突撃!孤独な無人島アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水貴透子
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/31〜08/02
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●本文
『今回の舞台は無人島!どんな仕掛けが出演者を待ち受けているのか――‥』
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「あらぁ、今回の舞台は無人島なのね♪」
本条 真夜が企画書を見ながら「楽しみだわ」と呟いた。
「本条君―――」
プロデューサーが真夜を『君付け』で呼んだ瞬間、プロデューサーの鳩尾に見事なパンチが入った。
「あたしは体は男でも、心は乙女――前回も言ったわよね?次に言ったら‥潰しちゃうわよ?」
親指を下に向けて「こんちきしょうめ」と言う真夜に「き、気をつけるよ‥」とプロデューサーは鳩尾を押さえながら呻くように答えた。
「何か用意した方がいいものってあるの?」
「撮影日は雨が降るらしいから防水具をもって行く事をオススメするよ」
「あらヤダ、ちゃんと出演者のみんなにも教えてあげなくちゃ」
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●募集事項
◎『突撃!孤独な無人島』はコメディ番組です。
◎此方では『出演者』の皆様を募集しています。
◎1人〜2人は真夜と同じ『仕掛け人』として参加してください。
◎何か質問がありましたらNPC『本条 真夜』に聞いてやってください。
それと『突撃!』は裏方と本編の話がリンクしています。
裏方の方で考えられた仕掛けなどが本編に登場します。
●リプレイ本文
「新しい水着も持ってきたのに‥雨になっちゃうし‥無理かなぁ」
残念そうに呟くのは渡会 飛鳥(fa3411)だった。今日は彼女の誕生日で「ちょっとだけ楽しみたかったの!」と他の出演者に話していた。
「でも後からは晴れる事はなくても雨は上がるみたいな事を天気予報で言ってるわよ」
本条 真夜(fz1053)がラジオを聴きながら呟く。
「そうなの?だったら良か――‥ってアレ‥」
飛鳥が少し恐怖を表情に出しながら海上を指差した。彼女が指差した先には――‥鮫のヒレが緩やかに動いているのが視界に入ってきた。
「ラキ!鮫がいるよ!牡丹鍋の前にフカヒレスープ!」
だからGO!と朱里 臣(fa5307)は柊ラキア(fa2847)に海の中に潜るように叫ぶ。
「柊ラキア、頑張りまーす‥って無理!」
ボートの上で漫才のような二人を見ながら、無人島へと出演者達は上陸した。ボートを停留させ、桟橋に足を下ろす――‥が飛鳥が古くなった板を踏み外してしまう。
「きゃあっ」
「大丈夫か?!」
敷島ポーレット(fa3611)は飛鳥の手を掴みながら叫ぶ。足がつく程度の深さなのだが驚きで溺れそうになる。
「大丈夫ですか?古いから踏み外しやすくなってたんですね‥」
日下部・彩(fa0117)が怪我がないかを聞きながら呟く。
「危険度が高いじゃないか‥」
はぁ‥とため息を吐きながら呟くのは氷咲 華唯(fa0142)だった。
「それにしても‥本当に天気悪いわね‥」
空を見上げながら羽曳野ハツ子(fa1032)が残念そうに呟く。
「さて、まずはキャンプ場でテントを設置しなくちゃね」
ハツ子は年長者として皆に危険がないように微妙に仕切りつつキャンプ場を目指した。
「強い風にも飛ばされないようにしっかりと固定しないと‥」
テントを設置しながら彩が呟くが、やはり女性の力では確りとは設置出来なかった。そこで頼りになるのは男達だった。
「やっぱり頼りになりますね」
彩は尊敬の眼差しで男達を見ていた。
「さて皆で探検でもしましょうか」
真夜が呟く。同行した芸人にキャンプ場の見張りを任せ、出演者達はそれぞれキャンプ場から離れていった。
「あんまり離れないようにしましょうね」
真夜は出演者達に遠く行かないように呟くと、自分も鼻歌を歌いながらどこかへと行ってしまった。
「獲ったどー!!」
大きな魚を持ち上げながら彩が叫ぶ。皆がわぁっと叫んでいる時――‥妙な生物がゆらりと現れた。
「は‥半魚人!?」
叫んだのは華唯、海の中から頭だけを覗かせて此方を見ている。しかし直に潜ってしまい、その場には嫌な静寂が流れた。
「大変よ!ボートが‥」
真夜が慌てて此方へと戻ってきた。その様子は尋常ではなかった。
「ボートがないのよ!」
え?と出演者達は互いの顔を見合わせ、桟橋へと急ぐ。しかし―‥桟橋には停めていた筈のボートが見当たらない。
まるで‥最初からなかったかのように。
「‥‥もう帰れへんのとちゃう?」
ポーレットの言葉に不安にざわついた空気が流れる。
「ま‥まぁキャンプ場の近くに管理小屋っぽい所もあるし、通信手段もあるはずよ」
森の中を散策しながらキャンプ場に戻りましょう、飛鳥の言葉に全員一塊になって移動を始めた。
「臣、ちゃんと合羽着てるー?」
降りしきる雨の中、風邪を引かないようにラキアが臣に問いかける。
「大丈夫だって、下に水着も着てるから濡れても大丈夫―――って何あれ!」
臣が空を指差しながら叫ぶ。彼女が指差した方には怪鳥が奇怪な声をあげながら飛んでいた。いや―‥森全体が奇妙な鳴き声や叫ぶ声を発しているのだ。
「ちょ‥あれ」
ハツ子は先ほどの怪鳥が死体を啄ばむ姿を見て驚きを隠せなかった。
「これは凄い勢いで映画展開だ‥」
HIKAGE(fa1340)が震えながら呟く。流石にキャンプ場に一人残してきた芸人が心配になり、出演者達は慌てて走る。怪鳥は何をするでもなく出演者達を見ては死体を啄ばんでいた。
「分かりました」
突然飛鳥が呟き「何が?」と日景が問いかけると「え?誰かがこっちにって言いませんでした?」と飛鳥がキョトンとした顔で呟く。
「おいおい、こういう状況なんだから冗談はよそうぜ」
華唯が苦笑混じりに呟きながら呟いた。冗談じゃないんだけどな、飛鳥は首を傾げながら疑問の表情で歩いている。
そしてキャンプ場に行くと無惨な姿のテントがあった――食料は盗まれ、見張りにいた筈の芸人も姿を消している。此処までくると不気味さが増す。
「連絡して直に迎えに来てもらうほうがいいかも‥」
そう言って掘っ立て小屋まで行くが、中はぼろぼろでとても機能しているとは思いがたかった。
「‥あれ、何やろ」
ポーレットが指をさしたのは机に置かれているぼろぼろのノート。
「あはは、呑気に日記なんか――‥ごめん呑気なんかじゃないな、これギリギリだ」
日景が日記の中を見て少し引きつった笑みで呟く。他の出演者が「どうしたの?」と問いかけて日記を覗きこむ。
島に来てから仲間が死んでいき、自分だけが残った
そう書かれており、その後は正気を失っていく様がつらつらと書かれていた。そそて通信機らしきものもぼろぼろになっており使える様子はみられない。
「のろしだ!のろしをあげるんだーっ!」
日景はばたばたと騒ぎながら叫ぶが雨が降っているので無意味。
「とりあえず山に行ってくるね、行くよ、ラキ」
ラキアの腕を引っ張りながら臣が呟く。もしかしたら島の半分から向こうには何か脱出方法があるかもしれないというのと、何か食べる物があるかもしれないという理由。
「じゃあ、あたしも行きます」
飛鳥が申し出て、彼女達三人で山へと向かう事になった。
「帰れないなら別にいいけどー、楽しもう!」
ラキアは合羽を着て鍋を片手に持って「行こう♪」と先に小屋を出て行った。
「何で鍋なのでしょう‥それに何もなければいいのですが‥」
「何か変な声とか聞こえるねー」
臣は大して怖がる様子も見せずに山の中を歩いている。
「でも危ないんじゃ‥?」
「食料もないし、状況把握には必要じゃん?」
飛鳥の言葉に臣はにっこりと笑って答える。そして彼女とは正反対に頭に鍋を被って怯えているのは以外にもラキアだった。
実は雨が降る山に忘れ去られた三日三晩生死の境を彷徨ったという苦い経験があるのだ。何故か鍋を被る事で落ち着くのだとか‥。
「や、やばい‥もう大丈夫だと思ったけどやっぱり山怖い!トラウマ克服無理!」
ガタガタと大きな体を震わせながら叫んでいる。その時‥ラキアの足元に何かが投げ込まれてきた。
「‥‥何これ、骨――?」
「‥触らない方がいいよ」
臣が少し退き気味に呟き、飛んできた方向を見ると黒尽くめの顔が爛れた男が此方を見ている。
「に、逃げよう!」
飛鳥が二人の腕を引っ張って逃げ始める。
「うわあああっ!」
走っている最中にラキアの姿が消える‥というより落とし穴に落ちてしまったのだ。前を歩いていた飛鳥は運よくそれを避けて走ったのだろう。
「ラキ!‥‥ぷっ」
「ちょ‥笑ってないで助けてよ!」
「はいはい、ちょっと待って‥」
臣が言いかけた時、飛鳥の携帯の着メロがなり、それと同時に彼女の視界に入ってきたのは『実はどっきり!楽しめた!?』と土下座イラストの入ったプラカードを持つ芸人・山吹の姿だった。
「何で僕を山の近くにいいいっ!怖い思いしたんだぞおおっ!しかも落とし穴に落ちたんだぞおおおっ!新品の洋服―――っ!」
あれからキャンプ場に戻り、プラカードを出した芸人の体をがくがくと激しく揺さぶりながらラキアがストレスを爆発させた。
「ラキ――‥そのまま掴まえといて」
臣がファイティングポーズを取りながら今にも芸人に攻撃を仕掛けようとしている。芸人・山吹は人生最大のピンチを迎えている。
「山吹鍋にしてやる!」
その後は臣に追いかけられ、結局鍋に入れられてしまい、彩によって肉と髭を書かれた哀れな芸人の姿が目撃されたとか‥。
「まあ‥私は最初から気づいていたけどね?」
ハツ子は心底ホッとしたような表情で呟いた。
「どっきりか‥はは、なーんだ‥もっと楽しみたかったな」
日景も少し安心したように呟き、ポーレットは「お詫びに暖かい飲み物と着替えも用意しあるさかい」と笑いながら答えた。
「一緒に飛鳥ちゃんの誕生日祝いもしましょうね」
真夜が言い、土下座芸人の彼以外の人間は島向こうにある屋敷で馬鹿騒ぎをして撮影は終わったのだった‥。
END