WAKUWAKU−BEAST−LAND1アジア・オセアニア
種類 |
シリーズEX
|
担当 |
成瀬丈二
|
芸能 |
1Lv以上
|
獣人 |
1Lv以上
|
難度 |
易しい
|
報酬 |
0.9万円
|
参加人数 |
6人
|
サポート |
0人
|
期間 |
01/14〜01/18
|
●本文
それはインディアンサマーの昼下がり。
‥‥編成局内を、小柄でボブカットのパンダ獣人、大友(おおとも)と、その行動力に振り回されっぱなしの丹(たん)先輩が歩いていた。
「だから、この寒い冬に負けない様な、元気一杯の半ズボンや、スパッツの男の子って良いですよね☆」
大友は自分の少年に関する美学を語り出すが、丹先輩は上の空だった。
「あー、そーか。俺はニーソックス履かない様な女なら誰でもいいよ」
「!──今日はガーターです」
「ほー、そんな色気づいたとは惚れた男でも出来たか、大友?」
「莫迦──」
大友のフルコンタクト空手で鍛えた足刀が、丹の向こうずねを打つ。
「あたたたた」
「という訳で、今回の企画は上野動物園で、小学生の男の子たちが、女装以外のコスプレをして、園内をレポートしながら回る番組です丹先輩フォローお願いします」
「フォローっておい」
「あー、企画会議で疲れたから、このまま仮眠室行きますね、じゃあ荷物宜しく」
「宜しくっておい」
テイク8スタート。
●リプレイ本文
「クッキー(fa0472)くん」
「はぁい」
「芹沢駆(fa1281)くん」
「はい、ここに」
「月岡優斗(fa0984)くん」
「大友姉さんと丹兄さん、久しぶりでーす」
「星山航太(fa2700)くん」
「今、着替え終わったよ!」
「マリアーノ・ファリアス(fa2539)くん」
「YEAH!」
制作会社差し回しの大型のバンの中、丹先輩がWAKUWAKU−BEASTLAND第1回目の撮影に出演する一同に確認の点呼をかける。
「全員いるぞ、大友」
携帯片手で、別車両にいる大友女史に声をかける丹先輩。
「よーし、みんな居るわね。
もうすぐ上野動物園だから、着替えを忘れないでね」
上野動物園──最近では旭川動物園に業績を抜かされたという話も聞くが、まだまだ大きな動物園である事には変わりない。
そもそも明治15年、西暦に直すと1882年、3月20日に農商務省(現在の農林水産省と、経済産業省を合わせたような職権を併せ持つ省庁)所管の博物館の附属動物園として開園し、100年以上の歴史を誇っている堂々たるものだ。
現在は正式名称は“恩賜上野動物園”という。
日本最初の動物園でもある。
50メートルほど離れた、JR上野公園脇の駐車場に入ると、一同はアスファルトの大地に降り立ってくる。
「わーい、パンダ♪ パンダ♪」
などと、無邪気にはしゃぐ、ちょっと見最年少のくぅの出で立ちは、頭には水兵帽、上半身はウルトラマリンブルーのセーラー服に短パンという水兵姿であった。
彼の背中のリュックからは、羽根が生えており、くぅのつぶらな瞳と相まって彼の小柄で小動物的な可愛さを引き立てていた。
金髪黒目に白い肌という一種、アンバランスが独特の風情の、ゆーとが日本代表選手の青いユニフォームと短パンに身を包み、有名スポーツブランドのサッカーシューズを履き、膝当てとソックスで足下を固めて、サッカーボールを小脇に抱えて降りてきた。
「どう? 12番目のフィールドプレイヤーって感じじゃん」
「え、ゆーとって、本当はサッカー少年? これは意外だったわね‥‥リフ──」
「実は今、勉強中。期待するなよ」
自分の額を平手で叩く、大友。
「おー、坂道なげー! 空気悪りー! さすが、23区」
今からテンション高げな、ゆーとである。これで本物の動物にあったらどうなる事か。
カケルはコスプレの王道、イヌ少年。別に親の因果が子に報い〜、ではない。付け耳、付け尻尾。
そして、イヌの首輪である。大きめなのは狙い過ぎなので、と細目の小さな首輪をチョーカー風にワンポイントに決めている。
耳と首輪を除けば、ノーマルなファッションの上半身であったが、大友女史をがっくりさせたのは下半身がハーフパンツで包まれている事であった。
目眩のする大友女史をニッコリと笑顔で制して、どうしたんですかぁ? と『無邪気』に声をかけるカケル。
「どうして半ズボンじゃないの〜、寒いから、ねえ寒いからなの?」
「えっ、大友さんって実はタイムマシンでやってきた過去人とか?」
カケルの意表を突いたリアクションに丹先輩も動きを止める。
「だって、今時半ズボンなんて、どこにも売っていませんよ」
心の中で舌を出しつつカケル。
「じゃあ、あれば履くのね!?」
言って携帯電話を取り出す大友女史。
「もしもし──そう、私、大友よ。今から身長140センチ程度の男の子ものの、半ズボンをあるだけ持ってきて、短パンでもいいのよ? 小道具室ならあるでしょう?」
その携帯電話を丹先輩は後ろから取り上げる。「ああ、ちょっとすまん──大友さんが病気を起こした様だ。あ!? いや、そういう意味じゃなくて。うん、撮影は大丈夫だから安心して。
カケル君。まあ、判れとはいわないけど、モデルなら着たくない服でも、着こなさなければならない時があるのは判って貰えるよね」
「判れとは言わないで、判って貰えるというのは矛盾している様な気が──」
カケルの空ッとぼけた返答。
「丹先輩非道いじゃありませんか? 折角、世の中に半ズボンの男の子がひとり、再生しようという、この瀬戸際に‥‥」
大友女史のコンボ攻撃。
左右同時の耳から入力される音波攻撃に丹先輩はパニックに陥った。
「それより、これ、どう?」
子供たちの中では一番大柄なマリスが、大友先輩の首筋に息を吹きかけ、彼女の注意を自分に向けさせる。
その風体はというと、半獣化して、リスザルの上向きな耳を立て、その耳を隠すかの様なテンガロンハット。
上半身は半袖ウエスタンシャツとベスト。下はギリギリなカットジーンズにブーツといった『変則カウボーイスタイル』であった。
無論下着はショートタイツで脚のラインは出しつつ、デンジャラスな部分は押さえている。
尚、細い尻尾はジーンズの裾から出していた。
「良し、合格」
マリスの格好を見て、泣いたカラスがもう笑い出したかの様な風情の大友女史、そこへ──。
「俺の方はどうだ?」
「パンダ‥‥ウサギ?」
尋ねた航太であったが、大友女史のリアクションにずっこけそうになる。
黒い耳と尻尾、そしてふわふわの手袋。
「パンダだって、見れば判るだろう? 性も無い奴だな」
大友女史にしても、丹先輩に言われてみれば航太のそれは、ジャイアントパンダのコスプレであった。
「うん、どこから見ても立派なジャイアントパンダよ、ジャイアントパンダ。元気、元気。じゃあ、早速と──カメラ回している?」
まだっすーというスタッフの声。
「じゃあ、入園シーンから撮ろうぜ、それからジャイアントパンダだ! 頼むよ大友さん」
前回のスペシャルでの事もあって、微妙に慣れを含んだ、ゆーとの声に、大友女史はつい、イニチアシブを渡してしまう。
「はい、今日僕たちは恩賜上野動物園から、新番組WAKUWAKU−BEASTLANDの第1回目の中継をしています。俺は、今日のヘッドライナーのユートです!」
そういう間に一同は、ゆーとから退いたカメラに収まりよく入る様、各々の頭で、計算して位置取りをしていた。
尚、ヘッドライナーとはバンド用語で、複数のバンドが集まってコンサートを行う時、そのメインを努めるバンドの事を指す。
要は『俺が一番』と宣言したようなモノである。
単語の使用そのものは大友女史からの指示であるが、この子供、お母さんが見るであろう番組に使うには、趣味やコンセプトが良く判らないモノであった。
ともあれ、撮影が始まった。パンダ園へは、まっすぐ表門から行けるが、右手にキジ園を見ながらの事であった。
「わーい、きれーなとりさん」
くぅが駆け寄りたい衝動に襲われるが、ここは“ぱんださん”が第1と懸命に堪える。
そして、中央の総合案内所の差し向かいにパンダ園はあったが、笹の葉に埋もれる様にしてパンダは眠っている。
撮影は早朝に行われた為、午後に起き出すパンダとは相性が良くなかった様だ。
そこで、カメラを一旦大友女史は止めさせると、ガラス越しに響く様な大音声で声を立てる。
「起きて、こっちへ来なさい!」
これが彼女の持ってはいるが、日本では殆ど使い道のない、同種の動物との会話能力であった。 パンダなんて、日本にどれだけいるやら‥‥。 ともあれ、大友女史の合図と共にカメラが回され、これでかぶりつきになったパンダにご満悦のカケル。
ヘッドライナーのゆーとも──。
「おー、パンダ、すげー、遅い」
と寝起きのパンダを見てご満悦である。
「ねぇねぇ、ジャイアントパンダの子供がレッサーパンダなんですよね?」
と、くぅがゆーとの裾を引っ張って尋ねる。
「んな事ねぇって? じゃあ、何だ? レッサーパンダの風太君は大きくなったら、ジャイアントパンダになるのか?」
ちがう? ときょとんとした表情のくぅ。
「違うって」
「じゃあ、マツタケが大きくなると松になるんじゃないのですか?」
「ボケに突っ込むとキリがないから、ここいらで切り上げよう──」
マリスが帽子ごと、くぅの頭をくしゃっとやると、柔らかい髪の感触が心地よい。
「ふゎーん、やめて、やめて」
その光景を横目で見ながら航太は。
「パンダってのほほんとしてていいよな、食べて動かないから笹だけでもあんなにでかくなるのかな?」
と、ツッコミを入れるが、パンダはハラを出して眠ってしまっていた。
そこで、もう1度、大友女史の喝が飛び、ガラスの向こうのパンダと子供たちの食事シーンを撮る事と相成る。
カケルが提唱した、パンダ団子を子供たちと一緒に撮るシーンである。
パンダ団子とは食堂で売っている、実際にパンダが食べている団子を人間風にアレンジしたものだ。
みんなにっこり笑いながら、パンダ団子を食べてるあたり、流石芸人である。
そんな中、ゆーとはパンダの歴史をカンペ付きで読み上げる。
「カンカンと、ランランから始まった上野動物園のパンダ飼育ですが、現在はオスのリンリン1頭だけになってしまいました。リンリンは、1988年6月にフェイフェイとホアンホアンの間に生まれたユウユウを中国に送る代わりとして、1992年11月に北京動物園からやって来ました。アドベンチャーワールドや王子動物園にいるパンダは中国から賃借されているパンダであり、誕生した子パンダともいずれ返却しなければなりません。そろそろ高齢期にさしかかるリンリンは、日本に所有権がある唯一のパンダとして2世誕生が急がれています。
そんななか、2003年12月にメキシコからシュアンシュアンが来園し人工授精が試みられました。食欲が落ちたり巣作りの行動が見られるなど、二世誕生の期待が高まりましたが、7月7日疑似妊娠だったと発表されました──って。こんな感じでいいかな大友さん?」
「良いわよ」
そのまま、パンダに様々な無茶なシーンを取らせた後。──サル、ヒヒ、ニホンザルなど多種多様な類人猿のいる回廊を抜けて──マリスはそのサル達に一々声をかけていった。
群がってくるサルたち。
「ほ〜ら、マリスが一声かければ、サルだって集まってくるんだよね。見て見て! いやぁ、ゴリラがいないのは残念だなぁ?」
カメラを意識せず、天然にエンターティメントに徹するマリス。
ともあれ、画としては良いものが撮れたので、大友女史はご満悦である。
「これ位なら、WEAだって文句は言わないわよね‥‥」
傍から見れば、紅毛碧眼の少年がナンパに声をサルにかけまくっているだけの画像なのだから。
「いやぁ、これだけサルがいると、声のかけ甲斐があるよね☆」
回廊を抜けて、モノレール乗り場に到着する。「わーい、モノレール、モノレール♪」
くぅがモノレールを見て鼻歌を即興で歌い出す。
いざ、今までいた東園と、これから向かう西園のふたつに分けられている恩賜上野動物園の架け橋となるモノレールに乗って西園に移る時、動物園のスタッフから、ちょっと待ったと、制止がかかる。
「あの〜、大人の人数と、子供の人数が有っていない様な気がするんですが? 今、カメラ止まってますよね?」
「回っているじゃん?」
とゆーと。
「え? じゃあ、ひょっとして自分も出られますか? 新潟県の春美ちゃん元気〜?」
古典的にカメラに向かって手を振るスタッフから、事情を聞き出すと、事前に送られた資料と、今、眼で見た資料とでは子供たちの年代に差がある様に見える、というのだ。
「えーと?」
と言って、PDAでスタッフと子供たちのデータを検索する。
「マリス〜!? あんた14才の中坊だったの? 言動があれだから、気がつかなったわ? はあ、書類は通り一遍のチェックだけじゃ駄目ね‥‥」
「え、マリスはクビ?」
後ろに集中線とベタフラッシュが炸裂しそうな勢いのマリス。
「んな事しないって、単にモノレールや入園料金の辻褄が合わなくなっただけだろう?」
丹先輩がフォローに入る。
「そうよね、外見と言動が小学生だから許す! 別にいいわよ、単に料金の申請はこちらのミスだっただけだし」
「何かオトコノコとしては微妙な評価だけど、ラッキー☆」
言っておもむろに両手それぞれに持った、マラカスを振り出すマリス。
皆も緊張の糸が途切れたのか脱力。くぅや、航太などは座り込んでしまう。
(撮っていなくて良かった)
「えー、聞いた話だとこのモノレールが日本初だそうです。すごいぜ、上野動物園!」
ゆーとが意味無く(いや、意味はあるが)テンションを上げている中、丹先輩は、パンダ柄のモノレールに揺られながら胃薬を飲み下す。
──西園到着。
早速、小獣館に赴く一同。
読んで字の如し、小さな獣の館である。
「見つけたよ!」
中に入ると、カケルが真っ先に駆けだして、アルマジロに触らせて貰う。
「カチンカチンだ! スッゲー!」
ゆーとが丸まってしまったアルマジロを抱きかかえて、その甲殻化した皮膚の硬さに感動を表明する。
「イタタ、先っちょがツンツンします」
結構人懐っこいハリネズミを触って、感嘆するくぅ。
何でも普段は夜行性なので、夜の特別ツアーなどもあるそうだ。今は早朝だからギリギリの時間帯だろう。
マリスもコウモリと睨めっこ。
「こんなにぶら下がっていて、良く頭に血が昇らないよね、ねえ大友さん?」
「私、コウモリじゃないから、判らないわ」
丹先輩はウンチクのひとつも垂れようと思ったが、まあ自分がテレビに出てもしょうがない、子供が主役の番組だからと、一歩退く。
一方、航太は年末に生まれたばかりだという、珍しいハダカデバネズミの赤ちゃんを見に行こうとするが、さすがに照明などを当てては不味いという事で、真っ暗な中の撮影となった。
「えーと、暗いので良く判らないんだよな。赤ん坊の数は、いち‥‥じゅうさん、赤ん坊は13匹いるよ」
最初は13匹で生まれたが、去年の内に1匹亡くなったと聞かされる航太。
あれ?
と、航太は子供の数を数え直す
「13匹いる?」
そして、1匹多い赤ん坊が、節足動物を模して、造った様な異形の存在だと気づくと、航太は一同に警戒の叫びを発する。
「ナイトウォーカーだ!」
その叫びにマリスが早速前に出る。この半獣としての自分ならば、闘争センスはプロの水準は超えている。
複数の獣人に囲まれて危険を感じたのか、進入したと思しき穴から飛び出し、足元をすり抜けて逃げ出そうとするところを、マリスがマラカスで殴りつける。頭も心臓も、コアがどちらにあったかは不明だが、まとめて叩き潰せば、一瞬で駆除できる。
「やるわね」
「こう見えても格闘家ですから(見習ですけど)。ナイト役はお手の物です。お姫様抜きで、王子様ばかりですし、間違いなくこの部分は人の目に触れないのが残念ですが」
「本当。あったら、特撮番組にでも売りつけてやるのにね」
大友は笑った。
大人を含めた一同は頭を捻ったが、ナイトウォーカーの感染経路はこの情報化社会では有りすぎて判らなかった。
「かわいそぅ、ネズミさん」
くぅが愚図った。
そんな悲しい事があっても、カメラの前では笑顔でいなければいけないのが、芸能人の宿命。
カケルは、こども動物園では乗ったりとかはできないのかな? などと、洒落込み。ギリギリ山羊とかならば、くぅ程度の体格ならば乗れるだろうと、試してみたが、体術の関係上無理、と判明。
逆に最年長のマリスが乗りこなしてしまう。半獣化のアドバンテージという奴だ。
だが、マリスがやりたいのはそんな大がかりな事ではなかった。
『正座してモルモットを膝の上に仰向けに乗せ、お腹を撫でるとバンザイしたまま固まる』という、本当にささやかな夢である。
「何やってるの?」
航太が尋ねるが、マリスは真剣そのもの。素材のモルモットから吟味して、驚かさない様に、正座したタイツの上に横たえる。
モルモットは『何してんのかな〜』という風情で、されるがまま。
そこでモルモットのお腹に軽く力を加えながら、かいぐりかいぐりする。
じたばたと暴れ出すのは最初の事。やがて、大人しくなり──両手、両足を広げて、見事バンザイのポーズを取らせた。
やった──。
生まれて初めてとも言える満足感が少年の胸からわき出してきた。先程のナイトウォーカー退治の比ではない。
ともあれ、身体の空いた一同に、カケルの言い出すには、馬や牛との力比べとかもおもしろそうだね。
「ちょ、ちょっと待った! 獣人化したら、工夫しなければお茶の間には出せないし、獣人化しなければ、子供の体力では牛や馬には相手にならないって?」
丹先輩が待ったをかけようとするが、純粋そうな笑みをカケルは浮かべて──大丈夫ですよ。子馬や仔牛ですよ、とフォローを入れる。
そこで早速子牛が引き立てられて、体力勝負に出る。
この筋肉番付は、くぅがトップとなり、カケル、ゆーと、航太が続き、アンカーがマリスとなる。
「駄目っぽい気がするけれど、子供のこういう無邪気な所を大人は見たいんだろうな」
マリスの半獣化した筋力で、何とか拮抗する子牛との勝負。
少年達は手が痛くなった所で、子牛の方が戦闘を放棄する形となった。
「次は勝つ!」
ゆーとが宣言する。再戦はともあれ、良い勝負が出来たことには変わりなかった。
みんなが遊びつかれたところでお菓子タイム。
黒い豆粒大のモノをカケルは一同に勧める。そして、食べてもらってから。
「これ、ゴリラの鼻くそなんだよ」
一同は一斉に口の中に茶を流し込む。
カケルは笑ってそれを見ながらフォローを入れる。
「なーんて、そういう名前の甘納豆だけどね。驚いた」
名物パンダ焼きで本当のお菓子タイムに入った。
くぅは当然のリアクションとして──。
「これ、本当にパンダをやいたのですか?」
と尋ねてくる。
「うん、レッサーパンダだから大丈夫だよ」
「カケル君、いい加減に嘘を教えるのはやめなさいって。大丈夫、そういう名前のお菓子だから」
「なんだ、良かった♪」
おやつはこういうイベントの楽しみのひとつだよね。
カケルが告げる中、撮影は終了した。
番組は好評で、2月放映の特番が組まれることになった。何でも今度はオーストラリアロケだそうである。