Music☆Box〜infinite〜アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 やや難
報酬 7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 03/23〜03/26

●本文

Music☆Box infinite

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それは様々な映画や番組のイメージソング、主題歌を創るという不定期音楽番組です。

第一回目の今回は『夢幻界廊』の主題歌を創ってもらいたく、出演依頼を申し込みました。


日夜、夢魔との戦いを繰り広げる夢喰いたち。

明ける事のない戦いの日々の果てに彼らを待ち受けるものは――‥?


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●募集事項
◎今回は映画『夢幻界廊』の主題歌を創って下さるアーティストの皆様を募集しています。
◎夢幻界廊は夢喰いと夢魔との戦いを描いたアクション映画です。
◎こちらからの指定は特にありません。参加された方々で主題歌を創ってください。
◎Music☆Boxのエンディングには創っていただいた曲をそのまま流します。
◎長すぎず、短すぎずの曲を皆様で創って下さいませ。
◎最後は簡素ではありますが、曲のお披露目という事で、小さなライブハウスを借りていますので、そちらで演奏していただく形になります。
◎その際、衣装などはこちらで用意してもいいですし、持ち込みでもOKです。

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●次回予告

※次回の『Music☆Box』は『動物使い』の主題歌を創っていただく予定です。

動物使いとツカワレが秘めたる絆の力を曲にしてください。

●今回の参加者

 fa0595 エルティナ(16歳・♀・蝙蝠)
 fa0607 紅雪(20歳・♀・猫)
 fa1406 麻倉 千尋(15歳・♀・狸)
 fa3211 スモーキー巻(24歳・♂・亀)
 fa3661 EUREKA(24歳・♀・小鳥)
 fa5030 ルナティア(17歳・♀・蝙蝠)
 fa5302 七瀬紫音(22歳・♀・リス)
 fa5607 七瀬・かぐや(30歳・♀・竜)

●リプレイ本文

 新番組『Music☆Box』
 今回は映画『夢幻界廊』の主題歌を創る事になり、音楽関係者が集められた。

※今回の出演者※
・エルティナ(fa0595)‥作詞家
・紅雪(fa0607)‥胡弓奏者兼女優
・麻倉 千尋(fa1406)‥ウェスタキャスト
・スモーキー巻(fa3211)‥音楽プロデューサー
・EUREKA(fa3661)‥楽士
・ルナティア(fa5030)‥演奏家
・七瀬紫音(fa5302)‥演奏者
・七瀬・かぐや(fa5607)‥歌うたい



●番組開始●
「さて、難航した主題歌創りも終えたし張り切ってライブへ向けて練習&復習ね」
 EUREKAが細かく詳細が書かれた紙を見ながら呟く。
突然言い渡された『夢幻界廊』の主題歌創り、メンバー達は互いの意見を言い合い、時にぶつかり合いながらも、主題歌『夢幻』を完成させた。
「次からは複数曲を持ち込んでのオーディション形式番組にしてもいいと思うわ」
 今回の出演者達はジャンルが違う人間達ばかり。恐らくそれぞれに創りたい曲はあっただろう、全員で一曲というのも面白みを感じるのだが、やはりそれぞれ自分の好きな曲を創りたいという気持ちもあった。
「過ぎてしまった事は仕方ないわ、ライブに向けて頑張りましょう」
 紅雪が言い、自分の担当楽器であるピアノの練習を始める。
「紅雪さん、今回、胡弓は使われないんですね。聞いてみたかったのですけど‥」
「そうね、今回の担当はピアノだから今度ね?」
「はい、楽しみにしてます」
 そう言うと紫音は曲で使用する小鳥のさえずりをシンセエフェクトで創る為に別室へと移動した。
「あ、あたしも手伝うよ」
 紫音を追いかけるのは、今回メインVoを担当する麻倉だった。今回は作詞も作曲も他のメンバーがしてくれるので紫音を手伝う事にしたのだ。
「とりあえずAメロから通してみませんか?麻倉さん達が戻ってきたら本格的に練習を始めればいいですし‥」
 ルナティアの提案にメンバーはそれぞれ担当する楽器の所まで行き、演奏を始める。最初は紫音のシンセサイザー(パイプオルガン)から始まるのだが、音作りで席を外しているのでAメロからの練習となった。
「私は飲み物の用意でもしておくわね」
 かぐやはそう言って奥のテーブルに飲み物の用意をし始めた。
 まずはAメロ、使用する楽器はギター、ドラム、ピアノの三種、楽譜を見ながら演奏しているとEUREKAから「ちょっと提案」と演奏を止められる。
「このAメロにチェロも加えたらピアノと低音を支えられるんじゃないかしら?」
 EUREKAの提案通りにチェロを加えると、静かな中にも確りとした音を全面に出しているのが分かる。これに麻倉の歌が入れば曲に深みが増すだろう。
「うん、こっちの方がいいね」
 スモーキーも楽譜にメモを取りながら呟く。そして演奏が再開される。
 チェロを加え、深みの増した演奏の中、EUREKAのドラムが響く、この時は軽めにリズムをキープして他の音に影響がないように演奏する。
 Bメロからはヴァイオリンも加わり、ドラムのアクセントで印象を転換させ、歌詞のキーワード的な箇所は音にインパクトをつけ、聞く側に印象づけを行う。BメロからサブVOも入るのだが、音作りをしている紫音がいないため、ここは後からの本練習にまわす。
「Bメロは前半の音を少なめで、後半からサビへ向けて力強さも出していくのね」
 EUREKAが確認を行いながら演奏をしていく。スモーキーもギターで周囲と音を併せつつも徐々に音を強くしていく。
「あとは‥サビは一番重要な所だし、練習時から念入りにしないとね」
 スモーキーが自分のサブVO部分をチェックしながら呟く。特にサビはハモリの後にスモーキー、かぐやの二人のサブ�XOの単独が入るのだ。
「簡単にですけど、通し演奏は終わりましたね。後は七瀬さんと麻倉さんが戻ってきてから本格的な練習に入りましょう」
 エルティナの言葉に二人を除いたメンバーは、かぐやの淹れた珈琲を飲みながら一時休憩に入る。


「アナログとコンピュータ、両方の良い所を取り入れていけたらいいな」
 小鳥のさえずりを作っている時に、手伝っていた麻倉が呟く。
「そうですね、でも私は演奏に自信がないんですよね‥」
 はぁ、と少し暗い面持ちで紫音が呟いた。この時、麻倉は先にプログラミングをして自動演奏をするという事を思いついたが、紫音に教える事はしなかった。下手な方がいいというワケではないが、音に歪みを持たせた方が機械的な音にならずにすむと考えたからだ。
「調子はどう?」
 音作りの最中にEUREKAが部屋に入ってくる。どうしたのかと尋ねると「遅いから来てみただけよ」と笑顔で答えた。
「これね、もうほとんどできてるんじゃない」
 私の出番はなかったわね、そう言い掛けて「あら」と呟く。
「ここの音、ちょっと高すぎじゃない?」
 EUREKAの言葉に紫音が作った音を流してみると一箇所だけが甲高い場所があった。
「あぁっ、本当だ‥直さなきゃ」
 慌てて直す紫音に「もうすぐ練習が始まるわ、急いでね」と言葉を残してEUREKAは去っていった。


「ごめんなさい、遅くなりました」
 あれから三十分後に紫音と麻倉が戻って来て、メンバーが全員揃った状態で練習が始まった。

 Aメロに入る前に紫音のシンセサイザー(パイプオルガン)で始まり、かぐやが神楽鈴で効果音の役割を果たす、神楽鈴が入った事により曲全体に神秘さが混じり、雰囲気を出していた。
「幸せになりたくて―‥♪」
 練習は数時間にもおよび、麻倉はエルティナとEUREKAに歌の指導を受け、何度も歌いなおしていた。
 そして、お披露目ライブの日がやってくる。



●お披露目ライブ
「Music☆Box!第一回目は夢幻界廊!白紙状態から始まった曲創りだが、出来のほどは一体どうなのか!?それじゃあ歌ってもらいましょう!曲名は『夢幻』!」
 司会の若い男性が観客席の所で叫ぶと同時に、会場は真っ暗になり、ステージにライトが集中する。
 最初に照らされたのはシンセサイザーを弾く黒のキャミワンピを着た紫音、続いて神楽鈴を使う同じく黒のロングドレスを着たかぐやだった。神楽鈴が曲に哀愁を漂わせ、余韻を残しながらAメロの最初を飾るピアノの音へと繋げていく。

Aメロに入ると紅雪のピアノが会場に響き渡る。この時、紫音のパイプオルガンの音に被らないように気をつけながら演奏を始める。その後にスモーキーのギター、EUREKAのドラム、ルナティアのチェロが演奏を始め、真っ白だった曲に色が塗られていく。
 麻倉も演奏に負けないように感情を込めて歌う。その度に黒を基調としたドレスがひらひらと舞った。

(幸せになりたくて 夢を叶えたくて
訪れる『未来』に ただ漠然と夢幻を描いては
そこにあるはずのない 何かを探していた)

Bメロに入るとドラムのアクセントで曲の印象を変え、スモーキーのギター部分が減る代わりにエルティナのヴァイオリンの演奏が入る。
ここからサブVOも入り、かぐや、スモーキー、そしてメインの麻倉の歌声がハーモニーを奏で、会場からは感嘆のため息がもれる。

(『過ぎていく 一瞬の夢
この「命」と引き換えの 望みのままの「幸福」』)


サビ部分に入るとハーモニー重視の神秘的、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ドラム、それぞれの楽器の響きで曲は最大限に盛り上げられる。

(何が正しくて 何が間違いかさえ あやふやになっていく
この思いが 愛なのか憎悪なのか 応えはどこにもないけれど)

 ここからは三人のVOへと場面が変わり、スポットライトが三人にあてられる。

『永遠に交わることのない 夢想の藍』

 そして突然暗転したかと思うと、青い色のライトがスモーキーを照らす。スモーキーのテノールがサブ単独の箇所に厚みを加え、甘い声で歌う。

(Dunkelheit)

 スモーキーが単独部分を歌い終わると、ぱっと白いライトが眩しく輝き、三人にあてられる。

『許し合うことのできぬ 幻奏の朱』

 そして先程と同じように暗転すると同時に、かぐやに赤いライトがあてられる。

(Licht)

 ラストの部分では、伴奏が控えめになり、麻倉の問いかけるような歌声が会場に響く。そして徐々にテンポと音量がダウンしていく中、暗い闇‥夜明けを感じさせる様な小鳥のさえずりと、ピアノがラルゴ程度の速さでゆっくりとサビ部分をリピートして曲を終わらせた―‥。

(終わることなき 果てない戦いの先に 何を求めるのだろう)


 曲が終わると同時に舞台幕が下ろされ、観客達はわっと騒ぎ出した。
 鳴り止まぬアンコールの中で司会の男性が耳を塞ぎながら叫ぶ。
「夢幻界廊に相応しい神秘的かつ美しさを現すような妖しさも含んだ曲『夢幻』!白紙状態からよくぞこれほど完成された曲を作り上げた!会場の皆!素晴らしき音楽家達に今一度の拍手を!」

 司会の声に歓声があがり、割れんばかりの拍手が巻き起こる中『Music☆Box』は終了時間を告げたのだった―‥。


END