猟奇! ツンデレ女アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 成瀬丈二
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 0.9万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 05/03〜05/05

●本文

 インディアン嘘つかない、が死語になったのはいつ頃からだろうか?
 台湾の某監督が、ネイティブアメリカンならぬインド人にタイトルのみが決まった台湾ドラマ『猟奇! ツンデレ女』のシナリオを依頼したものの、華麗なまでにスルーされ、またいつもの逆境が来た。
「今回は原点に戻って───ツンデレは女だ‥‥色々横道に入りすぎたが、結局はここに戻ってくる───私はツンデレと共に生き、ツンデレと共に死ぬ。何を躊躇う事があろうか?」
 監督はそれでいいとして、スタッフはそうも言っていられない、携帯電話が叫び、ノートパソコンのハードディスクが金切り声を上げる。
 世界から5月の頭にアジアにいられる面子に声をかけているのだ。また、いつものタイムアタックである。
 特に日本ではゴールデンウィークを完全に潰す事になるであろうから、最大の算出源が頼りに出来ない事ははっきりしていた。
 だが、〆切は迫る。TOMI−TVにデータを上げられなければ、何か緊急特番が入るだけなのだ。それだけは避けなければいけない。
 戦いが始まる。
───カット55スタート

●今回の参加者

 fa0179 ケイ・蛇原(56歳・♂・蛇)
 fa1206 緑川安則(25歳・♂・竜)
 fa2021 巻 長治(30歳・♂・トカゲ)
 fa2582 名無しの演技者(19歳・♂・蝙蝠)
 fa3622 DarkUnicorn(16歳・♀・一角獣)
 fa4361 百鬼 レイ(16歳・♂・蛇)
 fa4371 雅楽川 陽向(15歳・♀・犬)
 fa5111 相澤瞳(20歳・♀・虎)
 fa5273 一瀬 律都(17歳・♂・猫)
 fa5615 楽子(35歳・♀・アライグマ)

●リプレイ本文

 本来のスタッフに逃げられ、急遽かき集めたスタッフで撮影にこぎ着けた蛇原監督(ケイ・蛇原(fa0179))。ADのネームレス(名無しの演技者(fa2582))が機材と人を求めて走り回り。
「どのタイプでもいい! とにかくショットガンだ! 3日間だけ貸してくれればいい! 弾も200発ぐらいでいい! ‥‥‥‥───よし! わかった。この作品が失敗した暁にはお前の好きな酒をやる! 大丈夫、経費で落としてみせる! ‥‥───そうか! 感謝する!」
 携帯電話で怒鳴りながら、ギリギリまで交渉を行っている安則(緑川安則(fa1206))の声が響く中。
「やれやれ、ツンデレ心中だなんてまっぴらですからね?」
 脚本家の長治(巻 長治(fa2021))の辛辣な一言に送られて現場に向かうも、主役の女優、ヒメ(DarkUnicorn(fa3622))がやーくんを一喝して。
「ワシの愛銃はM870と相場が決まっておる。安則! 余計な銃など要らぬ!」
 などと、周囲とうまく合わず、撮影は困難を極める。
 蛇原監督がヒメに注意に行くも猛反発され、そのツンぶりに蛇原監督が大暴走。
「来た! これを待っていた! このツン、デレに変えてみせる!」
「あのー監督、監督は出演者じゃないんじゃ?」
 共演者のレイ(百鬼 レイ(fa4361))のフォローも空しく、収拾がつかぬまま一旦休憩に。
「レイ君、キミはツンデレに関して理解が足りない様だ」
「そ、そんな監督!」
 ともあれ、休憩中、悩む監督にメイクの楽子(楽子(fa5615))からのアドバイスが。
「普段はとてもいい子なのだけれど‥‥乙女心は難しいですね。」
 でも、なんだか蛇原監督は嬉しそうでもあり?
「監督、本当にツンデレさんが大好きなんですね。
 嬉しそうな人を見ていると、私まで嬉しくなります。
 監督の『ツンデレ』に対する熱い想い等、ケイさんを介してお聞かせいただけるかしら?」
「ケイか、奴はまだ若すぎる修行が足りん」
「そうですか? それにしても‥‥」
 と、楽子は───
「ヒメちゃんのツンは、一体どなたに対してなんでしょう‥‥ね?」
 と、意味ありげにニッコリ。
「監督! なんだこのだめ出しは!」
 その直後、今度は主題歌担当の陽向(雅楽川 陽向(fa4371))が乗り込んでくる。
「あなたが監督さんなん?」
「いかにも」
 本人だと判明したら───。
「この歌はなんなんやろうか?」
───と切り出す
「テンポが歌詞とあっとらんやん!」
 つんけんとした話し方ながら、監督の番組の思いについて尋ねるなど、お互いのイメージが重なり合う。
 そのボルテージのシンクロが頂点に達すると。
「この莫迦弟子がー!」
 別に陽向は蛇原監督の弟子でも何でもないが、そこはそれ、という奴である。
「お前の歌には愛がありすぎる。ツンデレは愛だ。しかし、ツンという過程を経ての愛なんだ。不器用な連中のぶつかり合いがツンデレだ。判るか、愛だけならば───誰にでも書ける。だが、陽向。お前にはそれ以上を望めると信じていた」
「信じるか、信じられちゃしゃーないわ、応えたるで、その信頼!」
「判ってくれたか! 行くぞ───流派ツンデレ不惑は王者の風よ!」
「全身烈愛!!」
「ツンツン狂乱!!!」
「「見よ! ツンデレは紅く萌えている!!!!」」
「良い曲で、リベンジするから」
「あ、ヒメさん、監督が‥‥」
「ネームレス邪魔じゃ」
 BANG!
 一方ヒメは邪魔するネームレスを愛用のショットガンで退け、監督のもとへ向かっていたが、陽向と意気投合している監督を目撃し、ショックから降板の意志を固める。
「か‥‥監督───! ヒメさんが」
 息も絶え絶えなネームレスが蛇原監督に告げる。

 意気投合した陽向が去った後、楽子の言葉の意味をようやく理解した監督は今度こそとヒメの説得に向かう。
 しかし、ヒメはマネージャーである瞳(相澤瞳(fa5111))の制止を振り切って故郷の山へ帰ろうとしていた。
 ヒメが山に一歩踏み入れた所で、車を飛ばし、ギリギリで追いついた蛇原監督は再び彼女の説得を試みる。
「わたくしはその‥‥なんといいますか。あなたを魅力的だと思いますし」
 そこでM870を構えたままのヒメが問いかけを投げかける。
「ツンデレな所とかです、いえ───それをひっくるめたあなた自身が愛おしくて堪らない」
 その説得がついに功を奏した、と思った矢先、
「恥ずかしい台詞禁止じゃ!」
 それが彼女の愛の形なのか、度を超えた照れ隠しなのか、彼女は猟銃を監督に向け――。
「‥‥‥‥‥はあはあ、悪い夢か?」
――と言うところで目を覚ました監督の姿。蛇原監督ではなく、某監督であった。
 冒頭と同じ展開を経て現場に向かうと、ADのネームレスが機材と人を求めてが走り回り。
「どのタイプでもいい! とにかくショットガンだ! 3日間だけ貸してくれればいい! 弾も200発ぐらいでいい! ‥‥‥‥───よし! わかった。この作品が失敗した暁にはお前の好きな酒をやる! 大丈夫、経費で落としてみせる! ‥‥───そうか! 感謝する!」
 携帯電話で怒鳴りながら、ギリギリまで交渉を行っている安則の声が響く中。
「やれやれ、ツンデレ心中だなんてまっぴらですからね?」
 脚本家の長治の辛辣な一言に送られて現場に向かうも、主役の女優、ヒメがやーくんを一喝して。
「ワシの愛銃はM870と相場が決まっておる。安則! 余計な銃など要らぬ!」
 そう、騒ぐ彼女の服に返り血が滴っている様に見えたのは錯覚であろうか?
───猟奇! ツンデレ女終劇。