サムライ×ブシドーアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 3Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 1.6万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 09/29〜10/01

●本文

「荒廃した土地、それがガイスアト――」

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『サムライ×ブシドー』というネットゲームが今、爆発的に人気を誇っている。

プレイヤーは『サムライ』と呼ばれるキャラクターを製作し、電脳世界『ヘイアン』の事件を解決していく。

ゲームの内容は至ってシンプルなもので、事件などは毎日のように更新されている。

これは――‥電脳世界『ヘイアン』に住むサムライ達の物語―――‥。

※※※

火のエリア:サラマンド

水のエリア:ウンデネ

風のエリア:シルフィール

土のエリア:ガイスアト

これが『ヘイアン』を分ける四つのエリアだ。

サムライ達は『御所』と呼ばれるギルドに登録して、仕事である依頼を探す仕組みになっている。


※※※

今回の舞台は土のエリア・ガイスアト。

しかしこのガイスアトというエリアは、他の3つのエリアと違って文明が発展している訳ではない。

どちらかといえば、他のエリアより荒廃したエリアになる。

「‥こんな場所で何の依頼があるというのかしら?」

御所主から渡された依頼書を見ると瓦礫竜というモンスターの討伐依頼だった。

「瓦礫竜?」

「そう、ガイスアトは見ての通り瓦礫に埋もれたエリア‥その瓦礫から魔物が生み出されてしまうのよ、今回の討伐、瓦礫竜は他のサムライ達にも手に負えない厄介な相手だから十分気をつけていってね」

今回の報酬は限定2本の煌きの刀――どのキャラも喉から手が出るほど欲しがる代物だった。

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●募集事項
◎映画「サムライ×ブシドー」では出演者の皆様を募集しています。
◎今回の話に必要な必須配役は以下の通りです。
 ・御所に所属する人物(サムライ・ゲイシャ・フジヤマ)
※御所主はユリアナが演じますので、出演者の皆様が演じることはできません。
※このシナリオではプレイヤーではなく『作成されたキャラ』を演じる方を募集しています。
よって『●●のPLを演じる』という事はできませんのでご了承下さい。
※何か質問がありましたらユリアナに聞いてください。
(その際は別スレを立てていただけると有難いです)



※設定など※

※サムライ→近距離攻撃を得意とする職業。

※ゲイシャ→中・遠距離攻撃を得意とする職業。

※フジヤマ→援護・回復系を得意とする職業。

○現在は上記三つの職業しか存在しません。

○それぞれの職業には『ブシドー』と呼ばれる特殊能力があります。
 それぞれの職業に合わせた能力を自由に考えていただいて結構です。

●今回の参加者

 fa0406 トール・エル(13歳・♂・リス)
 fa0634 姫乃 舞(15歳・♀・小鳥)
 fa0640 湯ノ花 ゆくる(14歳・♀・蝙蝠)
 fa2321 ブリッツ・アスカ(21歳・♀・虎)
 fa2640 角倉・雨神名(15歳・♀・一角獣)
 fa4360 日向翔悟(20歳・♂・狼)
 fa5662 月詠・月夜(16歳・♀・小鳥)
 fa5867 山南亮(9歳・♂・アライグマ)

●リプレイ本文

「今回はやけに戦闘依頼ですわね」
 依頼書を見ながらエル(トール・エル(fa0406))小さく呟く。
「瓦礫から魔物が生み出されてしまうなんて‥‥不思議なエリアですね」
 浅緋(姫乃 舞(fa0634))が呟くと「瓦礫だろうが、俺の斬鉄剣に斬れないモンなんてないさ」と紫電(ブリッツ・アスカ(fa2321))が不敵に笑う。
「恐らく防御力も高いでござろうな」
 緋煉(日向翔悟(fa4360))が呟き、今回のメンバーを見る。幸いにも今回はサムライが多いので近距離での攻撃に事欠くことはないだろう。
「フジヤマとしても責任重大ですね」
 湯菜(角倉・雨神名(fa2640))も今回の任務で自分の存在がいかに重要かを知り、ごくりと喉を鳴らす。
「私はゆくるん(湯ノ花 ゆくる(fa0640))の真メロンパン刀を作る夢の為に参加ですけどね」
 月夜(月詠・月夜(fa5662))は相棒のゆくるんを見ながら呟く。彼女たちは『煌きの刀』を手にする為にここにいるようだ。もちろんそれを目的でいる人物が全くいないわけではない。湯菜に至っては『高く売れそうだから』という理由で瞳を輝かせている。
「そうですね。レア度が高いですし売るときもかなりのお金に換えられるでしょうね」
 半蔵(山南亮(fa5867))が湯菜に言葉を返す。
「さて、調査した結果をお知らせしますので、その後で瓦礫竜退治に行きましょうか」
 エルは今までに瓦礫竜と戦った者に性質や大きさなどを聞いてメモに纏めていたのだ。
「瓦礫竜の性質はやはり水に弱いようですわ、大きさは竜というだけあってやはり大きいようですわね」
「水の能力を持つ人はいないですから、地道に倒していくしかなさそうですね」
 浅緋がエルのメモを見ながら小さく呟く。
「じゃあ、さっさと依頼を終わらせて煌きの刀を頂くとしましょうか」
 エルは言いながら瓦礫竜がいるという場所へと足を進めていった。


 瓦礫竜がいる場所としてエルが聞いたのは、ガイスアトの北部にある広大な砂漠。かつては街だったらしいのだが、止まらぬ砂漠に飲み込まれてしまったのだと言われている。
「‥‥さて、この広い砂漠でどうやって瓦礫竜を見つけるか、だな?」
 紫電がため息混じりに呟き「今日中に探せればよいのだが‥‥」と緋煉も呟く。
「皆さん、探す必要はなさそうですわよ」
 エルは呟くと同時に後ろへ大きく下がる。他のメンバーは「え?」ときょとんとした顔で呟く。それと同時に感じる下からの大きな地響き。
「下から来ています!皆さん、気をつけてください!」
 浅緋が『応援』のブシドーを発動させ、前線で戦うサムライ達にかけていく。
「紫電殿、エル殿、此処は拙者が先に行くゆえ続いて攻撃願いたい!」
 緋煉は『烈火の斬撃』を繰り出しながら瓦礫竜に攻撃を仕掛ける。
「月夜もゆくるんの真メロンパン刀の為に戦います!」
 月夜も『疾風飛燕旋風鎌イタチ撃』を瓦礫竜に向けて放っていく。そして月夜の攻撃にあわせるように巨大十字手裏剣を投げる。
「うわあっ!」
 紫電が攻撃を仕掛けた時、瓦礫竜からの反撃をくらってしまい、大怪我ではないが軽い傷でもないダメージを負ってしまう。
「紫電さん!」
 投げ飛ばされた紫電に駆け寄るのはフジヤマの二人。
「新茶じゃなくてごめんなさいっ‥‥でも元気になってくださいですっ」
「一人より二人の方が回復スピードは速いでしょうから‥‥」
 二人が力を合わせたことにより、紫電の傷はたちまちに治っていく。
「さんきゅ、助かったよ。瓦礫竜の攻撃が来ないところに隠れてるんだ」
 紫電の言葉に「大丈夫ですっ」と湯菜は下に来ていた水着を見せる。ただのスクール水着に見えるがちゃんとした防具であり、防御力はかなり高いのだ。
「さて、前線に戻るか――」
 瓦礫竜のほうを見るとエルの『瞬歩』で瓦礫竜が翻弄されている姿が見える。
「そこですわっ!」
 エルの鋭い攻撃が瓦礫竜の瞳に突き刺さる。瓦礫竜は苦しそうに雄叫びをあげる。
「自分の『八葉』で隙を作れるはずです、その隙に‥‥」
 半蔵がサムライ達にいうと「いや‥‥」と緋煉が考え込むように言葉を返した。
「たとえ隙を作れたとしても飛び道具では一瞬の隙、それでは攻撃に間に合わない――直接誰かが隙を作りにいかねば効果がない」
 緋煉が呟き「拙者がいくゆえ‥‥」と紫電とエルを見ながら言葉を続けた。
「此処は拙者が防ぎますゆえ『残鉄剣』を、エル殿も助力を願いたい」
「‥‥ゆくるんもメロンパンチを‥‥」
 ゆくるんが言うと「巻き込まれたくないなら下がっておくが得策ですわよ」とエルが呟く。
「ゆくるん、エルさんの言う通りかもしれないです」
 月夜が言うとゆくるんは残念そうに「‥‥分かりました‥‥」と呟いた。
 緋煉は『鉄壁』を多用し、瓦礫竜との距離を縮めていく。エルも緋煉の負担が少なくなるようにと攻撃を繰り広げる。本人は決して認めないだろうけれど。
「今だ、紫電殿!」
 緋煉の言葉を合図に、後ろでタメをしていた紫電が緋煉とエルの作ってくれた好機で『斬鉄剣』を瓦礫竜にくらわした。
「もらったああっ!」
 斬鉄剣の効果は相手の防御力無視の攻撃、いくら防御力の高い瓦礫竜でもこの攻撃には耐えられなかった。
 瓦礫竜は「グオオオォォオォ‥‥」と空に向かって叫び、砂漠に倒れる前に塵となって消えていった。
「まぁ、こんなものですわね」
 消えた瓦礫竜を見ながらエルが小さく誇らしげに呟く。
「皆さん、大丈夫ですか?」
 浅緋と湯菜が駆け寄ってくる‥‥所に瓦礫から生み出された敵(雑魚)が二人を襲う。
「こ、こっちに来ないで下さい!」
 小太刀をぶんぶんと振り回しながら逃げる浅緋に緋煉が敵に攻撃を与え、塵へと返していく。
「大丈夫か?」
「は、はい。ありがとうございます」
「湯、湯菜もびっくりしました、ありがとうございます」
 二人は恐怖からか体を少し震わせながら緋煉に礼を述べた。
「ゆくるん、怪我はないですか?」
 月夜がゆくるんに問いかけると「‥‥大丈夫です‥‥」とゆくるんは笑みながら答える。
「そろそろ街へ戻ろうか」
 紫電の言葉にメンバーは街へと戻っていった。


「本当に‥渇いた街の、どころじゃないな、こりゃ」
 紫電が荒れ果てた街を見て呟く。その言葉にエルや緋煉などは苦笑している。
「さて、皆さん。此処で重要な話し合いが必要になりますわ」
 エルが報酬の『煌きの刀』について話し合おうと近くの酒場に入る。もちろん子供はお酒は飲まずにジュースを飲む。
「私は皆様と一緒に依頼を完了できただけで楽しかったので。それに刀は使いませんので皆様でどうぞ」
 いち早く『煌きの刀』入手を辞退したのは浅緋だった。その言葉にうそはないのか、にこにこと笑っている。
「ゆくるんは真メロンパン刀を作る為に煌きの刀が欲しいそうです」
 月夜の言葉に「‥‥メロンパン刀?」とその場にいた全員が心の中で呟く。
「あら、その刀はわたくしが最も有意義に扱えるのじゃなくて?」
 エルは他のメンバーを睨みつけながら低い声で呟く。
「‥‥う、黄金の茶室作りは難しそうですね、諦めるです‥‥」
 流石にレア度の高い武器だけあって欲しいという人は結構いる。
「あ、俺もいらないわ、刀はサムライの魂だ。俺にはどんな名刀より、長年連れ添ったコイツがちょうどいい」
 紫電は自分の愛刀を見せながら呟く。
「拙者は別にどっちでも構わないな」
 緋煉もやはり自分の愛刀に愛着があるのか、欲しいとは言わない。

 結局、何時間も話し合った結果――『煌きの刀』を手に入れたのはエルと緋煉だった。緋煉の行動のおかげで瓦礫竜を倒すことができたし、エルに関しては何が何でも欲しいというオーラが出ていたためだ。
 後日、二人は御所へと赴き御所主(ユリアナ・マクレイン(fz1039))から煌きの刀を受け取った。
 それを見ていた湯菜は「新境地を開いて水着でお茶会するのです!」とアヤシイ方向へと走ってしまったのだとか‥‥。
 そして『水着お茶会』は一部の男性キャラから物凄い支持を受けているというのを風の噂で知った。


END