【映画】戦場の歌姫 1アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 1.3万円
参加人数 7人
サポート 0人
期間 10/15〜10/19

●本文

●戦場の歌姫 1
『コレは映画のワンシーン』

 軍服に身を包み、最新型の7.62mmマシンガンで武装した兵士50名が山岳地帯を移動する。
 彼らは正義。‥‥そう、世界の警察にして正義の代弁者。ジャスティス王朝の手の者だ。
 そして彼らの正義に反する者達を抹殺するために、彼らはゲリラ狩りをしているところだ。

 どこからともなく地響きが聞こえる‥‥四方を確認する兵士達、そんな兵士達の足下を切り裂いて、両腕がドリルの猫耳少女が地面の底から飛び出した!!

「必殺!! ダブルドリルアッパーーーーー!!」
 兵士10名ほどが空中を舞う!
 猫耳メイド服で両手がドリルの彼女は、ジャスティス王朝に敵対する組織のオールサイバーなのである!
『説明しよう! オールサイバーとは、全身をサイボーグに改造された猫耳兵士の事である。(ナレーションの声)』
「おのれ〜、相手は一人だ集中砲火で迎撃だ!!」
 兵士達のマシンガンが雨の様に彼女に降り注ぐ。
 彼女は何発かを身体に喰らい、メイド服がちぎれて空に舞う。
 それでも人間とは思えない早業で岩陰に隠れる猫耳メイド。
「やった追いつめたの、奴を倒せば大金星だ!!」
 兵士達が岩場に近寄ろうとした瞬間、別の方向から唸るような空を切る音が聞こえる。

「必殺!! ダブルチェーンソー! ひき逃げアターーーーク!!」
 両腕がチェーンソーの猫耳少女が、コマのように高速回転をしながら兵士達の中に突撃して行く。
 まさにひき逃げ状態で兵士達10名が上半身と下半身が真っ二つに切り裂かれ、爆発して死んで行く。
 どうやら相手もサイボーグ兵士の様だ。

 両腕がチェーンソーの少女が夏服ミニのセーラー服をひらひらさせながら颯爽と決めのサインを兵士達に送る。
「くそう。こうなったら奥の手だ! いでよマスタースレイブ!」
 何処に隠していたのは、どこからともなく身の丈3.6m程の巨大な人間型のロボットが現れた。
『説明しよう! マスタースレイブとは、身長3.6m程の汎用人型戦闘兵器の事である。12.7mmの専用対戦車アサルトライフルを装備している。(ナレーションの声)』

「いけ! マスタースレイブ、奴らの武器は近距離専用だ! 遠距離から蜂の巣にしてしまえ!」

 命令に従い、マスタースレイブがドカドカと爆音を響かせて銃を連射する。
 彼女たちはそれを紙一重で交わすが、岩が砕け土煙が上がる。
 それと同時に彼女たちの服の破片がひらひらと空を舞う。
「どうだ? やったか?」

 土煙が空けるのを待つ兵士達、だが、そこには、予想外の物が姿を現した。
 そう、両腕がガトリング砲の猫耳スクール水着少女である。
「唸れ!! ダブルガトリングバスター!!」
 少女の両手のガトリング砲が爆音の響かせて火を吹く!!
 マスタースレイブの身体の至所で火花が飛び、ほんの十数秒のウチに装甲版はゆがみ、穴だらけにされて行く。

 そして、煙を噴いて大爆発を起こすマスタースレイブ。
 敵兵士はもう居ない。蜘蛛の子を散らしたように四散したようである。

「おっけ〜〜〜い!! カート!」
 監督がメガホン越しに声を上げる。
 それと同時にスタッフがタオルを持って少女達に駆け寄る。

 近未来戦争物の派手なアクションのワンシーンである。

「いや〜良かったよ。急遽臨時で入って貰って申し訳ない」
 監督がそう言って少女達に頭を下げる。
 監督の名前はミスターナポリタン。名前こそ知られていないがアクション映画のベテラン監督である。
「いえ〜こちらこそ〜。所でこのシーンって何処で使われるんですか?」
 台本がシーン事にしか作られていないので何処と何処がつながるのか誰も分からない。
「さぁな〜。ペペロンチーノと相談してみないとなぁ。向こうはまだヒロイン役が決まらなくて、色んなアイドルの所を走り回ってるらしいぞぉ?」
 半ば苦笑いを浮かべながら、ナポリタンは苦笑する。
 ペペロンチーノとは、ナポリタンと共の今回の映画の監督である。
 有名映画監督の二代目のペペロンチーノは、実力は無いが映画会社から多額の予算が下りる。そして、失敗や許せないという状況でプレッシャーに困っていた。
 かたや実力は有るものの、名前がマイナーで会社から予算が余り下りないナポリタンは、予算不足に悩んでいた。
 そんな2人が合作で一本の映画を撮ることにした。
 大量の予算が降り、良い作品が出来るのではないか‥‥っと期待も高まっている。

 ペペロンチーノは純愛ラブロマンスパートを、ナポリタンは派手なドタバタアクションとお色気パートを担当予定なのだ。

「彼はどうしても主演女優はアイドルで行きたいらしい。だから交渉は難航してるのさ」
 そう言って苦笑いを浮かべながらナポリタンはぐびぐびとジョッキでコーラを飲み干した。

「所で君たち、良い役者はアイドルに知り合いは居ないかな? 急なクランクインで映画を撮り始めたから、役者が上手く集まらなくてね、猫耳オールサイバーで派手なアクションとお色気シーンが出来そうな娘が居たら頼むよ。こちらでも募集はかけるからね」

 そう言ってナポリタンが白い頭をポリポリかきながら、娘達に頭を下げる。
 果たして、映画に必要な人材を集めることが出来るであろうか‥‥。

●今回の参加者

 fa0075 アヤカ(17歳・♀・猫)
 fa0745 ミーア・ステンシル(18歳・♀・小鳥)
 fa0932 RASEN(16歳・♀・猫)
 fa1236 不破響夜(18歳・♀・狼)
 fa3464 金田まゆら(24歳・♀・兎)
 fa3502 水無月鈴(16歳・♀・小鳥)
 fa3605 ルージュ・シャトン(12歳・♀・猫)

●リプレイ本文

●【映画】戦場の歌姫 1
 この物語は西暦2100年を舞台に、ジャスティス王朝とレジスタンス達の波乱の戦いを映画にした物語である。

 彼女たちは戦場で負傷し、死ぬ運命に有った兵士達である。
 彼らは脳死に居たる前に、脳を取り出し、サイボーグの身体に脳を移植され、全身武器の女性型サイボーグ‥‥オールサイバーへと生まれ変わったのである。

●準備パート
 中国某所。
 撮影スタッフ数十名が野外にて撮影準備を進めている。
 場所はさばく‥‥いや、荒れ地と言った方が良いだろう。岩と砂のゴーストキャニオンの様な場所を選んでいる。
 カメラを走らせる線路、爆発用の火薬などを設置している。

「あの〜両手が80mm砲に改造されたという設定にしたいのですが〜」
 ミーア・ステンシル(fa0745)が監督B‥‥ナポリタンの元に足を運ぶ。
「ふむ‥‥80mm‥‥80mm‥‥無いな。他の映画で使ったお古を色々持ってきてるが‥‥60mmと75mmと88mmどれにする?」
 彼が指さしたのは戦車や自走砲の大砲である。彼が昔使った映画のお古であろうが、その辺上手く予算を浮かしているのが分かる。
「それでは‥‥88mmで」
 そう言ってミーア・ステンシルは88mm対空自走砲(ティーガー1戦車で使ったお古)を2つ加工して両手に取り付けられる方向に成った。

 今回の映画は、日本映画としては十分な予算で撮影を開始している。
 だが、ハリウッド張りの大予算で大規模な映画を作る‥‥っという手法ではない。
 時代劇で使った物、戦争映画で使った物、SFで使った物、訳の分からないお古のセットがトレーラー十数台に分けられ軒並み運び込まれている。

 撮影場所はすっかりテント村と貸し、映画全編ここで撮るんじゃ無かろうかと勘違いさせるほどの力の入れようだ。

 一方のペペロンチーノの撮影スタッフは、数キロ離れた場所にレジスタンスの前線駐屯地を作るべく奮闘しているらしい。

「ネコミミ以外はダメなんだろうか。私なら半獣化すれば自前で狼耳が‥‥犬耳と言い張ることも可能だし」
 不破響夜(fa1236)がペペロンチーノに説明を求める。
「ok、猫でも犬でもかまわないよ〜。メイクさんに頼んでメタルシルバーに塗装して貰ってきてくれ。それと頼まれていた狙撃銃だが、20mmのロングバレルを用意しておいたよ」
 指さす方向に、長さ3mの肩に担ぐ狙撃銃‥‥チェーンガンが用意されていた。
「コレはどこから持ってきたんだろうか?」
 不破響夜の疑問すぐさま解消される。
 小型戦闘ヘリの機銃であることがすぐに分かったからだ。

●映画パート
 暗闇、世界を包み込む安穏。
 突然爆発音が響き渡り、沢山の兵士達が荒野を走り抜けていく。
 彼らはジャスティス王朝のサイボーグ、レジスタンスのオールサイバーの様に高性能ではないが、重装備で荒野を走り抜けることが出来る重装歩兵だ。
「目標アンノウンを発見だ! 全員正義の鉄槌を下してやれ!!」
 兵士達の脳内に搭載された、小型短距離暗号無線機が響き渡る。

 土煙を上げて、アヤカ(fa0075)が荒野を駆け抜ける。
 足に搭載された電動ローラーブレードがオフロードでも時速60kmで走ることが出来るのだ。
 っが、ブレーキは付いていない。それでも問題は無い。
 突然彼女の両足のローラーブレードが逆回転を始める。
 敵に対して背中を向けていた彼女が突然向かい合うように向きを変える。
 バックで走れたり逆そう出来たり出来るのである。
「目からビーム!!」
 兵士の一人にオレンジ色の光線が直撃する。
 ビームというよりは怪光線である。
 その直撃で兵士の一人が爆発する。
「おのれ! 撃て! 撃て!」
 マシンガンの雨を受けるアヤカ。ご自慢のメイド服が銃撃の衝撃でちぎれ飛んで行く。
 ご自慢の皮膚にも付着した鉛が黒く残っていくのが分かる。
 傷らしい傷が着く様子はない。っが服がみるみるウチにはじけ飛び下着が露わに貼っていくのが分かる。

「止まらない〜誰か止めてぇ〜!」
 突然アヤカの横をすり抜けるようにしてRASEN(fa0932)が敵兵力に突撃してゆく。
 十二単(じゅうにひとえ)を着込み、左腕がドリルの彼女は、敵の弾丸をドリルで弾きながら敵めがけてまっしぐらに突っ込んで行く。
「パンツアーフォー!」
 敵兵の突然のロケット弾の直撃を受けるらせん。
 十二単がボロボロに成りながらも、半分ひき逃げ状態で兵士数人をドリルで吹き飛ばして行く。
 そのまま近くの岸壁に突撃してその場にばったり大の字に倒れるらせん。
 ちょっと絶体絶命のピンチ。

「プレッシャーハンド!」
 突然岸壁の上から少女の右手が飛来する。
 金田まゆら(fa3464)が全身兎の着ぐるみで登場する。
 右手部分が飛び出し、兵士の頭を直撃している。
 腕は太いチェーンワイヤーの様な物で胴体とつながっている。
 圧縮空気で腕を吹っ飛ばして相手に直撃させる有線腕の使い手である。
「ウインチ!」
 右手がらせんを捕まえて、まるで釣りの様にういうい腕を巻き上げて行く。

「小娘! ばかにしているのか!?」
 兵士達の銃口が金田まゆらに向けられる。

「必殺! バンカーパニッシャー!」
 今度は左腕を圧縮空気で敵の中に突撃させる。
 流石にコレには敵の兵士も反応し、散解してそれを回避する。

 っが、その散解を待って、突撃する影がある。
 ネコミミバニーの水無月鈴(fa3502)だ。
 彼女の右手が空を切る。
 手首の所から発射された一本のワイヤーが、まるで踊るように空中を舞い、兵士の銃に絡みつく。
 次の瞬間兵士の銃が真っ二つに切断される。
 高周波ワイヤーだ。

 敵兵士が慌てて拳銃を抜きに入る‥‥っがバランスを崩して地面に倒れる。
 彼の両足が水無月鈴の左手のワイヤーで切断されていたからだ。
 見上げるようなアングルで彼女のハイレグ気味のバニー姿が画面にアップに映し出される。

「敵の暗号通信を傍受、衛星からデータと称号。敵の座標 X−15 Y−12 Z−2」
 戦闘ポジションから1500m離れた岩の上で、ネコミミナース姿のルージュ・シャトン(fa3605) が敵の場所をレーダーで探知する。
 衛星からのデータと高性能赤外線視力の融合である。
「おっけい! 行きます!」
 ミーア・ステンシルが左手の88mmキャノンを発射する。
 もの凄い轟音とともに土煙が巻き上げ、戦車砲の一撃が発射される。
 っが、その爆風で遙か後方に吹き飛ばされているミーア・ステンシル。
 銀色の鳥の翼を広げ、飛行ユニットでかろうじて空に留まっているが、両腕の重さでホバリング移動が精一杯である。

 着弾点ではとてつもない一撃が着弾し、兵士数名がバラバラになって爆発していくのが分かる。
 バニー姿の水無月鈴も危うく巻き込まれる所であったが、アヤカがローラーブレードで割って入り、寸前の所で爆発の煙の中から脱出する。

「敵マスタースレイブ来ます」
 ルージュ・シャトンが敵の移動を確認する。
 相手は身長3.6m人が乗り込み操縦する汎用人型戦闘ロボットマスタースレイブだ。
 その右手には12.7mmmm対戦車ライフルが装備されている。
「おっけーい!」
 不破響夜がスコープを覗きながら、敵にめがけて2射引き金を引く。
 タタタタタタタタタタ!
 タタタタタタタタタタ!
 2秒間に10発づつの弾がマスタースレイブに降り注ぐ。
 初撃がマスタースレイブの頭部を直撃し、メインカメラを大破させる。
 次の一撃がマスタースレイブの右手を直撃し、右腕ごと搭載武器を地面に落とす。
 武器を失い、攻撃手段を失ったそのマスタースレイブの胴体にらせんのドリルが直撃する。
 しかも山の上からロケットパンチに吊されながらの突撃である。
 大爆発の中でウィンチモードで回収されていく。らせん。

 敵の特殊部隊は壊滅、敗走し影ながらの勝利を収める。

●『そして』
 それを飛ぶ友軍機。レシプロの戦闘機だが、そんなことは気にしない。
 遙か地平線ギリギリの所で閃光と煙があがる。
 我が軍の主力が敵の主力とぶつかっているようだ。

 我々サイボーグ戦士の戦いは続く、この地上から戦争が無くなるまで

●アッペンディスク
 とりあえず1シーンが取り終わり、たき火を囲んでビールを飲む出演者達、宿泊はテントというちょっと過酷な状況に流石に疲労の色は隠せないが、それでもベットとシャワーとトイレがある長期滞在型のテントに流石に言葉を失う場面もある。

 殆どの物が声優やタレント・アイドルなど役者経験の無い者達であったため、かなりのハードな練習と爆発と土煙の中での本番撮影であったが、かなり上々のできには成っているようだ。

「後はフィルムを編集したり特殊効果を行ったりする作業がある。普通は全部取ってからやるんだが、ウチはワンシーン事に流れ作業で進めていくよ。ペペロンチーノもやっと主演アイドルを捕まえたらしく、メインシーンの撮りに入ったらしい。まぁわしらはわしらで勝手に派手なアクションシーンを撮り続けていくさ」
 ミスター・ナポリタンはそう言って大盛りのビールをぐびぐび飲み干した。