家族でスポーツ!アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
中畑みとも
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
15人
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サポート |
1人
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期間 |
09/22〜09/26
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●本文
だんだんと涼しくなっていく季節、秋。
こんなときこそ、やはりスポーツでしょう!
ということで今、『スポーツの秋・健康キャンペーン』と題して、健康を保持するためにスポーツをしようというのを広めるCMの作成をしております。
それで、そのCMに出演して下さる家族芸能人の方々を募集しております。
家族で芸能関係の職業に携わっている方であれば、どんな方でもOKです! 年齢とかも関係ありませんから! 家族であれば何人でも構いません。
スポーツはどんな種目でも構いません。でも撮影対象は家族だけなので、『大勢の人を集めて』というものは避けて頂けると嬉しいです。あ、勿論、怪我をするような危険なものも駄目ですよ。
ストーリーなんかの裏設定は考えずに、一定時間の間、皆さんにスポーツをして頂いて。で、それをカメラでずーっと撮って、後で編集する感じです。そのとき、大きな怪我や迷惑以外の、何と言うかお笑い系のトラブル‥‥ボールが池に落ちたり、バッドを思いっきり空振りしたりとかのシーンがあったら、採用される可能性大ですから。
ああ、家族でスポーツっていいなぁ、やろうかなぁ‥‥と、視聴者が思うような楽しいCMにしたいと思っております。
どうぞ、宜しくお願いいたしますよ。
●出演にあたり
家族でセットの撮影となります。居候も家族と考えて構いません。
家族全員でなくとも、『兄弟で・親子で』でもOKです。
ただし、従兄弟や親戚などは今回は家族にはしない事にします。
それと『数人の家族とペット』ならばOKですが、『一人とペット』は家族には見えませんので、避けて下さい。
●リプレイ本文
家族でスポーツしませんか?
そんな文字が青空の真ん中に現れて、のんびりとした曲と共にCMが始まった。
●姉妹でジョギング
美角あすか(fa0155)と美角やよい(fa0791)が、公園近くの並木道を軽快な足取りでジョギングしている。
やよいは周りの景色を眺めながら順調に走っているが、あすかの方は息が上がり始めていた。二人の間に少しずつ差が開いて行き、あすかの身体がだんだんと沈んでいく。やよいがあすかを振り返ると、あすかはしゃがみ込んでしまっていた。首と手を振ってギブアップをアピールするが、やよいは笑いながらあすかを無理矢理立たせ、背中を押す。
もう走りたくないあすかが背中を押すやよいの腕に体重をかけても、やよいは笑みを崩さないままぐいぐいと背中を押し続けた。胸が大きく反り、普通に走るよりも非常に苦しい体勢となったあすかは、観念したように走り出す。それに満足気に頷いて、やよいが隣に移動した。やよいをチラリと横目に見て、あすかが困ったように大きな溜息を吐く。
ふと横を向いたやよいが、何かに気づいたように顔を明るくさせて、あすかの腕を引っ張った。あすかがやよいの指差す方向に目を向けて、微笑む。
二人が見ているのは並木道の向こうを走っている男女だった。男女も二人に気づいたようで、こちらに手を振り返してくる。
●姉弟でマラソン
並木道の傍で、クク・ルドゥ(fa0259)と栄里森 圭汰(fa2248)が準備体操をしている。ふと、ククが並木道の向こう側に目を向け、大きく手を振った。それに栄里森も気付き、並木道に向かって手を振る。
ククが肩にかけていたヘッドホンを耳にかけると、同じようにイヤホンをした栄里森がプレーヤーにMDをセットし、ウエストポーチに入れ直す。そしてククに笑いかけると、二人が走り始めた。
二人は横に並んで、暫く並木道を走ると、大きく迂回して公園へと入って行く。公園は広く、奥にはテニスコートもあるようだ。二人はベンチに座ってのんびりとしている老人や、ボールを追いかけている子供たちを眺めながら、舗装された赤い道の上を軽快に走る。
そのうち、ククの唇がリズムを刻み始めたと思うと、いきなり大きな口を開けて歌いだした。その声に栄里森が驚いて、びくりと肩を跳ねさせると、気持ちよさそうに歌っているククを見て呆れたように笑った。
歌いながら走るククの1メートル程後ろを、栄里森が苦笑しながら追いかけて行く。二人は公園をぐるりと回り、青い芝生の広がる場所へとやって来ていた。ふと、ククのスピードが緩まり、その場で足踏みを始める。
芝生では銀髪の男性と明るそうな少女が、組み手をしていた。
●親子で古武道
綺麗に刈り揃えられた芝生で、梁井・繁(fa0658)と風間由姫(fa2057)が真剣な顔で向き合っていた。緊迫した雰囲気が辺りに漂う。
風間が間合いを確かめ、梁井に手刀を振り上げた。一足で近づき、梁井のこめかみ近くを狙う。梁井はそれを腕で受け、勢いを利用して腕をぐるんと回し、風間の肩を掴んで投げ飛ばした。投げ飛ばされた風間は上手く受身を使い、即座に体勢を整える。
構え直した風間は再び間合いを取ると、今度は梁井の脇腹を狙って足を蹴り上げた。梁井がそれを手で弾き、風間へ蹴りを入れようとする。風間は半身を捻り、梁井の足を避ける。
そこまでやって、真剣な顔でやっていた風間の口元が緩み始めた。いかにも楽しげなその笑みに、自然と梁井の顔も綻ぶ。本来なら組み手中は真剣にやらなければならないのだが、嬉しそうに蹴りつけてくる風間に梁井は少し苦笑しただけで、何も言わなかった。その頃には緊迫した雰囲気は既になくなり、何だかじゃれ合っているようにしか見えない。
と、その時。どこからか野球ボールが二人の間に転がって来た。いち早く気付いた梁井が踏み込もうとしていた風間を制し、ボールを手に取ると、こちらに向かって走ってくる人が見えた。
●兄妹でキャッチボール
野球ボールを持って戻って来た紗原 馨(fa3652)に、陽織(fa4443)が笑いながら謝罪の意を示すように手をあげる。それに紗原は少しだけ怒ったような顔をして、陽織に向かってボールを投げた。白球が青空に弧を描く。
陽織は落ちてきたボールをグローブで受け取り、紗原に投げ返した。紗原が自分の位置から少しずれて落ちてくるボールを追いかけ、グローブを伸ばす。ぱたぱたと走る紗原に和やかな笑みを浮かべている陽織へ、ボールを無事にキャッチできた紗原が誇らしげにボールを見せた。
紗原から再び投げ返されたボールを受け取った陽織は、大きく振り被ると、空高くボールを放り投げた。しかし、ボールは紗原のいる位置とは数メートル離れた場所へ向かって行き、苦笑いしている陽織に紗原が頬を膨らませた。
ぼとりと地面に落ちたボールは、ベンチに座っていた理緒(fa4157)の足元に転がって来た。理緒がそのボールを拾い、手を上げている紗原に向かって投げ返した。だが、ボールは走り寄って来ていた紗原を大きく超えてしまい、理緒が慌てて謝罪する。紗原がボールを追いかけて踵を返そうとすると、ボールは綺麗に陽織の構えたグローブの中に納まった。
ボールを突き出し、誇らしげな様子の陽織に、紗原が楽しげに微笑んだ。
●親子でテニス
理緒がテニスコートの近くを通ると、真ん中のコートで熱心な指導を行っている男性が見えた。マサイアス・アドゥーベ(fa3957)である。そして、真剣に指導を受けているのはジュディス・アドゥーベ(fa4339)だった。
ジュディスがサーブを打とうとする。しかしラケットは空を切り、ボールは空しく足元を転がって行った。がっくりと肩を落とすジュディスに、マサイアスがアドバイスをする。しかし、何度やっても空振りしてしまう。
ジュディスが諦めたように、マサイアスへとボールを渡した。マサイアスの比較的ゆっくりなサーブを、ジュディスが追いかける。
だがラケットは明らかにボールが通り過ぎた後で振られ、ボールはジュディスの後方へと飛び去っていった。怪訝そうに首を傾げるジュディスに、マサイアスが苦笑いをする。
ラケットの持ち方も妙なジュディスに、マサイアスが指導をした後、再びサーブを打つと、ジュディスのラケットは今度はきちんとボールに向かって振られた。しかし、持つ力が緩過ぎたのか、ラケットは手からすっぽ抜け、とんでもない方向へ飛んで行った。慌ててラケットを取りに行くジュディスに、マサイアスも溜息を吐いた。
●姉弟でゲートボール
テニスコートの近くに立っていたIris(fa4578)は、突然フェンスにぶつかって来たラケットに驚いて飛び跳ねた。謝りながらラケットを持っていくジュディスに苦笑を返しつつ、高鳴る胸を押さえる。
そんなIrisにゲートボールのスティックを渡したのは檀(fa4579)だった。そして、先にどうぞと檀がIrisにボールを譲ると、Irisはゲートボールのルールを判っていないのか、ゴルフのようにボールに向かってスティックを思いっきり振り被った。それに、檀が慌ててIrisを止める。
首を傾げるIrisに、檀が手本を見せてやる。慎重に狙いを定めて、スティックをボールに当て、第一ゲートに向けてボールを転がした。ボールはぎりぎりのところでゲートを潜る。
感心するIrisに、檀が胸を張って誇らしげに笑う。それに、Irisも同じように第一ゲートを狙い、檀よりも多少スマートに潜らせた。にやりと笑うIrisに、檀の目が真剣になる。試合を開始し始めた二人を、老人たちが優しい目で見ていた。
ゴールポールをぎりぎりの所で外し、悔しがっている檀をIrisが呼んだ。Irisが指を指し、楽しそうに笑う先には、少年が二人、バドミントンをしていた。
●同居友達とバドミントン
白熱したバトミントンを繰り広げていたのはムク(fa4664)とグラット(fa4669)だった。お互いの位置と反対方向にシャトルコックを投げ返しているので、二人はバタバタと走り回り、荒い息を吐いている。
何とかグラットが投げ返したシャトルコックは、ふんわりと宙を待った。しまったと言う顔をするグラットに、ムクの目がキラリと光る。ムクがラケットを大きく振り被り、シャトルコックに向かう。が、大振りのラケットは空しく宙を切り、シャトルコックがムクの頭にぽとりと落ちた。
呆然とするムクにグラットが腹を抱えて笑い出す。それにムクがぎりぎりと歯を噛み締め、グラットに向けて思いっきりサーブを打った。素晴らしいスピードで飛んだシャトルコックはグラットの腹に命中し、あまりの痛さにグラットが悶え打つ。
すっきりしたように笑うムクに、グラットが腹を押さえながら立ち上がった。わなわなと震える手で、サーブをムク目掛けて打つ。慌ててムクは避けるが、闘争心に火がついたのか、またしてもグラットに向けて思いっきり力を込めたサーブを打った。グラットはそれを避け、地面に突き刺さるように落ちたシャトルコックを拾い、またムクに目掛けてサーブを打つ。もはやバドミントンではなかった。
スポーツをしている家族たちを、遠くから眺めているのは理緒だった。芝生に座り込んでいたかと思うと、ゆっくりと背中を倒して寝転がった。目の前に青い空が広がる。
「気持ちいいなぁ」
理緒の言葉が青空に文字となり、その下に『スポーツの秋・健康キャンペーン』という文字が現れた。