悪は許さない『絶つ!』ヨーロッパ
種類 |
ショート
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担当 |
成瀬丈二
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
8Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
88.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
02/15〜02/17
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●本文
ギリシアの某森にその怪物は現れた。
8メートル程の全身を抜けるような白さで覆い。蛇行する蛇体。そして──その首から生えているのは9本の女性のウェストはありそうな触手の群れ。
マイナーヒドラと名前を付けられたのはギリシアならではの諧謔であろう。
今までの所、コアは触手に埋もれるようにして、見え隠れしており、攻撃は中々に大変そうである。
しかし、じっとしており、今回の捕食対象──即ち我ら獣人である──のいない、森の中から、情報体として移動しようとしているのではないか? という説が寄せられた。
問題はこの『怪物』が何かをする前に確実に命を絶つ事であった。
相手はどうやら、今まで刺激しなかった為か、特殊な能力──火を吐いたり、雷を帯びたり──を見せる事は無かった。
しかし、実戦になればどうかは判らない。
触手の数から推測するに一呼吸で3体までを相手取れるだろう。
WEAは早速凄腕のメンバーを呼び集めた。
カット48スタート!
●リプレイ本文
シヴェル・マクスウェル(fa0898)曰く───。
「さて、今回はマイナーヒドラとやらの退治か。
一体なにに憑いたのやら‥‥この辺りにアナコンダなんていたかな?
そして動かない‥‥ということは、餌――わたしたちがのこのこやってくるのを待っているということだ。
見えている部分だけが敵の全てということすら怪しいところだな。
まあ、とにかく能力は未知数で巨大な敵だ。リスクは極力少なく、油断せずにいこう」
「セレブなヒールレスラー、ガブリエル・御巫(fa4404)ですわ。
みなさんお手柔らかによろしゅうに。
あ、でもナイトウォーカーにはビシバシいきますんで」
それに応えて鶸・檜皮(fa2614)曰く。
「フッ やれやれ‥‥近頃、でかいNWとばかり戦っているような気がするな‥‥」
挑発するかの様にシヅル・ナタス(fa2459)は───。
「大きければ、それだけ当たり易いという事ではないですの? 子供でもわかる簡単な理屈ですわ」
とお嬢様理論炸裂。当たったら痛いとか、そういうのは完全に無視。完璧に戦えば済むだけの事。
ともあれ、富士川・千春(fa0847)も、みなのシンプルな作戦に賛同していた。遠距離からの様子見の後、相手の属性などに会わせた攻撃で痛めつけ、触手を大体封じた後にコアを破壊する。
絹のような黒髪を無意識にいじくる、はるちーとは裏腹に、頭に霜を抱いている以上に年齢を感じさせる所のない那由他(fa4832)は───。
「やれやれ、呆れた異形のNWもいたものね」
と、言ったところで続けて伝説通りに即再生や毒があるんじゃないか? という事実を言わない事で願っておくことにする。
閑話休題、ミカエラ・バラン・瀬田(fa0203)曰く。
「もう、ナイトウォーカーっていうか此処までくるとただの未知の生命体ネ‥‥‥‥。
どんな素体が何に宿ったら9本も触手の生えた『甲殻類』になるのヨ。
報告聞く限りだと軟体ラシイけど。外骨格ですらないノカ。
これを見てナイトウォーカーだと判断したWEAも大概だと思うワ正直」
単にナイトウォーカーではない、異質な生命体が新たに発生したよりは通常のものの、変異体と考えた方が楽だからだろう。
それに対して、マックスは───
「あれか‥‥ミテーラという奴である可能性も‥‥? どうにも最近、『白いの』には良い印象を持てなくてな」
と、苦笑いを浮かべる。
そして、マイナーヒドラとの戦いは天音(fa0204)の放った雷撃から始まった。
虚闇撃弾に、氷や炎をまとった矢が飛び交う、シューター達と、弱点の属性を見極めてから出来るだけ短いアクションで相手の攻撃を分散させ、必ずひとりは『フリー』にする、作戦である。
残念だが、天音の破雷光撃は精神集中に失敗して、1発分の破壊力しかなく、軽い焼けこげを創るに留まった。
そのまま空中に舞い、何とか次の破雷光撃を集中させ、大ダメージを叩き出す。
先程の一発を浴びていたおかげで、抗しきれず大打撃を叩き込める。
続けてM92を浴びせながら、近接していく天音。
「ハイ! 劇団クリカラドラゴン裏裏方首魁、ミカエラ・バラン・瀬田デス♪」
ミカは逆刃刀を肩に担いながら、
「未知だからと言って様子を見るのではなく、いかなる反撃も許さない『攻撃は最大の防御』の精神で、オーバーキル目指して押し込む! 刀一本に命を託すゼ。
HYDRAと名づけられたからには、ギリシア神話に還してあげナキャネ───。
コアだけ壊すなんてスマートなことはシテあげないワヨ? 指の先まで一本残らず可愛がってあげるから覚悟なサイ!
されど、死ぬまで踊れ、竜」
はるちーが20mm弾頭を使用する愛銃スレッジハマーへと、コールドボウを持ち替える。
「手の内、明かさないわね、あなたは単にでかいだけの能なしだったの?」
BANG! 豪放一発触手が吹き飛ぶ。
「属性も何も関係ないんじゃ、力押しね」
シヅルも隙を見て空圧風弾をコアに向かって放とうとするが、そこまで精密誘導できる能力ではなかった。
鶸もIMIUZIの3点バースト射撃で接近班を援護。
接近班が離れて巻込む心配が無い時はフルオート射撃で攻撃。
フルオートならば90度範囲で一度に複数の触手を撃つこともできる。
当たるが、大破壊力は期待できなかった。
「みんな無理はするな‥‥‥死んだら元も子も無いぞ‥‥‥」
「曾孫の顔を見るまで死ぬ気はない!」
と那由他が白猫の獣人姿で、日本刀を振りかざし、瞬速縮地で一気に間合いを詰める。 グラップラー達が担当する方角と、シューター達が担当する方角を分けておき、触手を確実に潰していく。
はるちーのスレッジハマーが唸りを上げ、通常弾頭だけでナイトウォーカーのコアを粉砕した。
得体の知れない肉塊へと変じていく。マイナーヒドラ。
こうして、被害らしい被害も出さず、戦いは終わったのであった。