SartoDisign白之巻アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
中畑みとも
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
普通
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報酬 |
2万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
02/26〜02/28
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●本文
『SartoDisign』‥・・それは10代から20代の男女をターゲットにした、ファッション雑誌である。その雑誌の一番人気のページは、モデルたちが自ら選んだ服を着て、それを紹介するコーナーらしい。編集者である女性はたくさんの洋服に埋もれながら、そのコーナーについて話し始めた。
「数ある洋服の中からモデルたちに好きな服を選んでもらって、それをオススメファッションとして紹介してるんだけど。毎回、テーマに沿って洋服を用意するから、その中から自分に似合う服とか、好きな服とか探してね」
今回用意した服のテーマは『白』。モデルたちにはその白系の服をコーディネイトしてもらう。モデルのファッションセンスが問われる仕事だ。
「一応、モデル以外にも、スタイリストとかカメラマンとか来てもらってもいいんだけどね。今回の背景は赤・黒の二色で、小道具は要望があればできるだけ用意するし、持ち込みもOKよ。ペットとかも全然大丈夫だから」
言い終えた女性編集者は、再び洋服の調達へと向かって行った。
●撮影にあたって
モデルの皆さんには、たくさんの洋服の中から好きなものを選んで、上手くコーディネイトして頂きます。どんな洋服を選んで、どんな風に着こなすのかを、編集者に教えて下さい。
今回のテーマは『白』なので、『白系』の洋服が中心です。もちろん、それに組み合わせる別の色の洋服もありますが、メインは『白』にして下さい。
あと、どんな風に撮られたいか、なども教えて頂ければ、カメラマンに話しておきます。撮影は室内です。小道具などはあまり値段の張るものではなく、成人男性が一人で運べるくらいの大きさのものであれば、こちらで用意することができます。モデル自身の小道具持ち込みや、動物と一緒の撮影もOKです。
●リプレイ本文
「それじゃあ、撮影始めまーす」
編集者の声に、モデル達が返事をする。
●お買い物中
黒いレザーのバックを片腕に緩くかけ、まるで買い物にでも出かけるような気軽さで赤の背景の前に立つのはエルヴィア(fa0095)だ。エンパイアラインが特徴の、フリルがついた白いワンピースドレスに、ワンピースが透けて見えるぐらい薄手の生地で作られた、薄ピンクのケープを羽織っている。
ワンピースの胸元に飾られた黒い薔薇のコサージュが目を惹き、足のラインは薄茶色のストッキングで引き締めていた。靴はヒールが太目の白いハイブーツである。
「目線は、何か品物物色してる感じで」
「お惣菜とか? あら、きんぴらごぼう、美味しそう」
カメラマンの言葉に冗談を言い合い、エルヴィアはくすくすと笑いながら、和やかに撮影を進めて行った。
●元気な女の子
ごしごしと眠そうに目を擦るヒノエ カンナ(fa5480)の手を、編集者が苦笑しながら下ろして、黒の背景の前に立たせた。ヒノエがTシャツの上に着た白いフード付きのパーカーには、胸元と左側にポップなキノコのイラストが付いている。ボトムは膝上丈のミニスカートで、平べったいスニーカーが、歩くとぺたぺたと音を立てた。
「早めにさっさと撮っちゃいましょうね」
「ふあーい」
欠伸を噛み殺しながら、ヒノエがカメラに向かう。一つ息を吸って、気合を入れると、にぱっと明るい笑みを見せた。カメラへ元気にポーズを撮る。経験が浅いとは言え、一瞬で表情を切り替える様はやはりモデルらしい。時折出そうになる欠伸を堪えつつ、ヒノエはスムーズに撮影を終わらせた。
●サイクリング
赤い背景の前でスポーツロードサイクルに跨っているのは、日向みちる(fa4764)だ。襟とカフスが白い、ネイビーのクレリックシャツに白サテンのベストを羽織り、パープルのナロータイを絞めている。
ボトムはオフホワイトのスキニーデニム、シューズはカーキ地に白薔薇のレザーペイントをあしらったスリッポン。腰に巻かれたベルトは白と黒のスリムレザーが2本、平行に並んでいた。全体的に男性的な雰囲気が見えるのは、服が男性のものを仕立て直して作られたものだからだろう。
「ペダルに片足かけて、もう片方は地面に」
「身体は前向けた方がいいですよね」
カメラマンの注文へ、自分なりのアレンジを加えつつ答える日向を、編集者はにこやかに見つめていた。
●偽りの深窓の令嬢
黒い背景の前で、白いスツールに人形のように腰掛けているのは、阿野次 のもじ(fa3092)である。淡いピンクのリボンブラウスに、オレンジのカーディガンを羽織り、裏にレースが縫い込まれた白の三段ティアードスカートを着ている。手には可愛らしい仕草で日傘を持っていた。
小首を傾げ、柔らかな笑みを湛える阿野次に、カメラマンがシャッターを切っていく。スタジオに静けさが広がり、シャッター音だけが響く中、大人しくポーズを取っていた阿野次はうずうずと肩を振るわせ始めた。
「れっつぷろもーっしょおおーん!!」
叫んで、スツールの上に器用に飛び上がる阿野次に、編集者ががっくりと肩を落とす。それに、阿野次はハッと気が付いた顔をして、えへっと舌を出した。
●リラックスタイム
大きなビーズクッションを抱えながら、姫乃 舞(fa0634)は赤い背景の前へ腰を下ろした。手には先月の『SartoDisign』を持っている。
姫乃は、白のフランネル素材で作られたハイネックワンピースを着ていた。ボトムには黒のロングスパッツと、水色のリボンのついたホワイトフェイクファーの室内履きを履いている。クッションを肘に敷き、寝転がって本を広げると、首元で真珠のネックレスが揺れた。
他には観葉植物と、紅茶のカップが置かれていた。姫乃が本を読みながら、気軽な様子で紅茶のカップに手を伸ばす。
「あ、この紅茶美味しいですねー」
「それねー、私のオススメなの」
足をブラブラさせながら編集者と紅茶談義を交わす姫乃に、カメラマンが微笑みながらシャッターを切った。
●春色の女の子
「あずさちゃん。さ、貴女の番よ」
先に撮影していた阿野次と姫乃をキラキラした目で見ていたあずさ&お兄さん(fa2132)は、黒の背景の前へ立った。
あずさは白のシンプルなブラウスに、淡桜色のショート丈のボレロカーディガンを軽く羽織っている。ボトムスはミントグリーンのフレアスカート、白のハイソックスにパステルピンクのラウンドトゥパンプスを履いていた。髪型はいつものツーテールに、純白のシルクリボンを結んでいる。
「お兄さんも、私と似たような配色の服を着せたんだけど‥‥一緒に撮ったら駄目だよ‥‥ね?」
言われて、編集者とカメラマンが顔を見合わせる。
そうして出来上がった写真には、可愛らしく微笑むあずさの後ろに、ぼんやりと写るお兄さんがいた。
●デートの前の
「わあ! これは食べ物じゃないよ!」
叫んで、持っていた白い大きなバラの花束を振り上げたのは、ウィン・フレシェット(fa2029)だった。赤い背景の前で、バラに興味津々の黒いゴールデンレトリーバーから逃げている。
ウィンは、薄い縦縞の白いカッターシャツに、大き目の白いジャケットを合わせ、胸元には目の色と合わせて翡翠のループタイを締めていた。ボトムは腿半ばまでのハーフパンツに、白黒横縞のニーソックス。靴は白いバスケットシューズだ。頭には白い野球帽を、つばを後ろに回して被っている。
「もう、大人しくして!」
しぶしぶと座る犬に、ウィンがホッとして花束を下ろす。が、それを狙って犬が飛び掛りウィンが驚く様子を、カメラマンは見逃さなかった。
●モノトーン
黒の背景の前で、髪を軽く後ろに流すようにセットした明石 丹(fa2837)が、浮き上がるように立っていた。
明石はオフホワイトのオフショルダーシャツに、明るい白のブルゾンをラフに羽織っている。ブルゾンは肩から袖口までは黒のレザーで、腕のラインを示すように装飾のファスナーが入っていた。
ボトムスはダメージ加工を多用したライトグレージーンズに、スリップオンタイプの革靴を素足に履いている。
「視線強く。睨むんじゃなくて、目の奥に力を入れて、凝視する感じで」
「こうですか? ‥‥む、難しいですね‥‥」
普段あまりしない表情に苦戦しつつ、明石がカメラに視線を向ける。それにカメラマンはにっこりと笑ってオーケーサインを出し、シャッターを切った。
●ホワイトカジュアル
赤い背景の前に、髪をポニーテールにしたケイト・フォーミル(fa5280)が立っていた。黒色のロングネックの長袖シャツの上に、白と黒のグラデーションなファー付きの白のジャケットを着ている。
ボトムは薄青のジーパンで、白のロングブーツを履いていた。自身のトレードマークでもあるモノクルと、首にはチェーンタイプのシンプルなネックレス、耳には棒状の飾りがついたピアスが揺れている。ゴテゴテしておらず、全体的にカジュアルな印象だ。
足元には白いゴールデンレトリーバーが大人しく座っていた。ケイトが屈んで、愛しそうにその毛並みを撫でる。
「犬、好きなの?」
「ああ。いつか自分だけの犬を飼ってみたいものだ」
編集者の言葉に、そう答えて微笑むケイトの表情を、カメラはしっかり捉えていた。
●優雅な昼下がり
赤い背景の前に用意された、まるで洋館のテラスにでも置いてあるかのようなテーブルとチェアーに、深森風音(fa3736)が腰掛けていた。テーブルの上には美しい形に咲き誇った、見事な白水仙が飾られている。
深森は白の高級感溢れるスーツに、黒いネクタイと赤いシャツを着ていた。髪は後ろで一本に纏められている。
「何だかホストみたいでドキドキするわー」
「あははは、そうですか? 一緒に飲みます?」
編集者ににっこりと微笑みかける深森の手には、白ワインの入ったワイングラスがあった。それを揺らしながら、深森はカメラへ向けて微笑を湛える。色気すら感じる、その余裕たっぷりの表情に、カメラマンが満足気に頷いてシャッターを切った。