『英雄戦記』CMアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
中畑みとも
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/06〜08/08
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●本文
自然豊かなルイーナス大陸。その昔、高度な文明の栄えた大陸であったが、ある日大量の魔物が蔓延るようになり、人間が住めなくなってしまってから幾千年。
ルイーナス大陸を再び人間の住める土地にする為、英雄たちが送り込まれることになった。
果たして彼等は魔物を倒し、ルイーナス大陸を取り戻す事が出来るのだろうか。
‥‥という設定のオンラインゲームなんですが、今回CMを作る事になりました。
役者の皆さんにはそれぞれのジョブのコスプレをして頂き、指定の演技をして頂きます。
演技はほぼアクションで、撮影はスタント無しで行いますので、アクションに自信のある方大歓迎です。
●ジョブ
8種類のジョブを、それぞれ1名ずつに演じて貰います。
重剣士・武器は身の丈程もある大剣。服装は騎士のような細身の甲冑に長いマント。
細剣士・武器はレイピア。服装は傭兵のような丈夫な布で作られた厚めの服にマント。
双剣士・武器は二刀の短剣。服装は忍者のような服に口元を覆うマフラー。
重槍士・武器は身の丈以上の長さの槍。服装は冒険者のようなシンプルな服
魔弓士・武器は魔力の矢を放つ大柄な弓。服装は狩人のような毛皮を多用した服。
鞭術士・武器はブルウィップのような鞭。服装は盗賊のような身軽で露出度の高い服。
拳闘士・武器は篭手をつけた拳。服装は功夫服をラフに着こなしたような服。
魔導士・武器は石のついた杖。服装は魔法使いのようなローブに厚めの服。
※書かれてある服装は基本のものですので、役者のイメージによってアレンジして頂いて構いません。ただし、他の職業と間違えるようなアレンジはしないで下さい。(例・重剣士なのに魔法使いのようなローブを着ている、など)
●演技指定
撮影はブルーバックで、1人ずつ行います。基本的に他キャラとの絡みはありません。
重剣士・画面中心で大剣を振り回し、敵を薙ぎ払う。背中に剣を収め、クールにポーズ。
細剣士・上から飛び降り登場、軽やかに敵を倒す。最後、元気な感じでポーズ。
双剣士・忍者の如く木の葉と共に登場、敵を斬る。最後はシュバッと上に飛び、消える。
重槍士・右斜め下から登場、中心で敵を薙ぎ払う。槍で地面を突き、カッコよくポーズ。
魔弓士・最初に頭上から矢が降り、敵を撃つ。その後飛び降り、倒れる敵の中でポーズ。
鞭術士・左斜め下から踊るように登場。敵を打ち、掠め取った金貨で遊びながらポーズ。
拳闘士・奥から真っ直ぐ走って来て、群がる敵を薙ぎ倒しながら走り抜ける。
魔導士・敵の攻撃をわたわたと交わしながら手前より登場。中心で爆発系の大技。
※指定の演技をしていれば、ポーズや表情などは役者のアレンジで構いません。尚、台詞などはありません。撮影後、ゲーム画面と合わせて編集します。CMのBGMはゲーム中の音楽となり、ナレーターは既に用意してありますので、役者の方々は演技のみに集中お願い致します。CG編集をしますので、半獣人化までならOKです。
●監督
撮影監督は『落 霞紅(fz1032)』です。
最近寝不足らしいので、撮影もスムーズに終わらせたいらしいです。NGとか出しまくると怒られるかもしれません。
●リプレイ本文
くああー、と大口を開けて欠伸をしたのは、『英雄戦記』のCM撮影を任された監督の落 霞紅(fz1032)だった。ふと、こちらを見ている視線に気付いて、口元を持っていた台本で隠すが、その時には殆ど欠伸を終えていて、あまり意味がない。
「あー、もう駄目だ。さっさと終わらせてしまおう。目標は一発OKだ! NG出したらチョークが飛ぶから覚悟しろ!」
その言葉にどこの教師だよ、と突っ込みたくなるが、丸めた台本で椅子の手摺をバシバシと叩く落に、何かを言おうとする者はいなかった。
●重剣士
騎士のような白銀の細身の甲冑に長いマントを翻し、額にバンダナを巻いた尾鷲由香(fa1449)は、背中に背負った身の丈程もあるバスタードソードをすらりと抜いた。一見して重量感たっぷりに見える剣だが、ウレタン製の為にそれほど重くはない。
尾鷲はブルーバックの中央で大剣を構える。周りには全身黒タイツに丸いボールのようなものを幾つも付けたスタントマン達がスタンバイしていた。
「タイミング合わせて振り回してくれればいいから」
「まあ、何とかやってみるさ」
落の言葉に尾鷲が答えると、カメラが動き始める。
腕を振り上げて襲い掛かってくるスタントマンを見回し、尾鷲はにやりと不敵な笑みを向けると豪快に大剣を振り回した。抜刀斬りから、斬り上げては下ろし、最後の仕上げと言わんばかりに薙払う。そして、バタバタと倒れるスタントマンに目もくれず、ゆっくりと大剣を背中に収めた。
「はい、カット! オッケ! 表情がちょっと硬いけど、まあいいだろ」
落の声に尾鷲がふうっと溜息を吐き、大剣の柄を握っていた手を離す。その手はしっとりと汗が滲んでいて、久しぶりの撮影に無意識に緊張していた事に気付き、尾鷲は軽く肩を竦めた。
●細剣士
「意外に高い‥‥」
呟いたのは、草色の長袖シャツとズボンに編み上げの革のブーツを履いて、茶色の革の胸当てに焦茶色のマントを羽織った咲夜(fa2997)だった。その咲夜がいる場所は、3メートル程の高さのある台の上である。
「降りたらすぐ殺陣に入って。全部繋げて撮っちゃうから」
落の声に、咲夜の顔が引き締まった。頭の高いところで結んだポニーテールを確認し、銀色のレイピアを持つ手に力を込める。
一呼吸置いて、咲夜の足が高台から離れる。が、無事着地して殺陣に入るも、落から鋭い声でカットが入る。
「型はいいけど、これは魔法の世界だから。実戦的じゃなくていいから、もっと派手な動きして」
「あ、そっか」
言われて、咲夜は納得する。今まではリアルに見せる為のアクションが多かったが、今回は派手さが求められているのだ。
咲夜が再び高台に上がって行く。そして、次に降りて来たとき、咲夜は腕を振り上げるスタントマン達を舞うように軽やかに斬り付け、倒れるスタントマン達を確認すると、嬉しそうな溌剌とした顔で笑ってガッツポーズをした。
「やればできるじゃない」
カットの後に、落の満足気な呟きが漏れた。
●双剣士
スタジオの隅で、真紅櫻(fa4961)が両手に持った2刀の小太刀をジッと見つめていた。長い髪は後頭部で一本に纏められ、ミニ丈で袖の無い着物に帯を巻き、黒いニーソックスとショートブーツを履いている。着物の下には鎖帷子が見え、口と鼻を覆うように黒い布を巻いていた。
その表情は機械的とも言えるほど無機質で、落に呼ばれたときも眉一つ動かさない。その様子に、落が感心半分面白さ半分でにやりと笑う。全身真っ黒の中に揺れている白い尻尾が酷く目についた。
数人のスタントマン達の中心に、真紅櫻が立つ。そして、合図と共に真紅櫻が小太刀を構え、スタントマンに斬りかかった。襲いかかる腕を左の小太刀で受け止め、右の小太刀で攻撃する。その斬り方は、まるで『×』を描くかのようである。
そうして全員のスタントマンとの殺陣が終わると、真紅櫻はくるりとカメラに背を向け、軽く膝を曲げてジャンプをした。それは大した高さではなかったが、落から満足気な声のカットがかかる。
「あ、有難う御座いました!」
カットの声がかかった瞬間、真紅櫻は憑き物が取れたかのように表情を変え、明るい笑みで振り返った。
●重槍士
「槍の真ん中を持って、もっと思いっきり回して。大丈夫、壊れないから」
「こうですか?」
「そうそう、そんな感じ」
落にアクションの指導を受けていたのは、厚手の服に短いマントといかにも冒険者然とした服装の日向みちる(fa4764)だった。広いスペースの取られたブルーシートの前で大きな槍を振り回している。
日向の持っている槍は『パルチザン』と呼ばれるイタリアの槍をモチーフに作られた、2メートル程もの長さがあり、穂先も大きいものだった。装飾も華美で重量感があるが、発砲スチロール製なので見た目より軽く、怪力でもない日向でも楽に扱える。
落が満足するくらいの一通りの指導を受けた日向がスタンバイする。そして、撮影開始の合図と共に堂々とした足取りでフレームインし、ブルーシートの中央までやって来ると、ゆっくりと辺りを見回し、槍を自分中心の円状に振り回した。そして槍の石突きで床を突くと、さり気無く片足を前に出し、腰を少し捻って肩を強調させる。
「カット! うん、まあ、こんなもんか。充分、充分」
その言葉に日向が無意識に溜息を吐き、胸を撫で下ろした。
●魔弓士
「矢はCGで作るんですか?」
「物足りないかい? でも撃つフリをする方が難しいよ。弓を撃った事のない奴には無理だからね」
落の言葉に「大丈夫です、弓は慣れてますから」と余裕の笑みで答えたのは、薄い布で作られた服を何枚か重ね着し、腰には皮製のベルトと薄い帯を飾り紐で巻きつけた相沢 セナ(fa2478)だった。その手には白色の長弓を持ち、髪は邪魔にならないように一つに纏め、蒼い紐飾りでやや緩めに束ねている。
相沢に求められているのは、細剣士の撮影でも使った高台から飛び降りる事だった。下には衝撃を吸収するシートが敷かれているが、上手く着地出来なければ足を挫いてしまう事も考えられる。
「自分のタイミングでいいからね」
そう言う落に頷き、相沢は足元を見下ろした。そして暫し頭の中で演技をイメージすると、高台から飛び降りる。
左手に弓を持ち、右膝と右手を床につけ、左膝を立てた格好で降り立った相沢は、少し痺れた感覚のある足に構わず、俯いていた顔を上げると、前髪を軽く人差し指で流した。挑発的な笑みが口元に浮かぶ横では、アンティーク調の牙のイヤリングがキラリと光る。そして、カメラに向かって弓を構え、放つ仕草をした。
「カット! いいじゃない。オッケーよ」
落のオッケーサインに相沢はにこりと微笑み、微かに痺れたままの足を誰にも気付かせず、その場を去って行った。
●鞭術士
「よろしくお願いしまーす!」
スタジオに元気に入って来たのは、胸に赤い布を巻きつけて結び、袖のないジャケットを羽織った姫野蜜柑(fa3982)だった。布製のショートパンツに革のブーツを履き、手には指の出せる革のグローブをはめている。腰の後ろには巻かれたブルウィップがあった。
姫野の尻には尻尾が揺れている。頭は赤いヘアバンドで隠れているが、恐らく猫の耳が畳まれているのであろう。それは姫野が真紅櫻同様に半獣化している事を意味していたが、いい画が撮れるならば落は気にしない。CGで消せるし、便利な世の中になったと思う落の前で、姫野がスタンバイする。
合図と共に姫野がバック転でフレームインする。そして襲いかかるスタントマンの腕を受け流すと、その腹部分に貼り付けられていたペンダントを取った。タタラを踏むスタントマンの背中に、踊るようにターンした姫野がブルウィップを放つ。
姫野は倒れるスタントマンを後目に、取ったネックレスを自身の首にかけた。そして長い髪を後ろに払うと、カメラに向かって強気な笑みを向ける。
「はい、カット! うん、いい感じだな」
にやりと笑う落に、姫野がホッと安堵の溜息を吐いた。
●拳闘士
獣の耳のように、頭の高い位置で2つに纏められた赤い髪がパタパタと上下する。
「うー、緊張する! まだかな、まだかな」
スタジオの隅で待ちきれないとばかりに飛び跳ねていたのは、赤いノースリーブのミニ丈な功夫服を着て黄色の布を腰に巻き付け、黒い膝丈のスパッツを履いたレイリン・ホンフゥ(fa3739)だった。手には二の腕位の長さの、指先が開いている黒い長手袋にゴツめの篭手を装備し、靴は爪先を金具で補強している赤いショートブーツを履いている。
「レイリン! 快快来!」
「是!」
落に呼ばれ、レイリンが待ってましたとブルーシートの奥に立つ。そして撮影開始の合図と共に、弾けんばかりの悪戯っぽい笑顔で走り出した。
「行っくよーっ!!」
掛け声を上げ、群がって来るスタントマン達に突っ込む。襲い掛かるスタントマンに掌底を繰り出し、近くのスタントマンを蹴りつける。そして最後の一人に回し蹴りをかけ、スタントマンが倒れると、そのまま真っ直ぐ走り、カメラを飛び越えた。
「カット! オッケー! あんた、料理人にしとくの、勿体無いね」
楽しそうな声で落に言われて、レイリンは照れたように笑って頭を掻いた。
●魔導士
「宜しくお願いします!」
落へぺこりと頭を下げたのは、薄紫のドレスに黒のローブを着た美森翡翠(fa1521)だった。手には40センチ程の赤い石が付いた杖を持ち、長い髪は毛先の近くを白いリボンで纏めている。
「足元気をつけてね。転ばないように」
落の言葉に頷き、美森がカメラの前に立つ。落の合図にカメラが動き出すと、美森は怯えたようにブルーシートへ向かって逃げ出した。それをスタントマン達が追いかける。
ブルーシートへ逃げる美森に向かって、スタントマン達が手を伸ばす。それを美森は「あわわわ」と転びそうになりながら避け、中央へとやって来た。そして集まってくるスタントマン達に追い詰めたられたかと思うと、美森の表情が怯えから一転、勝ち誇った笑みへと変わる。
美森が右手で杖を頭上に翳し、何事かを呟いた。瞬間、スタントマン達が一斉に吹き飛ばされたように後ろへ飛び、敷かれていたクッションに倒れこんだ。
「カット! オッケーよ、美森。なかなか可愛かった」
「有難う御座います!」
落に褒められ、美森はぱっと顔を明るくさせた。そして自身で最後の撮影である事を知っていた美森は、撤収を開始するスタッフの邪魔にならないよう、パタパタと控え室へ戻って行った。
●英雄戦記CM公開
ファンタジックで軽快なBGMと共に、「英雄となって、魔物を倒せ!」というナレーションが流れる。
真っ白な画面に現れたのは、数匹のゴブリンに囲まれた重剣士・尾鷲だった。次々とゴブリンを倒すその剣は青く輝き、軌跡を残す。斬られたゴブリンは光となって消えて行く。
重剣士が剣を納めると、その頭上から細剣士・咲夜が飛び降りてくる。襲い掛かってくるのはガイコツだ。細剣士の舞うような剣は銀色の光を放ちながらガイコツを倒して行く。
細剣士がポーズを取ると、それに被さる様に大量の木の葉が竜巻と共に現れた。竜巻が消えると、そこにいたのは双剣士・真紅櫻だ。舞い散る木の葉の中で、緑色の軌跡を残しながら、現れた人狼を倒して行く。
そして、細剣士が画面から飛び上がり、消え去ってしまうと、今度は画面右斜め下から重槍士・日向が現れる。それを追うように大きな蜂が現れ、重槍士を囲む。重槍士が槍を振り回すと、槍が紫色の軌跡を作りながら、強力な衝撃波で蜂を吹き飛ばした。
重槍士がポーズを取ると、ピラニアのような凶悪な顔の魚が画面に飛び込んで来る。その魚がフレームアウトしたかと思うと、下から無数の魚がジャンプする。と、魚は頭上から降り注いだ水色の矢によって倒されて行った。現れたのは魔弓士の相沢だ。
相沢の放った矢が画面を通過すると、左斜め下から鞭術士の姫野が現れる。その正面からはオーガが斧を振り上げていて、鞭術士は斧を避けながらネックレスを掏り取ると、オーガへ鞭を放った。鞭は桃色の軌跡を残しながらオーガを倒す。
ぼんやりと白く輝くネックレスをつけた鞭術士がポーズを取ってフレームアウトすると、今度は画面奥から拳闘士・レイリンが走って来る。襲い掛かるリザードマンを豪快に倒して行くその拳や脚は、黄色い軌跡を描いていた。
リズムよくリザードマンを倒し、そのまま拳闘士が走り去って行くと、手前から今にも転びそうな足取りで魔導士・美森が現れる。魔導士は追い縋るゾンビの攻撃を何とか避けながら画面の中心まで来ると、杖を掲げた。杖の先にある赤い石が光を放つ。すると、魔導士の足元に赤色の魔法陣が現れ、ゾンビを巻き込んで爆発した。
爆発した炎に被さるように、『英雄戦記』のタイトルロゴが現れ、「無限の楽しみを! オンラインRPG、英雄戦記!」というナレーションと共に、CMは終わった。