性/一名)
※このシナリオではプレイヤーではなく『作成されたキャラ』を演じる方を募集しています。
よって『●●のPLを演じる』という事はできませんのでご了承下さい。
※設定など※
※サムライ→近距離攻撃を得意とする職業。
※ゲイシャ→中・遠距離攻撃を得意とする職業。
※フジヤマ→援護・回復系を得意とする種族。
○現在は上記三つの職業しか存在しません。
○それぞれの職業には『ブシドー』と呼ばれる特殊能力があります。
それぞれの職業に合わせた能力を自由に考えていただいて結構です。
●リプレイ本文
「此方にこのような男が徘徊していると聞いていますのですけど」
エリア・サラマンド――中心都市・ボッカニアの酒場でエル(トール・エル(fa0406))が街人に問いかけていた。
今回の標的は、緋色の男(伝ノ助(fa0430))と呼ばれる有害者である。
「有害者であろうが、ヘイアンにわたくしがいる限りは平和ですわよ!」
エルは高笑いをしながら叫ぶ。
「貴方も緋色の男を捜しているですか、湯菜(角倉・雨神名(fa2640))も今度発売される水着が欲しくて、探しているです」
湯菜は緋色の男を倒した後に貰える報酬が欲しくて、依頼を受けているようだ。緋色の男は手強い為か、御所で貰える報酬の金額が今までの比ではない。
「はぅっ、決してお金の為だけに動いているわけじゃないですよっ」
湯菜が慌てて弁解するが「分かっていますわ」とエルは笑んだ後に答えた。
「緋色の男だかなんだか知らないが、そんな奴は俺が叩っ斬ってやるぜ」
やや長めの日本刀を携えて酒場に入ってきたのは‥紫電(ブリッツ・アスカ(fa2321))だった、彼女もどうやら緋色の男の事でやって来たらしい。
「まぁ、適当に探してりゃ‥そのうち出てくるだろ」
そう言って紫電は酒を一杯頼み、ぐいと飲み干した。
「‥あら、もしかして貴方も緋色の男を捜していますの?」
エルが視線を向けた先には、御所で渡されたメモを持つ男――緋煉(日向翔悟(fa4360))が立っていた。
「うむ、拙者も緋色の男を捜して色々と動いていたのだが、どうやら手強い相手の様子。同じ目的なら手を組まぬか?」
緋煉はそう言って自分で調べた事を纏めたメモを、皆に見せた。
「メモを見る限り、出現場所は偏っていますのね」
エルが緋色の男が過去に出現した場所の事が書かれたメモを見ながら呟く。
「これなら、周辺で待ち伏せしてりゃ会える可能性が高いかもな」
紫電が呟きながら刀の手入れをする。
「ゆ、湯菜が回復役をしますです、が‥頑張りましょ」
湯菜は少し怯え気味に呟き、メンバーは緋色の男が現れるであろう場所へと移動した。
「さぁて‥今夜も始めようかね」
夜空に浮かぶ月を見ながら、クククと狂気染みた笑みを浮かべる男――この男こそが今、ヘイアンを‥サラマンドを脅かせている有害者と呼ばれる『緋色の男』だ。
「ヘイアンの人間共よ、俺の力を増やす為の礎となれ――!」
そう叫びながら、緋色の男は今夜襲撃する場所へと移動を始めた。
「皆さんも緋色の男を捜して――ですか?」
酒場から、今夜現れるであろう場所に移動したメンバーに問いかけてくるのはカグライ(辰巳 空(fa3090))と名乗った御所所属のフジヤマだった。
「実は私も以前から調べており、倒すチャンスを見計らっていたのです、もし良かったら私も手伝わせていただけませんか?」
カグライの言葉に「私も手伝わせてちょうだい」とアララギ(花鳥風月(fa4203))が重そうな十二単を纏った女性が現れた。
「私も緋色の男に関して、人の多いエリアで調べていたのよ、今回が倒すチャンスだと思って‥足手まといにはならない自信はあるけど?」
此方こそ宜しく、誰かがそう言いかけた時に物凄い殺気がメンバー達を襲った。
「今日も楽しく辻斬り――と思ったら‥御所の犬共‥か、ちょうどいいや‥そろそろ雑魚共じゃ物足りなくなってきていた所だし――なっ!」
そう言うと同時に緋色の男は前衛で構えていた緋煉と紫電に襲い掛かってきた。
「‥くっ、迸れ!烈火の斬撃!」
緋煉は叫びながら二刀による連撃『烈火の斬撃』を繰り出した。この能力は命中率と打撃力は大幅に上がるが、敵からの攻撃を避ける回避率が大幅に下がる諸刃的な能力だった。
「いきなり‥斬り掛かってくるんじゃねぇよっ!」
紫電は叫び、周りを照らす為に持っていた提灯を緋色の男目掛けて投げつける。緋色の男は「ふん」と鼻を鳴らし、提灯をさらりと避けた。
「楽しませてくれよ?じゃないと‥つまらねぇからなぁっ!」
緋色の男は日本刀を構え、御所所属のサムライ達に襲い掛かってくる。
「皆さん、陽光で守備力を上昇させておきましたので」
カグライが味方に話し、自分には姿を隠れさせる『月光』を使用して弓で討つチャンスを待つ。
「辻斬りだけではなく、人を殺める事も犯罪ですわよ」
エルは瞬歩で緋色の男を撹乱させながら「ほらほら、何処を見ているんですの?」と嘲るように笑った。
「くっ‥ネズミ共が!うろちょろするなぁっ!」
緋色の男は日本刀を振り被り、扇子から水を出して戦うアララギに斬りつけた。
「きゃあっ!」
ガクンとアララギは膝をつき、傷口を抑える。やはり有害指定されるだけあって攻撃力は半端ないものがあった。
「凄い攻撃力なのです‥湯菜がくらったら一撃で瀕死です‥」
感心したように湯菜が呟き、ハッとしたように「回復しなきゃです!」とアララギに駆け寄る。
「いたた‥このままじゃ動けないわね」
「大丈夫です、湯菜が今から回復しますっ!茶道の精神は一期一会‥出会いを大切にですっ」
湯菜はお茶を一生懸命点てる、すると茶葉と緑のオーラが舞い、アララギの傷口を段々と塞いでいく。
「ありがとう、おかげで助かったわ」
アララギは湯菜の頭を撫でて礼を言うと、戦闘に戻る。
「貴方という回復薬がいれば、緋色の男に苦労する事はなさそうですね」
月光を一時解除し、湯菜に話しかける。
「はい☆湯菜、頑張りますっ!」
そして場面は戦闘に戻る。
「お主、何故に辻斬りなど愚行を繰り返す?」
緋煉が問いかけると緋色の男は「クク、それはなぁ‥」と言葉を返してくる。
「何で人を斬るのか――それは血に込められた力の為さ‥‥ついでにその力、見せてやるよっ!」
緋色の男が叫ぶと同時に緋色の日本刀が赤いオーラを纏う。
「ちょ――あれ、ヤバイんじゃないの!?」
アララギが見た目的に大技を出してきそうな緋色の男を見て、多少焦りを表に出す。
「け、怪我をしたら湯菜が回復するですっ」
湯菜が震えながら呟き、アララギが『水龍弾』を緋色の男に向けて放った。
「お前等‥さっきから鬱陶しいんだよ‥喰らえ!」
緋色の男は『力の解放』で増強した攻撃力でなぎ払いを援護・回復するメンバーに向けて放った。
「きゃあっ!」
回復・後衛陣は緋色の男の攻撃により、軽くはない怪我を負わされてしまう。
「ふん、これで邪魔な奴らは手を出せねぇだろう」
「往生際が悪いんですのね、諦めてお縄につきなさいな」
エルが日本刀の切っ先を緋色の男に向けて呟いた。
「おい、エル、緋煉、いい考えがある――乗らないか?」
紫電が二人を呼び寄せ『いい考え』を話し始めた。
「‥そう上手くいくんですの?」
「ふむ、どちらにしても回復・援護役が怪我をさせられてまともに動けない以上は、この方法に乗るしかないと拙者は思うが‥」
確かに近距離攻撃陣が残っていない以上は、早急に決着をつけないと全滅する可能性が高い。
「仕方ないですわね」
そうため息混じりに呟き、エルは瞬歩で緋色の男に向かっていった。
―いいか?まずはエルの動きで緋色の男を撹乱させるんだ。
「次は――拙者の番」
緋煉は『烈火の斬撃』を繰り出しながら、緋色の男に攻撃を仕掛ける。
―次いで緋煉が緋色の男に斬りかかる、俺は一撃必殺の『斬鉄剣』でケリをつける。
紫電の作戦でエルが撹乱、緋煉が囮の役割をしている間に『斬鉄剣』の力を溜める。
「しゃらくせぇっ!」
再び緋色の男の『なぎ払い』が発動され、緋煉とエルがダメージを受ける。
「狙いはお前のブシドー‥だろ、残念だったなぁ、これで、ゲームオーバーだ!」
そう言って緋色の男は紫電に斬りかかろうとするが、カグライの弓矢が緋色の男の腕に刺さる。
「なっ――」
一瞬の出来事に気を取られ、緋色の男の動きが鈍る。其処を見逃すはずもない紫電の『斬鉄剣』が緋色の男を一刀両断にした――。
「成敗!」
刀を紙で拭き、直すのと同時に緋色の男が倒れる。
「くくく、お前等の血がありゃ、もっと強くなれたろうに、なぁ‥ははは」
結局、緋色の男は最後まで笑って消滅していった。彼の日本刀のみを残して――。
「さて、倒した事ですし、証拠―‥日本刀を御所に持って行きましょうか」
皆様の傷の手当ても必要ですし、と怪我を負っているメンバーを見ながらエルが呟いた。
「確かに、緋色の男の愛刀ね」
御所の主人――ユリ(ユリアナ・マクレイン(fz1039))が緋色の日本刀を確認しながら賞金をメンバーに渡した。
「さて、皆様ここで相談ですわ――賞金の分け前方法はどうします?」
エルがにっこりと笑いながら賞金の入った袋を片手に呟いた。
その後、賞金がどのように分けられたかは‥本人達のみぞ知るであった。
END