突撃!白紙企画書アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 4Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 12.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 09/22〜09/24

●本文

「いきなり最終回!どうなる!?」

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「えええっ、この番組終わっちゃうの!?」

本条・真夜は大げさなポーズで驚きながら叫んだ。

「ちょっとぉ‥アタシはこれ以外の番組出てないから困るんだけどぉっ!」

真夜は穏やかな口調とは裏腹にプロデューサーの襟首を掴んで、ドスの聞いた声で詰め寄る。

「や――いや、あのね、落ち着いて話し合わないか?」

「何?返答次第ではぶつわよ?」

仮にも君を雇っている雇い主なんだが、プロデューサーは心の中で呟く。これを口にしたら最後、鮮やかなパンチが飛んでくるだろうから。

「今回の舞台は裏方が決めることになっているんだ、裏方達の話し合いで決まったことは君に伝えるから、それ―――」

「はぁ‥いいわ、分かったわよ‥その代わり今度、アタシを映画で使って欲しいわぁ、最近はユリちゃんばかりなんだもの」

恋愛映画がいいわ、主演男優はカッコイイ人ね!と真夜は眼を輝かせながら呟く。

「本条君、それはどうでもいいから、出演者に挨拶してきてはどぅあっ‥」

プロデューサーの顔をばちこんと殴り、真夜は出演者達の控室に足を向けた。

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●募集事項
◎「突撃!白紙企画書」では出演者の皆様を募集しています。
◎一人か二人は真夜と同じで『仕掛け人』として参加してくださいませ。
◎何か質問がありましたらNPC『本条 真夜』に聞いてやってください。

それと『突撃!』は裏方と本編の話がリンクしています。
裏方の方で考えられた仕掛けなどが本編に登場します。

●今回の参加者

 fa0155 美角あすか(20歳・♀・牛)
 fa2132 あずさ&お兄さん(14歳・♂・ハムスター)
 fa3846 Rickey(20歳・♂・犬)
 fa4361 百鬼 レイ(16歳・♂・蛇)
 fa4559 (24歳・♂・豹)
 fa4578 Iris(25歳・♂・豹)
 fa5394 高柳 徹平(20歳・♂・犬)
 fa5775 メル(16歳・♂・竜)

●リプレイ本文

 今回で『突撃!』は最終回という事で裏方達が全て企画を感会えるという特殊なものに仕上がっていた。

「今回は宜しくネ♪」
 本条 真夜(fz1053)が今回一緒に『コンサート会場殺人事件』の舞台を一緒に行う出演者達に挨拶をした。
「そういえばこの舞台で本条さんがヒロインってどう?」
 突然話し出したのはIris(fa4578)だった、彼の言葉に本条は「まぁ!何て事!」と騒ぎ出した。
「どうしたんですか?」
 突然の叫びに百鬼 レイ(fa4361)が驚きながら問いかけると「ヒロインやるんだったらメイクをもっと派手目にしてくるんだったわ!」とどうでもいい事を騒いでいる。
「そういえば裏方さんが言ってたんですが‥今回の舞台はこの会場で起きた事件を元にして作っているみたいですね」
 あずさ&お兄さん(fa2132)が楽しげに呟くと「わ、悪い冗談はやめて下さいよ‥」と美角あすか(fa0155)が少し怖がりながら言葉を返している。
「本当だよ‥何もわざわざこんな所で公演しなくても‥」
 言いながらRickey(fa3846)が控室の机に置いている台本に手を伸ばす。
「‥あれ?誰かの台本が落ちて―――‥って何これ」
 リッキーが落ちている台本を指差して呟く、驚くのも無理はない。何故なら‥その台本が血塗れだったからだ。
 そして気がつけば用意されている弁当も飲み物も一人分余分に置かれている。
「もしかして‥この会場に何かいるんじゃ‥?」
 呟くメル(fa5775)の言葉に皆が静まり返る。その時イリスが余計に怖いことをしているのを百鬼が見かける。誰もいない場所に向かって「こんにちは」と話しかけているのだ。まさか本当に何かいるんじゃ‥とそれについて問いかけようとした時、脚本家に呼ばれリハ再開となった。

「どうしていわく付きの会場で公演する事になったの?」
 脚本家に美角が問いかけると「本物の方が雰囲気が出ると思った」と悪びれた様子もなく答えた。
「いまどき流行らないですよおおお、こんなのおお!」
 美角は恐怖から叫ぶが「その恐怖を演技で出せ」ときつい言葉をもらい、涙ながら美角は舞台の演技をし始めた。
「この事件の謎は解けたわ!犯人は‥‥貴方ね!」
 あずさがビシッと指差した人物は裏方スタッフであり、出演者達から「違うから!」とツッコミを受けていた。
「あれ?何か雑音とか混じっていない?関係者以外の人が入ってるんじゃないの?」
 リッキーが耳を澄ませながら呟く、その言葉に他の出演者も耳を済ませると確かに何か雑音のような人のすすり泣くような声が聞こえる。
「もー‥こんなんじゃとてもじゃないけど演技に集中できないよ」
 リッキーの言葉に「仕方ないな、三十分後に再開だ」という言葉に出演者達は再び控室へと向かっていった。
「冗談じゃないわ!アタシの主演舞台を邪魔するなんて幽霊でも許さないわ!」
 主演でしたか?というツッコミは置いといて本条のいうことは最もである。
「あんな事件がありましたから‥」
 セット職の裏方が呟いたことに「あんな事って?」とあずさが問いかける。それに言葉を返したのは同じ裏方の女性が少し青ざめたような顔で話し始めた。
「皆を怖がらせるから黙ってようと思ったんだけど‥裏方の間では此処は有名な場所なんだ‥ラップ音がしたり、役者の人数が増えていたりしてさ‥」
 おかしいことがあったでしょ?と女性の言葉に出演者達はイリスの事を思い出し、バッと勢いよく見た――のだがイリスの姿が見えない。
「‥あれ?何処にいったんだろう」
 姿の見えないイリスに「トイレかな?」と百鬼が呟き、帰ってくるのを待ってみるが休憩時間が終わりそうになっても帰ってこない。
「あの‥そろそろ時間が終わるんやけど‥」
 タイムキーパーの女性が困ったようにストップウォッチを見せながら呟く。これ以上リハを先延ばしにする事もできないので出演者達はイリスの事を心配しながらも会場へと向かう事にした。
「あれ?」
 控室を出ようとした時にタイムキーパーの女性が「ストップウォッチが止まらへん‥」と困惑気味に呟く。それと同時に女性が「う、後ろ!」と震えながら出演者達の後ろにある窓を指差す。
「え?」
 メルが後ろを振り向くと‥そこには横向きの顔―――。
「うわわわ、なんまんだぶなんまんだぶ」
 その顔はニィ‥と気持ち悪い笑みを浮かべるとふっと消えていた。
「ちょっと待って‥足音が‥聞こえない?」
 あずさの言葉にスタッフが部屋の外を見るが誰もいない。けれど足音は止まない。
「‥ちょ‥これって」
 本条が呟くと、聞こえてくる女のすすり泣く声。流石に不気味になってくるのと同時に未だに戻ってこないイリスの事が心配になってくる。
 その時―――ドオオンという激しい物音がした。
「会場のほうよ!」
 本条が叫び、出演者達は慌てて会場のほうへ走り出す。


「ちょっと!誰かいるの!?」
 暗い会場の中を本条が叫ぶが返事はない。何故か電気のスイッチを押してもライトが点く事がなく、懐中電灯で会場内を歩くことになった。
「何があったんでしょう‥」
 美角が震えた声で呟くと「危ないよ!」と百鬼が叫ぶ。
「え?」
「奈落が―――開いてる‥奈落使うシーンのリハやりましたっけ?」
 百鬼が恐る恐る奈落の中を懐中電灯で照らすと、そこには―――‥。
「何かあった?」
 リッキーが百鬼の後ろから奈落の中をのぞいて見ると「大変!誰か倒れてる!」と叫ぶ、その言葉に出演者達も騒ぎ出し「タイムキーパーさん。警察呼んでちょうだい!」と本条が指示を出す。
「もしかして本当に幽霊の仕業なんじゃ‥あれ――‥」
 メルが客席の後ろ側を指差す、そこには人魂が浮いており「私のせいじゃない‥」とその言葉しか知らないかのように呟き続け、そして消えていった。
「まさか‥本当に此処の事件と同じになるなんて‥」
 本条が「昔も女優が奈落に落ちて転落死したことがあるみたいなのよ」と呟いた。
「そんな‥‥それにあの服は―――」
 美角が見覚えのある服に泣きながら答えると「‥そう、俺なんだよ」とイリスが呟く。
「そう、イリスさんがこんな事になるなんてえええっ!?」
 後ろから現れたのは、先ほどまで奈落の下で倒れていた筈のイリスだった。
「えへ、ごめんネ♪今回も突撃!の企画だったのよぅ」
 本条が可愛らしく呟くと「またこの番組―っ!?」と美角が叫び、泣き笑いをしている。
「だから言ったでしょ!犯人は貴方だって!」
 裏方全員で『実はドッキリでした』『驚かせてゴメンネ』などのプラカードを持って苦笑している。
 しかし‥山吹のプラカードだけは『煮るなり焼くなり好きにしてどーぞ!』というプラカードを無理矢理持たされている。
「怖かったろう!さぁ!僕の胸に飛び込んでおいで!」
 百鬼が両手を広げて女性陣を待っていると美角が「飛び込むかー!」とハリセンでスパコーンと殴っている。
「まさかドッキリだったとは‥」
 リッキーがため息混じりに呟き『今回が最終回です』というプラカードを持った裏方を見て「え!この番組最終回なの!?次回への反省にって思ってたのに!」と別な意味で嘆いている。
「こんなんじゃリアクション大賞もらえないよー‥」
「もう〜!心臓が止まるかと思ったよ!」
 メルは口では呟いているが心の中では『やっぱり、そうだったんだ。でも何でドッキリって心霊ネタなんだろう』と何処か冷めたことを考えていたのだとか‥。
「私も最終回じゃ困る〜!次はドッキリって見抜いてやるって決意したばっかりなのに〜!」
 美角は「また次もしてください!」と少々矛盾した要求を本条にしていた。

 色々な芸能人を驚かせるドッキリ企画『突撃!』は今回で最終回を迎える事となりました。
 ご協力してくださった皆様、出演者の皆様――ありがとうございました!


END


 うちあげ
「はいはいーい!ビール追加ねー!」
 撮影終了後、出演者&裏方の皆で高級焼肉店へと来ていた。もちろん監督のおごりと言う事で皆遠慮なしに食べている。
 その中で財布を気にする監督の姿と、もしかしたら自分達も金を出さなければならないかもと怯える山吹&本条の姿があった。
「でも、今回は山吹さんがいてくれたから皆の怒りを食らうことがなくてよかったよ」
 イリスがにこにこと何故か傷だらけの山吹を見て呟いていたのだとか。

 おしまい