キラーズ・サンタアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 0.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/26〜12/29

●本文

●キラーズ・サンタ●

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『サンタが本当に平等にプレゼントを渡すと―‥本気で思ってる?』


今日はクリスマス。
街を見渡せば、親にプレゼントを強請る子供、綺麗なイルミネーションの中を甘い雰囲気で通るカップル達―‥そんな人間達を見ればクリスマスなのだと実感する。

さて、それは置いておいて‥クリスマスといえば『ある人物』の事を忘れてはならない。
そう、サンタクロース。白いひげを生やして赤い服に身を包んだおじいさん。
彼は良い子にしていた子供達にプレゼントを渡すという重要な役割を持っている。
では、悪い子はプレゼントをもらえないのか?
いいや、それは違う。良い子だろうが悪い子だろうがサンタは分け隔てなくプレゼントを渡す。
良い子には、持っている白い袋からその子が欲しいと願っている物を出して渡すのだ。


―‥だったら悪い子には?
悪い子の前では、サンタは白い袋を斧に持ち替えて『死』という名のプレゼントを渡しにやってくるのだ。
だって『良い子』と『悪い子』に平等にプレゼントをあげていたら、良い子に対して失礼だろう?

さぁ、今年もクリスマスがやってくる―‥。
貴方はプレゼントを受け取りますか?

     YES or NO‥?

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●募集事項&簡単な説明
◎この話はホラー映画になり、出演者のみを募集しております。
◎サンタは子供、大人区別せずにプレゼントを渡しにやってきます。
良い子は願う物を、悪い子には死という名のプレゼントを‥。
◎サンタは12月25日を過ぎた時点で役目を果たして帰っていきます。
◎サンタを攻撃すると、トナカイが人間の姿になって襲ってきます。
◎この他の疑問な点がありましたら、参加者の皆様で決めて下さって結構です。

※絶対に出して欲しい役
◎サンタ役
◎プレゼントを貰う出演者(悪い子は最低二人は出して欲しいです)
※トナカイは無理して出さなくてもOKです。


それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

●今回の参加者

 fa0155 美角あすか(20歳・♀・牛)
 fa0634 姫乃 舞(15歳・♀・小鳥)
 fa2029 ウィン・フレシェット(11歳・♂・一角獣)
 fa3516 春雨サラダ(19歳・♀・兎)
 fa3802 タブラ・ラサ(9歳・♂・狐)
 fa4263 千架(18歳・♂・猫)
 fa4563 椎名 硝子(26歳・♀・豹)
 fa4713 グリモア(29歳・♂・豹)

●リプレイ本文

 今宵はクリスマス、きっと‥何かが起こるはず‥。
 それが良い事なのか、悪い事なのかは分からないけれど‥。


「クリスマスだって言うのに、女二人で歩いているなんて寂しいものよねぇ‥」
 ため息混じりに呟くのは恵利(椎名 硝子(fa4563))、それに対して「憂鬱なクリスマスだぁ‥」と答えるのは理奈(姫乃 舞(fa0634))だった。
「こんな日は飲まなきゃやってられないわ!さぁ、飲みなさい!」
「未成年の私がお酒なんて飲んだら、キラーズ・サンタに殺されちゃいますよ〜」
 冗談で笑いながら言うと「キラーズ・サンタ?」と恵利が聞き返してきた。
「良い子には願っている物を、悪い子には『死』をプレゼントしてくれるらしいですよ?」
 理奈の真剣な顔に恵利は「やだ〜‥本気で信じてるの?」とけらけらと笑いながら答えた。
「そんなサンタいる訳ないで‥きゃあっ、な、何よ、あんたは!」
 恵利の突然の悲鳴に理奈が不思議に思って後ろを振り向くと、そこにはサンタ(グリモア(fa4713))が立っていた。白くて長い髭や眉毛のせいでサンタが若い男なのか、本当にお爺さんなのかは分からなかったが、今の二人にとってはどうでもいい事だった。
「さぁ、今夜はクリスマス。儂からの素敵なプレゼントじゃ、受け取っておくれ」
 サンタは穏やかな口調とにこやかな笑顔で斧を振るい、恵利の頭に突き刺した。恵利は叫ぶ暇なく死んでしまい、どさっと理奈の前に倒れた。
「ひっ‥」
「さぁ、次はお前さんだ」
 くるりと理奈の方に向き直り、じりじりと近寄る。
「いや‥いやぁぁぁぁっっ!」
 目の前にサンタが立ち、理奈が叫んだ所で目の前が真っ暗になった。


「あー‥マジでついてない‥」
 携帯片手に呟くのはエリカ(美角あすか(fa0155))、彼女は今夜がクリスマスだって言うのに弟達の面倒を親から言いつけられてしまったのだ。はぁ、とため息を吐いたとき誰かが家にやってきたのだ。
「エリカ!遊びに来たぜ〜‥」
 酒等が入った袋を片手にやってきたのは、エリカの友人でサラ(春雨サラダ(fa3516))だった。
「おっ、やぁっと来たね。せっかくの冬休みにがきんちょのお守りなんてツイてないよ」
 エリカが玄関まで迎えに行くと「冬休みじゃなくても休んでるだろ」と言われ「確かに」と笑いながらリビングまで歩いていく。
「お姉ちゃん‥その人誰?」
 二階の部屋からパジャマ姿でやってきたのはエリカの弟の一人である勝(ウィン・フレシェット(fa2029))だった。
「何、アンタの弟?アンタと違って素直そうじゃん」
 サラがからかう様に言うと「煩いわね」と言い勝をジロリと睨みつけた。
「友達だよ、今からご飯だからアンタの友達も呼んできなよ」
 エリカの言葉に「うん。分かった」と勝は素直に返事をして二階にいる友達、久(タブラ・ラサ(fa3802))を呼びに行った。

「久君、ご飯だって〜」
 部屋でゲームをしていた久は「うん、分かった」とゲームを切って二人でリビングへと向かった。リビングには昼間、勝と久が飾りつけをしていたクリスマスツリーがきらきらと綺麗に光っていた。
「はぁ、こんなんのどこが楽しいわけ?全然分かんねぇ‥」
 カンとツリーの隣に置かれた可愛いサンタのぬいぐるみを軽く蹴りながらサラはあざ笑うように呟いた。
「あっ、やめてよ!」
 勝がサンタの人形を庇うように叫ぶと「はいはい」と椅子に座り、酒を飲んだ。
「お姉ちゃん‥お酒飲んでたらお母さん達に怒られるよ?」
「うるっさいわね〜、お子様はさっさと食べて寝る!」
 それからもエリカとサラの傍若無人ぶりは続き、勝と久は少し気が重い中でのパーティをしていた。
「そういえば勝君、サンタさん来るかな?」
 久の言葉に半分以上酔いかけのサラが「はぁ?本気で信じてんの?」と問いかけた。
「サンタさんはいるよ!」
 むきになって答える久を勝が宥めているとエリカが「お子様はさっさと寝ろ!」と言って二人を二階の部屋へと押しやってしまった。
「こんな時間に寝るのかよ?」
 サラが時計を見ながら言う、時間は九時を指しており子供でも寝るにはまだ早い時間だ。
「あ〜‥早く寝ないとサンタ来ないって言うのを信じてるから寝るはず」
 それよりさぁ、とエリカが次の酒を開けながら呟いた。
「アイツさあ、もう金がないって言うんだよ」
「は?マジで?ありえねぇ。アイツが金なくなったらあたしらの財布はどうなるわけ?」
 ぐしゃりと空き缶を潰しながらサラが答えた―‥その時。
 「メリ〜クリスマス☆」
 そう言って部屋の中に立っているのは紛れもなくサンタだった。隣には華奢で少女のような顔立ちの少年、ルディ(千架(fa4263))が立っている。
「サンタがクリスマスプレゼントを届けにやってきたぞ」
 ニコニコとしながら言うその姿に「な、何言ってんのよ!」とエリカが叫んだ。
「頭おかしいんじゃないの!?警察呼ぶわよ、早く出て行って!」
 サラが「そうだ!」と言いながら空き缶を投げると、ルディがサンタに当たらないようにそれを叩き落した。
「‥無礼な‥」
 感情を感じさせない冷たい口調で呟き、射抜くような眼差しで睨むと「ひっ‥」とどちらが叫んだか分からない悲鳴があがった。
「お前さん達‥どうやら『悪い子』のようじゃなぁ‥そう思わんか?ルディ」
「はい、その通りです」
「おまけにサンタからのプレゼントまで断るとは‥悪い子じゃ」
 そう呟くとサンタは抱えていた袋を下ろし、その中から血まみれの斧を取り出した。
「悪い子には‥死をプレゼントしてやろう」
 取り出された斧にエリカとサラは酔いが一気に醒め、慌てて逃げようと玄関に向かう―‥が先回りしていたルディのせいでリビングから出る事が出来ない。
「ひっ、いやだ、来ないでっ」
 恐怖のせいで腰が抜け、その場に座り、泣きながら「助けて」と連呼するエリカにサンタは容赦なく斧を頭に突き立てた。
「え、エリカァァッ!」
 目を見開いたままドシャッと崩れ落ち、死体はサラの近くに倒れる。
「来るなっ!」
 エリカに『死』をプレゼントした後、サラにもプレゼントをあげるためにゆっくりと向き直り、斧を持ちかえる。
「来るなって言ってんだろ!」
 テーブルの上にあった酒瓶、空き缶、お菓子やサンタの人形などを投げつけながらサラは逃げ場所がないか思案する。
「‥逃げられません」
 ルディに肩を掴まれ、身動きすら出来なくなったサラは涙混じりに「死にたくない‥」と呟く。
「あまり‥手を焼かせんでくれんか?儂とルディはクリスマス中に沢山のプレゼントを配らねばならんのじゃ‥」
「ひっ‥いや―‥」
 目の前にサンタが立ち、嫌味な程の笑顔を向けられた所でサラの意識は途絶えた―‥。


「サンタさん?」
 一階で何か物音がした事で目が覚めてしまったため、枕もとの靴下を見るが、残念な事にまだ空の状態だった。
「‥早く来ないかな‥」
 そう呟いて、また眠りに入る。それと同時にサンタが部屋の中に入ってきた。
「どうやら、ここには良い子が二人眠っているようじゃな、ルディ」
「‥はい、そうですね」
 サンタは嬉しそうに袋からプレゼントを取り出すと、枕元にある二つの靴下の中に入れる。
「メリ〜クリスマス☆」
 そう言ってサンタとルディは家から出て行った。惨劇の跡を残したまま―‥。


 次の日、二人が目を覚ますとプレゼントが置かれている事に気がついた。
「グローブ‥誰にも欲しいって言ってなかったのに‥」
「僕にもプレゼントがある!お姉ちゃん達に教えに行こうよ!」
 勝の言葉に久も「うん」と頷き、プレゼントをしっかりと抱えて一階のリビングへと向かった。
「お姉ちゃん!サンタはいるんだよ!だって、ほらプレゼントが―‥」
 ギィとリビングの扉を開け、二人の少年が見たものは―‥‥。


 メリ〜クリスマス☆
 良い子には願う物を、悪い子には『死』という名のプレゼントをあげよう。
 さて―‥お前さんにあげるプレゼントは―‥‥‥。



END