アイドル強化合宿アジア・オセアニア

種類 ショート
担当
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 3.7万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 12/14〜12/19

●本文

●アイドル強化合宿
 埼玉県某所。アイドル育成の為のアイドル学園が存在する。
 未来のアイドル候補生、アイドル予備軍にアイドルの基礎を教える学校だ。

「最近のアイドルはたるんでる。アイドル魂(スピリッツ)が足りない。そこで山ごもりして、アイドル魂を養うんだ!! アイドルっぽくグァム島で!!」

 唐突に学園長がとんでも無いことを口走ってみた。
 そこでその、山ごもりと言うか、強化合宿の鬼コーチとして白羽の矢が立ったのが、現役アイドル10年目のパパイヤ・パインである。

「私はかまいませんけど、私の特訓は甘くないですよ? 生徒達が大勢辞めてもかまいませんか?」

 パパイヤ・パインの言葉に学園長が応える。

「かまいません。参加者は任意に参加希望者だけで30名用意します。後は‥‥アイドルの先輩として、パイン教官の他に一緒に合宿に参加して、指導を受ける生徒を数名用意して頂けないでしょうか? 人選はそちらにお任せします」

 学園長の言葉にパインがニヤリと笑う。

「それ、良いですよ。ゴールデンねらえますよ」
 駆け出しの番組プロデューサーと交渉の結果、アイドル番組として合宿が取り上げられることと成る。

『アイドルの強化合宿参加者募集。先輩として、後輩達に良いところを見せて下さい。』

 そんな企画でアイドル合宿体験入学と言う形で、番組は構成させることになった。

1.どんなときもカメラの前では笑顔 2.水着で決めポーズ 3.一発芸を披露 が今回の課題と言うことになる。

 教官側は色々なカリキュラムを用意して、参加者達に試練を出して、上記3つの邪魔をする。
 アイドル候補生達と現役アイドル達はがんばってその試練に打ち勝って欲しい。

 取りあえず、砂浜走ったり、突然カメラを向けてポーズを取らせたり、徹夜でカラオケしたりと色々と有りますので、がんばって笑顔絶やさずにがんばってください。

●今回の参加者

 fa0075 アヤカ(17歳・♀・猫)
 fa0142 氷咲 華唯(15歳・♂・猫)
 fa0441 篠田裕貴(29歳・♂・竜)
 fa0768 鹿堂 威(18歳・♂・鴉)
 fa0847 富士川・千春(18歳・♀・蝙蝠)
 fa1363 黒羽 陽月(18歳・♂・猫)
 fa1386 百瀬 悠理(13歳・♀・兎)
 fa1704 神代タテハ(13歳・♀・猫)
 fa2132 あずさ&お兄さん(14歳・♂・ハムスター)
 fa2516 フォーティア(15歳・♀・狼)

●リプレイ本文

●がんばれ! アイドル!
 アイドル強化合宿。
 なんだかよくわからないがどっきり系のノリで行くのかと思いきや。
 行き先がグァムとか言いながら、全然グァムじゃない聞いたこともない島へ旅立つ所からスタートするというまたしてもどっきり系のノリである。

 合宿一日目。
 飛行機で空港に降りて、そのまま車で海岸へ。
 今日は砂浜にテント張ってキャンプらしい。

 チューブトップのビキニを着て、アヤカ(fa0075)が砂浜をランニングする。
 汗がキラキラと輝く、笑顔がきらめき乳が揺れる。
 カメラマンがここぞとばかりにシャッターを切りまくる。
 しかし、笑顔をママで砂に埋もれる。アヤカ
「こら〜。アヤカ〜。体力が足りないぞ〜? お前は新人達と柔軟体操からだ〜」
 パパイヤ・パインが調子が悪そうなのか、彼女は飛行機が苦手なのである。
 地に足が付いて何とかパワーを取り戻しているが、顔色は青い。
「はい、ガンバリマスニャ」
 新人5〜6名が砂浜で柔軟体操をしているのに混ぜて貰うアヤカ。
 大きくまたをひらいたり、身体を大きく反らせたりと、カメラチャンスが豊富である。
 デジカメ持ったカメラマンが一生懸命ソレを撮影している。

「皆若いね〜」
 篠田裕貴(fa0441)がぐったりと全身汗だくでジョギングから帰ってくる。
 ッというか、彼もアヤカ同様に、半分も走らないうちに倒れた部類である。
 白の半袖のパーカーが汗でべったり肌に張り付いている。
「アンタも体力不足だねぇ。コンサートとかライトを浴びながら何時間も唄うんだよ? 基礎体力は無いよりは有った方が良い。アンタは海に向かって歌10曲‥‥30分熱唱してきなさい」
 いつの間にやら麦わら帽子に黒いマイクロスリングの水着で登場のパパイヤ・パイン。そう言って彼にスポーツドリンクを一つこっそりと手渡してやる。
 彼も新人数名と共に海に向かって熱唱である。

 黒羽 陽月(fa1363)が満面の笑みを浮かべて大の字に寝ころんでいる。
 息も絶え絶えな割りには笑顔がこぼれている。
「元気なのか? それともムシの息なのか?」
 カメラを回されそれに向かって満面の笑みを作る黒羽 陽月。だが起きあがる事さえ出来ない。
「日差しは体力を消耗させる。休むなら向こうで安め」
 そう言ってパインは彼を木陰のハンモックまで引きずって行く。
「面目ねぇな。見苦しい所を見せちまってよ」
 彼がそう言うと彼女は砂浜方向を顎で指さす。
「残念ながらお前を含めて先輩方8名ランニングで全滅だ。全員基礎体力が足りてない。最近の若い者だから仕方ないのかも知れないな。明日はもう少し緩くしてやろう」
 彼女はそう言って静かに微笑んだ。

 結局ランニングに柔軟体操、海に向かって唄って最初の一日が終わった。
 日没と共に何故か自衛隊のレーションで夕食を取る。
 タクアンの缶詰やら肉じゃがの缶詰やら怪しい物で腹を膨らませると、みんな泥のように眠った。

 深夜‥‥っと言うか夜明け前の寝起きドッキリ、テントの中で眠る富士川・千春(fa0847)の元へカメラマンとレポーターがゆっくりと近付いて行く。
 富士川・千春とフォーティア(fa2516)の眠っているテントにゆっくりと近付いてくる。
 レポーターは一緒に寝ている筈のパパイヤ・パインであった。
 なんともタフネス満載な女性である。

 レースの下着姿の富士川・千春がフォーティアに抱きつく形で眠っている。
 カメラさんがそんな下着姿の彼女や生足なんかと舐めるように撮影している。
 一方のフォーティアは大きめのYシャツでおねむ。生足にカメラが食らいつく。
 もちろん薄暗いので余りハッキリとは映し出されていないが。

 男性陣の寝起きどっきりは、氷咲 華唯(fa0142)。
 パパイヤ・パインが彼に対して一つの課題を与えられた。
『途中で目が覚めても、何が有っても寝たふりをしているように』である。
 コレで彼の忍耐と演技を見ると言うのであろう。
 なんにでも前向きにひたむきにがんばる彼の能力を知りたいのであろう。

 一方そんな彼を寝起きドッキリするのはアスカ。
 昼間の特訓でボロボロに成りながらのリポート。彼女に与えられた指令は『猫じゃらしでくすぐって起こせ』である。
 眠っている筈の華唯の首元に猫じゃらしをそわそわと這わせる。
 華唯が身をよじらせる。
 さらにこんどは脇の下をゆっくりと這わせてあげると、華唯が甘い大きなため息をついた。
 猫じゃらしに身悶える彼と、目の下にクマを作りながら、一生懸命ソレを虐める猫娘。
 2人の格闘は15分ばかり続けられた。

 一方女性陣の方も艶めかしい展開に成っていた。
 パインが持って来た筆で千春の身体をなで回していると、彼女も徐々に甘い吐息を吐きながら、身をよじらせていた。

 15分ほど艶めかしいシーンが続いたが、とてもゴールデンには放送出来そうにないとディレクターに怒られたので、真面目に叩き起こすことにする。

 日の出と共に起床。暑苦しい上に寝苦しいテントからたたき起こされ、全員目の下にクマを作っている。
 生徒30名も先輩達も皆目の下にクマを作った居る。
 若干一名を除いては。

「おはよう諸君。ぶじ、2日目の朝を迎えることが出来た。生徒諸君はこれから牧場に行って乗馬のお稽古をしてもらう。ソレが終わったら昼食を取って午後は自由時間にしてよし、ただし先輩達はスペシャルカリキュラムで猛特訓があるので別行動だ! 夕食に落ち合おう!」

 パパイヤ・パインの号令でカメラマンや照明さんも2手に別れての行動になる。
 全員が荷物をまとめて水着に着替えると、砂浜にあつまっていた。
「あの、私たちは荷物をまとめて何処に行けば良いんですか?」
 あずさ&お兄さん(fa2132)がパインに質問する。
 パインはにこやかに笑ってそれに答えた。

「これからホテルにチェックインして、みんなで仲良くお風呂に入って、ベットで夕方まで仮眠よ」

 全員が耳を疑った。そんなムシのいい話があるはずがない。きっと何か罠がある。
 そう考える彼ら一行の考えをよそに、ホテルにチェックインすると水着のままで泡風呂(ジャグジーと言うかも知れない)の方に放り込まれた。
 お風呂の大きさは8畳ほどの正方形、9人がゆったり入れる大きさである。
「生徒達の手前、先輩達はくつろぎますとは言えないだろう? おまえたち全員体力無さ過ぎ♪ もう少しがんばって貰わないと困るよ?」
 そう言って彼女はにっこり微笑んだ。
 先日の疲れと眠れない夜を過ごし、疲労のピークに達していた彼らにとって、この風呂は格別であった全員湯の中で眠りこける程である。

 一人必死に睡魔と闘っている者が居る。
 あずさ&お兄さんである。
 男性で有ることを隠してツアーに参加しているため、ここで眠って正体がばれるわけにはいかないのである。
「大丈夫。私にもたれかかりなさい」
 パパイヤ・パインは何かを悟ったのだろう、彼女(彼)の受け役になってくれている。
 30分ほど湯に浸かりほこほこに成り、眠気がピークに成っている彼らに彼女は言った。

「予算の都合でこれからはいるお部屋にはベットが4つしか有りません。私はソファーで休ませて貰うから、4つのベットはあなた達で自由に使って頂戴。早い者勝ちね?」
 本当ならここで先輩を立て無ければ成らない所だが、我先にとベットを取るために部屋を目指す一同。
 そんな勢いに押されて、おそれおおくも鹿堂 威(fa0768)がパパイヤ・パインの胸の中に顔を埋めるように倒れる。
「申し訳ない‥‥お詫びにその‥‥食事でも」
 お詫びとナンパが混同された挨拶だが、意識朦朧の彼に取ってはこの辺が限界だ。
「あら、ありがとう。この合宿で私を女扱いしてくれた生徒は貴方が初めてよ? でも食事は眠った後の方が良いわね。ベットはちゃんと人数分有るから寝てらっしゃい」

 耳の錯覚だろうか、ベットは人数分と聞こえた。

 部屋に入って見ると、確かにベットは4つ並んでいた。

 ダブルベットが4つ並んでいる? いやそんなことは無かった。
 部屋にはクイーンサイズのベットが4つ並んでいた。
 通常ベットは140cmの幅をダブルベットと呼ぶ。
 クイーンベットは横幅が170cmあるのである。

 平たく言うとダブルベットよりでかい、畳2枚分も有るベットが4つ並んでいるのである。
 なるほど、確かに8人に4つのベットで足りるわけである。

 有る者は既に夢の中へ。
 有る者はテーブルの上に用意されていたバナナをベットの上で食べながら、深い眠りを楽しんでいた。

 こんなに心地よく眠れたのは彼らにとって初めての経験であろう。
 眠りから覚めると彼らの為に車が用意されていた。
 牧場へは車で移動である。さらば夢のクイーンベット。熟睡をありがとう。

 食事前の自由時間。鹿堂威が射撃場にて拳銃を握る。握ったのはボルトアクション式のリボルバーのハンドガン。22口径の弾を撃ち出すタイプで、手軽で安く、リコイルが少ないのが売りである。
 それにリボルバーは手入れが行き届かなくても弾詰まりが少ないのが特徴だ。
 彼はリボルバーの中の弾を数発、的に命中させていた。
「体力は無いみたいだけど、こういうのは美味いんだね」
 後ろでカメラの回る音がする。
 パパイヤ・パインが静かに近付いてくる。
 黒のスリットの腰まで入ったチャイナドレスで現れた彼女はそんな彼の銃の腕前を見つめている。

 今風に言うとビュッフェ。一昔前ならバイキングと呼ばれた食事形式。
 皿を持って好きな物取ってきて食べる‥‥っと言う物だが、そのレパートリーの中に150gひれステーキが食べ放題で並んでいるため、すっかりステーキの大食い競争に成った夕食。

 彼らはこの後徹夜で唄わされることを知らされていなかった。


 激しくも激動の第一回アイドル強化合宿は幕を閉じる。
 視聴率が良かった場合は、また次回が有るかも知れないが、本日はここまでとしておこう。