CM:恋する口紅アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 水貴透子
芸能 1Lv以上
獣人 フリー
難度 易しい
報酬 0.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/14〜10/17

●本文

『恋する口紅が登場』
『恋させる口紅、貴方を惑わせる』

    ◎募集◎
今冬に発売予定の口紅のCMを撮影しようと思っております。
新色で12色発売を予定しております。
そこでスタッフ&CM撮影に協力してくれる芸能人の皆様を募集したいと思います。
応募概要は以下の通りです。

応募概要
◎CMに出演してくれる人は女優、俳優、モデル、アイドルのどなたかを募集したいと思っております。
◎年齢制限はありません。子供から大人まで募集しております。
◎出演者は若干名を予定しており、スタッフを多く募集したいと思ってます。
◎舞台は『雪降る街』『冬空の海』『冬の山』のどれかを選んでいただきたいと思っております。
◎上記以外にもCMに合う舞台があれば、言ってくだされば採用したいと思っています。
◎CMは一つではなくても大丈夫です。予算に余裕があるため、二つ撮りたい時は二つ撮ろうと考えております。

それでは、沢山の募集をお待ちしております。

●今回の参加者

 fa0481 石榴(22歳・♀・猫)
 fa1732 林・蘭華(20歳・♀・狐)
 fa1773 海斗(14歳・♂・小鳥)
 fa2361 中松百合子(33歳・♀・アライグマ)
 fa2495 椿(20歳・♂・小鳥)
 fa2997 咲夜(15歳・♀・竜)
 fa3309 水葉・優樹(22歳・♂・兎)
 fa3814 胡桃・羽央(14歳・♀・小鳥)

●リプレイ本文

「あら、綺麗な色ね」
 中松・百合子(fa2361)は並べられた口紅を眺めながら呟く。新しい物は見ると気分がうきうきとしてくる。
 今回はCM撮影の仕事を引き受け、出演者の写真を眺めながらどんな服、口紅が似合うかを思案する。先程スポンサーとは挨拶を交わしており、試しにと新色の口紅を貰った。塗ってみると感触も良く、ツヤも良い感じだった。
「こんにちは〜」
 元気良く部屋に入ってきたのは出演者の中で一番若い咲夜(fa2997)だった。続いて石榴(fa0481)も入ってくる。それから遅れる事数分、音楽担当の椿(fa2495)と海斗(fa1773)もやってきた。
「こんにちは」
「今日はよろしくネ」
 適当な挨拶を交わし、中松が咲夜と石榴に一枚の紙を渡す。それは咲夜がCMで使う服や口紅を纏めたもの。待ち時間の間に出演者の分を纏めておいたのだ。
「僕は冬山編に出演なんだね、キミはパーティ編なんだ?」
 石榴は咲夜の紙と見比べながら言う。その時、林・蘭華(fa1732)と水葉・優樹(fa3309)が部屋に入ってきた。
「遅れて悪かったな、今回は宜しく」
「蘭華よ、宜しくね」
「全員揃ったみたいね、CMのコト教えてもらえるかな?」
 石榴が中松に視線を向けながら呟く。中松は出演者全員に紙を渡し、それを見るように促す。
「口紅と服はこちらで選ばせて貰ったわ、何か意見がある時は言って頂戴ね。メイクは全てわたしがやらせて頂くわね」
「音楽は僕と椿さんで担当させてもらうね。曲も作ってきたから後で聞いてもらえるかな」
 海斗と椿は二種類のCMに対し、一つの曲をアレンジして持ってきたのだ。
「最初は冬山編を撮影するから、出演する石榴さんは用意できるかな」
 水葉の言葉をきっかけに挨拶を交わしていたメンバーはロケバスの中へと入り、撮影場所へと向かう。


 暫くロケバスに揺られ、着いた場所は雪がしんしんと降る雪山、幻想的な雰囲気が感じられた。
「石榴さん、メイクするからこっちに来て」
 中松が呼び、道具を取り出す。口紅が目立つように他の場所の色は控えめにメイクされた。塗られた口紅は『パニッシュ・アップル』という林檎のような色の赤い口紅。
「服はこっちを着てね。狭いけど仮眠室があるからそこで着替えてもらえる?」
 石榴は渡された服一式を持って、仮眠室へと移動する。服を見ると襟にファーのついたプリンセスラインのロングコート。白レースのベールなど、雪の中のお姫様のような衣装だった。
「‥いつも和服だから気恥ずかしいな‥」
 石榴は照れたように呟き、服に袖を通した。服を着た所で撮影を開始すると水葉が言い、音楽担当の椿と海斗もやってきた。他のメンバーはロケバスの中で待機だ。
「冬山編は椿さんがアレンジした曲だよね」
 海斗が確認をするように言う。冬山編は切なさを感じさせるCMの為、バラード調にアレンジをした。収録をする際、椿&海斗は半獣化を行い場の雰囲気を盛り上げる役を申し出てきた。
「じゃあ、冬山編の撮影を開始する!」

 雪が降り始めた冬の山、石榴は降ってくる雪を少し眺める。水葉は最初、遠目から姿と衣装全体を移す感じで撮影する。ゆっくりと近づいた所で、石榴は誰かの視線を感じ、そちらへと視線を移す。正面からその視線、水葉が持つカメラを見るように振り向く。
(「カメラを好きな人に見立てればいいんだよね‥」)
 恥ずかしそうに、だけど嬉しさを交えて石榴はまっすぐ見つめ返す。
(「‥って事は優樹さんを好きな人に見立てればいいのかな‥?」)
 そう考えると顔が赤くなり始めるのが自分でも感じ取れた。
(「‥あの表情、良い笑顔だな。撮影じゃなくて実際にあんな笑顔を向けてもらいたい‥って何考えてんだ、俺!し、仕事仕事」)
 水葉も正面から笑顔を向けられる事に恥ずかしさを覚えているようだ。石榴は自分に出来る精一杯の笑顔で、精一杯の『好き』という気持ちを表現する為に微笑みに乗せ、声にならない声で相手の名前を呟く。
 そして、微笑みを湛えたまま初めて使った口紅を誇らしげに胸の前で支え持った。そして背後には椿&海斗が歌いながら半獣化を行う。幻想的なCMのクライマックスに相応しい演出となった。

「OK!」
 水葉の言葉に石榴がほっと息を漏らす。同時に中松が「お疲れ様」と言って温かい飲み物を持ってきてくれる。
「椿さん、何食べてるんですか?」
 冬山編の撮影が終わったと同時に、椿が大きく膨らんだバッグからお菓子を取り出して食べている。
「燃料補給中。不足すると倒れるカラ、持参してきた」
 そう言いながらも食べる事は止めない。
「次はパーティ編なんだが、大丈夫か?」
 出演者達はロケバスで待機していたが、椿&海斗は連続で動かなければならない、それを考えて水葉は問いかけた。
「うん、僕は大丈夫」
「あ、補給したらか大丈夫だヨ」
 最後の一口を飲み込み、椿がにっこりと笑う。そして移動を開始してパーティ編を撮影する場所に到着した。ここでのメイン出演者は蘭華と咲夜になる。
「蘭華さん、咲夜さん、メイクをするから来てもらえる?」
 蘭華は二つの口紅を宣伝する為、二回着替えとメイクをしなければならない。
「最初にローズバイオレットの方をメイクするわね」
「えぇ、お願いね」
 蘭華は口紅と似たような色のイブニングドレスを着るため、口紅が引き立つようなメイクをしなければならない。
「髪型はどうしようかしら‥」
 中松が悩んでいると「ちょっといいかしら?」と蘭華が鏡越しに話しかけてきた。
「髪型は後ろで編みこんだら‥どうかしら?そうしたら全体的に映えると思うんだけど」
 蘭華の提案に中松は思案し「いい考えね」と言って蘭華の髪を編みこみ始めた。蘭華の次にメイクをしたのは咲夜、彼女は元気な女の子だ。だから派手さを求めずに、年相応の色気を出させるために中松が選んだ口紅は『チェリーピンク』、少女らしい淡い色の口紅で咲夜にぴったりの口紅だった。髪は靡かせるように下ろしておく。
「ドレスも同じ色なんだね」
 渡されたドレスを見て咲夜が言う。そこで水葉から声がかかり、撮影を開始する事になった。

「最初は口紅のアピールを撮ろうと思う」
 水葉が言うと、蘭華と咲夜は使用している色の口紅を手に持ち、それぞれが口紅をアピールするようにカメラの前に出す。蘭華は色っぽく、咲夜は元気良く口紅をアピールする。そして初めは全体が映るように撮影していたが、水葉は二人にウェストアップの状態まで近づく。咲夜は初めて塗った口紅に嬉しさと恥ずかしさを表現しながら、カメラの前に立つ。蘭華は来賓客に囲まれる中、カメラを見て不敵な笑みを浮かべた。カメラを再びカメラに向け、蘭華はその間にもう一つの衣装へと着替える。もう一つの口紅はハニーゴールド、イブニングドレスもゴールド系の色にして、編みこんだ髪を解き、さらりと靡かせる。再びカメラの前に蘭華が姿を現し、今度はボーイからシャンパンを受け取り、カメラに視線を移し、柔らかな笑みを浮かべる。
 雪が降るパーティ会場、椿&海斗が背後で歌う中、蘭華と咲夜が近づいて同時に『恋、しよう!』と言った所で撮影は終了した。
「中松さん、メイクして〜☆」
 海斗は撮影が終わると同時に中松にメイクをしてくれと申し出た。中松は笑いながら「いいわよ」と海斗を座らせる。
 海斗に使用した口紅は甘い香りがしそうなチェリーレッド、その似合いすぎる姿にメンバー全員が笑い出した。



 ここで少し時間を戻そう。CMに使われる曲を担当した椿&海斗の二人の話だ。冬山編を椿、パーティ編の編曲を海斗が担当している。ここまで来るまでに彼らは多くの苦労をした。それを少し語ろうと思う。

 椿が担当した冬山編は切なさを感じさせるCMに仕上げるため、曲も静かな物にしなければならない。曲自体は海斗が作っている、後はこの曲をどのように編曲するかだ。何時間も考えて出た結論は、ミドルテンポの幻想的で柔らかなバラード調。ピアノ音をシミュレートしたキーボードをベースにメインメロディーはバイオリン。チェロ、アコースティックギターも加え音域を広げて、豊かな旋律にする。サビ部分は切なげな雰囲気で、魅惑的な彼女達に願うように歌う。主旋律は海斗に任せ、椿は副旋律に回るように決める。

「コンセプトは‥恋せよ乙女」
 海斗はパーティ編のアレンジを任されていた。時間の問題もあり、作った曲をさらに短く仕上げなければならない。曲の後半の2フレーズをミドルテンポのポップス調に編曲する。嬉しい雰囲気で歌い、サビ部分は切なさを感じさせるような歌い方にする、


 色々な人間の手によって作られる、だからこそ素敵なCMが出来るのだろう。

『ウィンター・ラブ』

ホーリー・ナイト
光を纏う微笑
心奪われていく

鮮やかに息づく
その唇
奪いたい
スィート・ラブ・トゥ・ユー

スノウ・ホワイト
そっと触れた指先
温もりに溶けていく

白い吐息つく
君の唇
奪いたい
スィート・エモーション

 作詞:海斗
 作曲:海斗
 編曲:椿&海斗
 歌 :椿&海斗


〜紅恋〜
『唇から始まる恋の灯火、貴方を惑わす冬の12色』