Oriental Darkness 火2アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水貴透子
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
8.8万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
03/02〜03/05
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●本文
『勝てぬ理由、勝たねばならぬ理由‥それをもう一度考えて立ち上がれ、勇者達よ!』
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遥か東に黄金の都あり
かの都は『ジパング』と呼ばれていて、人と妖しの者が共存する平和で不思議な都
しかし―‥今、その平和を打ち崩そうとする者が現れた
※※※
「黒き星が各国に降り立ちました」
空の国の中央塔で祈りを捧げる『星詠姫(ほしよみひめ)』の予言から一週間が経とうとしていた。
予言と同時に火の国、水の国、大地の国、風の国に魔物が降り立ち、各国を支配していた。
それぞれの国には、国を平和に導く『輝玉』があり、魔物は輝玉を奉る奉納殿を拠点としていた。
輝玉は周りの気によって性質を変える不思議な玉で、心清き者が祈りを捧げれば平和をもたらし、心悪しき者の手に渡れば魔物を生み出す恐ろしい物へと姿を変える。
星詠姫はジパングを救うための勇者を選び出した。
果たして彼らはジパングを救えるのか!?
※※※前回のあらすじ※※※
火の国を支配する堕ちた天狗、蒼黒主‥。
彼は火の国の住人を支配する為に姫巫女『緋織』を捕え、輝玉も奪った。
蒼黒主は言う―‥姫巫女を死なせたくなくば我に従え、と。
その目的は嘘ではない。
しかし、輝玉が暗黒に染まるまでに姫巫女が死した場合、次代の姫巫女の所へと輝玉は移動してしまう。
それを避ける為、蒼黒主は緋織を時の流れから遮断された『不知時の鳥籠』に入れている。
だが―‥輝玉が完全に暗黒へと染まってしまえば緋織の存在価値はなくなる。
勇者達よ、輝玉が暗黒へと染まる前に蒼黒主を打ち倒し、緋織を助け出せ!
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●募集事項
◎この話は出演者のみを募集します。
◎この話は一章が二話完結になります。ですがどなたでも参加できるようにショート連作になっています。
◎今回の話で必須役柄は以下の通りです。
・星詠姫に選ばれた勇者(必須/何名でも可)
・蒼黒主(火の国を支配するボス/必須/男性一名)
・緋織(火の国の姫巫女/必須/性別はどちらでもOKです)
(緋織は前回演じてくださった方は男性でしたが、女性役で演じていただきました)
※必須は上記のみですが、他にも蒼黒主の手下などを演じていただいても構いません。
※今回、星詠姫の役は出さないで下さい。
●ジパングの設定
◎ジパングには人間の他に『妖しの者』と呼ばれる天狗や妖狐などが存在します。
星詠姫が選んだ勇者の中に『妖しの者』がいても問題はありません。
◎選ばれた勇者のうち『人間は神通力』を『妖しの者は妖術』を使う事が出来ます。
(一部を除く)
以下に種族設定を書いておきますので、ご参照下さい。
●人間‥扱える術は『神通力』
特に秀でた部分はないが、劣る部分もない種族。
●妖狐‥扱える術は『妖術』
腕力は強くないが、身軽な動きで敵を翻弄させることが出来る。
また、敵を己の虜にして操る事も出来る。
鞭や軽武器を扱うことに長けている。
●天狗‥扱える術は『妖術』
力、防御共に低いが、豊富な知識の持ち主で妖術の威力が高い。
扇子や羽団扇を扱うことに長けている。
●鬼‥扱える術はありません。
力は抜群の種族。
ずば抜けた力の代わりに妖術を使う事が出来ない。
斧などの重武器を扱うことに長けている。
※人間だけは種族以外に職業があり、それによって能力が変わっていきます。
『神通力』『妖術』は参加者の皆様が自由に決めて下さって構いません。
それと今後の話は以下を予定しています。
◎火の国(今回で完結)
◎Oriental Darkness 水(二話完結)
◎Oriental Darkness 風(二話完結)
◎Oriental Darkness 大地(二話完結)
◎Oriental Darkness 星(二話完結)
※『星』で最終的な完結になります。
※それと今回参加したからと言って次回も参加しなければならないという事はありませんので、お気軽に参加してくださいませ。
●リプレイ本文
「勇者達は敗北したぞ」
蒼黒主(橋都 有(fa5404))が鳥籠の中の緋織(千架(fa4263))に話して部屋から出て行く。だが、緋織は表情一つ変える事なかった。
(「大丈夫だ‥まだ私と輝玉の絆は断ち切れてない」)
緋織はそう心の中で呟き、鳥籠の中で只ひたすらに刻を待つ。
「だが‥時間がないのも確かだ‥忌々しい鳥籠め」
緋織は鳥籠を蹴りつけながら小さく呟く。
「勇者達よ‥何が欠けているのか‥気づいてくれ‥」
緋織は鳥籠の格子を握り締めながら焦るように呟いた。
「きゃああっ」
勇者達が敗戦して休んでいる時、少女(姫川ミュウ(fa5412))の悲鳴が聞こえ、慌てて外に出る。すると少女が魔物に襲われている光景が目に入ってきた。
「何してるだ!」
そう言って槍を使い魔物を撃退するのは多々良(伝ノ助(fa0430))と渡(高柳 徹平(fa5394))だった。幸いにも魔物は雑魚だったせいで簡単に倒せた。
「ありがとうございます‥でも‥」
少女は礼を言いながら涙を流し、魔物に家を焼かれて家族も知り合いも全て殺されてしまったと呟く。そんな少女の姿を見て渡は「‥僕に出来る事があるのなら‥やらなくちゃいけない」ともう一度奮起する事を決意した。
「‥そだな、早く親玉倒さねぇと‥」
多々良も少女の涙を見て、勇者としての自覚と責任の重さを痛感し、蒼黒主を倒す事を誓う。
「でも‥今のままじゃ勝てないんだよな‥」
そう呟くのは然(ティタネス(fa3251))、彼女も『何とかしなきゃ』という気持ちはあったが、実力の差を知り、やや落ち込み気味にあった。結局どうすればいいのかを解決しないままに村を出て、奉納殿を目指す事になった。
「勇者達だな?覚悟!」
奉納殿まであとわずか、という距離に来て突然襲ってきたのは颯(桜 美琴(fa3369))、二刀流鉄扇を使い、勇者達を攻撃してくる。
「蒼黒主の手の者?」
渡が叫び、然が大金槌を振るい、攻撃を仕掛けるが「力技だけで私に勝てると思うな」と簡単に受け流されてしまう。
「自らの力の使いようも知らぬとはお笑いだな」
そう言って颯は鉄扇を使い、水と風を合わせた合体技『雷牙』を勇者達に向けて放った。
「どうすればいいだ!」
多々良が言うと然が「私を使え!」と叫ぶ。渡もそれに合わせるように攻撃を仕掛ける。
「ほぅ‥?」
颯は多々良の攻撃を生かす為に取った然と渡の行動を見て、感心したように呟く。
「やれば出来るじゃないか」
多々良は雷牙を避ける為に然を踏み台にして飛び、然は大金槌を地面に打ちつけ、雷牙の衝撃を緩和した。そして渡も颯に向かって突っ込み、多々良との連携攻撃で颯に傷を負わす。
「これなら合格点だな、しかし‥」
颯は十尾流(トール・エル(fa0406))を見て「子狐は馴れ合いは苦手と見える‥若いな」と笑いながら呟いた。
「私は面白い事が好きなんですの」
十尾流はクスと笑いながら颯に向けて言葉を返した。
「合格点って‥あんたは‥」
多々良が息を切らせながら言うと「私は元勇者の天狗だ」と答え、勇者達を驚かせた。
「お前達に足らなかったのは協力するという事、さっきの私との戦いでの事を踏まえれば蒼など倒せるだろうよ」
じゃあな、そう言って颯は風を起こして消えていった。
「今度は負けるわけには行かないね」
奉納殿の前に立ち、然が仲間達に問う。仲間達は「もちろん」と力強く叫ぶ。
「‥あら、此方から行かずともあちらから来て下さったみたいですわ」
十尾流の言葉にハッと見ると、柱の上から此方を見ている蒼黒主の部下・風李(忍(fa4769))と氷李(雅・G・アカツキ(fa5498))、そして中央には蒼黒主が浮いていた。
「止めを刺さぬが愚かであったか‥小煩い虫けらが」
す、と手を上げると「ここは我らにお任せを」と言って風李と氷李が勇者達の前に立ちはだかる。
「おやおや、久方ぶりのお客人ですよ、氷李」
腕を組み、余裕を見せながら風李が言うと「くっ」と氷李は冷たい笑みを浮かべた。
「勇者だか何だか知らぬが、我らが主に牙を剥くとは愚かな‥」
「同感ですね、氷李――分からせてやりましょう」
風李の言葉を合図に二人同時に襲い掛かってくる。
「くっ!」
渡が氷李が放った氷の矢を受けて表情を苦痛に歪める。
「この程度か‥口ほどにもない」
いたぶるやり方の風李とは違い、氷李は力で押してくるタイプのようだ。
「あら、危ないですわよ」
風李の攻撃を避けるようにと十尾流が注意を促す、だが風李は然の前で立ち止まりわざとらしく髪をかきあげてみせる。長い爪でいたぶってくる風李のせいで然の体には無数の切り傷が刻まれている。
「時は来た‥奴らを歩たりとも中に入れるな」
そう蒼黒主が言うと「はっ」と二人は跪きながら言葉を返した。
「そろそろ猛獣姫の最後の時間だ」
けたたましく笑い声を上げながら蒼黒主は奥の方へと消えて行く。渡が追いかけようとするが風李によって蹴られ、元の場所へと舞い戻されてしまう。
「くっ‥」
「もういい。風李、終わりにしよう。この程度の輩と戦っていてもつまらぬわ」
そう氷李が呟き、風李との合体技の印を結び始める。
「確かに、一理ありますね。期待していた私達が馬鹿だったようです」
二人はため息混じりに呟き、風李は風の龍を、氷李は氷の龍を作り出してそれらを勇者達へ向けて放った。
「この技にかかって死に行く事を光栄に思え!」
二つの龍は混ざり合い、より強力な龍へと姿を変えて襲い掛かってくる。その攻撃を見て颯の言葉を思い出し、それぞれ行動に出た。多々良の攻撃を生かすために然が動き、渡はフェイントも交えて多々良と同時に攻撃をする。二人の刃は氷李と風李に致命傷を与えた―‥。
「今に見ているがいい!我らは魔物、主の血肉となり、再びこの世に現れようぞ!」
氷李は風李を抱えながら溶けるように消えていった。
「輝玉が暗黒に染まった今、お前に用はない、処分を待つがいい」
蒼黒主は据えられた輝玉に手を伸ばしながら緋織へ話しかける。そして祈りの間へと足を進めていった。そこへ輝玉を収めてこそ本来の力を発揮するのだ。
「生憎と‥私はしぶといのだ。輝玉との絆、手放すものか」
そう呟いた時に勇者達が現れる。
「緋織様!」
今ならまだ間に合うと判断した緋織は然へ向けて叫んだ。
「そこの者、この籠を壊せ!」
然は『壊せ』=『ここから出せ』と判断して「下がってなよ!」と呟き、大金槌を振り上げる。流石に鬼族だけあって力は最強だ。蒼黒主が特殊に作り上げた鳥籠も多々良の神通力を付与すれば難なく壊せてしまう。
「‥助かった、礼は後ほど言う。今は輝玉を取り戻すのが先決だ、行くぞ!」
「あ、緋織様に作った護身刀だ、元々は緋織様のモンだから持っていてくんろ」
緋織は渡された護身刀を見て「これで暴れられる」と小さく呟いた。
「待て!」
輝玉を台座へ据えようとしている蒼黒主に緋織が叫ぶ。
「ほぅ‥やはり全てを手にする為には貴様らを抹殺せねばならぬようだな」
そう言って蒼黒主は外套の中に輝玉を隠し、両手を前に突き出す。そして繰り出した技は―‥風李と氷李が使っていた技だった。
「これは‥!」
誰もが驚く中、何処から現れたのか颯が姿を見せ「仲間を喰ったのか」と呟く。颯の姿を見て蒼黒主は一瞬驚いたように表情を変えたが、すぐに冷たいものへと変える。
「喰った‥?」
十尾流の言葉に蒼黒主は下卑た笑みを浮かべながら「旧知の仲であるお前には隠せんな」と呟いた。
「仲間の血肉を喰らい、その者の力を我が物とする―‥そこまで堕ちたか」
「貴方は何をしたくて、こんな事をしますの?」
十尾流が問いかけると「全ての知を我が物にするためだ」と蒼黒主が答える。
「あら、つまらない理由ですわね。そんな事して楽しいのかしら?」
嘲るように十尾流が言うと、蒼黒主は怒りに満ちた顔で「黙れ!」と叫んで攻撃をしてきた。
「十尾流さん、あんたさえ協力してくれたら蒼黒主は倒せるはずだべ」
その美しさと力、蒼黒主も見惚れてただよ‥と多々良が話すと、十尾流は気を良くしたのか「協力、してあげてもよろしくてよ」と妖艶な笑みを見せながら答えた。
そして十尾流は重力追加と妖しき瞳を使う、然は体勢を低くして、多々良と渡が宙を跳び、左右から攻撃をする。そして時間差で然も足元を攻撃して逃げ場のない連携攻撃を見せた。
「愚か者共め!我は‥魔物は不滅ぞ―‥」
蒼黒主が叫んだ所を緋織が護身刀で突き刺す。
「これは私の物だ、返してもらう」
緋織は蒼黒主の懐から輝玉を取り出し姫巫女のみが扱える浄化呪文『輝珠焔浄』で蒼黒主を浄化した。聖なる気に浄化された魔物は灰となり、この世から姿を消す。
それは火の国が解放された瞬間だった。
「ありがとう、勇者達よ、これから旅に出る者もいよう、お前達に揺るがぬ炎の加護がありますよう―‥」
「次が楽しみですわ」
妖しく笑みながら十尾流は呟いた。
〜撮影中の風景〜
「猛獣姫様!」
(伝ノ助さんの台詞NG、そこの台詞は猛獣姫様ではなく、緋織様でした)
その時の千架さんの顔ときたら‥。
「猛獣姫DE衝撃(笑撃)ちゃん‥」
休憩中に忍さんが呟いた言葉、その言葉を聞き逃さなかった千架さんは「モップ猫は黙ってろ‥」と低い声、怖い顔で脅したとか‥。
「‥誰だ?猛獣姫なんて愉快な名を言い出したのは‥」
そう呟きながら千架さんは監督をジロリと睨む‥怒っちゃイヤン
END