中華の金字塔 1アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
凪
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
10.4万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
1人
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期間 |
02/16〜02/20
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●本文
●中華の金字塔 1
2007年某月某日某所
東京のとあるデパートでの中国文化フェアは大反響のまま幕を閉じた。
その展示物の中に一つの魔鏡が存在した。
いつ、誰が作ったのかは分からない。
中国「殷」時代古墳からの発掘物だとしか分からない。
魔鏡は宝の地図の役割を果たしていた。
嘘か誠か地図を調べてみると、謎の古墳(遺跡を)発見することに成功した。
謎の古墳(ピラミッド)の入り口は堅く閉ざされ封印されている。
また、現地スタッフの話では見たこともない幻獣までが存在すると言う。
「っと言うわけで、現地に飛んで遺跡の調査をしてきて貰いたい。オーパーツが有ればそれを回収し、NWが居るのならそれの排除を求める‥‥誰か立候補者はいないかね?」
WEAのその様な申し出があり、資金力と知名度の高い一人のアイドルが手を挙げた。
彼女の名は『樫野ひなぎく』。アイドルとしては名を売る人材だが、よほど宝探しなどには向かない人材である。
「あぁ〜 え〜 他に立候補者は居ないのかな‥‥では彼女に‥‥。それと彼女をサポートするサポーターをつけてくれたまえ。初陣が一人では心細いだろう?」
そんなわけで中国奥地に存在する謎のピラミッド探索部隊を募集します。
ピラミットの高さは15mほど。回りはジャングルに成っているらしい。
ピラミッドの回りには謎の幻獣(おそらくNW)が居て採掘を拒むらしい。
ピラミッドの入り口は封印されているので破壊して中を調査してほしい‥‥らしい。
これら調査に邪魔な者を排除しつつ、ピラミッド(遺跡)の調査をせよとのお達しである。
樫野ひなぎくに関しては殆どピクニック気分でリュックにお弁当とかお菓子とか詰め込んでいる。
そんな彼女を守るのも重要な任務の一つである。
それでは改めてがんばって貰いたい。
●リプレイ本文
●中華の金字塔 1
2月某日、中国のとある山奥。
お弁当を持った。お菓子も持った。デジカメも持った。武器も忘れず持っている。
前人未踏の中国地方のジャングルの中を、ブッシュかき分け突き進む集団。
ご存じアイドルパーティ8名+1名+調査スタッフ数名である。
大きなナタのような物を使い前人未踏のジャングルを進む一行。
ひなぎくと調査班数名‥‥それらを守るために雇われたアイドル集団である。
森の中を3時間ほど進むとブッシュの中にピラミットを発見する。
高さは15m程、入り口は堅く閉ざされ封印されている。。
先ずはどうやって入るかを考えなければ成らない。
調査班が先ずは入り口の封印を解く準備をしている。
その間にやることのないアイドル達はお昼の時間である。
「おべんとおべんと、サンドイッチ作って来ました〜」
ひなぎくは半ばピクニック気分でご機嫌である。
「あぁ、じゃあ私のエビチリと交換しましょう」
郭蘭花(fa0917)がご自慢の中華弁当を開く。
すっかりお弁当の交換の場と化している。
「わぁい、じゃ私の厚切りハムサンドと交換と言うことで〜」
エビチリと厚焼きハムサンドのトレードが成立した。
「にゃはは‥‥実は、あたいもこういった遺跡探索とかって初めて何ニャよね〜。だから、ちょっぴり楽しみちょっぴり不安なんニャよ〜。だから、ひなぎくちゃんがわくわくしているって言う気持ちはわかるニャ〜☆」
アヤカ(fa0075)がそう言って猫耳弁当を頬張っている。
かつお節と煮干しがちりばめられた特製のお弁当である。
「アヤカさんのお弁当も美味しそうですね」
唐揚げ片手にハムハムとお弁当を食べるひなぎく。
そんなお弁当気分のひなぎくに突然銃口を向けた人間がいる。
緑川メグミ(fa1718)である。
郭蘭花が破山剣 で、アヤカがヴァイブレードナイフで構えてそれに警戒する。
「‥‥はじめまして、ひなぎくちゃん。緑川メグミよ。よろしくね」
あらかじめ弾を抜いておいた銃をひなぎくに突きつけて言う。
「本物よ。遺跡にはNWがいるかもしれないし、ダークサイドがいるかもしれないの。知ってる? 万全の準備をしておいた私の兄様はこの間、新型NWの特殊攻撃を受け大怪我したわ。ミサイルみたいに爆発するトゲをもつタイプ・・・そういうのよ。‥‥いい? 遺跡は危険よ。未調査遺跡なんて地雷原と同じよ。下手すれば、あなただけじゃない。みんなが苦しむの。それをわかってね」
そう言ってトカレフを下ろす緑川メグミ。
っと緑川メグミに向けられていた銃口も下ろされる。
叢雲颯雪(fa4554)である。
「‥‥大丈夫大丈夫。パニックになったり冷静さを欠かない限り、戦闘で失敗する事は無い筈だから。一人で戦うなら兎も角、仲間がいるんだしね。困った時は下がって皆にフォローして貰えば良いんだよ」
銃を握りしめていても明るい笑顔の叢雲颯雪である。
戦闘では無理なことはしない。出来ないことはするな‥‥っと言う苦言である。
仲間を信じていればなんとか成る。それは彼女が今までの戦いで身につけた常識だ。
リーゼロッテ・ルーヴェ(fa2196)がピラミッドの周囲を歩きピラミッドの外壁に何か無いか調べる。扉は堅く閉ざされているため、封印を破壊しないと中を覗くことは出来な
い。
一緒に着いてきた調査スタッフがそれについて調べている。
レイリン・ホンフゥ(fa3739)はハンディ金属探知機を使って色々調べているが。
ピラミッドのドアを無理矢理こじ開けると中には部屋が一つ、そして石棺があった。中からは数点の着物やワンド、銅鏡などが出てきた。
ひなぎくちゃん、かなり好奇心が強いみたいね。ワタシもどっちかっていうと好奇心は強いと思うケド、ひなぎくちゃんよりはお姉サンなので注意しないいけないネ〜。
レイリン・ホンフゥはそんなことを考えながら石室の中を調べていた。
このピラミッドは墓ではない。
オーパーツを壊れないように後世の獣人の為に残すために、過去の獣人が残してくれたタイムカプセルの様な物なのだと時代は3500年の時を得て、それは現代へと受け継がれて行くのだ。
レイリン・ホンフゥの背中に歓喜が走る。
うれしさ半分。楽しさ半分。神秘が半分のオーパーツを今目の前に見ているのだ。
そんなわけで歓喜150%である。
「にゃお〜〜〜ん♪」
突然猫の様な雄叫びが森の中から響く。
ざわざわとした何かが森の中を移動している。
緑川メグミがトカレフに弾を込める。
神保原和輝(fa3843)がサーチボウを構え、ひなぎくの安全確保と警護に回る。
「大丈夫ひなぎくちゃん。私がアナタを守るからね」
神保原和輝の言葉に、うんうんと首を縦に振るひなぎく。
神保原和輝の腰にしっかりしがみついて離れようとはしない。
よほど怖い目に遭っているのだろう。
リーゼロッテ・ルーヴェがトカレフを構えて回りを警戒する。
ずしりとしたトカレフの重量感が彼女の腕に自己主張をしている。
叢雲颯雪がプラスチックで出来たオートマチック拳銃を構え森に打ち込む。
そこから飛び出した『何か』は静か羽根を羽ばたかせながらピラミッドのてっぺんへと飛び乗った。
長さ‥‥いや、体長80cm程の羽根の生えた猫が現れたのである。
それは静かに、だが確実に獣人である彼女たちに牙を向けている。
楼瀬真緒(fa4591)がそれに対して銃を放つ。
バンバン‥‥っと乾いた火薬の音と臭いが解き放たれ、数発の弾丸が一瞬前まで猫が居た場所を穿った。
リーゼロッテ・ルーヴェが瞬速縮地を使って相手の後ろに回って銃を放つ。
パンパン‥‥火薬の香りが立ちこめる。
真後ろから打てば相手の死角になり、避けることが出来ないだろう事を考えての行動だ。
それを見て楼瀬真緒も同様に瞬速縮地を使って後方から銃を放つ。
今まで静かすぎた森の中に火薬と硝煙の音と香りが響き渡る。
並のNWならこれで倒せていたかも知れない。
羽根の生えた猫‥‥は、突然振り向きざまに口から雷をはき出す。
猫から一直線に伸びた雷撃は、楼瀬真緒を直撃する。
‥‥一瞬目の前が真っ白になる。
まるで小さな雷が直撃したかの様な苦痛である。
2発目の雷撃がリーゼロッテ・ルーヴェを直撃する。
雷撃の直撃で身体が硬直するリーゼロッテ・ルーヴェ。
バリバリと風を切り、的確に相手に雷を当てるその大山猫にぞっとする。
叢雲颯雪が的確に額のコアを狙って銃を放つ。
全弾避けられている訳ではない。
何発かはかすっているのだ。
倒せない敵では無いはずだ。
ふと見ると発掘されたオーパーツの絹衣に身を包み、オーパーツのマイクを装備しているひなぎくが見える。
使い方が分かったのだろうか、オーパーツが逆転の鍵に成れば良いのだが。
そんなご都合主義な事まで考えてしまう。戦況は芳しくない。
「みんなガンバレ〜応援しまーす」
突然、踊りを踊りながらひなぎくが歌を歌い出した。
彼女の応援歌が目に見えない力となって皆に愛と勇気を分け与えるとでも言うのか。
神保原和輝は歌い続けるひなぎくを守るようにして彼女の前を塞いでいる。
歌が皆の士気を向上させたのか。
命中率や回避率が少し向上した‥‥ような気分になる。
「撃て撃てニャ。がんばるニャ」
飛び道具組みが懸命に銃を乱射する。
猫も雷を吐きながらそれに対抗する。
一進一退の攻防がピラミッドの上で繰り広げられる。
叢雲颯雪の奇跡の一撃が雷を吐く猫の額のコアを撃ち抜いたのは、それからまもなくの事であった。
「とりあえずオーパーツゲット!」
西洋風に言えばオーパーツ。中国封神演義風に言えばパオペーを手に入れたひなぎく。
どうやら歌を歌って踊る事で他の人の士気を向上出来る‥‥らしい。
他にも歌の種類で色々出来るかも知れないが、それは分析が終わってからだ。
「それでは我々はピラミッドの探索を続けます。後はヨロシクお願いします」
そんなわけでNWを倒しておやつの時間。
ひなぎくちゃんが手作りで作ってくれたというマドレーヌを食べながらピラミッドを見つめる。
結局最後まで遠足気分の遺跡探索だったが、これはこれで良い物か‥‥っと思えてくる一同でありました。