サムライ×ブシドーアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 3Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 やや難
報酬 5.8万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 09/09〜09/11

●本文

「誰にだって心の底から会いたい人は存在する‥そしてそれが弱点となる‥」

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『サムライ×ブシドー』というネットゲームが今、爆発的に人気を誇っている。

プレイヤーは『サムライ』と呼ばれるキャラクターを製作し、電脳世界『ヘイアン』の事件を解決していく。

ゲームの内容は至ってシンプルなもので、事件などは毎日のように更新されている。

これは――‥電脳世界『ヘイアン』に住むサムライ達の物語―――‥。

※※※

火のエリア:サラマンド

水のエリア:ウンデネ

風のエリア:シルフィール

土のエリア:ガイスアト

これが『ヘイアン』を分ける四つのエリアだ。

サムライ達は『御所』と呼ばれるギルドに登録して、仕事である依頼を探す仕組みになっている。


※※※

今回の舞台は風のエリア――シルフィール。

幻界遺跡と呼ばれる遺跡の最奥には『自分が会いたい人』がいるのだという。

それを求めて数多くの御所に所属するサムライ達がやってきた――しかし帰って来た者は存在しない。

遺跡の魔物に殺られたのか、それとも『求める者』に殺られたのか‥真実は定かではない。

「この遺跡に潜む魔物たちは結構強いわ、回復専門のフジヤマを連れて行く事をオススメするわ」

御所主は依頼書をサムライ達に渡しながら呟く。

「一つ、忠告しておくわね――‥失った者は戻らないのよ、惑わされず、真実を見定めることね」

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●募集事項
◎映画「サムライ×ブシドー」では出演者の皆様を募集しています。
◎今回の話に必要な必須配役は以下の通りです。
 ・御所に所属する人物(サムライ・ゲイシャ・フジヤマ)
※遺跡内の魔物が強いので、フジヤマをつれて行く事オススメします)
※御所主はユリアナが演じますので、出演者の皆様が演じることはできません。
※このシナリオではプレイヤーではなく『作成されたキャラ』を演じる方を募集しています。
よって『●●のPLを演じる』という事はできませんのでご了承下さい。

※設定など※

※サムライ→近距離攻撃を得意とする職業。

※ゲイシャ→中・遠距離攻撃を得意とする職業。

※フジヤマ→援護・回復系を得意とする種族。

○現在は上記三つの職業しか存在しません。

○それぞれの職業には『ブシドー』と呼ばれる特殊能力があります。
 それぞれの職業に合わせた能力を自由に考えていただいて結構です。

●今回の参加者

 fa0406 トール・エル(13歳・♂・リス)
 fa1339 亜真音ひろみ(24歳・♀・狼)
 fa3090 辰巳 空(18歳・♂・竜)
 fa4360 日向翔悟(20歳・♂・狼)
 fa5035 ラファエロ・フラナガン(12歳・♂・狼)
 fa5054 伏竜(25歳・♂・竜)
 fa5394 高柳 徹平(20歳・♂・犬)
 fa5412 姫川ミュウ(16歳・♀・猫)

●リプレイ本文

「しかし‥本当に曖昧な依頼ですわ」
 依頼書を見ながらエル(トール・エル(fa0406))がため息混じりに呟く。彼女は遺跡に向かう前に図書館などで様々な情報を集め、遺跡の前に今、立っている。
「遺跡の奥までは一緒だ、その間は護る‥だが、その後は自由にやらせてもらう」
 日本刀を握り締めながら朝霧(亜真音ひろみ(fa1339))が呟く。彼女はどうやらこの依頼を以前に失敗したという事を風の噂で聞いていた。
「大丈夫ですよ、この中で助けを必要とする人はいないでしょうから」
 カグライ(辰巳 空(fa3090))がにっこりと笑って朝霧に話しかける。
「そうそう、僕もこの前と違って絶好調だしね!」
 色気をかもし出しながら呟くのはチョウキ(姫川ミュウ(fa5412))だった。
「それにしても今回も結構な人数が集まったのだな」
 緋煉(日向翔悟(fa4360))が今回集まったサムライ達を見ながら呟く。この他にも乙橘(ラファエロ・フラナガン(fa5035))、コンゴウリュウ(伏竜(fa5054))、タナカサン(高柳 徹平(fa5394))も遺跡入り口に立っていた。
「さて、どうなるか見ものですわね」
 エルは呟きながら皆と一緒に遺跡の中へと入っていった。
 しかし‥入った早々分かれ道があり、一箇所に向かうよりは分かれて散策したほうが良いと判断したメンバーはそれぞれの道へと進んでいった。

 遺跡の奥:エル
「この程度でわたくしをどうにかしようなんて‥甘いですわね」
 奥へ向かう途中で襲ってきた魔物を瞬歩を使い、一気に倒していく。
「全く‥会いたい人なんて―――‥」
 本当にいるわけがない、そう言いかけてエルの言葉は止まる‥。何故なら自分と瓜二つの人物が立っていた。
「‥噂は本当でしたのね、わたくしが会いたい人‥それは愚かな自分自身ですわ!」
 エルは呟き、そして自分そっくりの人物に襲い掛かる。
「醜いわたくしが二度と現れないように即座に倒させていただきますわ!そして、わたくしはまた、気高く美しくなれるのですわ!」
 高笑いをしながらエルは遠慮もなく攻撃を仕掛ける。自分自身というだけあって攻撃のパターンも何もかもが簡単に予測する事ができる。
「これでお終いですわ!」
 ざす、と鈍い音をたてながら日本刀を眼の前の相手に突き刺す。
「これでわたくしの美しさは確定ですわね」


 遺跡の奥:朝霧・乙橘
「そろそろ最奥かな?」
 朝霧と同じ道を選んだ乙橘が彼女に問いかける。
「‥‥そのようだね」
 武器を構えながら朝霧が低い声で呟く。彼女が表情を険しくした理由、それは彼女が最も会いたい人が目の前に立っていたからだ。
「あれは―――‥」
「こいつはあたしの獲物だ、手を出すな」
 乙橘の言葉を遮り、朝霧は目の前の人物に向かって攻撃を仕掛ける。
「自分も手伝う―‥」
 乙橘の言葉に「退け、退かなければ斬る」と日本刀の切っ先を向ける。彼女には目の前の人物が剣の師匠に見えている、そして過去の失敗に決着をつける為に今回、この遺跡にやってきたのだ。
「師匠!今度こそあたしは貴方を討つ!」
 ブシドー『後の先』を使い、師匠の体を貫く、それと同時に朝霧に新たな能力『心眼』が宿ったのだった。
「新たな力‥?」
「朝霧さんの師匠に見えていたんですか?あの人‥」
 乙橘の言葉に疑問を感じ、詳しく話を聞いて見ると、彼には師匠だったものが別人に見えていたのだと言う。
「まだ何か裏がありそうだな、この依頼‥」
 奥へ進もう、そう言って二人は更なる奥へと進んでいった。


 遺跡の奥:カグライ
「貴方がこの遺跡にて噂されている『会いたい人』ですか」
 カグライの会いたい人、それは人の心を弄び、死者を冒涜する行いをした人物である。
「死者を冒涜する者は許せません、とっとと冥府へ帰れ――」
 弓鳴りで周囲の警戒を強めており、敵が襲い掛かってくる時のタイミングは掴めていた。攻撃と同時にブシドーを解き、人の心を弄ぶ奴を一撃でしとめた。
「簡単すぎる‥まだ奥に何かあるのでしょうか」
 カグライは呟きながら最奥を目指す為に歩き出した。


 遺跡の奥:緋煉
「‥‥刹那殿、そなたが拙者の前に現れるなどありえぬ‥そなたは拙者の手で――」
 目の前に現れた『刹那』という女性を見て緋煉は酷く動揺する。何故なら彼が以前手にかけた女性だったからだ。
「拙者は二度も刹那殿を殺めねばならぬのか!」
 刹那が繰り出してくる攻撃を避けながら叫ぶ。目の前の彼女が本物ではない事は頭の中で分かっているのだが、手が思うように動かないのだ。
「‥拙者に刹那殿を手にかけるなんて――二度も――‥」
 その時、不意に刹那の顔が脳裏にうかび、手が勝手に目の前の刹那を貫いていた。
「‥拙者がこのまま死んだら刹那がうかばれん!このまま死ぬわけには行かぬのだ!」
 そう言って斬り捨てた刹那を見つめ「再び愛する者を手にかけるとは‥」と深い罪悪感に見舞われていた。


 遺跡の奥:チョウキ・コンゴウリュウ・タナカサン
 同じ道を選んだ三人、彼らは現在戦闘中であった。
「っていうか、お前誰だよ!」
 コンゴウリュウは見覚えのない人物に叫びながら攻撃を与える。どうやらPLとシステム側の認識違いのせいでコンゴウリュウにとっては全く関係のない人物が表示されているらしい。
「彼は以前の依頼に登場した決して救えないNPC・クロサワですよ」
 タナカサンが銭投げで攻撃しながらコンゴウリュウに答える。
「違う、彼女はこの着物の持ち主‥オイランだよ‥」
 どうやら三人全く別人に見えているらしく、話がかみ合わない。それでも此方に攻撃を仕掛けてくる以上は敵でしかないので、彼らは戦う。
「凍えろ血肉、停めよ鼓動、吹き荒れよ!氷雪乱舞!」
 チョウキがブシドーを発動しながら攻撃をする、それと同時に攻撃を受けたコンゴウリュウを的確に回復するのは意外にもタナカサンだった。
「‥何か今回はいつもと違うね?」
 敵を倒し、チョウキが呟くと「気のせいだよ。運だよ運。ラッキー」とタナカサンはおどけて見せた。


 最奥で待ち構えるもの
「結局は合流する仕組みになっていますのね」
 別々の道に進んだメンバーは最奥にて合流していた。
「そして‥アイツが仕掛けた本人みたいだな」
 朝霧が日本刀を向けながら呟く、その先には妖艶な笑みを湛える女性が立っていた。
「ふふ、お楽しみショーは楽しんでいただけたかしら?」
 ふわりと宙に浮き、サムライ達に攻撃を仕掛けてきた。
「あの時の貴方達、面白かったわ!偽者だと分かっていても苦悩する様がね!あはははっ!」
「お喋りばかりする人は長生きできませんわよ」
 瞬歩と天狗舞を駆使してエルがボスに襲い掛かる。
「コンゴウリュウさん、ちょっと失礼」
 カグライは味方のコンゴウリュウを蹴飛ばす形で快癒祈祷でボスに矢を放つ。それと同時にタナカサンが爆破系アイテムで煙を撒き散らし、眼くらましにする。
「人の心を弄ぶ下郎、散れ!」
 緋煉のブシドーにより、ボスは塵となって遺跡内から姿を消していった――‥。


「ご苦労様、今回は大変だったんじゃない?」
 御所主(ユリアナ・マクレイン(fz1039))が依頼達成の報告を受けて、メンバーに向けて話しかけた。
「そうだな、でも――‥これで過去を乗り越えられた気がするよ」
 朝霧が少し吹っ切れたような顔で御所主に答えた。
「さて、毎回恒例の報酬なんだけど――‥今回は限定10個のレア武器・宝仙華という日本刀と花鳥風月という杖なのよね、しかも此処にあるのは2つのみ」
 どうやって報酬を分けるかは皆さんにお任せするわね、御所主はそれだけ言うとメンバーを御所から追い出した。
 さて、報酬を巡って争いが起きたということは言うまでもない――‥。


END