動物使い DOLLアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
水貴透子
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
3.2万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
03/20〜03/23
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●本文
『白の動物使い、ツカワレ‥今、二人の絆という不可侵の領域が新たな敵によって侵されようとしていた!』
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目に見えぬ『絆』で結ばれた者達がいる。
片方は限りなく人に近い存在で『動物使い』と呼ばれ、もう片方は人の姿をしてはいるが限りなく獣に近い存在で『ツカワレ』と呼ばれている。
彼らは『魔』と『黒の動物使い』と呼ばれる存在と長きに渡って戦いを繰り返していた。
※※特別夜※※
その敵は『人形使い』と名乗った。
目の前に立つのは外見は普通の少年、少し悪戯っぽく笑う顔が余計に少年を幼く見せていた。
「もう終わり?白の動物使いとは言ってもツカワレがいないと何もできないんだね」
あは、と笑いながら人形使いの少年は呟く。
子供独特の無邪気な笑みが白の動物使いに恐怖を与えていた。
少年の横にいるのは白の動物使いが最も信頼していたツカワレ、しかしそのツカワレは今、主である白の動物使いを攻撃している。
「白達は絆で結ばれている‥確か阿修羅様はそう言っていたけれど、たいした絆でもないんだね、僕の力で途切れる絆なんだもの」
阿修羅?聞きなれない名前に白の動物使いが眉をひそめると「僕たちの主人だよ」と少年は答えた。
「阿修羅様は僕たちの親だよ。でも‥関係ないよ、君たちは今から死ぬんだから」
殺れ、少年はツカワレに呟くと、操られたツカワレは逆らうことが出来ずに己の主人を手にかけてしまった―‥。
「よくやったね、君にはもう一仕事してもらうよ。これを白の本部に届けてほしいんだ」
そう言って少年はツカワレに一枚の紙切れを渡すと、白の動物使い統括府へと持っていくように命じた。
『初めまして、白の諸君。
僕は人形使いの壱汰(いった)、今回は挨拶代わりに一人殺らせてもらったよ。
これを届けたツカワレも死ぬように命じてあるから。
今回、君たちの前に姿を現したのは深い理由があってね。
君たちは何か勘違いをしているだろう?
世界を支配するのは白の動物使いでも、黒の動物使いでもないよ
僕たち、人形使いが世界を頂くよ。
君たちは人形使いには勝てない。
ツカワレがいないと何も出来ないのだから。
そして、僕たちの能力はツカワレ・魔を操るものだ。
お前ら、白の動物使いは最も信頼する者に殺されるんだよ。
覚悟しておくことだね。
バイバーイ♪ 壱汰より☆
―新たな敵の前にどう戦う?白の動物使い、そして黒の動物使い達よ!
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●募集事項
◎『動物使い』はアクション映画で出演者のみを募集します。
◎今回の話に登場する役柄は以下の通りです。
・白の動物使い(必須/何名でも可)
・ツカワレ(必須/何名でも可)
・壱汰(必須/男性一名)
※『参』に登場したイザナギ&イザナミですが、勝手に登場させても構いませんので。
※白の動物使いとツカワレは必ず二人一組にしてください。
どちらが欠けても戦力としては激減します。
●動物使いの設定など
◎白の動物使いにはパートナーとなる『ツカワレ』が存在します。
◎『ツカワレ』を演じられる方は自分の戦闘形態になる動物をお書きください。動物の種類はPCの獣人の動物以外でも構いません。
例)羊、山羊などBNOで存在しない獣人でも構いません。
◎白の動物使いとツカワレには絆が存在します。絆が深ければ深いほどツカワレの能力も上がります。
◎白の動物使いは限りなく人に近い存在ですが、人ではありません。
◎ツカワレは普段、人の姿をしていますが限りなく獣に近い存在です。
◎必ず白の動物使いとツカワレは二人一組にしてください。
◎それとツカワレは動物となってますが、別に虫だろうが魚だろうが構いません。
◎ツカワレの方はパートナーと繰り出す必殺技を考えていてください。
例)ツカワレがサンマだった場合→自身を焦がしていい匂いをさせて敵の動きを止める‥など極端な話、こういうのでも構いません。
ですが、必ず描写されるという訳ではありませんので、その辺はご了承下さい。
◎それとツカワレの戦闘時についてなんですが外見は半獣化と思ってください。
(流石に完全に動物になってしまうとお笑いになってしまいそうな気がするので)
◎動物使いとツカワレの絆が最高潮になった時に『超必殺技』が使用可能となります。
◎ツカワレには動物使いは必須ですが、動物使いにツカワレは必須ではありません。
契約を済ませていない動物使い、まだ覚醒していない動物使いなどがいますので。
◎黒の動物使いですが、魔と契約した場合、契約した魔が何らかの理由で消失しない限りは契約は続行になり、次の魔と契約できません。
※ですが、イザナギは黒の動物使いの中で一番強い能力の持ち主で、彼の場合は複数の魔を使役する事が可能です。
複数の魔を使役できる能力ゆえに、彼は黒の中で最強となっています。
※イザナミはイザナギが人工的に作り出した魔です。それ故にイザナギ以外と契約を結ぶことが出来ません。
※※前回出ていた質問など※※
◎動物使いにも特殊能力はあるのか
(あります。ですが攻撃系ではなくツカワレの能力を上げたりする補助系の能力になります)
◎黒の動物使いが魔を製作する際に器や核となるもの。
(特に必要はありません。黒が魔を製作する際に必要なのは己の魔力が満タン状態なのと魔を生み出す赤い月が出ている事のみです。人工的な魔は製作者の魔力を受けて作られます)
現在の設定はこのようになっています。
ですが、参加者の皆様方で話し合っての設定追加はOKです。
その際は次回以降のOPに記載させていただきますので、どなたかのプレイングに書いていてくださるとありがたいです。
※プレイングの書き方※
例)動物使い
配役:白の動物使い
役名:水貴
一人称:私
二人称:〜さん
口調:です、ます、でしょうか?
対となるツカワレ:太郎
(出来れば台詞例も書いておいてほしいです)
例)ツカワレ
配役:ツカワレ
役名:太郎
一人称:俺
二人称:お前
口調:〜だ、〜じゃねぇ?
対となる動物つかい:水貴
(出来れば台詞例も書いておいて欲しいです)
‥‥と上記のようになりますが、あくまで例ですので皆様の書きやすい書き方でOKです。
対となる動物使い&ツカワレが決まった時点でもいいので、仮プレを提出していてほしいです。
白紙となった場合は相方との連携が出来なくなりますので、ご協力お願いします。
●リプレイ本文
「本日は静かだと思いましたら‥壱太(ユフィア・ドール(fa4031))は何処に行きました?」
人形使い達の本拠地で阿修羅(レイス・アゲート(fa4728))が部下である三良(長瀬 匠(fa5416))に問いかける。すると彼は苦笑しながら「実は‥」と壱太が白の動物使い達の所へ向かった事を伝えた。
「嫌な予感がするので、探して連れ戻して下さい‥最悪生死は問いません」
阿修羅の真剣な顔に三良は「分かりました」と壱太を探しに出かけた。
「人形使いが来玩了?そら、難儀やね‥」
統括府からの連絡で炯都(橘・朔耶(fa0467))と翡焔(ヴォルフェ(fa0612))は新たな敵、人形使いの事を聞かされた。
「人形使いか‥なら最悪久しぶりにお前を『使う』事になるかもな?」
面倒そうな炯都とは正反対に楽しげに呟くのは翡焔だった。
「私らの他に二組の動物使いも動いてるようや、面倒やけど行くしかないな、翡焔」
炯都と翡焔は人形使い・壱太を探しにダエグを後にした。
「白達は躍起になって僕を探してるだろうな。黒にはどんな警告をしてやろうかな‥っていうかアイツら騒ぎすぎなんだよ」
公園で一人笑っているのは壱太。彼は最近何かと騒がしい白と黒達への粛清と警告の為に独断で行動を起こしたのだ。
さて、どうしようか‥壱太が呟いた時に人形使い捜索をしていた悠樹(七瀬・聖夜(fa1610))と美鶴(マモル・ランスロット(fa4930))、ジャニス(ティタネス(fa3251))とロジャー(ジョニー・マッスルマン(fa3014))が視界に入ってきた。
「あの子が人形使い‥美鶴、契約後初めての戦闘ですね。樹を引き締めて行きましょう」
悠樹が美鶴に笑顔で問いかける。悠樹と美鶴は最近契約を済ませたばかりで悠樹は少し浮かれている部分もあった。
(「何でこんな奴と契約しちゃったんだろう」)
浮かれる悠樹に心の中で毒づきながら美鶴は「分かってるよ」と素っ気無く言葉を返す。
「ツカワレを操るとか聞いたけど、あたし達なら大丈夫だよな?」
ジャニスはロジャーに問いかける。彼女達は結構な期間を共に行動しており、絆は深い方に入る。
「もちろんネ!マスターとミーの絆は誰にも断ち切れないデ〜ス!」
そんな四人の言葉を聞きながら「‥さぁ、どうだろうね」と不気味な笑みを浮かべた。そこに炯都と翡焔も合流し、6対1で動物使い側が有利に思えた―のだが‥。最初に攻撃を仕掛けたのは美鶴、しかし悠樹との絆が低いせいで思うような力は出ない。
「無駄無駄‥この僕にお前ら如きが敵うわけないだろ」
そう壱太が叫ぶと同時に美鶴に異変が起きた。そして‥美鶴は仲間であるロジャーに攻撃を仕掛けた。
「美鶴!?」
叫んだのは悠樹、しかし美鶴からの返答はない。
「無駄、彼は今、僕のお人形なんだから‥殺れ」
壱太の言葉に忠実に行動する美鶴に悠樹は「僕達の絆はそんなものだったのかい!」と言霊を使いながら叫んだ。
「どうした、殺れと僕は命令しているんだ」
悠樹と壱太の言葉が美鶴の頭の中で反発しあうように響く。
「美鶴!」
「うわああああっ!」
再度、悠樹の声が耳に入ってくると美鶴は大声を上げてその場に気絶した。自己防衛手段で意識を遮断してしまったのだろう。
「‥あーぁ、使えない奴。仕方ない、次は‥」
くる、とロジャーの方に向き直り壱太は『傀儡』を使う。隙もあったのだろう、ロジャーは翡焔に攻撃を仕掛け始めた。自分達なら大丈夫、そう思っていたジャニスは目の前の出来事が信じられず「冗談だろ?目を醒ませよ!」と能力の『思考共有』を使いながら叫ぶが、完全に壱太によって思考を止められているのか効果はなかった。
「炯都‥詠唱の準備だけしておけ」
ロジャーの攻撃を避けながら、炯都に小さく耳打ちをする。炯都は「分かった」と短く返事をすると、詠唱の為に精神を集中させる。
「おい!そこの動物使い!危ないぞ!」
翡焔がジャニスに向かって叫ぶ、ハッとした時には目の前でロジャーが拳を振り上げていた。
「‥ばっかやろおお!目を醒ませってんだ!」
ジャニスはロジャーの攻撃を避け、カウンターで右ストレートを繰り出す。そして殴る瞬間に思考共有を全開にしてロジャーに強烈な衝撃を与える。
「身体能力は上でも、アンタの動きは全部あたしが教えたものだ、アンタの動きなど手に取るようにわかる!」
ジャニスの攻撃を受けたロジャーは、その場に倒れ「痛いデ〜ス‥」と殴られた頬を擦りながら呟いた。
「元に‥戻った‥?良かった‥」
ジャニスは心が通じた事に嬉し涙を流しながら呟いた‥。
「で、結局戦えるのは俺一人になったってワケか」
美鶴、ロジャーというツカワレが戦闘不能になった事により戦える人物は炯都と翡焔の二人だけになってしまった。
「人形使いが操るだけしか能がないと思うなよ、本番はこれから―‥」
壱太が呟いた時、不思議な気配を感じる。
「壱太、遊んでいないで帰りますよ」
「聖主ノ命ダ!帰還シロ!」
現れたのは阿修羅に命じられて壱太を連れ戻しにやってきた三良と鉄仮面(モヒカン(fa2944))の二人だった。
「自発的に行動を起こす精神は結構ですけど、動物使いに干渉するのであれば阿修羅様にお伺いを立ててからにしていただきませんと‥」
三良のため息混じりの言葉に「煩いな」と壱太は短く言葉を返す。
「炯都!」
三良と鉄仮面が現れた事により、壱太に隙が生じる。そこを狙っていたかのように翡焔が叫んだ。
「星宿の刃よ、天煌に応え我が身に覚醒めよ」
炯都の能力は自身を武器化させるものだ。詠唱が終わると同時に翡焔が炯都に触れながら「羅喉」と唱える。すると炯都の体が変化を始め、巨大な朱色の大鎌へと形を変えた。
「‥なっ‥」
壱太は驚き、慌てて防御体勢を取ろうとするが間に合わず翡焔の持つ羅喉により斬りつけられてしまう。
「‥ま、さか‥」
どさ、と地面に倒れながら翡焔を忌々しげに睨む。ひゅーと気持ちの悪い息をしている所を見ると、あと暫くの命だという事が伺える。
「‥お前ら‥だったのか‥阿修羅様が、言っていた白に存在する『龍』って‥」
壱太の言葉に翡焔は答えることはせず、羅喉を解除し炯都の姿へと戻した。
「くくく、これでいい‥龍が誰か、はっきり‥した、んだか、ら――‥」
そう狂気じみた笑みを残したまま壱太はぱたりと絶命する。
「困りましたねぇ‥」
壱太が死んだのを確認しながら三良が呟く、その様子から本当に困っているようには見えない。
「仲間が死んだというのに呑気だな」
翡焔が問いかけると鉄仮面は「死?違ウ損傷ダケダ」と答える。
「聖主ガイルカギリ、人形使いハ不滅ダ」
鉄仮面は壱太の体を抱え、その場を去ろうとする。
「しかし阿修羅様に何とお話すれば良いのやら‥鉄仮面、帰りましょう」
今日は貴方達の相手をしていいと言われていないので、三良は穏やかな笑みを見せ、鉄仮面と共に消えていく。
「帰ったら『龍を覚醒させる気か?』‥って阿修羅哥さんに言うとき」
鉄仮面と三良の姿が完全に消える間際、炯都が不敵な笑みを浮かべながら話す。その言葉に「確かにお伝えしておきましょう」と頭を下げながら返事をした。
「‥う」
「ごめん、美鶴‥僕がしっかりしていなかったからこんな目に‥」
悠樹の言葉を聞いて美鶴が「そういう所がウザいんだよ‥」と横を向きながら呟いた。しかしそれは彼の本心ではない。その証拠に美鶴は「こういうのも悪くないな‥」と悠樹に聞こえない小さな声で呟いていたのだから。
「ほな、精進落としに美味しい物でも食べようか♪腕の良い調理師がいるで」
な?と翡焔の方を見ながら炯都が呟く。
「そうですね‥確かにお腹も空きましたし、美鶴、行きましょうか」
立てますか?と悠樹は美鶴に手を貸す。
「マスター、何でミーの頬は青痣を通り越して紫になってるデスカ?しかも痛いデ〜ス」
「ロジャー、気にしちゃいけない事もあるって事だよ」
ロジャーの頬の紫痣はジャニスが殴った際に出来たもので、ジャニスは顔を背けながら答えた。
「‥今までツカワレが戦うのは当たり前だったけど、戦う動物使いって珍しいよな。しかも能力ナシで右ストレート」
ロジャーの頬の痣を見て、炯都は苦笑混じりに呟く。
「ま、色んな動物使いがいるからな。さて何か食べたい物のリクエストはあるか?」
翡焔の言葉に炯都は暫く考え「お前が作るモンなら何でも♪」と答えた。
「そうですか、間に合いませんでしたか‥?ご苦労様でした、下がっていいですよ」
三良と鉄仮面の報告を受け、阿修羅はため息を吐く。
「仕掛ける時期が早かったようです‥まぁ‥私自身はこのままでもいいんですが‥」
血の気の多い人ばかりですかね、阿修羅はクスと楽しげに一人呟く。
「さて‥次はどう動きましょうか?」
―ダエグ
その後、久しぶりの朝まで宴会に発展しダエグはまたまた開店する暇がなかったとか‥。
「おい!皆酔いつぶれるのは構わないんだが、片付けくらいして帰れーー!」
次の日の朝、ダエグ店内は凄まじい事になっており、一人で文句を言いながら片付ける調理師・翡焔の姿が見かけられたと言う―‥。
END