彷徨う隠者達アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 フリー
獣人 フリー
難度 普通
報酬 0.8万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 01/30〜02/02

●本文

『その声は―‥助けを求めているようにも聞こえた』

●彷徨う隠者達:アンダーシティ・ポリス12

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太陽のかけらが隕石となりて、地球に降り注いだ現象―‥熱砂。
生きる事に絶望した人間達は地下に己たちの世界を切り開いた。
その地下世界を守る警察‥アンダーシティ・ポリス
彼らは今日も地下世界の平和を守るために活動を続ける。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※●話の内容

最近、署を狙った強盗事件が多発している。

各居住区でも被害が多発し、捜査資料などが盗まれている。

今のところ、大きな損害はないが

外部に漏らせない資料を盗まれてからでは遅い。

「次はおそらく、ここに来るだろうね」

一人の捜査員が呟く。

そう、まだ荒らされていない署は西居住区のココのみなのだ。

「来ると分かっていたら対策も考えやすい」

さぁ、貴方達は迫り来る強盗『隠者』たちから捜査資料を守り抜けるか!?

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●募集事項
◎アンポリ12弾です、今回も出演者のみを募集します。
◎これはアクション映画で、出演者のみを募集します。
◎出演者は『バムス』と呼ばれる特殊能力を持っていますが、これは絶対持たせないといけないものではありません。
◎話に重要な役を演じる方がバムスなしだとアクションなしになる場合があります。
◎今回の必要な役柄は「地下世界警察」「隠者(数名)」でしょうか。
◎上記の役柄については目安ですので、参加者の皆様で話し合って役柄・設定追加はOKです。

●アンポリの世界観
※今更かよ、と思われますが説明してなかったと思い、書かせていただきました。

◎熱砂によって地上に住めなくなり地下へと移り住んでいる。
◎ある程度は復興したものの、未だに荒廃している世界。
◎スラム(居住区)については以下の通りです。
※東居住区‥普通に人が住んでいるスラム。治安は少し悪い。
※南居住区‥ここは現在封鎖中です。
※西居住区‥普通に人が住んでいます。治安はどちらかというと良い方です。
※北居住区‥人が住んではいるものの、治安が悪い。
※上層地区‥どの居住区にも当てはまらない中央地区。治安は良くお金を持っている人間が住んでいる地区です。

※今回の舞台は西居住区です。

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◎プレイングに書いて欲しいこと。
※役名/バムス/一人称/二人称/口調/
なるべくでいいのですが、プレイングは簡潔に書いてください。
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●今回の参加者

 fa0295 MAKOTO(17歳・♀・虎)
 fa0431 ヘヴィ・ヴァレン(29歳・♂・竜)
 fa1463 姫乃 唯(15歳・♀・小鳥)
 fa2825 リーベ・レンジ(39歳・♂・ハムスター)
 fa3072 草壁 蛍(25歳・♀・狐)
 fa3678 片倉 神無(37歳・♂・鷹)
 fa4339 ジュディス・アドゥーベ(16歳・♀・牛)
 fa4371 雅楽川 陽向(15歳・♀・犬)

●リプレイ本文

「ふむ、捜査資料ばかり狙うというのも奇妙な話だな」
 最近、連続して起きている事件の著さ資料を見ながらレンズ(リーベ・レンジ(fa2825))がため息混じりに呟いた。
「本当にね。絶対とっ捕まえてやるんだから」
 ゴシップ記事を見て不機嫌に答えるのは草加(草壁・蛍(fa3072))だった。
「何か‥草加さん不機嫌ですね‥」
 コソとエール(雅楽川 陽向(fa4371))に問いかけるのはドミニカ(ジュディス・アドゥーベ(fa4339))だった。
「何でも‥前に草加が起こしたバムス暴走事件の事が記事にされたらしいよ」
 それは死者は出なかったものの大量に被害者を出した事件だった、幸いにもけが人は悪人と警察関係者でおさまったのだが‥。
「ぜぇったい隠者を捕まえてやるわ!」
 草加の叫びが署内に響いた。それを聞いていたゴドー(片倉 神無(fa3678))は女って怖いモンだと呟いたとか。


「さ、次は西居住区の警察署に行ってみようか」
 そう呟くのはアサヒ(MAKOTO(fa0295))、彼女は弱小だがタブロイド誌のライターを行っている。
「次で最後の署だから、今度は警備が相当強化されていると考えた方がいいぞ」
 署の見取り図を見ながら呟くのはドリフト(ヘヴィ・ヴァレン(fa0431))、彼は元警官だが、最近の捜査員の職務怠慢に我慢ならずに隠者の仲間になった。
「どうでもいいよ。早く署へ行こうよ」
 そう冷たく言い放つのはエルピス(姫乃 唯(fa1463))、彼女は両親が殺害された過去を持つが、その事件が自殺として片付けられた事を不満に思い、もっとちゃんと捜査してもらうために署襲撃を決行している。


「早く捜査資料を出して!怪我したくなかったら早く出して!」
 その日の夜、草加達の警備も空しく、西居住区の署は襲われてしまい、捜査資料を奪われてしまった。
「あ〜〜〜〜っ!もう!何やってんのよ!捜査員全員での警備だったのに!」
 奪われた直後、草加に怒りが頂点に達したのか一人叫んでいた。
「‥‥まさかアイツが‥?」
 逃げていく犯人達の中にゴドーは見知った顔を見た。しかしゴドーの知る『彼』は真面目で犯罪に手を貸すような事などするはずもない。
「見間違いだろ‥そうに決まってる」
 それは祈りにも似た呟きだった。
「レンズ、いつもの能力で犯人の住処とか分からないの?」
 エールの言葉にレンズは「ふむ」と呟き、愛用のダーツを手に取り地図へと向けて投げた。
「‥‥‥‥ここって確か‥」
 ドミニカがダーツの刺さった場所を見て小さく呟く。そこは以前の仲間ドリフトの自宅がある場所あたり。
「確率は操作したって、外れる可能性がゼロになるわけじゃない。うん、今回ははずれだよ」
 いや〜、すまんね。そう言ってレンズは「私は書類整理に回るとしよう」と言いながら捜査員の書類を取り、自分の机についた。彼の言っている事は事実だ、確率を操作しても絶対にゼロになるわけじゃないのだが、今までの隠者達の来歴を考えてみればドリフトが犯人じゃないという可能性が消えるわけではない。
 しかし、仲間を信じる気持ちがあるのか「彼が犯人だ」とはどうしても言えなかった。そしてゴドーはそんな彼の態度を見て犯人がドリフトなのだと確信を持ったのだ。
「とにかく張り込みをして様子を見ましょう」
 はい、と言って草加が張り込みをする捜査員に渡したのは‥アンパンと牛乳。
「張り込みには欠かせないモノでしょ、コレは」
 じゃ、よろしく♪とにこやかに去っていく草加に皆は何も言えなかった。
「‥これってつまりは‥」
「仕事を押し付けられたって事だね!」
 ドミニカが不思議そうに呟き、エールが怒りを露にして叫ぶ。ゴドーは渡されたアンパンと牛乳を見ながらため息を漏らした。


 そして、レンズの能力が指し示した場所へ向かい、暫く張り込みをしているとゴドーの予想通りにドリフトがいた。
「‥やはりお前か。何をやってるんだ‥」
 怒りに満ちた声でゴドーが呟くと、ドリフトはため息をついて「それはこっちの台詞だ」と睨みながら言葉を返した。
「‥警察?!ちょ‥もしかして私達が犯人ってバレたわけ!?」
 家の中から出てきたアサヒが何人もの捜査員の顔を見て驚いたように叫んだ。そして、慌てて口を覆う。
「私達は何の用件か言っていませんよね?やはりあなた方が隠者なんですね」
 ドミニカが呟くと、アサヒは家の中に入って「エルピス!警察の奴らよ!」と叫ぶ。
「私の両親の時にはちゃんと捜査してくれなかったのに、自分達の事になると早いんだね」
 家の中から出てきたエルピスは冷ややかな目で呟く。
「ちゃんと調べてくれてたら、私だってこんな事しなくて良かったのに!」
 エルピスが叫ぶと同時にバムス『バイブレーション』が発動して、捜査員達に襲い掛かる。エルピスのバムスは自分と自分に触れている者以外の三半規管を振動させて平衡感覚を奪うというもの。咄嗟でドリフトとアサヒはエルピスに触れ、その影響を免れたが捜査員達はそうはいかなかった。立っている事すらままならずにガクリと膝を折り、地面に座り込む。
「‥い、いい加減にしろーーっ!」
 突然エールが叫び、バムス『風神』が発動し、突風を巻き起こす。その反動でエルピスは能力制御が出来ずに一度バムスを消してしまう。
「あ!捜査資料っ!」
 突風のせいで室内に置いてあった捜査資料が舞い上がり、エールの手に戻ってきた。
「惜しいね、残念♪」
 取り返そうとしたアサヒとエルピスを交わし、エールが得意げに呟いた。
「‥こんな所で捕まったらスクープなんて書けなくなっちゃうじゃない!と・い・う・こ・と・で‥サヨナラ!」
 アサヒは自分の荷物だけを持ってバムス『エスケープラビット』を発動して、文字通り脱兎の如く逃げていった。
 残されたドリフトとエルピス、エルピスはエールに取り押さえられてただ泣きじゃくり、ドリフトはゴドーの前に立ち、言葉を発さずに二人ともにらみ合っているだけだった。
「一つ、言っておく。言い訳にしか聞こえないかもしれないがな」
「‥何だ‥」
「あの嬢ちゃんの事件、俺達には全く伝わってきてねぇ」
 ゴドーの言葉にドリフトは驚いたように「‥本当なのか?」と呟いた。確かに警察官の中には捜査が面倒で事件をちゃんと調べない人間もいる。
「‥だけどな、あいつらは信じてやってもいいんじゃねぇのか?」
 ゴドーが呟くと同時に瓦礫が崩れ落ちてエルピスに襲い掛かる。
「エルピスっ!」
 ドリフトが助けるためにバムスを発動させようとするが、今からでは間に合わない。
「きゃあああっ」
「危ないっ!」
 思わずドミニカがエルピスの前に立ちはだかる。その時ドミニカのバムス『バリアー』が展開される。そのバリアーがドミニカとエルピスを瓦礫から守った。
「‥はぁ‥びっくりしたぁ‥」
 その姿を見てドリフトは「‥そうだな、あいつらなら‥信じられるかもな」と小さく呟いた。
「ったく、辞めた時といい、今回のときといい何時も一人で突っ走って焦ってどうすんだよ」
 ゴドーの言葉に「‥そうだな‥俺は馬鹿だ」と呟き、大人しく出頭する事にした。


 その後、エルピスの事件をゴドー達が調べなおし、犯人を捕まえ、いい加減な捜査処理をした捜査員をレンズが降格処分にするように進言した。
「‥ってあれ?草加さんは?」
 署に戻った後、姿を見かけない草加を探すが、何処にもいない。おかしいと思いレンズに問いかけると「張り込み場所に行ったはずだが‥」という言葉が帰ってくる。
 そして慌てて張り込み場所に戻ると、気を失って倒れている草加の姿があった。
「‥な、何でこんな所で倒れてるの‥」
 エールが呟くと「最初からいたんじゃないのか?」という短い言葉がゴドーから返ってくる。
 最初からいて、エルピスのバムスをくらって意識を失った‥そう考えればこんな場所で倒れているのも納得がいく。
「よっぽど、自分の事件を記事にされた事を根に持っていたんだな」
 バムスを発動させる姿で倒れている草加を抱きかかえてゴドーは署へと戻る。


〜回想〜

「よし、メギドの発光でフェイントをかけて隠者達をボコボコにするわよっ」
 そう意気込んでいた草加だったが、エルピスの『バイブレーション』の影響を受けてゴドーたちに発見されるまで意識を失うハメになった。
 この一件から草加が余計に『隠者』を嫌う事になったのは言うまでもない。そして数日後にアサヒから「スクープは諦めませんから♪」と書かれた手紙が届き、草加の怒りは余計に増すのだった。


END