destiny −newcomerアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水貴透子
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
5.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/08〜08/10
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●本文
「彼は女に貢がせる為にホストになったのだと宣言した――‥」
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その街は昼と夜とで全く正反対の顔を持つ―‥。
朝は爽やか街も、夜になれば一変する。
その中でも独特の雰囲気を持つ店が1軒存在した。
―destiny‥
「今日から新しく入ったカズヤだ、仲良くしてやるように」
そう言って店長が紹介したカズヤは金髪にだらしなく着たスーツが特徴の若い男性だった。
「えーと、今紹介されたカズヤっす、宜しく〜」
手をひらひらと振りながらカズヤは他のホストに挨拶をした。
「‥まぁ、こういう性格だが喧嘩なんかするなよ?」
店長が心配そうに呟きながら、奥の部屋へと歩いていった‥。
「貴方は何故ホストになったんですか?」
一人のホストがカズヤに問いかけると「貢がせる為」と短く答えた。
「ホストって、アレだろ?ほら、女からマンションを買ってもらえたり、車を買ってもらえたりするんだろ?」
「‥あのですねぇ‥ここは女性に夢を与える店なんです、他の下劣な店と一緒にしないでもらいたいですね」
かなり性格に難ありのカズヤ―‥このまま店に出すのはとても危険。
さて、どうしよう?
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●募集事項
◎映画「destiny」では出演者の皆様を募集しています。
◎今回の話に必要な必須配役は以下の通りです。
・カズヤ(男性一名)
・destinyで働くホスト(制限ナシ)
※上記以外にもホストクラブにいそうな役がありましたら、そちらを演じていただいても結構です。
●リプレイ本文
「あの眼鏡‥小姑かよ」
カズヤ(椿(fa2495))は灰皿を磨きながら小姑眼鏡こと織人(笙(fa4559))を遠めに睨みながらため息を吐く。カズヤの中ではホストという仕事は凄く楽なものだと思っていた。人の金で酒は飲めるし、適当に話を聞いとけばいいし――‥しかし現実はそんなに楽なものではなかった。
「灰皿、汚れ残ってますよ?」
織人は磨き終わった灰皿の一つを手に取り、カズヤの手に戻した。
「マジうぜぇ‥」
文句を言いながら再び灰皿を磨き始める。
「‥もういいからキャッチ行ってらっしゃい」
やる気のないカズヤに織人は彼の手から灰皿を取り、客を確保してくるように言い渡した。
「お客様を確保出来るまで、戻ってこなくていいですから」
織人の言葉に「楽勝に決まってんじゃん」と不敵に笑みながら外へと出て行った。
「今度の新人は‥また濃い人のようで‥さて続きますかな?」
バーテンの神林(神楽坂 紫翠(fa1420))が夏生(仁和 環(fa0597))に問いかける。
「皆のお手並み拝見といこうか」
何処か意味深に呟く夏生を神林は不思議そうに見ていた。
「藍ちゃ〜〜ん(各務聖(fa4614))!今度店外デートしなーい?」
店の歌姫をナンパするのはホストのテツヤ(佐渡川ススム(fa3134))だった。そんな彼に「そのうちですね」とやんわりと断る。
「あれ、カズヤは‥?」
藍が店内にいないカズヤを探すと「キャッチだよ」と神林が答えた。
「アイツって掃除はサボるわ、真面目に仕事しないわで‥おまけにいつの間にか私がやらされてたし‥」
思い出していたら次第にムカついてきたのか拳を握り締めながらわなわなと震えている。
「ほら、仕事の時間」
織人に言われ、ハッとして怒りの表情を消して一瞬で歌姫の顔に戻す。この辺はやっぱりプロとしての意識だろうか。
「お姉さん、今晩ウチに来ない?」
キャッチに出たカズヤは紫(芳稀(fa5810))に話しかけ「‥いいわ」とカズヤの手を取り店内に入っていった。彼女はカズヤに誘われたからではなく、最初からdestinyに行く気だっただけなのだ。二人の後姿を見て「‥やっぱり」と呟く女性・瑠璃子(星野 宇海(fa0379))がため息を吐きながら遅れて来店した。
「なぁ、カズヤ」
店内に入り、紫を席に案内した所でテツヤに呼ばれ「何スか?」と紫に「失礼」と言って席を外した。
「悪いんだけどヘルプに呼んでくれない?のぞみちゃんとカナエちゃんとタマエちゃんが誕生日でさ、プレゼント贈ったから今月ピンチなんだ」
だから頼む、とパンと手を合わせて必死に頼むと「別に構わないッスよ」と答えた。しかし彼の中では何処か信じられないものを見たような表情をしていた。ホストとは見ついでもらえる仕事、だから何故ホストであるテツヤがプレゼントを渡しているのかが理解できないのだ。
「カズヤ、彼女から指名きてますよ」
織人が紫の方へ視線を流しながらカズヤに話しかける。カズヤは小さくガッツポーズを取り「今、行きます」と小走りで紫の所へ向かう。
「藍ちゃん、曲のリクエスト―――‥ってそんな顔してると可愛くないぞ?」
テツヤが藍にリクエスト曲を渡しながら苦笑混じりに呟く。
「あ‥はい、申し訳ありません、今参ります」
店内のカズヤの態度を見て藍はイラついていた。他のホストと違い、軽い態度、しかも客の為ではなく自分のためにばかり動いている彼を見て耐え難いものを感じたのだ。
「私も昔は無茶しましたわ」
織人と一緒に飲んでいる瑠璃子はカズヤの席から少し離れた場所だった。
「弟は私の過ちを見て育ったので心配なんです」
瑠璃子がため息混じりに呟くと「弟思いのお姉さんなんですね」と織人が言葉を返す。そんな時に「何すんだよ!」と叫ぶカズヤの声が店内に響き渡った。
「‥あいつ‥‥少し失礼します」
織人はヘルプに瑠璃子の事を「少し任せます」と言って、騒ぎの原因の所へと向かった。
「始まりましたか、まぁ‥よくある事ですし‥手をあげるようなら止めますが‥」
そこまでは行かないでしょう、神林はのんびりと騒ぎを見ながら呟く。
「何があったんですか」
織人がテツヤに問いかけると「それが‥」と口ごもりながらチラリとカズヤを見る。
「俺の話が面白くねぇとかつまらないとか言いやがったんスよ」
カズヤがむすっとした顔で答えると「だってそうじゃない」と紫がため息を吐く。
「この人、話術は上手でもないし、半ば無理矢理にドンペリを入れさせようとするし‥」
紫の言葉に織人は「失礼しました」と頭を丁寧に下げた。
「まだ慣れておりませんので不愉快な思いをさせてしまい申し訳ございません、紫さんはドンペリより此方のお酒の方がお好きでしたよね」
そう言ってカクテルを神林に作らせて持ってくる織人に紫は少々驚きを隠せなかった。それもそうだろう、彼女が来店したのは二度ほど、それで名前も好みも覚えてくれているのだから嬉しかったのだ。
「ふふ、ありがとう。そういえば其方のホストさん‥テツヤさんを本指名したいのだけどいいかしら?」
突然テツヤに話を振られ「へ?」と彼は間抜けな顔で答える。
「貴方の話とか面白かったのよね」
駄目かしら、そう言う紫に「滅相もない、こんな美人に指名してもらえるなんて俺は幸せ者ですね」とにっこりと笑って紫の隣に座った。
「ちくしょう!」
カズヤは控室に行く途中でピアノを少し強い力で蹴る。ピアノ自体は部屋の隅においてある為、客からカズヤのした事は見えなかった。
「ピアノは大事にしてくれないと俺が困るんだよね、一条家の和夜くん?」
にっこりとブラックスマイルでカズヤに話しかけるのは夏生。一説ではdestiny影の男と呼ばれるほどに色々な事情に詳しい。彼に知らない事などないのかもしれない。
「弟が心配だったから隠れて様子見に来た、そんな所じゃないですか?」
夏生は後ろにいた瑠璃子を見ながら呟く。
「あ、姉貴!?」
何で此処に!?と驚く。
「貴方が心配で‥。私にも責がないわけじゃないし‥」
そうカズヤは姉・瑠璃子の姿を見て育った。瑠璃子は以前(若い頃)ホストに填って貢ぎまくっていた過去があった。カズヤもそれを見ていたからホストは楽な商売という発想があったのだろう。
「‥‥あ‥‥」
カズヤはふと帰っていく客に目が留まる。凄く幸せそうであり、満足気に帰っていく客の姿を見て、今までの自分に疑問を感じた。
「俺‥ホストって仕事をよく知らなかった‥ホストの為に客があるんじゃない、客の為にホストがいるんだって事を知らなかった‥」
カズヤはグッと唇を噛み締めると「俺、辞めます」と短い言葉を呟く。
「や、辞めるって‥」
呟いたのは藍、確かに彼はホストとして何かが違うと思っていたが、まさか辞めると言い出すとは思わなかった。
「俺はまだこの店に相応しくないっす、だから‥自分鍛えてから改めて働きたい‥」
「いつになるか分かりませんし、空席があるかも分かりません、此処で鍛えるのが一番だと思いますが。もちろん容赦はしませんが?」
眼鏡をキラーンと輝かせながら織人が呟くと「そうしろよ、な!」とテツヤも叫ぶ。
「よし、これが『テッちゃん&カッちゃん』の新たな旅立ちという事で!」
肩を組みながらテツヤが言うと「いつアンタと組んだんだよ!」とカズヤが突っ込みをいれる。
「そうしなさいな、きっと此処で働けば良いホストになるわ」
瑠璃子にも後押しされ「‥まだまだ未熟だけど宜しくお願いします!」とカズヤは丁寧に頭をさげながら再出発を決意した。
「それにしても姉貴ってホスト運がなかったんだな」
哀れみを込めてカズヤが小さく呟くと「じゃあ‥貴方はそんなホストにならないように頑張るのよ」と優しい笑みを浮かべながら答えた。
「じゃあ‥私は帰るわね――お代が気になるけれど」
財布の中身を見ながら呟く瑠璃子にその場にいたホストに笑みが浮かんだ。カズヤが店に残る、その事に安心している自分に藍は後から気づいたのだった‥。
いつになるか分からないけれど、きっといつか『カズヤ』という名のベテランホストが貴方を出迎えるかもしれない‥。
END
うちあげ
「‥何か‥席がグレードアップしてる」
隅で扇風機の風に吹かれながら仁和さんが各務さんによって隅っこ写真を撮られていた。しかも席には『隅っこさん専用なので座らないでください』と張り紙までしてある始末。最初は嫌だと言っていたが、半ば自棄になったのか「行きますともさ!」と叫んで勇ましく隅っこ到着。
そして新たな疑惑(真実?)で笙さんロリコン疑惑浮上。
ツバキン、隅っこさん、ロリコンさん、色々な人がいてdestinyは成り立っているのかもしれない――‥のか?
そして椿さんはいつもの如く各務さんが持ってきた差し入れ胡麻団子と神楽坂さんのゼリーを頬張っていた‥。そんな椿さんが監督からプレゼントされた香水に気がつくのはいつになるやら‥。
おしまい♪