電脳迷宮アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水貴透子
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
2.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
11/29〜12/02
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●本文
電脳迷宮:アンダーシティ・ポリス7
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太陽のかけらが隕石となりて、地球に降り注いだ現象―‥熱砂。
生きる事に絶望した人間達は地下に己たちの世界を切り開いた。
その地下世界を守る警察‥アンダーシティ・ポリス
彼らは今日も地下世界の平和を守るために活動を続ける。
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●話の内容
少し前、ポリスにやってきた子供がいた。
彼は「家族が殺される。助けて欲しい」と懇願してきた。
しかしポリスも暇ではない。このご時世、助けてくれとやってくる人間は大勢存在する。この子供もそんな感じだろうとポリスは相手にしなかった。
そして‥数日後に『金の砂漠』によって一つの会社が潰され、社長一家が暗殺されるという出来事が起きた。
その中にポリスにやってきた子供も存在していた。
そして入院していた病院から逃げ出し、潰された会社へと向かっていた。
「お前らの正義などぶち壊してやる!」
助けてくれなかったポリスへの憎しみ、そして家族を失った悲しみ、絶望感が脅威なるバムスをその子供に与えた。
『金の砂漠』によって潰された、その会社は主に電気機器を扱う会社だった。
その子供は会社に残されていた全ての電気危機と融合してポリスに挑戦状をたたきつけた。
「三日後、全てを巻き込んで自爆する。止める方法は僕を消滅させるしかない。
さぁ‥愚かで残酷なポリスたち。止められるものなら止めてみろ!」
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●募集事項
◎毎度の如くアクション映画になります。
◎この話は出演者のみを募集します。
◎出演者はバムスと呼ばれる特殊能力を持っています。これは参加された方が自由に決めてくださって構いません。お好きな能力をお考えください。
◎話に大きく関わる方がバムスなしだとアクションもナシになってしまう可能性がありまうので出来るだけ話に大きく関わる方はバムスを持たせてください。
◎今回の主な登場人物は『地下世界警察』『金の砂漠の人物』『OPに登場した子供』などでしょうか、他にも適役がありましたらお書きください。
◎OPに登場したのは『子供』となっていますが20歳未満でしたらOKです。
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●アンポリの世界観
※今更かよ、と思われますが説明してなかったと思い、書かせていただきました。
◎熱砂によって地上に住めなくなり地下へと移り住んでいる。
◎ある程度は復興したものの、未だに荒廃している世界。
◎スラム(居住区)については以下の通りです。
※東居住区‥普通に人が住んでいるスラム。治安は少し悪い。
※南居住区‥ここは現在封鎖中です。
※西居住区‥普通に人が住んでいます。治安はどちらかというと良い方です。
※北居住区‥人が住んではいるものの、治安が悪い。
※上層地区‥どの居住区にも当てはまらない中央地区。治安は良くお金を持っている人間が住んでいる地区です。
※今回の舞台は西居住区になっています。
◎以上がアンポリ世界観についての説明です。
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◎プレイングに書いて欲しいこと。
※役名/バムス/一人称/二人称/口調/
なるべくでいいのですが、プレイングは簡潔に書いてください。
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●リプレイ本文
「本当は鑑識に回りたいのだけどね」
愚痴るように呟くのはキール(キューレ・クリーク(fa4729))、彼女は所持する能力ゆえに今回のような聞き込みなどの捜査に駆り出されることが多い。とある会社の社長一家の殺人現場にやってきたらむせ返るような血の匂いに出迎えられ、庭先に不審な足跡を見つけた。
「‥スニーカーの足跡‥」
キールは近くにいた捜査員に署の仲間達に伝えるように伝達し、自分は独自の捜査を開始した。
「厄介な事になってるわねぇ」
山積みされていた書類を片付け伸びをしながら言うのは草加(草壁・蛍(fa3072))。
「キールさんから届いた情報によれば社長一家暗殺事件の事も調べなきゃいけませんし‥二班に分かれて行動するのが得策でしょうか」
先程ポリスに届けられた挑戦状を見ながらドミニカ(ジュディス・アドゥーベ(fa4339))が呟く。暗殺された社長一家の一人息子、レイ(帯刀・橘(fa4287))がポリスに出してきた挑戦状、自分ごと西居住区を巻き込んで自爆するという物だった。
「草加さんとドミニカさんはその少年側に行って。金の砂漠には僕とゼンさん(忍(fa4769))で行くから」
ね、とゼンに相槌を求めるのは刃霧(桃音(fa4619))だった。
「そうだね。息子の方は草加さん達に任せるよ。俺達も片付け次第そっちに向かうから」
そう言って捜査員は二班に分かれて行動する事になった。
「う〜ん、やっぱり書類整理より外での行動の方がいいわね」
金の砂漠によって潰された会社に向かいながら呟くのは草加、行動派の彼女にとっては署内に閉じこもる仕事より外で暴れる仕事の方が好みのようだ。
「さて、行きますか」
草加が立ち止まり、目の前に聳え立つビルを見上げる。そこの最上階にはポリスに挑戦状を叩きつけたレイが待ち構えているはず。
「何があるか分からないから気を引き締めて行きましょう」
先程の態度とは一変する草加に、ドミニカは驚くものの「はい」と返事をしてビルの中に乗り込んで行く。
「金の砂漠に関わった会社の相次ぐ破綻話は何度か聞いてるし、資料でも見たよ」
ほら、と言いながら刃霧はゼンに資料を渡した。
「流石は資料担当だね‥っと、ここが金の砂漠?」
「そうだよ、あれ?キールさん?」
金の砂漠の会社の近くに立っていたのはキールだった。
「遅かったわね。この会社良い噂は聞かないからね。人手は多い方がいいでしょう?」
キールの言葉に「うん、そうだね」と刃霧が頷き、三人は会社内に乗り込んだ。乗り込んだと同時に大勢の雑魚に囲まれるがキールが担当するからと言って二人を先に行かす事にした。
「きゃあっ」
ドミニカの叫び声と同時にバリアーが展開される。彼女の能力はどんな物でも遮断出来るのだが未熟さゆえに思い通りに扱う事が出来ない。
「た、助かったわ」
ビルに入った途端、電子機器に繋がれた銃器類の群れが二人に襲い掛かってきて無意識の内にドミニカの能力のおかげで命拾いをしたのだ。
「いえ、コントロールできているわけじゃないですし」
「こんなのを何回もされたら命が幾つあっても足りないわ。急ぎましょう」
相手が電子機器を扱うのだったらエレベーターは使う事が出来ない。途中で落下する可能性があるから。だから二人は階段を必死に上っていった。
「こ、ここが高層ビルみたいに高い会社じゃなくて良かったですね‥」
「そ、そうね」
二人ともゼェゼェと息を切らせながら呟く。
「‥さぁ、この扉の向こうの人とご対面しましょうか」
そう言って草加はバンと勢い良く扉を開けた。
「ゼンさん、この階には誰もいないのかな」
「‥いるよ、その部屋の中に二人」
ゼンが呟くと同時に近くの部屋の扉が激しい音をたてて壊れた。
「なっ‥」
「ゆんは部屋の中にいる奴の相手をお願いするよ。こいつの相手は‥俺だ!」
そう言ってゼンは現れた男、クロウ(氷桜(fa4254))と戦いを開始した。
「やれやれ、俺の相手は君?‥‥君一人で務まるのかな?」
部屋の中から静かな声が響く。刃霧は壊れた扉を通って、中にいる男‥紅磨(加羅(fa4478))と対峙した。
「へぇ‥可愛いお嬢さんだね。そんな華奢な腕で俺と戦うのかい?」
静かに淡々と語る男だが、その静けさに冷たい炎を刃霧に連想させ、刃霧は持っていた剣を構えた。そして紅磨も剣を構える。紅磨の剣は刃霧の剣とは逆で長めの剣を持っている。
「少しくらい‥楽しませてくれよ!」
そう言って紅磨は剣を振り上げた。
「あっちでも始まったか‥」
ゼンはクロウの攻撃を避けながら、ちらりと部屋の中を見る。部屋の中には背の高い男と戦う刃霧の姿があった。
「‥‥‥‥‥余所見とは余裕だな」
クロウは己が所持する能力『異界の蛇』の影からナイフを投げてくるが、それをゼンは避ける。しかし次の瞬間にクロウが能力で攻撃を仕掛けてきて、それをまともに食らってしまい、壁に叩きつけられてしまう。
「げほっ」
「‥‥‥‥‥どうした、もう終わりか?」
カツン、と倒れるゼンの前にクロウが立ち止まる。
「出来れば、戦いナシで終わりたいんだけどなぁ」
倒れたままゼンが呟くと「‥‥‥無理な相談だな」と言って能力を発動する。
「目には目を‥俺も造るのは得意なんだよね!」
シャドウツールを発動させ、影の中を移動してクロウの背後を取る。その手には影から造った影の蛇。
「この前の一家殺害事件、お前らの仕業だろう!」
「‥‥‥それが仕事だ。金が支払われる間は文句はない」
ゼンの攻撃を自身の能力で受け止め、当然だと言わんばかりに答える。
「‥‥‥貴方達も同じようなものだろう。その背後にある後ろ盾が違う、それだけの事だ!」
クロウが叫ぶと同時に何か嫌な予感がゼンを駆け抜ける。自分の直感を信じ、ゼンは能力で近くの影からクロウの影へと移動し、影の蛇でクロウの体を突き刺した。クロウは呻き声を上げ、がくりと膝をつく。その際に自分の顔を覆っていた面、骸骨を模った物が顔からはずれ、派手な音をたてて割れてしまった。
「‥‥‥‥‥‥ぐっ、この屈辱は忘れないぞ、闇という闇を恐れるがいい!」
そう言ってクロウは能力を使い、ゼンの前から立ち去っていった。尤も暫くの間、体を激しく動かす事が出来ないくらいの怪我を負わせたから少しの間は大人しくしているだろう。
「ゆんはどうしてるかな‥」
戦いで傷ついた体を引きずり、刃霧の方へと視線を向けた。
「‥くっ」
刃霧は紅磨との戦いに苦戦していた。小柄な分スピードはこちらが有利だが、腕力には勝てない。しかも紅磨の能力イレイザーは厄介なものだった。自分の姿・気配・身に纏っているもの全てを視界から消す能力。先程から近づいてきては斬って‥という方法で刃霧は致命傷には至らないものの沢山の傷を負ってしまった。最初は相手が女だという事で手加減をしていたらしいが刃霧の強さに本気を出し、今に至る。
「‥あれって‥」
万事休すかと思われた時、宙に浮く赤い液体を見つける。それは先程斬られた時に紅磨についた刃霧の血だった。
「‥そっか。後から付いた物には対応できないんだ」
そうなれば簡単、そう言って刃霧は能力アクア・ガーデンを発動し部屋全体に激しい水を降らせる。するとある場所に奇妙な水が浮き出ていて、刃霧はそこ目掛けて剣を突き刺した。
「‥な、に‥」
呟いた途端シュンと紅磨の姿が元に戻り、自分に起きている事を理解する。
「成程、中々に賢しい小娘だ、しかし―‥」
ここで殺られるワケにはいかない、紅磨は呟いて能力を発動すると刃霧の前から姿を消した。
「お互い逃げられたね」
「うん‥でもとりあえずはいいんじゃないかな?僕ら三人も西居住区に向かおう。ゼンさん、よろしく」
「え!俺?や、でも複数の移動は疲れ―‥」
「ぼやく前に行く!」
「へぇ、それでお姉さん達は僕を止めに来たんだ。皆が巻き込まれないように‥僕の時は助けてくれなかったのに!」
レイが叫ぶと同時に部屋にあった電子機器が反応して攻撃を仕掛けてくる。ドミニカはビクと肩を震わせるが草加はレイを真直ぐに見据えていた。
「遅くなったけど、私達は助けに来たの。貴方を」
「西居住区の奴らを、の間違いだろ?僕が頼んだ時は誰も助けてくれなかったのに!」
「じゃあ‥何故貴方はポリスに挑戦状を叩きつけたのですか?」
ドミニカの言葉にレイは動きを止める。
「自分の事を判ってくれる人がいるかもしれないと感じたからでしょう?」
ドミニカの言葉にレイは「うるさい!」と叫び、攻撃を仕掛けようとしたその時‥。
「待って!」
刃霧の声が部屋に響き渡った。
「金の砂漠は事実上、壊滅したよ。今ポリスの皆が向かっている。だからもうこんな事をしなくてもいいんだよ」
それに‥と呟く。
「西居住区には僕の友達がいる!爆破なんてやめて!」
失いたくないんだ、刃霧の言葉に「‥何でかな」とレイが呟く。
「何で、あの時、あの場所にいたのが貴方達じゃなかったんだろう‥そしたら家族は死なずにすんだかもしれないのに‥」
レイが呟くと同時に融合が解除され、レイは草加に抱きついて泣き叫んだ。
「助けてあげられなかった事は否定しない‥だけどこれから悪に苦しむ人を助けられるのも私達だけなのよ」
その後、キールの活躍によって金の砂漠に所属する重役達は捕まえられ、この前の暗殺事件の全貌が明らかになったのだった。
END