突撃！孤独な無人島 裏アジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 水貴透子 |
| 芸能 | 2Lv以上 |
| 獣人 | フリー |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 2万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 07/31〜08/02 |
●本文
『今回は無人島！裏方たちはどんな演出をして、出演者を驚かせる！？』※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「‥これが次の舞台か‥ハァ」
山吹 嵐はため息混じりに次の『突撃！』の企画書を手にとって見る。
「次の舞台は‥無人島か‥島の奥に豪邸があるって部分が『無人』じゃなさそうだな」
「その豪邸は私の別荘だから、裏方達が好きに使ってくれて構わないよ」
さらりとした自慢か、嵐は呟き「結構広いんだな」と島のマップを見て呟く。
「ちなみに撮影日の天気予報は雨だから覚悟しておくんだね」
雨の中、しかも無人島が舞台となる今回の『突撃！』――
どんな演出で出演者達を驚かせる？
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
●募集事項
◎『突撃！孤独な無人島』はコメディ番組です。
◎ですが『裏』の方では出演者を怖がらせる為に演出してくださる『裏方さん』を募集しています。
※もちろん、職業が裏方さんも大歓迎ですが「あ、自分も手伝えるかも」と思った方も大歓迎です！
◎ＮＰＣ「山吹 嵐」は裏方手伝いの為に参加しています。
（どんどん、ばしばしこきつかってやってください）
◎こんな演出考えたけどどうですかー？など意見や質問がありましたら『山吹 嵐』に聞いてやってください。
※その際は別スレッドを立てていただけると有難いです。
それと『裏方』と『本編』はリンクしています。
此方で考えた演出『本編』に登場します。
脅かし役をされる方は『裏方』での登場より『本編』での登場の方が多いかもしれません。
それでは、雨の中の無人島を怖く演出してやってくださいませ！
●リプレイ本文
今回の『突撃！』は無人島での撮影、しかも転向に恵まれず生憎の雨だった。「廃村の次は無人島‥この番組、どんどんスケールが大きくなっている気が‥まさか次は空になったりしないよね‥？」
苦笑しながら呟くのはダミアン・カルマ（fa2544）だった。
「確かに‥まさかこうおあつらえ向きの無人島があるとは思いませんでした」
レインコートを着ながら巻 長治（fa2021）も呟いた。
「あ、巻ちゃんは雨具持参してるんだな、雨具持ってない‥っつーか、雨合羽持って来てない奴は取りに来てくれなー、傘だと邪魔になるだろうし」
そう言って山吹 嵐（fz1050）は人数分の雨合羽を手に持ちながら叫んだ。
「アンタも芸人なんだか雑用係なんだか本気で分からなくなってきたねー」
嵐の背中をバシバシ叩きながら笑うのは新井久万莉（fa4768）だった。
「ってぇ‥それは禁句！」
背中を擦りながら嵐は涙目で呟く。
「さて、各々準備を始めようか」
ジスことトシハキク（fa0629）は嵐から雨合羽を受け取り、自分の担当に取り掛かる。
●落とし穴×カメラ準備
「さて、どうするかな」
ジスはただ驚かせるだけではなく撮影する際の効果も考えた罠を作ろうと企んでいた。
「死体人形を吊るして、見に来る途中で落とし穴にドスン‥と」
しかしその際に吊るす人形は本物っぽくしないと此方に近寄ってはもらえない。
「樹神さん（fa1099）、人形を本物の死人っぽく出来るか？」
等身大の人形を彼に渡し、ジスが問いかけると「もちろん、俺に任せてもらえるなら完璧に仕上げるよ」と少し楽しげに答えた。
「じゃあ、任せるぜ」
人形は樹神に任せるとして、彼は落とし穴作りに専念する事にした。草木が生えている事を活用して、出演者達にルートを限定させ、より落とし穴に落ちやすくしようと考えているのだ。
「さて、罠に嵌めるだけなら誰にでも出来る――罠を活用した撮影を実行して見せるぜ」
罠を活用した撮影、これは口で言うほど簡単なものではない。タイミングなどにより全然健闘違いの所を撮影してしまう可能性もあるのだから。
「この辺にカメラは要りますか？」
巻がジスに問いかける。彼は放送された後に出演者や視聴者に見せる為のメイキング撮影を行いつつ、隠しカメラを仕掛けている最中だった。
「そうだな、こっちにカメラを仕掛けたいんだが‥」
落とし穴を作りながら彼は呟く。今から一体誰が落とし穴に落ちるか、少し楽しみなものである。
●仕事をくれとは言ったが恨まれ役！？
「私は自在水動で海中から停留してあるボートに忍び寄って、ロープを解いて流す‥でいいんだね‥なくなっただけじゃ面白みがないかな？」
うーんと久万莉は唸り「山吹〜！」と嵐を呼ぶ。
「船の残骸を作ろうと思うんだけど、木を持って来て」
「木ぃっ！？ええっ、木をなぎ倒さなきゃならんの！？俺」
たわけ、バシと嵐の頭を軽く叩きながら「私らが乗ってきた船にそれっぽいのがある！」と船まで嵐を走らせた。木を持ってきた後は、さすが裏方職、雰囲気の出る『船残骸もどき』を作って見せた。
「おー、見事じゃん」
「それと山吹、これ」
久万莉は嵐にプラカードを渡す。
「全部が終わったらそれ持って出演者達に本気の土下座逝ってこい！骨は拾ってやるよ」
安全な場所からね、久万莉は眼鏡を光らせながらにやりと不敵な笑みを見せたのだった。
●脅かし役たちの苦労
「この辺でいいかな」
スピーカーを設置しながら呟くのは犬神 一子（fa4044）だった。彼は予め録音しておいた奇怪な鳴き声、叫び声などで出演者を驚かすようにとスピーカーを設置しているのだ。
「スピーカーはこんなモンでいいかな」
一子はそう呟き樹神の所へと行く、彼に半魚人のメイクをしてもらう為だ。出演者を一層驚かせる為に半魚人を演じて姿を見せたり、足跡を残したりするのだ。
「半魚人のメイクを―――」
樹神が作業している部屋に入ると同時に一子は叫びたくなった。薄暗い部屋で本物そっくりの死体人形にメイクする彼の姿があったのだから。
「あら、何かしら？」
「あ‥半魚人のメイクを‥」
「あら。そうだったわね、流石にこれ以上やると凝りすぎになるからこのくらいでいいかしらね、じゃ、半魚人のメイクを始めましょうか♪」
普段は男言葉なのに何故仕事を始めるとオネエになるのだろう、一子は心の中で呟きながらメイクを始めてもらった。
「あ‥犬神さんのメイクが終わったら私のメイクもお願いします」
ぺこりと頭を下げながらやってきたのは天羽遥（fa5486）だった。彼女は獣化して出演者達を驚かす‥という役だった。
「バッカスさんも脅かし役でしたよね？」
遥は自分でメイクをしているバッカス和木田（fa5256）に話しかけた。
「そうです、危険がない限りリアルに脅かします――‥あ、そういえば救護関係は大丈夫でしょうか？打ち合わせになかったので少し不安ですね」
「簡単な救護なら山吹さんが手配していると思いますよ。危なくなったら私達が止めに入ったり、助けに行けばいいですし‥」
遥が言うと「そうですね、お互い頑張りましょう」と彼は答えた。
●彼は一人で大変？
「はー‥こんな感じでいいかな‥」
ダミアンは作った桟橋を見て呟く。即席で作ったものとは到底思えない程の出来で、人が歩けば軋む音もする。
「新井さんが作った船の残骸にロープを結びつけておけばそれらしい雰囲気が出るね」
それと‥とダミアンはラジコンを取り出す。島から脱出不可能というイメージを与える為にラジコンに鮫のヒレを取り付けて動かす演出を考えている。もちろん、鮫は後で美味しく頂くことになるのだが‥。
「あれ、もう終わった後か？何か手伝える事があればするけど？」
嵐がプラカードを持って哀愁を漂わせながら近寄ってくる。
「もう終わったから大丈夫だよ」
そう言ってダミアンは少し離れた場所にある場所を指差す。その場所には出演者に近づかないように小さな地滑りを起こす演出が仕掛けられている。これによって出演者達の行動は限られてくるのだ。
「そういえば日記とかは用意できたのか？」
キャンプ場にある掘っ立て小屋に置く予定の日記の事を聞くと「もちろん」とダミアンが差し出してきた。
「片方だけの靴、写真の入ったロケット、ぼろぼろの日記――‥か。結構雰囲気出てるな」
嵐が日記を捲ると中も古びており、よくこんな物を用意できたな、と感心するほどだった。
「それとそれを貸してもらえるかな」
ダミアンはプラカードを指差し、嵐が首を傾げながら渡すとマジックで何かを描き始めた。
「え？何してるんだよ」
「待って、すぐ終わるから」
キュキュっと音が止むと「はい」とプラカードを返す。其処には‥プラカードに土下座している嵐のイラストが書き加えられていた。
「これで笑いを取れたら‥出演者達の怒りも収まるんじゃないかな？」
余計に怒りを煽りそうだよ、そう思ったが嵐は口にする事なく「アリガトウ」と項垂れながらとぼとぼと屋敷に向かい始めた。
●束の間の安息（嵐のみ）
「晴れないのかなー？」
久万莉が外を見ながら小さく呟く。
「夕方手前には雨は止むみたいですよ」
巻が答えると「本当！？着てきてよかったー」と久万莉は大喜びをする。
「どうしたんですか？」
遥が問いかけると「もう梅雨明けしたし、晴れるなら必要かなーって‥」と自分のシャツの下を指差した。
「‥‥水着？」
そう、彼女は水着を着ていたのだ――というより泳ぐ気満々でいる。
「晴れたらバーベキューして、泳いで―‥と色々出来るし？」
「‥バーベキュー、それはちょっと楽しみだったりします」
「‥花火もあるぜ？」
ジスが荷物から花火を取り出す。もちろん皆は遊びに来ているわけではなく、仕事を終えたら遊ぶ‥というつもりでいたのだろう。その証拠に各々の仕事はしっかりとされている。
「さて、そろそろ時間だな？」
一子が時計を見ながら呟く。緑色の生物にメイクされた彼は果てしなく怖い。
「俺の作品で驚く出演者を見るのが楽しみだね」
樹神も心から楽しみにしている‥といった表情で呟いた。
「そろそろスタンバイしますか」
バッカスが呟き、驚かせ役をするメンバーが動き始める。
さてさて、今までで一番広い舞台での『突撃！』
今回はどんな風に驚く出演者が見られるのやら‥？
「俺は一番最後が怖いよ‥」
プラカードを持ってスタンバイする嵐は本気で恐怖に打ち震えていた。
ＥＮＤ
