突撃！廃美容院 裏アジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 水貴透子 |
| 芸能 | 3Lv以上 |
| 獣人 | フリー |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 5.5万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 06/25〜06/27 |
●本文
『今回の舞台は美容院！狭い空間を怖く演出してくださいな！』※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「へー‥次の『突撃！』は美容院か、美容院ねぇ――‥何でやねーん！」
ばさーっと企画書を放り投げながら山吹 嵐は叫ぶ。
「今回の『突撃！』は過去２作とは少し趣向を変えてみたんだ」
プロデューサーが「ふふん」と呟きながら、嵐に企画書を見るように促す。
「えーと‥美容院の中に配置された幽霊から髪の毛を守れ！？は‥―？」
「つまり、出演者のみんなにはカツラ（ロンゲ）を被ってもらって、ゴールを目指してもらう、しかし髪の毛が切られたら、そこでアウト！どうだ！」
いや、どうだと言われましても―と嵐は心の中で呟く。
「なるほどね、それで俺に出演しろというわけか‥」
一人納得する嵐に「違う違う」とプロデューサーは手を振りながら答える。
「キミは相変わらずの裏方手伝い、出演者の方にはいつものユリアナを行かせるから」
また俺は手伝いですか、嵐はがっくりとしながらため息をもらした。
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●募集事項
◎『突撃！廃美容院』はコメディ番組です。
◎ですが『裏』の方では出演者を怖がらせる為に演出してくださる『裏方さん』を募集しています。
※もちろん、職業が裏方さんも大歓迎ですが「あ、自分も手伝えるかも」と思った方も大歓迎です！
◎ＮＰＣ「山吹 嵐」は裏方手伝いの為に参加しています。
（どんどん、ばしばしこきつかってやってください）
◎こんな演出考えたけどどうですかー？など意見や質問がありましたら『山吹 嵐』に聞いてやってください。
※その際は別スレッドを立てていただけると有難いです。
それと『裏方』と『本編』はリンクしています。
此方で考えた演出『本編』に登場します。
脅かし役をされる方は『裏方』での登場より『本編』での登場の方が多いかもしれません。
それでは、皆様で狭いですが廃美容院を怖くしてやってくださいませ。
●リプレイ本文
「今回は刃物を使うから、切る側も切られる側も怪我をしないようにしないといけないね」ダミアン・カルマ（fa2544）が企画書を見ながら呟く。せっかくのコメディ番組で流血沙汰になったら番組そのものがなくなってしまう可能性もある。
「そうねぇ‥とりあえず、いつも通りに役割を分担してお仕事しましょ」
仕事道具を取り出しながら話したのは楽子（fa5615）だった。
「そうですね、今回も自分は尻尾を切るハメになるのか心配ですけど‥」
前回の恐怖を思い出したのか古河 甚五郎（fa3135）がガムテを握り締めながら呟く。
「んじゃ、皆よろしくな！」
山吹 嵐（fz1050）の言葉を合図に、裏方達は仕事を始めていく。
●からっぽのフロアを美容院に仕立てましょう
「このままじゃ美容院である意味がないから‥それっぽく見せていかないとね‥」
何処から手をつけよう、ダミアンは呟き、最初は入り口周辺から弄っていく事にした。
「この辺には受付と待合室を作っておかしくないよね」
ダミアンは自分が行っている理容院の内装を思い浮かべながら一人呟く。
「何か手伝う事ある〜？」
遠くから楽子と嵐が話しかけてくる、その言葉に「其処に置いてある物を持って来てもらえますか」と今回の為に用意した本を持って来てもらう事にした。
「随分と古い本なんだな」
嵐が袋の中に入っていた本を捲りながら呟く。
「古い週刊誌の方が雰囲気が出るかなと思って‥」
「よくこんな物も手に入ったわねぇ‥」
楽子が感心したようにカーラーやケープなどを取り出しながら呟くと「譲ってもらったんです」とダミアンが受付を作りながら答えた。
「ＴＶ局に出入りする理美容業者さんから廃棄予定の道具を譲ってもらったんだ、使い込まれている分、怖さが増すよね？」
確かに、と二人は思う。新品を置かれるより使い込まれた古い物の方が見る側にとっては恐怖を与えるだろうから。
「そうそう、こういうモノを考えたんだけど‥設置する場所あるかしら」
うふふ、とダミアンと嵐に問いかける楽子の姿は――とても楽しそうだった。
●恐怖に震える姿を見せなさい！
「大体の場所には仕掛けたけど‥後は何処に仕掛けようかしら？」
郭蘭花（fa0917）はカメラ担当で、出演者が恐怖で驚く画像を撮るのを楽しみにしている。
「ダミアン君、此処にカメラを設置させてね」
ダミアンがセットを作っている中、蘭花がカメラを設置していく。
「其処じゃ出演者達に見つかるんじゃない？」
ダミアンが問いかけると「これはわざと見える場所に設置するのよ」と答えた。
「わざとカメラ目線を誘うのも面白いと思わない？」
まぁ‥確かに、とダミアンは呟く。全てのカメラが隠されているより、何個かは分かる場所に仕掛けた方が面白い画像は撮れるだろう。
「後は照明‥何個かは赤いセロハンを張って真っ赤な照明にしようと思うんだけど‥」
「いいわね、面白そう」
小道具を持ちながら話しかけてきたのは、味鋺味美（fa1774）だった。
「何かお手伝いする事はあります？」
「カメラは設置し終わったし、後は照明の確認とかだけね、結構照明の数が多いから手伝ってもらえるかしら？味美さんの仕事の方に影響がなければ、だけど」
大丈夫？と蘭花が問いかけると「小道具類は作って持って来てあるから大丈夫よ」と味美は答えた。
「じゃあ、お願いするわ」
●血に染まる鏡、頑張って作って怪我しないように割ろう！
「こうしたら古ぼけた鏡に見えるでしょう」
他の皆がそれぞれの仕事をしている時に、宇藤原イリス（fa5642）は出演者を驚かす為の仕掛け『血に染まる鏡』というものを古河と作っていた。割る事を前提に作る仕掛けなので、本物の鏡は使わずにアクリル板を、古ぼけた鏡に見えるように偽装して仕掛けるのだ。
「これは何ですか？」
古河がアクリル板の裏面やフチにつけているものを指差しながらイリスが問いかけた。
「殺陣の弾着応用で作った血糊入り装置ですよ」
へぇ、と感心したようにイリスは呟きながら古河の慣れた手つきを見ていた。
「これで仕掛けは終わりですね、自分は別のシャンプー台などの仕掛けに向かいますね」
今回の突撃！クリア条件は『アトラクションでカット以外のヅラ加工』という簡単そうなもの、しかし‥そのアトラクション全てが罠を仕掛けて待っているのだから、簡単には終われなさそうだ。
「じゃあ、私は別の方の手伝いに行きますね。色々な仕事の内容を覚えたいですし！」
そう言ってイリスは他の裏方の所へと向かって行った。
●タイムキーパーは脅かし役もやる
「はぁ‥しんどい‥」
そう言って人数分の弁当を抱えてやってきたのはタイムキーパーの梶尾聖子（fa4301）だった。彼女は撮影時間の進行、時間配分の確認などの仕事が主だが、手配した弁当を取りに行っていたのだ。
「梶尾君、言われた仕掛けはこんな感じでいいのかな？」
ダミアンが梶尾を呼び、彼女に頼まれた仕掛けを確認してもらう為に来てもらった。梶尾がダミアンに頼んだ仕掛けは『人を追い込めるようなスペース』だった。もちろん、あからさまに分かるスペースを作ってもらっては出演者達も近寄らないことだろう。だからダミアンは美容室機材や廃材を上手く利用して、袋小路には見えないように作ってある。
「中は希望通りに粘着シートをびっしり引いてあるよ」
梶尾は粘着シートの部分を見ると、雰囲気が出るようにと紙くずや細かいゴミを貼り付けてある。
「そういえば脅かし役は如鳳さん（fa2722）もやね」
梶尾が呟くと「わしのは簡単なモノじゃよ」と如鳳がコードを持って現れた。
「ま、動きを封じる程度で転倒とまではいかないようにするつもりじゃが‥」
番組にハプニングはつきものじゃ、と困ったように‥そして何処か楽しそうに如鳳は答えた。
「でも随分と雰囲気が出てきたようじゃな」
如鳳がフロアを見回しながら呟く、元は何もなかった場所とは思えない程に見違えていた。
「幽霊役にはエキストラさんを呼んであるし、何とかなるよね」
ダミアンが道具を片付けながら「あれは‥」と楽子が提案した仕掛けを見て呟いた。
楽子が提案した仕掛けは口だけを開けた某石像をモチーフにした仕掛けで、手を入れる代わりに頭を入れる仕掛けになっている。出演者がやってくる時は裏で楽子が待機しており、出演者の髪の毛（ヅラ）を自ら弄る役目をするのだ。
「‥美容室にあんな仕掛けあったら‥怖いじゃろうな」
如鳳が呟いた言葉にその場にいた二人は無言で首を縦に振った。
●仕掛けは終わり！出演者達、かかってこいやーっ！
「これで終わりですね」
イリスが梶尾の手配した弁当を食べながら疲れたように呟いた、結局イリスはあれから色々な仕事の手伝いをして走り回っていた。
「疲れたでしょ」
楽子がお茶を差し出しながら言うと「色々な事を覚えて自分を磨きたいですから！」とイリスは元気よく答えた。
「そういえば楽子さん、そのバスケットは何？」
蘭花が楽子の持っているバスケットを指差しながら問いかけると「あぁ、これはね」とバスケットを開けながら答え始めた。
「全部が終わったら皆で食べようと思って、ベーグルサンドと冷たい紅茶を持って来てたの」
でもお弁当食べたばかりだしね、と楽子が呟くと「デザートに貰いたいわ」と味美が一つ取って食べ始めた。
「あ、美味しい」
味美が言うと「本当に？」と嬉しそうに答えた。どうやら楽子の手作りのようだ。味美が食べた事を切っ掛けに他の裏方達も次々にベーグルサンドを取って食べ始めた。
「さて、食べたら仕掛けの準備を始めようか、そろそろ出演者達も来る頃だろうしね」
ダミアンが呟き「そうだな」と嵐がベーグルサンドを慌てて食べながら答えた。
今回の突撃！はいつもとは違った趣向、さてさて出演者達はどんな風に引っ掛かってくれるのか―――、裏方達はモニターを見ながら『その時』が来るのを待っていた。
ＥＮＤ
