三色アイスのコンサートアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
凪
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/22〜10/28
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●本文
●三色アイスのコンサート
ハイパープロジェクト所属の中堅処アイドルグループ『三色アイス』
デビューして間もない彼女たちであるが、その知名度は高く、テレビにも何度か顔を出している程の、結構有名なアイドルグループである。
ボーイッシュでリーダー的存在のGパンGジャンスタイルのミルクアイス(芸名)
巨乳でぶりっこを演じているが、地金は結構大人なストロベリーアイス(芸名)
知的で情報通だが、守銭奴な所が玉に瑕のチョコアイス(芸名)
現在彼女たちは主に、コンサートを中心に芸能活動を行っている。
そんな彼女たちは、北は青森から南は大阪までの全国ツアーのコンサートを行っていた。
っと言っても、それほで大きくはないコンサート会場、そこそこの客入りのコンサートではあるが。
所がこのコンサートツアーにトラブルだ生じた。
茨城のコンサートを終えた彼女たちは、千葉のコンサート会場に向かわなければ成らないのだが、スケジュールの都合上、どうしても開演に1時間以上の遅刻をしてしまうことが直前に成って明らかに成った。
「来られないと言う訳じゃない。誰でも良い!! 彼女たちが来るまでの90分、場を持たせてくれれば良い!!」
ドタンバ場でのトラブル、しかし災い転じて福と成すとはこのことである。
その彼女たちが来るまでの90分。新人アイドルや新人のお笑い芸人を呼んで間を持たせておく事に成ったからだ。
今売り出し中の新人達には、自分たちを売るために、そして、ハイパープロジェクトや三色アイスとお近づきに‥‥コネクションを作るチャンスなのである!!
観客は5000人。一人頭の持ち時間は10分。歌なら2曲は歌える時間である。
ギャラは少々安めだが、それでも良いと思う物だけが参加して欲しい。
そんなわけで新人の諸君ヨロシク頼む!!
●リプレイ本文
●三色アイスのコンサート
千葉県浦安市。
埋め立て地に作られた特設コンサート会場。
ファン数は5000人以上。
文化会館で行うのかと思いきや、特設の野外コンサート会場で有ることにマズビックリする8人のゲスト達。
「お疲れ様です。これ、台本です。がんばってください」
スタッフに渡された台本は、三色アイスのマネージャー、ゴンザレス斉藤の作った物らしい。
スタッフの話では、関東系ギャグ畑出身で、普段から小ネタをふまえて居るんだとか言われているが、実際の所は謎だらけである。
まぁ三色アイスを短期間にメジャーにしている手腕から、凄腕であることは確かな様だが‥‥。
『がんばれ! 後はアドリブで!』
渡された台本には最初の一ページにそれだけ書いてあり、後は白紙だった‥‥。
「‥‥では、適当に行きましょうか‥‥」
織(fa0045)のそんな一言でコンサートは始まった。
「‥‥ひとしずくの恋で〜♪ 私を解かして〜♪ 虹色のスプーンでかき混ぜて〜♪」
三色アイスのデビュー曲『アイスクリームの恋』を8人で熱唱しながらコンサートが始まる。
メインボーカルはアカネ・コトミヤ(fa0525)とミント・シルフィール(fa0608)。
半獣人かしているので、プロとして十分な力量での歌唱力である。
アヤカ(fa0075)が歌に合わせて踊る。
オリジナルの振り付けだが、客の食いつきはそこそこ良いようである。
それに続くように陸琢磨(fa0760)も踊る。
こちらはアヤカとか異なり激しい動きのオーバーアクションである。
左右で同時に違う踊りが踊られる。それも演出としてはすばらしい物である。
織がキーボードでバックミュージックを担当している。
椚住要(fa1634)がベースでリズムを取る。
8人が力を合わせての熱唱にファンはご満悦だ。
そしてつかみの一曲が終わると、8人が別々にソロで歌う事になる。
羽柴朋(fa0077)がソロでゆっくりと歌い出す。深く静かな吐息、そこそこの歌唱力を備えている彼は観客達にも好評な歌い出しだ。
「どーも、皆さん!まず、曲聴いてくれてありがとーね!
でもごめんねー。三色アイスさんのコンサートなのにこんな歌で」
続けるようにして、トークで場を和ませる。そして次の人にマイクを渡す。
マイクを受け取り、シャルト・フォルネウス(fa1050) が後に続く。
黒を基調にしたコートとシャツ。蝙蝠を模した目元を覆う仮面をつけての登場である。
「悲しいからと俯いたら‥‥」
静かな歌い出し、それでいて客を惹きつけるメロディ。椚住要のギターに合わせて歌を歌うシャルト・フォルネウス。
8人が順番に歌い終わった頃には、客席は静まり帰っていた。
8人の表情から笑みが消える。
それもその筈、お客達は『三色アイスのコンサート』に来ているのである。
聴いたこともないような曲を、聴いたことも無いような歌手が歌ったのでは、お客の反応は薄い。例え彼らの実力が超一流であったとしてもである。
無性にカレーライスが食べたくて、カレーライスの専門店に入ったのに『カレーは売り切れていて、ハヤシライスしかない』っと言われたような心境である。(ダイブ違うけど)
舞台にピンクのスモークがかかる。
どこからともなく流れてくるあのメロディー。
客がざわめき出すと同時にスモークの中から3人が現れる。
3色アイスの登場である。
「みんな〜♪ 今日はありがと〜♪ 今日は8人の友達と歌いま〜す♪ 最後まで聞いていってね〜♪」
シンセサイザーの音が流れる。
不意にアヤカに肩を回すミルクアイス。
シンセサイザーを弾きながら、織の隣に陣取るチョコアイス。
アカネ・コトミヤのソロソングを今度はみんな熱唱する。
「いつもは教室の窓から見ている憧れの先輩‥‥♪」
ストロベリーアイスが観客席に投げキッスを振りまくと、歓声は一気にヒートアップした。
●終わり良ければ全てよし。
「やーやー皆さん。本日はホントにようあつまってくれてありがとな。おおきにおおきに」
メチャメチャ怪しい関西弁を使う敏腕マネージャーのゴンザレス斉藤。
コンサートが終わったのは午後8時、それから色々有って深夜2時の事である。
「いやぁ皆さんもお疲れ様。これで美味しい物でも食べて下さい」
そう言って彼が8人に手渡したのは『割り箸』である。
「「‥‥‥‥‥‥」」
言葉に詰まる一同。
「はっはっはっ、ジョークですよ。ジョーク。これからラーメンを食べに行きますので、皆さんもご一緒にどうですか? いやもう既に、あちらにお車が用意してありますので!」
そう言って彼が指さした方向には自転車が人数分‥‥12台並んでいた。
「何処までが冗談で何処までが本気なんですか?」
アヤカに質問されて、ミルクアイスが答える。
「あぁ、斉藤さん? いつもあんな感じだよ? この為に前もって自転車用意するの大変だったんだよ〜」
ギャグの為に努力を惜しまない姿勢は立派であるが‥‥色々間違っている。
「本当ならいつもは家で寝てる時間だよ‥‥」
ミント・シルフィールがそう言って大きなあくびをする。
当然である。未成年者は夜遅くまでお仕事してはいけません。
大雑把に言うとには夜10時〜朝6時に未成年者はお仕事すると怒られる。
また、15才未満の人に沢山労働させても怒られる‥‥のである。
まぁコンサート自体は10時前に終わっているので良いのだが、眠くて当然である。
深夜2時。みんなで自転車漕ぎつつ、斉藤さんお勧めのラーメン店を目指す。
こってり醤油の大盛りチャーシュー麺を食べるためである。
「いや、疲れたときはコレに限ります。ラーメン最高! 皆さんも最高!」
斉藤さんがそう言ってチャーシュー麺を啜る。
「なんだかこうして、アイドルがラーメン啜ってるなんて‥‥」
アカネ・コトミヤがそう言いつつ餃子を口に運ぶ。
そんな彼女にストロベリーアイスが静かにつぶやく。
「良いんじゃない? ファンが見てる訳じゃないし。私はこういうの嫌いじゃないよ」
そう言ってアカネの背中をポンポンっと叩くストロベリー。
「それじゃ、私たちは次のコンサート会場に移動するのでコレで! ラーメンの代金は置いておくので、おつりは皆さんで分けてください」
そう言って茶封筒を一つ置いて、ゴンザレス斉藤は3食アイスを引き連れて店を出る。
「これでまたお金が入ってないとか言うオチは無いだろうなぁ?」
羽柴朋がそう言って茶封筒を下に振ると、中から万札が20枚ほどバサバサと落ちる‥‥。
そして、メモが一枚。
『本命はこちら、コレで美味い物でも喰ってください』
割り箸のネタを最後まで挽きづるゴンザレス斉藤。
ラーメン代を差し引いてもかなり懐が潤った面々。
彼らはよくわからないまま、自転車で家に帰ることに成った。
‥‥自転車‥‥お持ち帰り‥‥。