だらラジのんびりアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
中畑みとも
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
普通
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/26〜08/28
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●本文
『だらだらラジオ』通称『だらラジ』は、演劇舞台俳優たちを呼んで、お菓子などを食しながら、だらだらと演劇について語り合うラジオである。
俳優たちは、スタッフが用意したお菓子や、自分で持って来たお菓子を食べながら、リスナーからの質問に答えていく。その内容は初主演舞台の話や、失敗談など。果ては「今ここで即興の演劇をしろ」など、無茶なものもあったりする。たまに俳優が暴走したりして、時間切れになってしまうなんてこともあるが、それでもなかなかメディアに登場しない舞台俳優の素が垣間見えるこの番組は、結構人気があったりするのである。
そんなこんなで、今日も『だらラジ』は始まるのである。
と、いうことで。
『だらラジ』に出演して下さる舞台俳優さんたちと、番組を進行する司会者さんを募集してます。舞台俳優さんたちは、舞台演劇をメインに活動している人はもちろん、最近舞台演劇を経験した方でも、舞台演劇の勉強をしている方でもOKです!
今回ご用意したお菓子は冷たい『フルーツゼリー(ぶどう、みかん)』で、届いているリスナーの質問は、『今までで一番難しかった役と、これからやってみたい役はなんですか?』です。この質問に対する答えを考えておいて下さい。司会の人はその答えに対するツッコミなんかも考えておいてくれると嬉しいですね。あ、お菓子の感想なんかも一つ二つ用意しておくと、突然感想を求められたときに慌てずに済みますよ。もちろん、お菓子は司会者さんの分もありますからね。
あと、番組には出演しないけど、出演者の俳優さん絡みで、こんなことがあったんだよーっていうFAXやメールも随時受け付け中なので、リスナーや関係者さん、面白いのお待ちしております!
それでは、だらだらとラジオの方、始めてみますかー?
●リプレイ本文
のんびりと、それでいて陽気な音楽が流れる。
だらだらラジオのスタートである。
「リスナーの皆さん、こんばんわ。だらだらラジオ、司会の都路帆乃香(fa1013)です」
「楊・玲花(fa0642)です。今日は宜しくね」
「姫乃唯(fa1463)で〜す。宜しくお願いしま〜す」
「白井木槿(fa1689)です。宜しくお願いしますね」
「蘇芳蒼緋(fa2044)だ、宜しくな」
「姫月乃・瑞羽(fa3691)と言います。今日は宜しくお願い致します!」
「水沢鷹弘(fa3831)だ。宜しく」
「梓弓鶴(fa4048)です。宜しくお願いします」
「さて、紹介も済んだところで今回のお菓子の紹介です」
司会の都路がそう言うと、出演者の目の前に蜜柑と葡萄の2種類のフルーツゼリーが運ばれてくる。
「今回はまだまだ暑さが続くので、よく冷えたフルーツゼリーです。皆さん、お味は如何でしょうか?」
「わ〜い! 夏の暑くて食欲がない時でも、ゼリーならするっと入っていいよね〜」
言って、美味しそうにゼリーを食べたのは姫乃だ。それに白井が頷く。
「あたしもゼリー大好きなんです〜。ぷるぷるって食感がたまらなくて‥‥あ、ゼリーは凍らせても美味しいですよね♪」
「それ、いいですねー」
白井の言葉に都路が微笑んだ。その横で、姫月乃と梓が蜜柑ゼリーを食べている。
「私はプリンとかを食べる方が多いけど、ゼリーも好きです。やっぱり蜜柑の方がさっぱりしてていいかな?」
「私も蜜柑ゼリー大好き! 美味しー!」
「俺も蜜柑にしようかな。あ、誰か葡萄食べてる人は一口交換しませんか? どっちも食べてみたいし」
「これ葡萄なんで、よかったらどうぞ。普段甘い物は食べないんだが、こう言う物を偶に食べるのは悪くないな」
蘇芳と水沢がお互いのゼリーを交換している隣で、楊が首を傾げる。
「自分でも時々時間があればデザートを作ったりしますけれど、やっぱりプロの作ったものは違いますね。何かコツがあるんでしょうか?」
「プロは厳選された素材を使っているからなんじゃないか?」
「私たちがそういう素材を使おうとしても、中々揃えられませんものね。そうそう、口汚しかもしれませんが、これも良かったら皆さんで」
「俺もマドレーヌを作ってきたんだ。一応、味は保障するぞ」
水沢の言葉に答えた楊が、自作のマンゴープリンを配る。それに、蘇芳もマドレーヌを取り出した。
「それでは今日もだらだらとお話していきましょうか」
都路はそう言って、質問の書かれた紙を見る。
「今回の質問は今までで難しかった役と、これから演じてみたい役はなんですか? ですね」
「最初は難しかった役についてですね。私の場合は母親役ですね。戦国時代の強い母親と、現代の子供の優しい母親でしたが、子供も生んだ事がない私がどれだけ母親らしさを出せるかで結構悩んだ役でしたね、皆さんの場合は如何でしょうか?」
都路が言うと、白井が話し始める。
「若くてお洒落で美人な叔母さんという設定の女性を演じたんです。でもあたし、見ての通り決して美人ではないですし、どういう演技をしたらお客さんに美人と受け取って貰えるかなって‥‥」
首を傾げながら話す白井に蘇芳が「充分美人だけどな」と笑いかける。
「有難う御座います‥‥それで、それまで以上に観客の目というのを意識して役作りをしたんです。だから、そんな風に自分とはかけ離れたタイプの人を演じた‥‥という意味では、とても難しかったなぁと思います」
「それ、私が現代の母親役をやった舞台と同じでしたよね。瑞羽さんと唯さんも同じ舞台やりましたよね」
都路が振ると、姫月乃が大きく頷く。
「私も、その舞台は普通の少女の役だったんですけど、役を作る事が凄く大変で‥‥その上、初めての舞台だったので凄く緊張しちゃって‥‥皆さんにも迷惑をかけてしまったと思います。あの時は色々と有難う御座いました」
「あたしもやっぱり初舞台の時は色々と大変だったかな。主人公が本当の幸せに気付くって内容の舞台だったんだけど、全然演技とか上手くないのに主人公に名乗り出てしまって。今思えばかなり無謀だったかなーって。でも大変だったけど思い入れはある役だよ。幸せって何なのか、あたしも気付けた気がするから」
頭を下げる姫月乃に笑いかけた姫乃が話し終わると、蘇芳が思い出しながら口を開く。
「俺は、そうだな‥‥外見はそのままで中身はお婆ちゃんになってしまう役をやったんだが、中々に大変だったな。まあ、なんて動き易い身体なの! なんて言いながら若い肉体に浮かれてみたり、日常的な家事をこなしてみたりといった演技を求められたからな。とはいえ後者に関しては個人的に普段からしているから特に困る事はなかったけど。いやぁ、人間何でもやっておくものだな」
「うわぁ。それ、難しそうですねぇ」
「ちょっと楽しかったけどな」
都路の言葉に蘇芳が笑う。続いて、梓が話し出す。
「あたしは、サイボーグ化した女刑事の役ね。サイボーグとして復活した時の苦悩とか、恋人との今後とか、敵との対立とかの心の葛藤を演じるのが大変だったわ。それがデビューという事もあって余計にね。でも、演じ終えた時の達成感は忘れられないわ」
「私も、今までやった役のどれも難しくて、まだまだ女優としての未熟さを痛感させられてます。強いて挙げるのなら、小学校の校庭を舞台にしてやった一人芝居でしょうか? 校庭のブランコを使って、観客に相手の存在を感じさせる演技をしなくてはならないというのは大変勉強になりました。」
楊が話し終わると、水沢が頷く。
「私が若い頃、劇団に所属していた時の話なんだが、古典をベースにした演劇での役、あれは難しかったな‥‥。台詞が独特の言い回しで覚えるのに苦労したし、抑揚の付け方も分からない部分が多くてね。役の感情も中々読みとれなくて、何度も台本と原作を読み返したよ。まぁ、大変ではあったが、良い経験にはなったかな」
「もう一つのお題はやってみたい役という事でしたが、私の場合は役柄での恋愛ってまともなのは一度だけで、それも失恋なので、一度純粋に恋愛をするような役をやってみたい気がします。さて、それでは皆さんの場合は如何でしょうか?」
「自分と正反対のおっとり系の役もやってみたいけど、やっぱりあたしはアクション女優だから、アクションが多い女スパイを演じてみたいわ。刑事でもマフィアでも、アクションがあれば何でもってカンジかしら。でもデビューが正義だったから、今度は悪の立場を演じてみたいってのもあるかな」
「そうだな、俺も悪役はやってみたいな。一度、限られた狭いスペースでの演劇作品に参加した時に犯人役というか怪盗役をやったんだが、今度はもっと‥‥悪の中の悪! って感じの役を演じてみたいな。どちらかというと真面目な青年のような役が多いんで、新しいジャンルに挑戦してみるのも面白そうだと思ってな」
「悪役人気ですねー」
梓と蘇芳に都路が笑うと、白井も話し始める。
「私もカッコいい悪役ってチャレンジしてみたいですね♪ 普段はどちらかと言うと元気で明るいとか、ちょっとお間抜けって感じの役を演じる事が多いので。勿論、それはそれで凄く楽しいのですけど」
それに楊が小首を傾げつつ話す。
「私は悪役‥‥なのかな? 妖艶な悪女をやってみたくて。まだまだ小娘ですし、色気が足りないのは判ってますけれど、沢山の男性を手玉に取りながら自らの野望を叶えていく、そんな大人の役をやってみたいです。それから、一つの舞台で、一人の女性の一生を少女時代から晩年までを演じきってみたいですね」
「それ、凄いですね! 面白そう!」
そう言って都路が面白そうに顔を輝かせる。水沢はちょっと苦笑しながら答えた。
「私は基本的にシリアスな役ばかりだったから、コミカルな役もしてみたいかな。でも中々そういう役が来なくてね」
「なんだか、水沢さんってシリアスなイメージですもんね」
「そう‥‥なのかな」
「私も、今までの舞台では、割と素の自分に近い役が殆どだったから、これからは自分とは全く違う役をしてみたいかな。純情可憐な美少女とか、妖艶なおねーさまとか。あと、少年役もしてみたいなー」
「少年役って、若い時にしか、中々できませんものね。‥‥私、まだできるでしょうか‥‥」
「トロちゃんならできるよー!」
姫乃が笑顔で都路の背中を叩く。姫月乃はうーんと唸りながら悩んで、口を開いた。
「難しかった役にも入るんですけど‥‥それに舞台じゃなくてドラマなんですけど、いいですよね? 平安時代の陰陽師な感じのドラマで脇役をやったんですけど、凄く思い出深い役で‥‥役作りとか、平安時代の事とか、沢山沢山勉強したんです。その分、その役は私の中でまだまだ生きてて‥‥私の中で一番特別な役なんですよ。後でその役が主役にまで上ったドラマで、もう一度演じる事ができたんですけど、また演じる事があれば、是非やってみたいと思ってます。それが、今一番やってみたい役ですね」
「あ、もしかしてアレですね? 私も出演させて頂いたドラマ。あれは面白かったですねー」
姫月乃に都路がうんうんと頷く。すると、都路がそろそろラジオが終わる時刻なのに気付いた。
「今日もだらだらとお話させて頂きました、だらだらラジオ。今週はここでお別れです。それでは、また来週お会い致しましょう!」
陽気な音楽が流れ、だらだらラジオの放送が終了した。