突撃!びっくり廃村 裏アジア・オセアニア
種類 |
ショート
|
担当 |
水貴透子
|
芸能 |
3Lv以上
|
獣人 |
フリー
|
難度 |
やや難
|
報酬 |
5.8万円
|
参加人数 |
8人
|
サポート |
0人
|
期間 |
07/11〜07/13
|
●本文
『今回の舞台は廃村!今回はどんな演出で出演者を怖がらせる!?』
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「山吹くん、これが次の舞台だ」
そう言ってプロデューサーは次の『突撃!』の企画書を嵐に渡した。
「次は‥廃村か‥」
やっぱりきたか、と呟きながら嵐はため息を吐く。
「廃村といってもアレだろ、村の人に出て行ってもらって‥の撮影だろ?」
「違うよ、ホントに廃村。だから建物とか崩れやすくなってるけど――頑張って生き残ってくれ」
気をつけて、じゃなくて『生き残れ』かよ‥と嵐はこれから向かう場所に少しの不安を覚えた。
※※
「わーぉー‥見事な廃村‥何の声か分からねぇ鳴き声まで聞こえる‥」
廃村に到着した時、嵐は自分の考えが甘かったことを思い知らされた。
「‥っつーか、何でこの地蔵には首がねぇのよ」
村の入り口に並んでいる6つのお地蔵さんには首がなく、『きゃー』とも『ぎゃー』とも聞こえる不気味な鳴き声まで聞こえてくる始末――。
「このままでも十分怖いけど、皆‥頑張ってこれ以上に怖く仕上げてくれ‥」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
●募集事項
◎『突撃!びっくり廃村』はコメディ番組です。
◎ですが『裏』の方では出演者を怖がらせる為に演出してくださる『裏方さん』を募集しています。
※もちろん、職業が裏方さんも大歓迎ですが「あ、自分も手伝えるかも」と思った方も大歓迎です!
◎NPC「山吹 嵐」は裏方手伝いの為に参加しています。
(どんどん、ばしばしこきつかってやってください)
◎こんな演出考えたけどどうですかー?など意見や質問がありましたら『山吹 嵐』に聞いてやってください。
※その際は別スレッドを立てていただけると有難いです。
それと『裏方』と『本編』はリンクしています。
此方で考えた演出『本編』に登場します。
脅かし役をされる方は『裏方』での登場より『本編』での登場の方が多いかもしれません。
それでは、皆様で廃村を怖くしてやってくださいませ。
●リプレイ本文
「久しぶりだね、元気にしてたー?」
そう言って山吹 嵐(fz1050)の背中をバシと叩きながら話しかけるのは新井久万莉(fa4768)だった。
「しかし、芸人だか連絡係なんだか分かんなくなってきたね、あんたも」
「うっ‥き、気にしてる事を‥」
凹む嵐を放っておき「締まっていくよー」と久万莉が他のメンバーに声を掛けた。
●どっきり脅かし役のメイク
「えぇと‥」
慌しくメイク道具を出しながら宇藤原イリス(fa5642)は天羽遥(fa5486)とシャルト・フォルネウス(fa1050)のメイク方法を考える。
「あれ?ハルさんは‥」
イリスがキョロキョロと周りを見渡しながら呟くと、少し離れた場所で草むしりをする姿があった。
「何してるの?」
イリスが問いかけると「自分が歩く所だけでも草むしりしておこうと思って」と遥は答えた。
「そうなんだ‥メイク始めても大丈夫?」
イリスが呟くと「はい、大丈夫です」と答え、メイクをする為に裏方控室(簡易用)まで歩き出した。
「じゃ、メイクを始めるね」
最初の打ち合わせの段階で『幼く見えるように』と注文を受けていたので、明るめのファンデーションを使う事にして、瞳を大きく見せるようなメイクを心がける。
「髪の毛は金髪でよかったんだよね?」
はい、とイリスが渡したのはカツラ。可愛く見せれるように赤いリボンがつけられている。
「うん、金髪と緋色の着物が映えてイイ感じに怖くなってるね」
「ありがとうございます、頑張って脅かしたいと思います」
あと、遥が持つ物で手鞠があるのだが、其方はダミアン・カルマ(fa2544)が用意する事になっている。
「手鞠を貰いに行ってきますね」
そう言って遥は控室から出て行った。
「‥俺のは多分‥メイクはいらないぞ?」
シャルトが自分で用意した仮面を被りながら小さく呟く。確かにその仮面を被り、黒ずくめの男が立っていたら普通に怖いだろうから。
「そう‥ですね、じゃあ私は磔の仕掛けをしに行くね」
そう言ってイリスも控室を出て、シャルトも読経の仕掛けをしに行く事にした。
●首ころりお地蔵さんと火の玉&人影
「さて!やる事は沢山だし、頑張るか!」
久万莉が腕まくりをしながらお地蔵さんの仕掛けに取り掛かる。もちろん村の入り口にあるお地蔵さんを使うなんて罰当たりなマネはせずに、石膏で作った自前の物。
「これで――どうだろ」
「お地蔵さんの仕掛けですか、どんな感じですか?」
作業の途中で古河 甚五郎(fa3135)が話しかけてくる。
「うん、何とかなりそうだよ、そっちは?確か井戸の仕掛けだったよね」
久万莉が問いかけると「こっちもぼちぼちですね」と苦笑混じりに答えた。
「一段落したらお茶でも飲んで休むといいですよ」
宝野鈴生(fa3579)が用意したお茶がありますよ、と古河は言い残して自分の持ち場に戻っていった。
「これで‥大丈夫だと思うんだけど」
久万莉が仕掛けたお地蔵さんは胴体の中にチューブを二本仕込んでおり、一つが血糊、一つが袋へと繋げられていて空気を入れると袋が膨らみ、地蔵の首が落ちて血糊が出るという仕掛けになっている。
「よーし‥っとやっぱり虫が多いなぁ‥」
しゅーっと持ってきた虫除けスプレーを振りかけながら作業の続きに取り掛かる。その後に火の玉の仕掛けを作りながら「宝野〜!」と大きな声で呼ぶ。
「何ですか?」
「この油を染み込ませた竿を出演者の前に泳がせるから、出演者が寄ってきたら宝野が立っていて、途中から人形と入れ替わる――って事でOK?」
「えぇと‥了解です」
頑張ります、そう言って宝野は自分の『脅かし役』としての行動を覚える為に控室へと戻っていった。
●出演者も撮るけど、裏方だって撮っちゃいます
「この辺で大丈夫ですかね」
出演者の様子を撮る為に幾つも隠しカメラを仕掛けるのは巻 長治(fa2021)だった。
「そういえば、私がカメラマンとして出演者に同行する事は出来ますか?」
巻が嵐に問いかけると「んー‥多分大丈夫じゃね?」と言葉を返した。
「俺が出演者の方に電話しとくから、同行しても大丈夫だと思うぜ」
「それでは宜しくお願いします」
トラブルには気をつけて驚くようにしないと、巻は心の中で呟き、カメラ仕掛けの続きを始めた。
「そうだ、山吹さん‥これをネタばらし用に使えませんか?」
そう言って巻が渡したのは『奇妙な声の原因』となる鳥などを纏めたVTRだった。
「面白そうじゃん、使わせてもらうな♪」
●磔の刑と井戸ポンプから髪の毛
「古河さん、井戸の方の仕掛けに取り掛かれる?」
ダミアンが古河に問いかけると「大丈夫ですよ」とにっこりと笑いながら答えた。
「流石に権利問題の関係から水源は弄れないですし、ダミーのポンプ、ポリタンク、土台を持ってきました」
そう言って古河はドンと持ってきたものを取り出し、設置を始める。
「前回の廃美容院で使ったカツラの髪と水を仕込んで、沈まないように対流させようと思ってます」
説明しながら設定していく古河に「これは?」と土台を指差しながらダミアンが問いかけた。
「ポンプ入れ替えの誤魔化し用です」
「へぇ‥ぶっつけ本番じゃ失敗した場合がいけないし、僕が試しておくよ」
「あ、自分がしておきますよ。ダミアンさんは磔の仕掛けがあるでしょう?」
あ、とダミアンは思い出したように呟く。
「吊り作業もあるし、ワイヤーワーク用仕掛けは予め作成しておきました」
そう言って古河はコルセットに血糊を仕込んだ杭を取り付けた、血のついた服の下に着込むだけという素早く着込むことが出来る代物だ。
「出来るだけ体に負担が掛からないようにワイヤーとハーネスで支えるようにサポートしなくちゃいけないね」
「半獣化して能力を有効に使えば、出演者達に気づかれず作業が出来そうかな‥」
そう言いながらダミアンは、磔にする予定である大樹の元へと行く。
「これをつければ‥雰囲気が出るかもね」
言いながらダミアンは大樹の幹に擦り切れた注連縄を巻きつけた。
「よし、こんな感じかな」
「あ、ダミアンさんっ」
注連縄を巻きつけると同時に遥が駆け寄ってくる。
「あ、遥ちゃん―‥メイクもしてもらったんだね」
「はい、手鞠を頂こうかと思って‥」
「手鞠は控室に置いてあるから、本番前に渡すね」
「分かりました」
遥はぺこりと頭を下げて、控室へと戻っていく。
●度胸で読経?
「音楽関係の仕事、やりたいな‥」
ぶつぶつと言いながら呟くのはシャルト、悲しそうに愚痴を言いながら読経を録音したものをCDプレーヤーにセットする。
「‥向こうが来たらこれを流せばいいんだよな」
出演者が来たら掛けっ放しにして脅かし役に行こう、そう心の中で呟きながらシャルトは仕掛けを続ける。
●そして――‥。
「磔にされる仕掛け人さんの死に顔メイクを私はすればいいんですよね?」
出演者がやってくる時間まであと僅かという事でイリスが確認の為に久万莉に確認する。
仕掛け人にする仕掛けは番組の途中でしなければならない為、失敗は許されない。
「久万莉さんに手足をお願いしても宜しいですか?」
イリスが問いかけると「んー、OKだよ」と笑いながら答える。
「急ぎになるから大変だけど、頑張ろう」
久万莉は自分で持ち込んだお菓子や飲み物を、他のメンバーに勧めながら話す。
「さて、もうじき時間ですけど――どんな反応を見せてくれるんでしょうね」
楽しげに巻が話し、出演者がやってくる時間となった――。
END