全滅! ツンデレ少年!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 成瀬丈二
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 0.6万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 02/21〜02/23

●本文

 時は西暦2007年、所は台湾。
 また、ひとりの名も知られない監督が泣いていた。
「だからよぉ、ツンデレダイスキデース、アイライクアキハバラ☆」
 等と言っているうさんくささ1000%のアメリカ人(自称)にシナリオを頼んだのだが、今日は〆切から3日ほど経過している。
 音沙汰は───ない。
 要は前金もってトンズラされたのだ。
 無論、各地にアナウンスが飛んでおり、最早とうに阻止限界点は突破していた。
「やっぱり‥‥少年というのが×だったのかな〜」
 女や少女は普遍的に笑いは取れても、少年となると少々コアな層だろう。
 最初に考えつけよ、そんな事。
 等と言う批判の声も上がりそうだが、そんな声は聞いた上で前の成功を踏まえて、あえて少年というテーマに挑んだのだ。
 問題は何が悪い、ではなく、如何にして穴を埋める番組を創るかに焦点が絞り込まれてくる。
 時間はないのだ。
 スタッフも必死に知り合いに連絡を入れている。後は人が集まるかどうかだ。
───カット49スタート。

●今回の参加者

 fa2021 巻 長治(30歳・♂・トカゲ)
 fa3571 武田信希(8歳・♂・トカゲ)
 fa3652 紗原 馨(17歳・♀・狐)
 fa3802 タブラ・ラサ(9歳・♂・狐)
 fa4286 ウィルフレッド(8歳・♂・鴉)
 fa4287 帯刀橘(8歳・♂・蝙蝠)
 fa4776 アルヴィン・ロクサーヌ(14歳・♂・パンダ)
 fa5258 壱嶋 響時(18歳・♂・兎)
 fa5486 天羽遥(20歳・♀・鷹)
 fa5487 ヒノエ・シオン(12歳・♂・狼)

●リプレイ本文

 巻 長治(fa2021)は大きな深いため息をつくと───。
「今度は自称アメリカ人ですか‥‥‥むしろ、そんな人を見つける方が難しい気もしますが」
「いや、アメリカ人と言っても色々───ともあれ、よろしく頼む」
「承りました」
 マキさんは姿勢を変える。
「『全滅』ということなので、複数のツンデレ少年が『憧れのお姉さん』に対して彼らなりの方法で懸命にアピールし、一定の成果を収めたかに見えるも、最後はその『お姉さん』の彼氏が登場して全員大ショック‥‥‥という流れで。
 どこか大きめの学校に撮影許可を取れればよかったのですが、そうは上手く行かないので、最悪の場合でして、屋内はアリモノのセットで」
「頼む」
 最早、頼む以外の言葉を失ったかのように監督はマキさんに頭を下げた。
 そこにフォローに入る壱嶋 響時(fa5258)。
「俺はスタッフさんのお手伝いをしたいと思います。
 お手伝いと言っても、大した事は出来ませんので、言われた事をキチっとやるようにしたいと思います。

舞台設定:
小学校からのエスカレーター式
同じ敷地内に小中高の校舎がある広い学園

お話の大まかな流れ
休み時間:
亮さん(タブラさん)が藍さん(馨さん)と接触

部活:
航さん(ヒノエさん)が藍さんに良いところを見せようと奮闘
優さん(天羽さん)がその場面をベンチに座って見ている→少しからかったり

ラスト(部活終了後):
彬さん(巻さん)が車で藍さんを迎えに来る→ツンデレ少年達呆然
───という形で収まるはずです」


 紗原 馨(fa3652)演じる所の藍は明るく活発で、誰とでも仲良し主義。
 陸上部所属で、少しボーイッシュなイメージ。
 運動好きで、休み時間等は外で動いている事が多い。

 銀髪青眼の子供子供した少年、亮(タブラ・ラサ(fa3802))は休み時間、気がつくと、いつも後を歩いているのを、少し不思議に思うも気が合うんだと勘違い
「今日も亮君、こっちに用があるんだ?」
「僕は、高等部の図書室に行くんだよ」
藍さんが答えてくれたら「僕もそこに用があるんだ」と言う。
 藍さんが気づいて話しかけてきても、本当は嬉しいにも関わらず、照れからぶっきらぼうに対応する亮。
 あくまで『偶然同じ方向に向かっているだけ』を装うが、そもそも小学生がいるはずのない高等部である。
 しかし、藍が───。
「じゃ、一緒に行こう」
 と言ってもらえたら、亮はすごく嬉しいのを必死で隠しつつ。
「べ、別にそうしたいわけじゃないけど、藍さんがそう言うなら‥‥」

 部活中に少年達と遊ぶ藍さんをベンチに座ってちょっと呆れながら微笑んで見ている優(天羽遥(fa5486))。藍の親友の少女である。
 そんな彼女が、亮と同じく銀髪青眼の航(ヒノエ・シオン(fa5487))が、陸上部で中距離走で自分をアピールする。見られていると感じることでドーパミン大放出状態。
 航が部活で頑張っているのを見て、航は運動が好きだと勘違いし、同じ運動好きとして嬉しく思っていた。
「航君って、好きなんだ? 僕と同じだね、仲良く出来そうだなぁ♪」
 走り終えた航の足をマッサージしてやる藍。
「やめろよ! ‥‥恥ずかしいだろう」
「クールダウンは大切だよ」
「ああ、そうだな───腓返りとか起きたら大変だしな。
 藍はその後、子供達と鬼ごっこをして、疲れると、親友の優の傍で休む。
 ツンデレ少年達と遊んで疲れた所をホットの紅茶を頬にあてて、藍さんがびっくりしてる所をツンデレ少年達に睨まれながら、からかう。
「‥‥ふぅ、疲れちゃったよ───‥‥‥‥何!? あっ、有り難う♪」
 と、寸止めされた缶の紅茶を飲み出す藍。
 暖かさが五臓六腑に染み渡っていく。
「藍、モテモテねぇ? お姉様〜って感じね」
 と、優は藍の肋を肘で突っつく。
「え、只の元気な子じゃないの?」
 優の言葉に驚く藍。
「やっぱり子供は元気が一番よ」
 そして、亮と航が互いに微妙に牽制しつつ、下校しようとする、藍の隣をキープしようと試みる。
 そこへクラクションを軽くならしつつ、滑り込んでくるロールロスの黒い影が校門前に滑り込んでくる。
 藍の恋人、彬であった(マキさん)。
「あ、彬、待ってた」
「いや、今日は可愛いナイトを連れているようだね」
 と、彬。
「お邪魔だったかな?」
 ───と冗談めかして尋ねてみます。
「何? 彼氏と待ち合わせだったの?」
 と優。
 うなずいて、ロールロスの開いた扉から乗り込む藍。それに対して優は微笑みながら───。
「はいはい。子供達の目の毒だから早く行っちゃいなさい」
 と、亮と航の目をふさぐ。
 走り去るロールロスの影を尻目に、亮と航は自分たちの幸せな少年時代が終わりを告げたのを知らされたのであった。
〜全滅! ツンデレ少年FIN〜