アンダーシティ・ポリスアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 3万円
参加人数 6人
サポート 0人
期間 10/25〜10/29

●本文

『地下世界に蔓延る悪を打ち破れ!』


時は西暦3×××年。
遡ること千年前、太陽と小惑星が衝突するという現象が起きた。
その時は誰も思わなかっただろう。
太陽が小惑星に砕かれてしまう事なんて。
砕かれた太陽は、隕石となって地球に降り注いだ。
その現象を『熱砂』と人は呼び、辛く厳しい世界が訪れた。
隕石が降り注いだ地表には住む事が出来なくなり、人間達は地下世界を作り出した。
この話は、地下世界を守る警察‥『アンダーシティ・ポリス』の話である。


※※※

「あれ? これって終わった‥‥よな?」

企画書を見つけた山吹 嵐が不思議そうに首をかしげて呟く。

「お! 俺も出れるんじゃん!」

配役に自分の名前が書かれているのを見つけ、どんな配役かと思いきや‥‥。

ボスの手下の下っ端→山吹 嵐

「‥‥え? 俺ってボスの手下のさらに下っ端なわけ!?」

折角の俳優デビュー、しかしその役は‥‥哀れなものだった。

※※※

アンダーシティ・ポリス

秋の特別編が公開決定しまいした!

その為、今回は出演者の皆様を募集しています。

募集している役柄は『地下世界警察』『悪事を働く大ボス』の二役です。

ボスに関しては性別は問いませんが、お一人とさせていただきます

(ボスは山吹をこき使うことができます)

何か質問がありましたら山吹 嵐に聞いてください。
(その際は別スレをたてていただけると有難いです)

それと、地下世界警察を演じる方は『バムス』と呼ばれる特殊能力を持っています。

特殊能力は演じる皆様が決めて下さって構いません。

※それと、これは特別編なので今までのアンポリと話をつなげる必要はありません。

●今回の参加者

 fa1742 スティグマ(23歳・♂・狐)
 fa2825 リーベ・レンジ(39歳・♂・ハムスター)
 fa4371 雅楽川 陽向(15歳・♀・犬)
 fa4614 各務聖(15歳・♀・鷹)
 fa5394 高柳 徹平(20歳・♂・犬)
 fa6101 明日葉 保美(36歳・♀・ハムスター)

●リプレイ本文

「温泉もたまにはいいですね♪」
 そう言って温泉でまったりゆったりしているのはアイズ(各務聖(fa4614))だった。
「ん〜、やっぱりたまには羽根を伸ばさないとね〜」
 うーん、と伸びをしながら呟くのはスミ(明日葉 保美(fa6101))だった。今回は地下警察メンバーで休暇を取り、温泉に来ていた。
「誰!?」
 スミが叫びながら石を投げつける。
「いって!」
 石が当たったのはアラシ(山吹 嵐(fz1050))という青年で俗に言う『覗き』である。
「何かガサゴソと音がすると思ったら‥‥」
「ま、待て! 話せばわかる!」
 アラシは慌てて叫ぶが「覗きをしておいて‥‥問答無用です!」と少し怖い笑顔で呟く。


「はぁっ!?」
 それから二人は署へ連れて行き、アラシという男を取り調べていたのだが‥‥出るわ出るわの余罪だらけである。
「呆れますわね‥‥一体、どれだけの悪事をしていますの?」
「さすがにこれだけあると‥‥ほっとくわけにもいかないわね」
「何しとんの?」
 そこへ現れたのはエール(雅楽川 陽向(fa4371))だった。彼女は仲間が悪事を働く奴を捕まえたと聞いて様子を見にやってきた。
「いいところにきた!」
 上司がエールを見るなり「人手が足りないから手伝ってくれ」と捜査協力を求めてきた。確かにエールの飛行能力は外での捜査に欠かすことができない戦力となるだろう。
「何で〜? 敵は捕まえたんやろ?」
「それが――‥‥調べてみたら余罪が物凄い数で‥‥一応親玉の目星もついているんですけど」
 アイズがため息混じりにアラシを見ながら呟く。
「へん、俺は別に何も言ってないぞ! オォボス(高柳徹平(fa5394))が関係してるなんて俺は一言も言ってないからな――――あ」
 きっとオォボスという奴はお馬鹿なのだろう。こんな口の軽い男を部下にしているくらいなのだから。
「其処まで言っちゃったらアジトを言っても変わりないでしょ、何処?」
「お――俺は何もしらねえ!」
 そこで「私の出番かね!」とレンズ(リーベ・レンジ(fa2825))が現れた。
 そして世界地図を取り出し、懐からダーツを取り出す。
「犯人を何処ぞ!」
 ひゅん、とダーツを投げ、ダンとある一点でダーツが止まる。
「なるほど、此処のようだ」
 ダーツを抜き、その点を赤いペンで丸印をつける。
「そう遠いことはないんやな」
 エールが地図を覗き込み「さっさと終わらせてしまうで!」とスミ、アイズと共にアジトへと向かっていったのだった。


「ほら、早く歩いてくださいね」
 アイズがアラシの手を縄で縛りながらアジトへと連れて行く。署に置いてきても良かったが、何かの役に立つかもしれないという事で連れてきたのだ。
「せっかく‥‥婦警同士の慰安旅行やったのに――‥‥お前が捕まるからパーになってもうたわ!」
 げし、とエールがアラシに蹴りをいれる。
「いって! アンタ本当に警察かよ!」
 アラシが反論すると「覗き魔は黙りなさい」とスミがペシンと頭を叩く。
「‥‥アラシ? 帰ってきたのですか?」
 辿り着いた先、そこは地下世界でも悪名高い会社だった。地上げ、高利貸し、暗殺者派遣から色々な偽造、はっきり言って例を挙げたらキリがないほどだ。
「―――その中に覗きも入れておかないとですね」
 アイズがにっこりと笑って答える。
「ぼ、ボス! すみません! ヘマをしてしまって捕まっちまいました!」
 アラシが叫ぶと、オォボスは地下世界警察のメンバーを見て、少し笑む。
「なるほど――有名な警察は風神のエールのみですか――俺だけで何とかなりそうですね」
 そう言ってオォボスはバムス『HOH』を発動させる。このバムス、意外と厄介なもので『本人のこれまでの行いによって天国か地獄、どちらかの幻覚』を見せられてしまう。
「きゃああああああっ!!」
 全員の悲鳴がその場に響く。
「はははっ、お前等、地下世界警察なら一人くらい人を殺したことがあるのだろう? その罪悪感を吹っ切ったとしても――心の奥底では罪悪感は消えない。その罪悪感で自らを滅ぼしていけ――!」
 オォボスはけたたましく笑いながら、苦しむ地下世界警察を見ている。
「――――なんてね」
 アイズは鳥の鳴き声で目を覚まし、パチンと指を鳴らす。
 彼女の能力は『バード・アイズ』と言うもので指を鳴らすことで鳥を思いのままに操るというものだった。
「――なんて幻覚を見せてくれるのよ!」
 スミもバムス『アイアン・シュフ』を発動させ、フライパンでカコーンとオォボスを殴る。ちなみに彼女が見ていたのは『天国・全品半額』の幻覚である。
「ナメた真似してくれるやないか、許さへんで――」
 エールはゴーグルをかけ、バムス『風神』を発動させる。
「ボス! もうやめましょう! このままでは俺達の負けです! 計画している温泉の盗撮兼覗きスポット計画も止めるべきです!」

 シーン‥‥‥‥。

「あんた、自分で自分のボスの罪を大きくしてるの分かってる?」
 スミが問いかけると「え?」とアラシはきょとんとした顔で答える。やっぱり馬鹿である。
「あははははははっ! アラシ、お前マジでありえねえな」
 突然豹変したオォボスに地下世界警察は身構える。
「もう、マジで勘弁ならねぇ――お前等みんな此処でぶっ殺してやる!」
 そう叫びながら向かってきたオォボスにエールが攻撃を繰り出す。普段の冷静さを書かなければ、オォボスは此処で逃げ――アラシだけが捕まるという事で終わったのだろう。
 しかし、自分の悪事をアラシがバラし、混乱したのだろう。
 今の彼に『冷静』という言葉は存在しない。
「私達に見つかったのが運のツキよ!」
 そう言って地下世界警察のメンバーはそれぞれのバムスで攻撃を仕掛けた。


 それから――メンバーは地下世界警察署にオォボスとアラシを連行し、今回の事件は終わったのだった――‥‥。
「‥‥で、今回は途中で予期せぬお仕事になっちゃったし、休暇は取り直してもいいのよね?」
 にっこりとスミが上司に話しかける。
「いいですね、温泉の続きでもしましょうか」
「あ! うちもいっていい? 他の皆と行く筈やってんけど今回のことで置いてきぼりになってしもたんよ」
 エールがため息混じりに呟くと「もちろんです」とアイズが答える。
「人数が多いほうが楽しいしね、じゃあ早速何処にいくか決めようよ」
 上司はまだOKを出していないのに三人は楽しそうに温泉ガイドを開き、話している。
「‥‥っていうか、まだOK出してないし、報告書残ってるんだけど」
 上司の言葉はむなしく誰の耳にも届かなかったのだった。


END