突撃！学校の怪談 裏アジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 水貴透子 |
| 芸能 | 3Lv以上 |
| 獣人 | フリー |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 5.5万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 06/09〜06/11 |
●本文
『今回の舞台は夜の学校！怖く恐ろしく演出してくださいな！』※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「今度は学校か、ありきたりだな‥」
土下座芸人・山吹 嵐は夜の学校を見てため息混じりに呟く。
今回は肝試しシリーズ『突撃！』の第二回目の撮影だ。
‥とは言っても此方は夜の学校を怖く演出する『裏方さん』を募集している。
「でも‥学校と言っても色々演出できるしなぁ‥」
定番なのは‥
・トイレの花子さん
・理科室の人体模型が走り出す
・玄関前の銅像の瞳が怪しく光る
「他にも色々あったような気はするが‥さて何処で出演者を驚かせるかな‥」
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●募集事項
◎『突撃！学校の怪談』はコメディ番組です。
◎ですが『裏』では出演者を怖がらせる『裏方さん』を募集しています。
※もちろん職業が裏方さんも大歓迎ですが「あ、自分も手伝えるかも」と思った方も大歓迎です！
◎ＮＰＣ『山吹・嵐』は裏方手伝いの為に参加しています。
（どんどんこき使ってやってください（笑））
◎『こんな演出考えたけど、どうですかー？』などありましたら『山吹・嵐』に聞いてやってください。
※その際は別スレッドをたてていただけると有難いです。
それと『裏方』は本編とリンクしています。
此方で考えた演出は本編に登場します。
脅かし役をされる方は、此方よりも本編の登場が多いかもしれません。
それでは、皆様で夜の学校を怖くしてやってくださいませ！
●リプレイ本文
「前回以上に張り切って行こう〜！」元気に叫ぶのは四篠 キリエ（fa3797）だった、前回以上に‥という言葉が見事な鬼っぷりを見せている。
「そうよね、出演者達が本気で驚く仕掛けを作って見せよう！」
怪しげに眼鏡を光らせながら不敵に笑うのは新井久万莉（fa4768）だった、此方も結構な鬼っぷりのようだ‥。
「とりあえず〜‥役割毎に仕事を分担した方がいいかもな」
今回の『学校編』ではやるべき事が多いので、山吹 嵐（fz1050）がメモを見ながら呟く。
●幽霊には黒髪が定番でしょ？
「とりあえず、メイクを始めましょうか」
楽子（fa5615）がメイクセットを取り出して、子供の幽霊役をするタブラ・ラサ（fa3802）を呼ぶ。
「やっぱり幽霊は白い顔よね」
幽霊という事で、タブラの肌をメイクで白くした後に影を乗せ、骨を浮き立たせる。やせ細った幽霊の方が怖がられるだろうという考えだ。
「髪の毛はウィッグを使うとして―‥問題は瞳よねぇ‥」
問題という言葉に「何かあるの？」と問いかける。
「え？ううん、ラサ君には全然問題はないんだけど‥」
これ、と言って楽子が取り出したのはサイズの大きい特殊効果レンズ。普通のコンタクトと違い、瞳全体に効果が出るようにサイズが大きいのだ。
「別に‥大丈夫だと思う」
自分に言い聞かせるように呟いた後、楽子にレンズを入れてもらう。
「ラサ君は強い子ねぇ〜‥大人でも結構怖がる人多いのよ、このサイズは」
べし、とレンズを入れた後にウィッグを被らせる、前髪が顔を覆う程の長さで、前髪の隙間から覗く真っ黒な瞳は――‥はっきり言って怖い。
「さて、ラサ君のメイクは終了！私は他の人のメイクに行くからゆっくりしててね」
そう言って楽子は次の仕事をする為に移動した。
●手作り内臓を作るにはこんな裏側が‥
「結構、良い出来かも」
自分で作った内臓を見て呟くのはダミアン・カルマ（fa2544）だった、彼が作った内臓は肉色に着色したビニールにパーツを入れてお湯で温めるというものだった。作った内臓は胃・小腸・肝臓など様々だ、お湯に漬ける事で微妙な生暖かさを持ち、より一層気色悪さを醸し出している。
「ほ・ホチキスは痛いですって！」
自分の尻尾を隠しながら叫ぶのは古河 甚五郎（fa3135）だった。何事かとダミアンが声の方へ視線を向けると久万莉が手をわきわきしながら古河の尻尾を狙っていた。話の内容を聞くにダミアンが作った内臓のようなモノを作る気でいるようだ。
「ガムテで止めたら目立つからホッチキスで！」
トカゲ獣人の古河が持つ『尻尾きり』の能力を使え〜と迫る久万莉に古河が「ダミアンさん！助けてください！同じトカゲ獣人仲間として！」と叫ぶ。
「‥同じトカゲ獣人ねぇ‥ダミアン、貴方も尻尾提供してみようか」
眼鏡を光らせながらトカゲ獣人二人は、文字通り身を削って仕事をするハメになったのだった。
「‥切ったらどうなるのかしら‥」
その様子を影から見守るのは‥楽子だった。
●走る人体模型はこうして作られた
「じゃ、始めましょうか♪」
楽子が楽しげに呟く、動く人体模型役をするのは沢渡霧江（fa4354）だった。
「久万莉ちゃん、霧江ちゃんのメイクを始めるわよ〜」
向こうでまだトカゲ獣人を苛める（？）久万莉の名を呼ぶと「すぐに行く」と短い返事が返ってきた。
「遅くなってごめんねぇ〜、でもおかげでリアルな内臓が作れたよ！」
満足気に話す久万莉に二人は「そ・そう‥」としか言葉を返す事ができなかった。
「私は顔のメイクを担当で‥久万莉ちゃんは首から下の製作だったわよね」
「うん、沢渡の着るウェアはほとんど出来上がっているから、あとは楽子がしたメイクに合わせて調整するだけ」
「そうなの？じゃあ早めに仕上げるわね」
そう言って楽子は沢渡の顔にメイクを始めた。半分は筋肉、半分は神経という典型的な人体模型の顔にする為に作ったマスクを貼りつける。筋肉部分は質感などを重視し、神経部分はパテを使用して凹凸を出しつつも表情の変化が分かるようにペイントを施す。
「出来た！どう？霧江ちゃん！」
楽子が問いかけると「自分の顔ながら不気味だな‥」と人体模型となった自分の姿を鏡で見て、沢渡は呟いた。
●閉じ込められる教室には彼の苦労がある
「えーと‥此処に出演者が来たら『地壁走動』で外壁を登って〜‥と」
それにしても酷い目にあった‥とダミアンは呟く。いくらリアルさを求める為とはいえ、尻尾を切られるなんて夢にも思っていなかったからだ。
「過ぎた事を言っても仕方ないか‥」
犠牲にした尻尾の分まで番組を成功させよう、半ば思い込みに近い感情でダミアンは思う事にした。
●鏡に映る少女の映像
「とりあえず‥映像は作ってきているから甚五郎くんに渡せばいいわね」
楽子はそう言って撮影現場に来る前に作ってきた映像を手に呟く。この映像は鏡に映る少女のトリックとして使うものだ。映像の少女は乱れた黒髪に、大きく見開かれた目、顔の半分ほどを覆う赤い血を流しながら、赤い唇はにんまりと弧を描いている。
「甚五郎くん、これ―‥例の映像ね、後は宜しく♪」
古河が音楽室にネタを仕掛けている時に楽子が映像を手渡す。
「あら、定番だけど楽聖の目が光るってやつかしら？」
「そうですよ、結構暗闇で見ると怖いんですよ」
そう言って古河は音楽室の電気を消して、仕掛けを見せる。確かに暗闇に浮かぶ楽聖の瞳は怖い。
「‥何でベートーベンは赤目なの？」
他は白なのに、という楽子に言葉に「ベートーベンは赤目ですよ！」と力説させる。
「もうそろそろ準備も終わりらしいから急いだ方がいいかもしれないわ」
楽子の言葉に「分かりました」と答え、古河は準備を始めた。
「えぇと、映像を使う場所に置いてあるのは液晶だからカメラの被写体に提供画像を合成して、データを映せば――‥実体はないのに映るという素晴らしいモノに出来上がります」
一人でぶつぶつと呟きながら仕掛けていく様は少しだけ不気味だったりする。
●夜の学校に響く声＆音楽―‥録音中
「タブラ、校内放送用の声は録音してくれた？」
キリエがタブラに問いかけると「したよ」とテープを渡す。
「ちょっと聞かせてもらうね、調整が必要ならした方がいいからさ」
そう言ってキリエはテープを再生していく。
―‥下校の時間になりました。校内に残っている人は、すぐに下校してください、帰りは寄り道をせずに、まっすぐ家に帰りましょう‥‥そうしないと、お家に帰れなくなっちゃうよ‥‥？――
「結構良い感じだね、小学生独特の朗読っぽい感じが怖さを誘うし」
ただ、と言って最後の部分を流す。
「最後の方はノイズを混ぜて流した方が効果的かも、あと―‥遠くで笑う声も入れたらいいかもね」
そう言ってキリエはテープの内容を調整しながら「あ、最後に『僕みたいに』ってのを入れたいんだけど、今から録音してもらっていい？」と話しかける。
機材はあるから、そう話してくるキリエに「構わないけど‥雑音とか入るんじゃ？」と問いかけた。
「雑音はノイズで誤魔化すから何とかなるよ」
問題ナシ、と言うキリエに「分かった」とタブラは答え、録音を始めた。
「これで校内放送は問題ナシとして、後は音楽室で鳴る曲の編集だね――定番だけど『エリーゼのために』を使うか」
そのまま流しても怖くない為、故意にたどたどしく流すように作りかえる。動く鍵盤と連動して流すため、少しでも長く演奏しなければならない。
「あとは―‥すすり泣く声と天井から落ちてくる合成血のりっと‥」
もちろん血のりがピアノに当たらないように少しズラした所に落ちるように設定する。
「よし、これで終わり！」
●仕掛けはOK！いつでもかかってらっしゃい！
「お疲れさん、とりあえずメインの番組が終わってないから打ち上げとはいかないけどな」
そう言って嵐は裏方達が準備をしている間に買出しに行き、缶ジュースや簡単な食べ物を買ってきた。
「助かる〜、ちょうどお腹空いてたんだよね〜」
久万莉がおにぎりを手に取ってぱくりと一口噛付く。
「僕ももらうね」
そう言ってタブラもおにぎりを手に取る―‥が、幽霊役でメイクばっちりされた姿で食べているのを見ると、少し笑いが出てくる。
「私も食べたいんだが‥この姿では――‥」
そう呟くのは沢渡だった。確かに人体模型の姿では食べたくても食べられないだろう。
「あー‥霧江ちゃんは撮影が終わってからという事で！」
無理矢理、結論に至った楽子に皆、笑いを隠す事ができなかったと言う。
「あとは出演者が到着して、驚くのを面白おかしく見ていればヨシと！」
キリエが話した瞬間、嵐の携帯電話が鳴り、出演者が向かってきている事を知らされた。
ＥＮＤ
