ドリルで踊れ!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当
芸能 フリー
獣人 フリー
難度 普通
報酬 1.2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/05〜10/09

●本文

 9月某日、テレビ局近くにある某フルーツパーラーにて4人のアイドルが談話をしていた。
 3人は言わずと知れたアイドルグループで三色アイス。
 もう一人はパパイヤ・パインの付き人兼アイドルでおなじみにバナナ・プリンである。
 三色アイスに比べ、プリンは遙かに知名度は低いが、そこはそれ、アイドル同時のツテと言うかコネというか、案外仲は良い。

 3人はジャンボ子猫パフェっと言うアイスクリームとバナナとチョコと苺と桃と生クリームがたっぷり入ったパフェを突きながら今回の失敗の反省と相談をしていた。

「私たちが歌を売り物に、全国でコンサート活動をしているのは知ってるよね? 色々話し合ったんだけど、可愛いだけを売りにするアイドルじゃなく、もっとこう実力派アイドル宣言したいとおもってるの。そこでダンスドリルチームを作ろうと思ったんだけど、人が集まらなくて‥‥」

 ミルクアイスが既にパフェを半分食べて、現状の説明をする。
 小振りの金魚鉢に入ったそのパフェは猫の模様が入っている。
 この中でこのパフェを食べきれるのは彼女だけである。
 だが、味・量・値段・かわいさから、このパフェは彼女たちに人気が高い。

「つまり、前回の失敗を教訓にしつつ、ダンスドリルチームの参加者を募集と言うことですね?」
 バナナプリンがそう言ってパフェを口に運ぶ。
「なら、こういうのはどうですか? 三色アイスさんで楽器を演奏して、他の皆さんに踊って貰うと言うのは? ライブ形式でダンスドリルチームをして」

 バナナプリンの言葉に三人がパァッと明るい顔に変わる。
 今回人が集まらなかったことで多少凹んでいたご様子だ。
「ギター・ベース・ドラム・キーボード、ちょうど4人やね。ほな、ライブ会場を抑えんと」
 チョコアイスがそう言って携帯のメールをテキパキと打ち始める。
「えっ、4人‥‥って私も入ってるんですか?」
 大あわてで自分を指さすバナナ・プリン。
 大御所の三色アイスと一緒にと言うのは、彼女に取ってはかなりおそれおおいのだ。

「場所取れたで〜。沖縄の浜辺で野外コンサートや。んで、歌の間にダンスドリルチームが入れるように調整しておいたわ」

 そんなわけで今度こそ、アイドルダンスドリルチーム参加者募集中。
 歌って踊れるアイドルを募集しております。
 参加者は水着と両手にボンボンをお忘れ無く。

●今回の参加者

 fa0406 トール・エル(13歳・♂・リス)
 fa1660 ヒカル・マーブル(20歳・♀・牛)
 fa3158 鶴舞千早(20歳・♀・蝙蝠)
 fa3342 不破・美影(18歳・♀・狐)
 fa3516 春雨サラダ(19歳・♀・兎)
 fa3635 甲斐・大地(19歳・♀・一角獣)
 fa4142 雨宮カナタ(17歳・♀・猫)
 fa4339 ジュディス・アドゥーベ(16歳・♀・牛)

●リプレイ本文

●ドリルで踊れ!
 東京都某所、ホテルの室内プールのプールサイド。
 ウレタンマットが引き締められて、スリップ防止対策が施されたステージで、4人のアイドルと8人のダンサーのダンスドリルチームの練習が行われたいた。

 話し合った結果、演奏は三色アイス+バナナプリンの『プリンアラモード』。
 演じる曲目は三色アイスの持ち歌‥‥っという事なのだが、三色アイスの歌はラブソングばかりなのでちょっとのんびりした曲調である。

 それでも朝からぶっ続けでの練習はかなり体力を消耗する。
 それにプラスして公開練習なのでお客さんへの笑顔でのアピールがプラスされる。

「お疲れ様でした〜。それでは休憩にしましょ〜う」
 元気な声で場を仕切るミルクアイス。
 朝9時からの練習でちょうどランチの時間なのである。

「ほい、お昼は幸せ『花丸カツサンド』だよ〜」
 ミルクアイスの差し出すサンドイッチを受け取り、スポーツドリンクに口を付けるトール・エル(fa0406)。
 オレンジ色のビキニにハイビスカスの柄の入ったパレオを腰に巻いている。
 彼女(彼)は今回はみんなに投げあげられて、空中で一回転してプールに落ちるという大技を担当している。
 朝から飛び込み通しでかなりクタクタな様だ。
「やっぱり、ダンスで一汗流すのは気持ちいいですわね」
 ウォータープルームのお化粧が多少はげ落ちながらも、彼女は元気に笑みを浮かべた。
 っというか、元気なのはこの2人だけといっても過言ではない。

 プールに身体を浮かべ、ゆらゆらたゆたうヒカル・マーブル(fa1660)。
 そんな彼女にお弁当を手渡す鶴舞千早(fa3158)。
 あふれんばかりの胸をセパレートの水着で包み込んだヒカル。
 青い水着に身を包んでいる。

 鶴舞千早も同様の青い水着だが、胸を包む布がヒカルよりも少ない。
 彼女の場合はセパレートではなく、ビキニと呼んだ方が良いだろう。

 プールに浮かんだゴムボードに乗り込む2人。そこで足を水につけながら、のんびりとサンドイッチを口に運ぶ。
 マスタードの味が口いっぱいに広がって行く。

 一般人はプールサイドの境界線まで進入可能である。
 有る物はカメラを、また有る物は携帯を構えて彼女たちの写真を撮っている。
 現役アイドル達の生の練習公開である。集客率は非常に高い。
 特に鶴舞千早はトール・エルと時間差でムーンサルトでプールに飛び込む予定に成っている。
 何度かビキニの上がはだけるトラブルも有ったが、それもご愛敬の一つである。

 同じくハイレグカットの『青い』ビキニに身を包んだ。不破・美影(fa3342) がストロベリーアイスとストロベリーアイスがドリンクを口に運びながら大きくため息をつく。
 今回ドラム担当に成ったストロベリー、そして初めてのダンスに苦しむ不破。
 何が大変かというと、体力の消耗が尋常では無いのである。

 慣れている者と慣れていない者では、同じ事をやっていても体力の消耗がぜんぜん違う。
 普通に踊っているのと回りの人間と動きを間違えていないか、リズムを外していないか考えながら踊るのとでは雲泥の差が出る。
 食事も喉を通らない程の疲労という奴である。
「何で私がドラムかって、演奏中に乳が揺れて見栄えが良いからとかそう言う理由だしなぁ〜。流石にちょっとミスキャストを感じるよ」
 小声でぽつりとつぶやくストロベリー。
 相変わらずブリブリの巨乳アイドルだが、世間ずれしている部分が見え隠れする。
「アイドルは見た目も大事だからな‥‥。そんなもんだろう‥‥」
 飲み物でカロリー補充する不破。
 蜂蜜と檸檬の入ったバナナプリン特性紅茶を口に運びながら吐息を放つ。

「みんな疲れ取るし、午後は自由時間にするいうんもどうやろ? 初日から気張らんでもえぇやない?」
 チョコアイスがミルクアイスに哀願するように質問する。
 せっかくプールがあるのである。体力の有るウチに泳ぎたいのだ。
「そうだね。じゃぁ午後は自由時間にしよう。自主練習って事で♪」
 意が伝わったのか、ミルクアイスがそう言って微笑んだ。

「まぁダンスは一朝一夕には憶えられないからね。後で私が練習を見て上げるよ」
 春雨サラダ(fa3516)がそう言って笑みを浮かべつつ水に飛び込んだ。
 普段は体力の無い彼女だが、こと、ダンスになると、体力のペース配分を心得ている。
 少ない体力を効率よく使うことを心得ているのだ。

 甲斐・大地(fa3635)はバスト1mを超える魔乳の持ち主。
 オレンジのビキニからはち切れんばかりに自己主張している胸は、ヒカル・マーブルと互角かそれ以上の存在感を醸し出している。

 彼女は現在『ターンテーブル』を見ながら、相談検討中だ。
 音楽の流れに合わせて移動を繰り返すダンスドリルでは、本格的な物ではコンマ数秒で歩幅まで合わせる。
 もちろんそこまで本格的ではないアイドルチームでは、1フレーズ事に動きをチェックする程度だ。それでも踊りにタイミングが合わないと、人同士がぶつかったり、人と人の感覚がまばらで見栄えが悪かったりする。十分な注意が必要だ。
「青の水着とオレンジの水着、Aパート、Bパート、Cパートの動きなんだけど‥‥」
 木琴&リズム担当のミルクアイスと綿密な打ち合わせをする。
 彼女の木琴の音に合わせて皆リズムを組んでいるのである。

「みんなタフだよね〜。有る意味尊敬しちゃうよ〜。プロ根性って奴かな〜」
 雨宮カナタ(fa4142)がプールサイドで水を浴びながら状況を見定める。
 流石に泳ぐほどの体力は残っていない。
 体育会系の部活の夏合宿の様な体力の消耗度である。
 青ビキニに身を包み、トロピカルドリンクのストローに口を伸ばしながら、彼女はそれを見つめていた。

「そう言えば、今回演奏している曲ってどんな歌詞なんですか?」
 ジュディス・アドゥーベ(fa4339)が額の汗を拭いながら三色アイスに質問する。
 彼女の水着はセパレート。オレンジ色した素敵な水着である。

「ん〜〜〜。私たちももう少し売れてると思ったんだけど、まだまだか〜」
 みんな知ってる曲と思ったが、案外知られていない事が判明。
 ちょっと歌ってみる事にした。
 カラオケに合わせて軽く踊ってみることにする。

 枯れ葉♪ 舞い散る♪ 白い東雲(しののめ)♪
 恋す〜る乙女の マグカップ♪
 アナタが居て ワタシが居て 二つの心が重なる♪
 混じり合うティーカップ♪
 ミルクティーの様〜な そんなひととき♪
 さよなら 卒業 待ってるよ♪

 なんだかよくわからない歌詞に合わせて通して踊ってみる。
 時間にして3分まずまずのできである。

 観客席から拍手が響く。
 気が付けば100人近いお客さんがこちらを覗いている。

 みんな照れ笑い。
 午後はみんなでサイン会に成りそうな予感だ。