SDハロウィンadult編アジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 中畑みとも |
| 芸能 | 2Lv以上 |
| 獣人 | フリー |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 2.5万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 09/26〜09/28 |
●本文
一ヶ月後のハロウィンへ向けて、悪戯顔のカボチャ達が街中に姿を現し始めたこの時期。ファッション雑誌『SartoDisign』では、特別号の為の撮影に編集者達が走り回っていた。
「で、その特別号でハロウィン的なファッションを紹介しようと思うのね。ティーン向けと大人向けのページに分かれて、ちょっとテーマが違うんだけど、どっちもハロウィンの仮装パーティで着るような衣装をイメージして、ファッションをコーディネイトして欲しいの」
そう話すのは、『SartoDisign』おなじみの女性編集者だ。バサバサと沢山の資料を広げながら続ける。
「そのときに注意して欲しいのは、決してコスプレにはしない事。あくまでも『ハロウィン風』ね。普段のお洒落として着れるようなファッションで、かつハロウィンな感じ。ちょっと難しいかしら？ でも出来ないことはないでしょ。例えばホラ、ゴスロリなんかは魔女っぽいし、アクセサリーをハロウィンっぽくしてみるとか、そんな感じでいいのよ」
詳しい事はこれに書いてあるから。話し終えて、編集者は数枚の書類を差し出した。
●撮影について
ハロウィン風なファッションをコーディネイトして頂き、それを撮影致します。
今回の『adult編』の推奨モデル年齢は『１９歳から２３歳』までで、テーマは『パーティファッション』です。
撮影は基本的に一人ずつ室内で行い、関連性のあるテーマがある場合は数人で撮る事も予定しています。ポーズや背景色、小道具など、希望するものを編集者にお知らせ下さい。なお、今回の撮影では動物は禁止とさせて頂きます。
●ファッションについての注意点
あくまでも『ハロウィン風』である事に気をつけ、コスプレにしないという目的の為、ＮＧとなるアイテムもあります。
ＮＧアイテム
・頭に乗せる天使の輪や猫耳付きカチューシャ、背中に背負う蝙蝠の羽などのコスプレアイテム
・明らかに獣を模した手袋や、魔女のとんがり帽子など、コスプレにしか見えない服
・着ぐるみなど
ＯＫアイテム
・ハロウィン風なイメージをモチーフとしたネックレス・ピアスなどのアクセサリー
・羽の飾りがついたバックや、猫の耳のような飾りのついたフード付きコートなどのファッションアイテム
・羽や髑髏などがプリント・刺繍された服など
●リプレイ本文
●ハロウィンパーティ「お、おおお‥‥こりゃ凄い‥‥よ、予算は大丈夫ですか？」
「何言ってんの、注文した張本人が。大丈夫よ。予算はもぎ取ったから！」
「後光が見えるっ！」
妙にハイテンションな有珠・円（fa0388） と編集者の目の前には、煌びやかなパーティ会場が広がっていた。スタジオ内の一室を突貫工事で改造したのか、簡素な蛍光灯は取り外され、簡易的で小さくはあるもののシャンデリアがつけられている。３つの丸いテーブルには様々な料理が並び、シャンパンのようなボトルに入れられたジュースが氷の中で冷やされていた。
「酒じゃないのか」
「まあ、お仕事だしね」
ジュースを覗いて呟いたのは小鳥遊真白（fa1170） だった。諫早 清見（fa1478） がそれに苦笑する。
「うわぁ！ お菓子もいっぱいあるよ！ 凄い凄い！」
「うふふ、楽しそうね、カンナ」
並べられたお菓子にはしゃぐヒノエ カンナ（fa5480） を、丙 菜憑（fa5575） が朗らかな笑顔で見守る。
「うわーい！ ハロウィンパーティだー！」
「おわっ！ 何だこれ美味そー！」
やって来たＲｉｃｋｅｙ（fa3846）と虹（fa5556） が会場内を見て目を輝かせる。そんなモデル達の反応を楽しみ、満足気に頷いていた有珠と編集者に、藤緒（fa5669） がおずおずと声をかける。
「あのー‥‥実はマネージャーが、募集事項の推奨年齢を見落としてて‥‥３０代後半なんだけど‥‥」
言われて、有珠と編集者がマジマジと藤緒を見る。
「ん。大丈夫でしょ、貴女なら」
「うん。別にいいんじゃないかなぁ」
「え？ 軽っ！ それでいいの？」
うん、と頷く２人に、藤緒が拍子抜けしたように首を傾げつつ、会場内に入って行く。それを見送り、編集者がうーんと唸った。
「どうかしました？」
「いえね。ちゃんとモデルの希望通りに背景用意してはいるんだけど、どうせならパーティ会場前でインタビューしてるみたいに、ここでぼやーっと会場内を見せつつ撮った方が面白いかなーなんて」
「お！ ナイスアイディア！」
編集者の意見に有珠がグッと親指を立てると、編集者も笑顔を返した。
●諫早＆小鳥遊
「おっと！ ご機嫌うるわしゅう、女王様」
「あら、有難う」
有珠の言葉に笑った小鳥遊は、胸元がメッシュになったブラックレザーのノースリーブと、同じくメッシュがふんだんに使われたフレアスカートのセットであるセパレートドレスを着ていた。首にはコウモリモチーフのチョーカーをしている。
「清見君はエスコート慣れてるねぇ」
「ふふ、そうかな」
小鳥遊の手を取り、ニヒルに笑う諫早はタキシードを着こなしていた。ダークローズのポケットチーフに、ドクロモチーフのカフスやシルバーバングルをしている。普段よりやや強めに白くメイクされた肌に、紫のカラーコンタクトが映える。唇も少し青みがかかっており、強調しすぎない程度の黒いアイラインも入っていた。イメージは『幽霊城のパーティホスト』らしい。
２人は互いに持っていた、ブドウジュース入りのワイングラスを掲げ、目線を合わせる。カチンと音を立ててグラスが触れ合うのと同時に、楽しそうに口元に笑みを浮かべた有珠がシャッターを切った。
●Ｒｉｃｋｅｙ
「Ｔｒｉｃｋ ｏｒ ｔｒｅａｔー！」
「おお、元気だなー」
「ハロウィン、ハロウィン！ ハロウィンパレードー！ イエー！」
ハイテンションでやって来たＲｉｃｋｅｙは、白のドレスシャツを着て、同色のスカーフをネクタイ代わりにつけていた。スカーフにはゴールドのコウモリモチーフの土台に、紫色の石の付いたタイピンを留めている。
ボトムは黒のズボンをサスペンダーで吊っており、靴は黒のエナメルシューズを履いていた。腕にはマントの代わりだという、黒のタキシードジャケットを引っ掛けている。
「テーマはお貴族様？」
「うん。えーっと、ドラキュラ伯爵風？」
小首を傾げて疑問風に答えるＲｉｃｋｅｙに有珠が笑ってカメラを向けた。すると、先程までのハイテンションぶりが嘘のように、Ｒｉｃｋｅｙの表情が変わる。持っていた１本の赤いバラの花をカメラに向かって差し出すと、挑戦的でありながら妖艶に、誘うような表情を向けた。そのあまりの変わりように有珠は一瞬目を丸くして、にやりと笑ってシャッターを切った。
●カンナ＆菜憑
「ハッピーハロウィン！」
「くれるの？ 有難う！」
にっこりと笑って、有珠へお菓子を差し出したのはカンナだった。中心にフリルの施された特徴的なホワイトシャツに黒の別珍ジャケットを羽織っている。ジャケットの左胸元にはコウモリモチーフのブローチがついていた。
ボトムはシンプルな黒いパンツに、白いラバーソウルを履いている。指にはコウモリがついた指輪をしており、サイドに流された前髪にもコウモリのピン止めが留められていた。手にはお菓子がぎっしり詰まっているらしいミニトランクを持っている。
「ふふふ、今日の撮影は、何だかお仕事じゃないみたいね」
言ったのはカンナと一緒にやって来た菜憑だった。黒のジャケットに同色の膝丈ワンピースを着ている。ワンピースは裾にバラの刺繍が入っており、ペチコートでボリュームを持たせていた。靴は黒いロングブーツだ。
首には紫色の蝶モチーフネックレスが提げられ、指にも同じように蝶モチーフの指輪が嵌められており、その手にはがま口型の手持ちバックを持っている。カンナも菜憑もフワフワとウェーブかかった髪をしており、カンナはワックスで癖をつけて自然に、菜憑は長い髪をアップにしていた。
２人は並んで立ち、カメラへ目線を向ける。カンナが悪戯っぽく元気に、菜憑が上品に可愛らしく、それぞれ対照的なポーズを取るのに、有珠は楽しそうに笑ってシャッターを切った。
●虹
「モデルは初めてですが、宜しくお願いしまっす！」
そう言って、虹が有珠へ向かって軽快に敬礼の仕草をする。虹はモノトーンの花模様シャツに黒のストライプスーツを着ていた。シャツのボタンは２つ程ラフに開けられ、カメオのネックレスが覗いている。ネクタイはしておらず、オレンジのロングストールをゆるく垂らしていた。
靴は派手な色のオレンジスニーカーを履き、頭にはクラシカルな黒の中折れ帽を被っている。中折れ帽にはクモの巣をイメージした白いレースと、オレンジのコサージュが賑やかに飾られていた。敬礼を解く虹の爪は黒く塗られ、オレンジのレース模様が描かれている。
「おー、カッコいいねー。似合ってるよ」
「テーマは『ジャック』です！」
イエー！ と笑って親指を立てる虹に、有珠も楽しそうに笑う。有珠がカメラを構えると、虹は小脇に抱えていたカボチャを両手に持った。カボチャはハロウィンらしく、悪戯顔にくり抜かれており、その中にロウソクを模した電球が立てられている。虹はそれを持って少し小首を傾げると、ぼんやりとした、儚げで繊細な表情を浮かべた。有珠が満足そうに口角を上げ、シャッターを切る。
「遊びまくった服に反して繊細な雰囲気を出してギャップを狙ってみました」
言ってにやりと笑う虹に、有珠が満面の笑みでオッケーサインを出した。
●藤緒
「頑張って若作りしてみました！」
「いやいや、充分若いよ！ とても３０代後半には見えないね」
有珠の言葉に照れたように頭を掻いたのは藤緒だった。夜会巻きにした髪に白の幅広ヘアバンドをつけ、そのサイドをヘアピンでクロスに留めていて、まるでナースキャップのようだ。ヘアピンには赤のラインストーンが並んでいる。
衣装はクラシカルなデザインの、オフホワイトなマオカラーノースリーブドレスだ。ドレストップ部分の胸上にはエプロン意匠の切り替えラインが入り、スカート部分にはウエストから緩やかなラインが伸びている。スカートは上部と膝上から裾にかけて斜めに切り替えが入り、下部には細かいプリーツが入ったロング丈のものだ。
腕には肘上までのホワイトサテンの手袋をしている。肩には長めのレースストールをジャケット代わりに羽織っており、胸元には紅輝石のクロスブローチが光っていた。手に持っているのは救急箱をイメージしたボックスタイプのハンドバックだ。バッグの持ち手にはナイチンゲールを模したマスコットがぶら下がっている。下を見ればクロスストラップのローヒールが、ナースシューズにも見える。
「ナースだね」
「ナースです」
にっこりと笑う藤緒に、有珠がカメラを向ける。サイドの残り毛を軽く耳にかけ、ふんわりと自然体で笑う藤緒に、有珠は満足そうに笑ってシャッターを切った。
●一応撮影終了
「さて」
全員分の撮影を終えた有珠は、一息吐いて即席パーティ会場の中を見た。撮影が終わってからも、モデル達が相変わらず和気藹々とパーティを楽しんでいる。
「片付けるの面倒だから、全部食べて行きなさいよ」
「あはは、そうだね。それじゃあ、パーティシーンを撮りつつ、俺も楽しんで来ようかな」
妙に現実的なことを言う編集者に苦笑しつつ、有珠も会場内に入って行く。それを見送り、編集者も「私もお菓子食べよっと」と会場内へ消えて行った。
