SartoDisign橙の巻アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 中畑みとも
芸能 2Lv以上
獣人 フリー
難度 普通
報酬 2万円
参加人数 15人
サポート 0人
期間 11/16〜11/18

●本文

『SartoDisign』‥・・それは10代から20代の男女をターゲットにした、ファッション雑誌である。その雑誌の一番人気のページは、モデルたちが自ら選んだ服を着て、それを紹介するコーナーらしい。編集者である女性はたくさんの洋服に埋もれながら、そのコーナーについて話し始めた。
「数ある洋服の中からモデルたちに好きな服を選んでもらって、それをオススメファッションとして紹介してるんだけど。毎回、テーマに沿って洋服を用意するから、その中から自分に似合う服とか、好きな服とか探してね」
 今回用意した服のテーマは『橙』。モデルたちにはその橙系の服をコーディネイトしてもらう。モデルのファッションセンスが問われる仕事だ。
「一応、モデル以外にも、スタイリストとかカメラマンとか来てもらってもいいんだけどね。今回の背景は薄黄緑・濃紺の二色で、小道具は要望があればできるだけ用意するし、持ち込みもOKよ。ペットとかも全然大丈夫だから」
 言い終えた女性編集者は、再び洋服の調達へと向かって行った。


●撮影にあたって
 モデルの皆さんには、たくさんの洋服の中から好きなものを選んで、上手くコーディネイトして頂きます。どんな洋服を選んで、どんな風に着こなすのかを、編集者に教えて下さい。
 今回のテーマは『橙』なので、『橙系』の洋服が中心です。もちろん、それに組み合わせる別の色の洋服もありますが、メインは『橙』にして下さい。
 あと、どんな風に撮られたいか、なども教えて頂ければ、カメラマンに話しておきます。撮影は室内です。小道具などはあまり値段の張るものではなく、成人男性が一人で運べるくらいの大きさのものであれば、こちらで用意することができます。モデル自身の小道具持ち込みや、動物と一緒の撮影もOKです。

●今回の参加者

 fa0388 有珠・円(34歳・♂・牛)
 fa0634 姫乃 舞(15歳・♀・小鳥)
 fa1359 星野・巽(23歳・♂・竜)
 fa1463 姫乃 唯(15歳・♀・小鳥)
 fa2122 月見里 神楽(12歳・♀・猫)
 fa2604 谷渡 うらら(12歳・♀・兎)
 fa2726 悠奈(18歳・♀・竜)
 fa2847 柊ラキア(25歳・♂・鴉)
 fa3662 白狐・レオナ(25歳・♀・狐)
 fa3890 joker(30歳・♂・蝙蝠)
 fa4144 柚木透流(22歳・♀・狼)
 fa4254 氷桜(25歳・♂・狼)
 fa4563 椎名 硝子(26歳・♀・豹)
 fa4579 (22歳・♀・豹)
 fa4786 K・ケイ(19歳・♂・鴉)

●リプレイ本文

●秋の普段着
 濃紺の背景の前に、ミニチュアダックスフンドを連れた姫乃 舞(fa0634)が立っていた。優しい印象の低彩度な橙色の薄いニットセーターに、アイスオレンジのキャミソールを着ている。ベージュのクロップドパンツは裾にリボンの付いたスリットが入っていて可愛らしい。オレンジブラウンのストラップパンプスが、若々しい印象を持たせる。
「あんまり硬くならないで。普段通りの顔でいいからね」
 有珠・円(fa0388)に言われて、舞は少し緊張気味に顔を上げた。カメラに目線をやると、着替えを終えた姫乃 唯(fa1463)が有珠の後ろで手を振っていた。舞がそれを見て、ふわりと笑う。有珠が満足そうに口角を上げ、シャッターを切った。


●可愛く元気に!
「お、いいね。うん、可愛いよー、唯ちゃん」
 明るいオレンジ色のタートルネックワンピースに、ホワイトフェイクファーのショートコートを羽織った唯が、薄黄緑の背景の前でポーズを取っている。ワンピースは膝上までのスカート部分がフレアになっていて、中に履いたパニエがスカートをふわりと丸くみせていた。首には薄手で濃いオレンジ色のマフラーをリボン結びにし、同色のベレー帽とロングブーツを合わせている。
 唯は有珠の後ろで見守っている舞にウィンクすると、カメラに向かって軽く投げキッスをした。有珠がそれに笑ってシャッターを切る。撮影を終えた舞は一目散に唯に駆け寄ると、楽しそうにハイタッチをした。


●可愛い洋食屋さん
 薄黄緑の背景の前に、人参を齧るウサギのオブジェが置かれている。その首には『Kitchen きゃろっと』と書かれた木札がかけられていた。
「流石にカウンターキッチンは用意できなかったかー」
 有珠の言葉に残念そうな顔をしているのは、淡いオレンジ色のダブルコックコートを着た谷渡 うらら(fa2604)だった。髪をコートと同色のシェフ帽の中に隠し、グレーのパンツに白い靴を履いている。首には白とオレンジのギンガムチェックのネックチーフを巻き、可愛らしい人参のアップリケが片隅につけられた白いシェフエプロンをしている。
 その横にあるチェアに座っているのは柚木透流(fa4144)だ。オレンジの裾が軽くフリルになっているカシュクールチュニックに、薄茶のファーが付いた薄手のホワイトニットカーディガンを羽織っている。チュニックの上には赤茶のベルトが下げられ、オレンジベージュの膝上バルーンスカートに黒のミドル丈ブーツを履いていた。
 カフェテーブルに肘をつき、両手に顎を乗せている柚木へ、谷渡が綺麗に盛り付けされたハンバーグランチをサーヴする。その様子を有珠が写真に撮ると、有珠はちょっと考えた後で編集者へ振り返った。
「これ、ランチ作ってる所とか別撮りしたら駄目かな? あ、それならいい? だって、二人とも。後で別室で別撮りね」
 その言葉に、谷渡は嬉しそうにぐっと親指を突き出し、柚木が楽しそうに笑った。


●スポーツの秋
 濃紺の背景の前で、スポーツバックを持った月見里 神楽(fa2122)が、足にじゃれ付く猫を見下ろして笑っていた。淡いベージュのニット帽を被り、オレンジのトレーナーに白いカーディガンを背中に引っ掛け、袖を胸の前で軽く結んだ月見里は、オレンジのリボンを首に巻いた猫に「後でお刺身あげるからねー」と話している。丈の短いジーンズスカートは左下の裾に大小のオレンジの星飾りが並んでいて、オレンジのスニーカーにクリーム色のオーバーニーを履いていた。
「ノリノリな感じで行ってみよー」
 言ってカメラを構える有珠の後ろからは、ノリのいい音楽が流れている。その音楽に合わせて、月見里は元気良く歩くポーズをした。


●星空デート
「氷桜くーん、もうちょっと近づいて。‥‥あ、悠奈ちゃん、それいいねー」
 有珠に言われて、少し顔を赤らめた氷桜(fa4254)は濃い橙色のロングコートに濃紺のシングルスーツとスラックスを着ている。インナーの白いワイシャツが爽やかなイメージを持たせるが、するりと腕を組んできた悠奈(fa2726)に赤面しないように表情を作るのが精一杯の様子だった。
 一方、氷桜よりも大分余裕な悠奈は、カーキに近いオリーブグリーンの膝上丈ニットワンピースに、ペールアプリコットと白のAラインツィードコートを羽織っている。コートより少し短いワンピースにはハイウエスト位置にリボンが揺れ、ウエストから総プリーツが流れていた。首にはレッドオレンジのストールをマフラーに、手にはサテンの小さなハンドバックを持ち、アンクルストラップのブラックパンプスを履いている。
 二人は濃紺の背景の前に立っていた。足元には数枚の落ち葉が落ちている。悠奈がうっとりと笑って氷桜の肩に頭を凭れかけると、氷桜は顔を真っ赤にして明後日の方向を向いた。それに有珠が苦笑しつつ、シャッターを切り、氷桜に目線の催促をした。カメラを前にした氷桜が何とか平然とした表情を作るも、有珠はさっきの正反対な恋人の様子も可愛いんじゃないかなぁと、編集長に進言する気満々でカメラを構えた。


●ストリートミュージシャン
「それじゃあ、一曲宜しく! 旦那は音楽やってる時が一番良い顔してるんだからさ」
 言われて、濃紺背景の前に置かれたベンチに座ったjoker(fa3890)は、苦笑しつつも持っていたエレキギターの音を出した。薄いベージュのニットカーディガンの上に白のカットソーと、橙色のコートを羽織ったjokerの横には、肉まんの入った袋が置かれている。ボトムのかなり細いデニムは鉄板や鋲がついたゴツイ黒ブーツの中に入っていて、指がない橙色のニット手袋と、皮製キャスケットに白のマフラー、そして必須のサングラスをかけた姿は、まるで日常を切り取ったようだった。
 jokerが肉まんを頬張りながらギターの調整をしている。その様子に、有珠は楽しそうにシャッターを切った。


●散歩
「優雅な感じに。大人なイメージでね」
 薄黄緑色の背景に沢山の落ち葉が敷かれた場所に、橙色で薄手のネックシャツの上に着崩すように白のカーディガンを羽織った白狐・レオナ(fa3662)が立っていた。クリーム色のロングスカートに膝下まである茶色のロングブーツを履いていて、ダイヤモンドのピアスとネックレスが控えめに輝き、両手に持った可愛らしいデザインの澄色のポシェットバックが落ち着いた感じにアクセントとなっている。
 その横には、こげ茶色のワイシャツにネイビーの三角ネクタイを締め、ブラウンオレンジのジャケットを羽織ったK・ケイ(fa4786)がいる。ベージュのパンツに白のスニーカーが、爽やかな青年を印象付けるケイは、時折ジョークを飛ばしてはレオナを笑わせた。和やかで、それでいて落ち着いた大人の雰囲気が二人の間に流れる。
 モデルは初めてだという二人だったが、特に緊張した様子は見えない。それに有珠は満足気に頷きつつ、シャッターを切った。


●セクシーカジュアル
「おおー、セクシー。いいねー」
 胸元の大きく開いた白黒ゼブラ柄のトップスに、オレンジ寄りなブラウンのレザータイトスカート。それに綺麗なオレンジ色のコートを羽織った椎名 硝子(fa4563)は、濃紺の背景の前で金の髪を流してセクシーなポーズを取った。それに有珠が笑ってカメラを構えると、椎名は更にポーズを取る。首元にはトップスと同じ色柄のスカーフを巻き、スカートと同色のハイヒールパンプスを履いた椎名は、どこか芯のあるキリッとした大人の女性のイメージを持たせる。
 その挑戦的な目線に、有珠はにやりと笑ってカメラを構えた。


●ツナギトリオ
「背景に汚れてもいいように紙貼って貰ったからー、何か自由に書いちゃっていいよ。あ、でも下のブルーシート以外にはペンキ落とさないようにね」
 有珠に言われて、刷毛を持った柊ラキア(fa2847)が笑いながら手を上げた。脇に黒いラインが入ったオレンジ色のツナギは上半身が脱がれ、袖が腰で結ばれている。白のタンクトップにドッグタグが揺れ、手には年季の入った破れ気味の指なしグローブをはめていた。がっしりとした黒ブーツを履いた右足には膝当てが付けられ、太もも辺りに布製の黒い道具入れをベルトで止めて、首にはゴーグルをぶら下げている。
 その横で、何を書こうか思案している様子の星野・巽(fa1359)が着るダルオレンジがメインのベージュとアプリコット等の色が入った迷彩模様のツナギは、右袖が肩から破け、左袖も半袖状態に、ズボンも片膝が破けていた。その破け具合と、インナーの黒いハイネックシャツの袖を肘までたくし上げている姿は、正にワイルドなイメージだ。右手首には皮のバンドをぐるぐると、額にはツナギと同じ色柄のバンダナを巻き、黒のワークブーツを履いている。
 そんな二人とは違い、ローズ色のインナーに濃いオレンジのツナギをきっちりと着て、肘辺りまで袖を捲くっているのは檀(fa4579)だ。三つ編みにした髪に、ツナギと同色の野球帽をツバを後ろに回して被っていて、ツバには花モチーフのピンが何本か飾られていた。ベルトで止めるタイプの黒いブーツには、インナーと同色のベルトが腰に巻かれている。
 オレンジ色のペンキを刷毛につけて、談笑しながら何やら落書きをし始めた三人の様子を有珠がカメラに収める。と、柊がペンキをたっぷりつけた刷毛を星野の頬にべたりとぶつけた。一瞬呆けて、眉を顰めた星野が、指を差して笑う柊の顔にペンキをお返しする。オレンジ色のペンキを顔に塗った二人に檀が襲われ、三人の顔にオレンジが入るのを笑いながらシャッターを切っていた有珠の表情が、次の瞬間に固まった。
「え? ちょ、ま、それは駄目だって!」
 ペンキの缶と刷毛を持って迫ってくる柊に、有珠が慌てて逃げ出そうとするが一歩遅く、べっちゃりと顔にオレンジの刷毛を付けられた。