だらラジくつろぎアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 中畑みとも
芸能 2Lv以上
獣人 フリー
難度 普通
報酬 2万円
参加人数 12人
サポート 0人
期間 10/15〜10/17

●本文

『だらだらラジオ』通称『だらラジ』は、演劇舞台俳優たちを呼んで、お菓子などを食しながら、だらだらと演劇について語り合うラジオである。
 俳優たちは、スタッフが用意したお菓子や、自分で持って来たお菓子を食べながら、リスナーからの質問に答えていく。その内容は初主演舞台の話や、失敗談など。果ては「今ここで即興の演劇をしろ」など、無茶なものもあったりする。たまに俳優が暴走したりして、時間切れになってしまうなんてこともあるが、それでもなかなかメディアに登場しない舞台俳優の素が垣間見えるこの番組は、結構人気があったりするのである。
 そんなこんなで、今日も『だらラジ』は始まるのである。


 と、いうことで。
『だらラジ』に出演して下さる舞台俳優さんたちと、番組を進行する司会者さんを募集してます。舞台俳優さんたちは、舞台演劇をメインに活動している人はもちろん、最近舞台演劇を経験した方でも、舞台演劇の勉強をしている方でもOKです!
 今回ご用意したお菓子は秋らしく『モンブランケーキ』で、届いているリスナーの質問は、『自分がやってきた役で好きなシーン、台詞はなんですか?』です。この質問に対する答えを考えておいて下さい。司会の人はその答えに対するツッコミなんかも考えておいてくれると嬉しいですね。あ、お菓子の感想なんかも一つ二つ用意しておくと、突然感想を求められたときに慌てずに済みますよ。もちろん、お菓子は司会者さんの分もありますからね。

 あと、番組には出演しないけど、出演者の俳優さん絡みで、こんなことがあったんだよーっていうFAXやメールも随時受け付け中なので、リスナーや関係者さん、面白いのお待ちしております!

 それでは、だらだらとラジオの方、始めてみますかー?

●今回の参加者

 fa0182 青田ぱとす(32歳・♀・豚)
 fa0868 槇島色(17歳・♀・猫)
 fa1323 弥栄三十朗(45歳・♂・トカゲ)
 fa1521 美森翡翠(11歳・♀・ハムスター)
 fa2680 月居ヤエル(17歳・♀・兎)
 fa3393 堀川陽菜(16歳・♀・狐)
 fa3487 ラリー・タウンゼント(28歳・♂・一角獣)
 fa3579 宝野鈴生(20歳・♀・蛇)
 fa4157 理緒(19歳・♀・狐)
 fa4339 ジュディス・アドゥーベ(16歳・♀・牛)
 fa4391 夜野月也(25歳・♂・犬)
 fa4764 日向みちる(26歳・♀・豹)

●リプレイ本文

 のんびりと、それでいて陽気な音楽が流れる。
 だらだらラジオのスタートである。
「ラジオをお聞きの皆さん、本日司会進行役を務めさせて頂きます、弥栄三十朗(fa1323)と言います。不慣れではありますが、どうぞ宜しく‥‥それでは、今日のゲストを紹介致しましょう」
「青田ぱとす(fa0182)と申しますー。だらだらとね、楽しんでいきましょうか」
「槇島色(fa0868)です。宜しくお願いします」
「美森翡翠(fa1521)です。2回目の出演ですね」
「ラジオは初めてなのでちょっと緊張してます。月居ヤエル(fa2680)です」
「ラリー・タウンゼント(fa3487)です。俺もラジオは初めてだな」
「堀川陽菜(fa3393)です。どうぞ宜しくお願い致します」
「宝野鈴生(fa3579)と言います。宜しくお願いします」
「理緒(fa4157)でーす。宜しくお願いしまーす」
「今日は頑張ります! ジュディス・アドゥーベ(fa4339)です」
「夜野月也(fa4391)だよっ! 宜しくね〜」
「初めまして。日向みちる(fa4764)です」
 全員の自己紹介が終わると、弥栄は目の前にあるお菓子を示した。
「さて、皆さんの前にはモンブランケーキと、皆さんに頂いたお土産が並べられているわけですが」
「うわぁ、美味しそうー! ‥‥って、理緒さん、もう食べてるし!」
「はう? あ、すみません、つい‥‥」
 夜野のツッコミに理緒がケーキを食べながら苦笑する。
「菊おはぎはお母さんと一緒に作りましたの」
「凄いですね。うん、形も綺麗」
「俺はパンプキンパイを作ってきたよ。かなり甘さ控えめだけど」
「あらら。私の、パンプキンプディングなんですよね。被っちゃいましたねー」
 日向に褒められて美森が嬉しそうに微笑むと、ラリーと月居が顔を見合わせて笑った。
「あたしのは豚まんや。美味いでー」
「豚まんってお菓子なんでしょうか‥‥?」
「美味しいから、いいんじゃないかな」
「私の持って来た野菜チップスは、一応お菓子‥‥だと思います」
 青田の土産に堀川が首を傾げると、槇島が豚まんに手を伸ばしながら答える。それに、宝野も小首を傾げながら土産を広げた。
「このクッキーはどなたが持って来て下さったんですか?」
「あ、それ私です。砂糖とグラニュー糖を入れ間違えちゃって、食感がジャリジャリしてるけど、味は普通ですよー」
 ジュディアスの言葉ににこやかに理緒が答えると、弥栄はお菓子でいっぱいになった机を見下ろして、進行を進めた。
「だらラジ至上最高のお土産数らしいですが‥‥この沢山のお菓子を食べつつ、だらだらと参りましょう。今回の質問は、自分がやってきた役での好きなシーン、台詞についてですね」


「名台詞というのは得てして本来の脚本ではなく、リハーサルを繰り返していくうちに生まれたり、舞台上でのアドリブで生まれたりすることが多かったりしますから、脚本を書く者としては正直嫉妬を覚えざるを得ないところがありますね。皆さんの中にはどんな台詞があるのでしょうか」
「アニメになっちゃうんだけど、私が声優をやった少女が子犬と別れるシーンで、気丈な少女が泣くのを堪えて子犬を撫でる場面は、アフレコやりながら泣いちゃったね。台詞としては、やっぱり今やってる役の全てかな‥‥痴れ者が! とか、往生せいや!! とか叫んで、ストレス発散になってるし」
「槇島さんの出てらっしゃるアニメは、私も大好きなんですの。私もいつかあんなカッコいい役もできるようになりたいですの。私は以前やった母の日の舞台のほのぼのしたのや、平安時代物での師匠をてきぱきと手伝ったシーンが好きですの。台詞は、初めて悪役をやらせて頂いた時の、友人との決別の台詞が印象的で、よく覚えてますの」
 苦笑しながら話す槇島に、美森が続けば、夜野も話し始めた。
「僕も印象的なのは敵役をやった時だね。怪奇アクションものの無邪気で残酷な妖怪って役だったんだけど、キミもすぐに壊してあげるよって言った時は楽しかったなぁ。やっぱ普段とは真逆な役だったからかな? あとは主人公に倒されるシーンとか」
「俺は西行法師っていうお坊さんをやった時かな。悩める男、という得意分野の役柄でもあったし、ラストの、真砂‥‥いや、真砂様にも御仏の御慈悲がありますように‥‥っていう台詞がね。様々な想いがこの言葉に集約されてるな、と感じられて好きなんだ。それだけに凄く気を遣った台詞でもあるのだけれども」
「私も、お嬢様学校を舞台にした話で、主人公の親友で恋人という重要な役をやらせて頂いた時のラストシーンは心に残ってますね。私の比較的演じやすい大人しい感じの女の子だったんですけど、最後で実は男の子だった事が判って。ショックを受けた主人公を迎えに行くシーンは遣り甲斐がありました」
「私は今、お嬢様学校ではないけど、お嬢様役をやってるの。何かねぇ、ツンツンツンツンデレくらいの勢いで。それは音楽学校の話なんだけど、真夜中に音楽室の男の子の幽霊と一緒に合奏するシーンが好きだなぁ。ちょっとファンタジックな感じで、とってもいい雰囲気だったんだ」
 夜野に続いてラリーとジュディアスが感慨深げに話せば、月居が楽しそうに笑う。
「私は、舞台でメイドさんをやった時が一番印象深いですね。ご主人様! 大変です! なんて台詞、滅多に言えませんし。一度メイド服を着てみたかったっていう気持ちもあったので、凄く嬉しかったですねー。」
「私もメイド服着た事あります。やっぱり、こういう業界ですと色々な衣装を着たり、色々な役をやらせて貰ったりというのが多いですから楽しいですね。他にナース服も着た事あるんですけど、深夜の番組だったせいか、とても丈が短くて‥‥ちょっと恥ずかしかったですけど、もしかしたら一番好きな衣装だったかもしれません」
「うんうん。皆可愛いもんなぁ。あたしはねぇ、声優をやった時に言わせて貰った台詞やね。舞台やったら絶対回ってけぇへん、男装の麗人ってのをやったんやけどね。黒雲に犇く雷の精霊よ、我が槍となり我が腕に集え! 薙ぁぎ払えぇ! ってのが、気持ちよかったわぁ。楽しかったぁ」
 宝野が嬉しそうに話すと、堀川が少し顔を赤らめながら続いた。それに頷きつつ、青田が響きのいい声を披露する。
「私は今は男役なんだけど、昔は娘役志望だったんです。背が高くなっちゃって断念したんですけどね。たった一度だけやったワーテルローのマリー役は今でも思い入れがあります。後は円卓の騎士でパーシヴァル役をやった時の、聖杯を見つける場面とか。台詞で好きなのはローランの歌ですね。嗚呼、たとえこの身が朽ち果てようと、お前を渡せはしない。嗚呼、その美しきその刀身よ、わが心を照らすのか! っていう」
「理緒さんはいかがですか?」
「ふえ! あ、私ですか? 私は適役というものにまだ巡り会っていないので、これから頑張って行こうと思ってるんですが‥‥そうですねー、好き‥‥というか、私の人生そのものが舞台だと思います。だから思い入れのあるシーンはアルバムに。台詞は私に関わってきた人たちの心に刻まれてると思うのです」
「ほぉ。中々いいこと言うとるけど、口の周りにお菓子つけながら言われてもなぁ」
「あわわわ」
 日向が話した後、弥栄が理緒に話を振るが、青田に指摘を入れられて理緒が慌てて口元を拭いた。その様子に皆が笑い、和やかな雰囲気に包まれる。そして、弥栄が時計を眺め、ラジオの終わり時間を見計らって口を開いた。
「さて、本日もそろそろお別れの時間となりました。だらだらとお話させて頂きました、だらだらラジオ。また来週お会いしましょう」
 陽気な音楽が流れ、だらだらラジオの放送が終了した。