突撃!白紙企画書 裏アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水貴透子
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
7.2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
09/22〜09/24
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●本文
「突撃!最終回、さてさて今回の舞台は―――‥?」
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「突然だが、突撃!は今回で最終回となる」
プロデューサーの突然の言葉に山吹・嵐は「はあああっ!?」と大声で叫んだ。
「はあああっ!?じゃなくて、最終回。しかもなーんも決まっていないという危機的状況にある!」
はっはっは、困った困ったと笑うプロデューサーに嵐は殴ってやりたい衝動に駆られる。
「や、でも何も考えてないワケじゃないよ!?今回の舞台は何パターンか考えていて裏方達に決めてもらおうかなー‥なんて思ったり?」
考えてないから企画書が出来ていないんだろうがああっ、と嵐は震える拳を押さえながら心の中で叫ぶ。
‥というわけでプロデューサーは考えた舞台は以下の三つ。
裏方諸君、頑張って決めてくれたまえ!
◎海(ちなみに今の時期はくらげいっぱい)
◎迷路(全て裏方が作るという難作業)
◎コンサート会場(ちなみに会場全部が舞台)
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●募集事項
◎コメディ番組「突撃!白紙企画書 裏」では『裏方』の皆様を募集しています。
※もちろん職業が裏方でなくても大丈夫です。
◎NPC「山吹 嵐」は裏方手伝いの為に参加しています。
(どんどん、ばしばしこきつかってやってください)
◎こんな演出考えたけどどうですかー?など意見や質問がありましたら『山吹 嵐』に聞いてやってください。
※その際は別スレッドを立てていただけると有難いです。
それと『裏方』と『本編』はリンクしています。
此方で考えた演出『本編』に登場します。
脅かし役をされる方は『裏方』での登場より『本編』での登場の方が多いかもしれません。
●リプレイ本文
「アンタ、仕事なくなるんじゃないのー?」
山吹 嵐(fz1050)の背中をバシバシ叩きながら新井久万莉(fa4768)がからかうように言うと「‥俺の死活問題なんだからー!」と今にも泣きそうな目で答えてくる。そんな嵐を軽くスルーして「さー、仕事頑張ろー」と裏方達の所へと向かって行った。
「‥うぅ。感動で文字が読めません‥‥白紙だからですが」
白紙の企画書を見つめながら呟くのは古河 甚五郎(fa3135)だった。彼の言葉に「本当に大変な事任せてくれるよね」と久万莉もため息混じりに呟いた。
「まぁまぁ‥最後まで怖くて楽しい番組にしたいよね」
少し怒りを露にする二人を宥めるのはダミアン・カルマ(fa2544)だった。
「結構今回は広めの部隊だから急いで仕上げようか」
ダミアンの言葉に裏方達はそれぞれの仕事をする為に動き出したのだった‥。
●最終回なので予算オーバーはOK!
「この辺も出演者の皆さんに通られたら仕掛けがバレてしまいますね‥」
メイキング用のカメラを回しながら巻 長治(fa2021)は通られては困る場所を上手くカバーしていく。
「すみません、そのカメラの位置ですが、此処から丸見えなので場所を変えたほうがいいかもしれません」
カメラを仕掛けるスタッフに位置を変えるように巻は指示をだす。彼はメイキング画像を撮り、二段ドッキリを仕込んでいる為、カメラに力を入れているのだが普段から「撮った物を捨てることは出来ても、撮らなかった物を使う事ができない」という言葉を公言しているので誰も怪しむ人物はいない。
「出演者が来たら‥脚本家としても動かなくてはいけないので‥結構大変ですね」
愚痴を零すようにポツリと呟くと次の仕掛けカメラのチェックをする為に移動した。
●突撃の裏には彼の苦労がある
「スピーカーはこの辺でいいかな‥」
脅かす為の音を流すスピーカーを仕掛けているのはダミアン。廊下に仕掛けるスピーカーは直にバレる場所にしか仕掛けられない為、ダミーの消火器などを作ってその中に仕掛けた。その他にもコードを必要とするスピーカーやカメラはコードを床や廊下と同系色で塗り、ぱっと見では見つからないようにした。
「後は‥控室とかに仕掛ければいいかな‥?」
コンサート会場というだけあって仕掛けをするには困る事はない。しかし仕掛けた場所を確認されても困るので、ロッカーの中に二重に扉を作ったり、自作キッドで作った掛け時計の中にも小型カメラを仕掛けていく。
「あ、台本の用意もあったんだった」
出演者の控室に置く『血まみれ台本』の用意をしていなかった事を思い出し、製作に取り掛かった。
●メイク係は大変なのです
今回の『突撃!』に来てくれているメイク関係者は二人、樹神(fa1099)と宇藤原イリス(fa5642)だった。
樹神は久万莉を、イリスは出演者‥と言っても仕掛け人で死体役をする人にメイクをする事になっている。そして『突撃!』のどっきりだと悟られないように今回の偽企画『コンサート会場殺人事件』の舞台でもメイク係として真剣に仕事をするつもりだ。
「そういえば奈落から落ちるっていう設定もあったよネ、洋服で隠せるなら腕と足のパーツを用意して変な方に曲がった‥とかできるんじゃないかナ?」
樹神の言葉に「それ面白そうですね」とイリスも賛同する。
「でも上から見られたらバレちゃうんじゃ‥?」
「大丈夫でショ、照明もそんな深い所まで届かないだろうし、遠くから見てそれっぽく見えればいいだろうしネ」
皆の反応も楽しみだシ、と樹神は悪戯っぽく笑う。
「そうですね、私も知友心話で進行状況とかお知らせできればタイミングもよくできるでしょうし♪」
そう言って二人はメイクをする為に準備を始めたのだった。
●音は任せてください!
「こんな感じでいいでしょうか?ダミアンさん」
スピーカーから流す音を作りながら七瀬紫音(fa5302)がダミアンに問いかける。彼女の今回の役割は出演者を脅かす音作り。足音、すすり泣く音、時計の音などを作りチェックをしてもらっていた。
「そういえば脅かし役もするんだって?」
ダミアンが問いかけると「えぇ、今回の裏方さんは結構脅かし役する人多いんですよ」と苦笑混じりに答えた。
「確かにそうだね、まぁ頑張って!」
ダミアンが言うと「はい」と紫音は笑って答えた。
●タイムキーパー登場!
「出演者さん達が来るまで、もうすぐやね」
時計を見ながら梶尾聖子(fa4301)が呟き、これからのスケジュールを確認し始める。彼女は出演者が来たら、彼らに同行して仕掛け人に近いポジションに立つことになっている。仕掛けに必要な『動いたら止まらなくなるストップウォッチ』も予め用意しており、あとは出演者達が来るのを待つだけになっていた。
「うちはどっちかといえば出演者側での行動が多いさかいな‥」
さて、誰かを手伝った方がええかな、と人手がいるスタッフの所へと走って近寄っていった。
●今回は全員で謝りましょう、最終回だし!
「久万莉ちゃん、何してんの?」
メイクを始めるから呼んできて、と頼まれた嵐が久万莉の所へと行くとプラカードを一生懸命作っていた‥‥しかも大量に。
「え!な、何、このプラカードの量はっ、俺こんなに持つの!?」
嵐が恐る恐る問いかけると「違うわい、馬鹿たれ」と久万莉が嵐の頭をパシーンと勢いよく叩く。
「突撃!も今回で最終回だからね、皆で謝ろうっていう話になってさ」
久万莉によって作られたプラカードは『実はドッキリでした!』『驚かせてごめんネ』など裏方全員分のプラカードが作られている。
「山吹が持つのはこれね」
そういって久万莉が嵐に渡したプラカードには『突撃!シリーズは今回で最終回です、長い間ありがとうございました』という文字が大きく書かれていた。
「‥‥‥何?その顔は」
「や、何か意外にマトモだなぁと‥絶対何か無理難題な事が書かれているのかと思ってたから」
あはは、と笑いながら答えると「そうかい、そんなに無理難題が好みなんだね」と眼鏡を光らせながら妖しげな笑みを久万莉は答えた。
そのあと、嵐のプラカードの内容が書き直されたのは言うまでもない。
●メイク(久万莉&甚五郎)
「それにしても結構ハードなんじゃなーい?」
久万莉がメイクをしてもらいながら、同じくメイクをしてもらっている古河に問いかける。
「そうですねぇ、確かに脅かし役以外もセット屋名目で従事行動してないといけませんからね」
古河が答えると「今回は都市伝説をモチーフにした舞台だっけ?」と久万莉が呟く。
「そうですね、此処で主役をやると死んでしまうというコンサート会場、昔、女優の卵が大抜擢で主役になり、周りの妬みで意地悪やあらぬ噂を立てられ、使う予定のなかった奈落が開いていて転落して亡くなる‥当時、事故か他殺かそれとも自分で‥とまことしやかに囁かれたが、真相は闇の中‥それ以来ここにはその女優の霊が‥という設定ですね」
紫音が説明すると「流石に不気味ですね」と古河も答えた。
「俺も出演者には挨拶を交わして裏に引っ込む事になるかナ、みんなで出演者を驚かして、楽しい反応を見ようネ」
話しこんでいる間にメイクも終わり、後は出演者達を待つばかりとなった。
「そういえば今回で突撃!も終わりだし、打ち上げは何処いこっか?」
もちろんプロデューサーの奢りだよね?と久万莉がプロデューサーに問いかける。プロデューサーは苦笑混じりに「もちろん、打ち上げ会場は用意してあるから安心して」と答えた。
「まぁ‥その前に山吹が生きて番組を終わらせられたら、の話だね」
けたけたと笑いながら久万莉は嵐を見ながら呟いたのだった。
突撃!最終回『白紙企画書』の裏方はこれで終わる――彼らが行う『突撃!』での最後の仕事、出演者達はどう反応するのだろうか―――?
出演者達がやってくるまであとわずか――‥‥。
END