サムライ×ブシドーアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 3Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 難しい
報酬 1.8万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/15〜10/17

●本文

最後のエリア、それは選ばれた者のみが入る事を許される場所‥。

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『サムライ×ブシドー』というネットゲームが今、爆発的に人気を誇っている。

プレイヤーは『サムライ』と呼ばれるキャラクターを製作し、電脳世界『ヘイアン』の事件を解決していく。

ゲームの内容は至ってシンプルなもので、事件などは毎日のように更新されている。

これは――‥電脳世界『ヘイアン』に住むサムライ達の物語―――‥。

※※※

火のエリア:サラマンド

水のエリア:ウンデネ

風のエリア:シルフィール

土のエリア:ガイスアト

これが『ヘイアン』を分ける四つのエリアだ。

サムライ達は『御所』と呼ばれるギルドに登録して、仕事である依頼を探す仕組みになっている。

しかし――‥最近になって幻のエリアが存在するという噂が流れ始めた。

そのエリアの名前は幻想エリア・イルージア

これはサムライ達の最後の物語である――。

※※※

「イルージア?」

御所主が持ち出してきた依頼は、最近噂されているイルージアの調査依頼だった。

「イルージアって本当に存在するかどうかも分からないエリアじゃないの」

一人のゲイシャが依頼書を見ながら呟くと「存在するのよ」とため息混じりに呟いた。

「普通のキャラでは入れない、けれどレベル77以上のキャラならば限定地域に行く事でイルージアに行く事ができるのよ」

「限定地域?」

「サラマンドの火口の中にある隠しエリアへの道があるというわ、はっきり言って、本当かどうかも分からない。ただイルージアが存在するということ以外は不明なのよ」

それでも行く? 御所主はそう言うと今回のメンバーを紹介し始めた。

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●募集事項
◎映画「サムライ×ブシドー」では出演者の皆様を募集しています。
◎今回の話に必要な必須配役は以下の通りです。
 ・御所に所属する人物(サムライ・ゲイシャ・フジヤマ)
※御所主はユリアナが演じますので、出演者の皆様が演じることはできません。
※このシナリオではプレイヤーではなく『作成されたキャラ』を演じる方を募集しています。
よって『●●のPLを演じる』という事はできませんのでご了承下さい。
※何か質問がありましたらユリアナに聞いてください。
(その際は別スレを立てていただけると有難いです)



※設定など※

※サムライ→近距離攻撃を得意とする職業。

※ゲイシャ→中・遠距離攻撃を得意とする職業。

※フジヤマ→援護・回復系を得意とする職業。

○現在は上記三つの職業しか存在しません。

○それぞれの職業には『ブシドー』と呼ばれる特殊能力があります。
 それぞれの職業に合わせた能力を自由に考えていただいて結構です。

●今回の参加者

 fa0406 トール・エル(13歳・♂・リス)
 fa0470 橘・月兎(32歳・♂・狼)
 fa2321 ブリッツ・アスカ(21歳・♀・虎)
 fa3090 辰巳 空(18歳・♂・竜)
 fa4360 日向翔悟(20歳・♂・狼)
 fa5331 倉瀬 凛(14歳・♂・猫)
 fa5394 高柳 徹平(20歳・♂・犬)
 fa5867 山南亮(9歳・♂・アライグマ)

●リプレイ本文

 今回のイルージアへ調査に向かう依頼――その依頼を受けた者は様々な理由を持ってやってきた。
 例としてあげればエル(トール・エル(fa0406))の理由は金欠状態に困り、報酬の多いこの依頼を選んだのだとか。
「何だって、この現場に俺がいるんだか‥‥」
 呟くのは蒼朱(橘・月兎(fa0470))、実は代わりに此処にいるという事実があるのだが、それをわざわざいう事もないので、蒼朱はため息混じりにメンバーを見渡した。
「でも、新しいエリアって言うのはいいよな、どのエリアにも退屈してきた所だしな」
 紫電(ブリッツ・アスカ(fa2321))の言葉に緋煉(日向翔悟(fa4360))も頷く。彼は今回のエリア攻略の為に幾つも回復薬を持参してやってきた。
「私も色々魔法薬を持ってきました、何があるか分かりませんからね」
 そう言って瓶を見せながら呟くのはカグライ(辰巳 空(fa3090))だった。
「僕はイルージア出身だからね、案内してあげるよ」
 ふふん、と偉そうに言うのはミトラ(山南亮(fa5867))が言う、彼は自分中心でないと気が済まない性格らしく、気を引く為に『イルージア出身』といっているのだ。
「どうも、マツモト(高柳 徹平(fa5394))で会うのは初めてだっけ」
 別キャラで今回のメンバーと会った事があるらしく、慣れた感じで話す。
「でも火口の中に入り口があるかも分からないんだろ? どうしてイルージアがあるって断言できるんだろうな」
 流輝(倉瀬 凛(fa5331))が呟き「さ、考えていても仕方ないですわ」というエルの言葉に従うように火口の中へと飛び込んでいった。


 火口の中、確かにダメージはあるものの、何処かへと導かれるような感覚をメンバーは感じていた。
 そして――‥‥。
「此処が、そうなのか?」
 流輝が呟くと、メンバーはエリアを見渡す。すると其処には『幻想的』と呼ぶに相応しいエリアが広がっていた。
「あら、確かに美しいとは思いますけど‥‥色々なエリアが混ざり合っていますわね、まぁ‥‥わたくしの経験と知識があれば対応可能ですわ」
 エルが高飛車に言うと、敵の気配を感じる。しかし、敵の方に視線を向けてみると‥‥驚くべきことだった。
「‥‥何でこんなのが普通にうろついていやがるんだよ?」
 紫電が驚くのも無理はない、何故なら‥‥今までのボス級の敵が雑魚的並にうろついているのだ。
「まぁ‥‥でも今のレベルなら倒す事など造作もないでしょう」
 カグライが呟きレアアイテム波涛弓をひき、敵を射抜く。その後、緋煉も攻撃をするが、最初にその敵と戦った時のような苦労は感じられない。
「レベル制限があるとはいえ、この程度の敵ならなんともないな」
 流輝も敵を倒し、物足りなさを感じながら呟く。
「ちょっと! 何で僕より前にいるのさ!」
 ミトラが不満そうに叫ぶ。
「‥‥侵入者には死を!」
 敵が背後から突然現れ、油断していたのか、他のサムライ達が対応できないとき――動いたのは蒼朱だった。
「ほざけ! ボケがぁっ!」
 回復役のフジヤマの癖に何故か敵に蹴りを食らわしながら、敵を倒している。
「おっかねぇ‥‥」
 紫電が呟き、肩の力を抜いた瞬間――激しい雄叫びをあげながら見た事のないような敵が現れた。
「何だ、コイツは!」
 メンバーは武器を構えながら、異形の姿で現れた敵に攻撃を仕掛ける。
「あの敵は手強い、護りは任せていただこう。紫電殿、エル殿、存分に戦われよ」
 緋煉が呟き、護りに徹するという役割を引き受け、他のサムライ達に戦う事を任せた。
「あなた‥‥さぁ、止まりなさい」
 エルは瞬歩を使い、敵の背後へと移動する。しかし、敵の攻撃が紫電に直撃し「誰か回復を!」と叫ぶ。
「深淵の祝福!」
 蒼朱が回復術を使い、紫電を回復する。
「さんきゅ!」
「私も魔道具などを使い、支援します」
 カグライが魔道具を敵に向けて投げつける――その魔道具の効果は敵の動きを鈍くなるというものだ。
「その程度のスピードでわたくしたちに勝てるとお思いですの?」
 エルは呟き、前の依頼で手に入れた煌きの刀で敵の心臓部に打ち込む。
「今ですわ!」
 エルの言葉を合図に、集まったメンバーが総攻撃をくわえる。
「あら‥‥」
 エルは攻撃した後、消滅していく煌きの刀を見て、少し落胆したような表情を見せた。
「わたくしとした事が、煌きの刀が消滅するとは思いませんでした‥‥これでは赤字ですわね」
 柄の部分だけ残った刀の残骸を見ながらエルはため息混じりに呟く。
「あれ、何でしょうか」
 蒼朱は指を指しながら呟く。敵を倒すと同時に奥にあった門が軋みながら開いたのだ。
「さっきの敵はただの門番だった‥‥のか?」
 あれほどの強さでただの門番、門を潜った先にはどれほど強い敵が存在しているのだろう?
「皆さんはどうするんです?」
 マツモトが門を指差しながら問いかける。
 今回の依頼は『調査』であって、イルージア全てを調べろという依頼ではない。
「僕は一旦帰る〜‥‥疲れたし」
 ミトラは呟くと同時に街へと戻っていった。
「俺は先に進むぜ、新たな冒険求めて‥‥ってな」
「拙者も行こう、未開の地を切り開くというのも面白そうだ」
 緋煉も紫電の後をついていき、門の向こうへと進んでいった。
「貴方はどうするんです?」
 蒼朱がエルに問いかけると「決まってますわ」と呟く。
「このままでは赤字ですの、この先に行って煌きの刀以上に素晴らしいものを見つけなくては。損したままというのは嫌いなんですわ」
 そう言ってエルも緋煉と紫電の後を追いかける。
「ま、俺は此処までかな。暇潰しの散歩には面白かったけど」
 蒼朱は呟くと、御所に戻る為にイルージアから出て行った。
「私は‥‥自分の目的を果たす為にイルージアに残るとしますか‥‥」
 カグライは呟き、自分の依頼書を見つめる。彼はフジヤマの道を究める為にフジヤマの始祖たる人物を探す為にイルージアへとやってきた。
 その依頼を成功させる為、彼はイルージアの門を潜った。
「また‥‥一人旅になりそうですが‥‥また会えることを信じましょうか」
 自嘲気味に呟き、また会える日を楽しみにし、先へと進んでいった。


「‥‥で? 結局戻ってきたのはあんた達だけなのかい?」
 御所主(ユリアナ・マクレイン(fz1039))はため息混じりに呟いた。
「私は調査を依頼したのにねぇ、戻ってこないとはどういうことかい」
 まぁいい、御所主は呟くと報酬を戻ってきたメンバーに手渡した。
「まぁ‥‥いい、あいつらの依頼成功失敗は保留にしといてやろうかね、戻ってきたときにどんな報告が来るのか楽しみだ」
 御所主は呟きながら、空を見上げ、イルージアにいったままの冒険者達の帰りを待ったのだった‥‥。


END