とんでも模擬裁判 1アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
猫乃卵
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや難
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報酬 |
3.1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/19〜08/23
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●本文
『とんでも模擬裁判 第一回
疑惑の夕食!
飼い主が猫のごはんを強奪した!?
その時台所で何が起こったのか?
裁判が全ての真実を明らかにする!
猫まんまの放つ魔性の香りとは‥‥』
‥‥サブ・タイトル、長かったかしら。
それはともかく、この番組では、模擬裁判を行います。
被告人志賀功一郎(24)が被害者ミケ(3)の夕食を強引に奪い自分の物とした刑事事件を扱います。
争点は、被告人が、軽犯罪法第1条第三千九十七項、猫が食事をする権利を正当な理由がなく妨害した者に相当するかです。
なお、検察は科料として本枯れ鰹節5本を求刑しています。被告人は無罪を主張しています。
番組が募集するのは、弁護人役一人と、検察官役一人以上、証人若干名です。こちらで補充する事は出来ます。
裁判官役、被告人役と証人・被害者役の猫は、こちらで用意します。
それで、考えていただきたいのは、事件の真相、裁判の全体的な流れ、自分の役どころ、求める判決内容です。
もちろん求める判決内容は検察側と弁護人・証人側で違っていて構いません。実際の判決は総合的に判断して裁判官が下します。
被告人の志賀功一郎と証人・被害者のミケは、言動に矛盾が生じない限り、皆さんが指定された展開に従います。
なお、ミケは『ニャー』や『ミャー』等しかしゃべりませんが、その点はご了承願います。
最後に、これが最も大切な事なんですが‥‥
この模擬裁判、くだらなさが命です。大切なんです。
猫に与えようとしていた猫まんまがあまりに美味しそうに見えたので、飼い主が猫から猫まんまを奪ってしまい、全部食べてしまった。
被害を受けた猫が警察に通報し、ついに裁判が開かれるに至った。ね? くだらないでしょ?
視聴者が、苦笑いする、脱力する、放心する、そんな言動を求めています。
●リプレイ本文
『検察官』役‥‥春雨サラダ(fa3516)
『被告人側の証人A ヒトデ食堂店員』役‥‥高白百合(fa2431)
『被告人側の証人B 山原 雄海』役‥‥シヅル・ナタス(fa2459)
『弁護士』役‥‥蕪木薫(fa4040)
『被害者ミケ側の証人』役‥‥アヤカ(fa0075)
『傍聴人A 被告人の妹』役‥‥烏丸りん(fa0829)
『傍聴人B ミケまっしぐら』役‥‥織石 フルア(fa2683)
『傍聴人C ずっと眠っている』役‥‥礼花(fa3043)
『被告人 志賀功一郎』役‥‥志賀功一郎
『被害者 ミケ』役‥‥ミケ
●志賀一族の思い
「これから、裁判を始めます。被告人 志賀功一郎は、前へ」
「兄様! もうやめて! もう、十分でしょう‥‥う、ううううぅ‥‥兄様が猫まんまを好きなのはよく分かりましたから、罪を認めて刑に服して!」
「‥‥意義有り! もう自分は腹一杯で食べられません‥‥むにゃむにゃ‥‥」
「寝ている傍聴人の意見は却下します」
「ミケ、寝姿も可愛い‥‥あの、この後どういう流れになるのでしょうか? 裁判を見るのが初めてなので、よく解らないんですよ」
「お兄様は、塀の中で時間をかけて自分の行いを反省することになるのです‥‥」
「鰹節5本を求刑されてる様ですけど」
「な、なんてこと‥‥兄様の罪は鰹節だけで済むのですかっ!? ラブリーなペットの御飯を強奪したにもかかわらず、鰹節だけで済むなんて、裁判官が許しても、志賀一族が許しません。‥‥お兄様、ゆっくりと堀の中で悔いてくださいまし‥‥う、ううううぅ‥‥」
●検察官の質問
「被告人、あんた、食っただろう? 猫まんま、食っただろうぅ?」
「意義有り! 検察官の言葉は誘導尋問です!」
「認めます。検察官は質問を変えてください」
「ではミケさんに質問します。猫まんまを食べたのは、この男だろ?」
「ニャー?」
「意義有り! 検察官の言葉は誘導尋問です!」
「今のミケのリアクションが意外とツボに来たので、却下します。続けてください」
「人間から見ても魅力的な猫まんまだったんだよな?」
「‥‥‥‥‥‥ミャ?」
「‥‥ミケが首かしげてる。可愛すぎる‥‥ミケ‥‥もうあなたしか見えない‥‥」
「な? ミケ、そうだろ? ミケ」
「ミケは黙秘権を行使しているものと判断します。質問を終了して下さい」
●猫まんまの再現
「私、弁護人は被告人の無罪を立証する為、事件の際に作られたのと全く同じ猫まんまを再現致します。ご協力いただくのは、ヒトデ食堂の店員さんとグルメ評論家の山原 雄海さんです」
「店員が準備している間、私が猫まんまの魅力を語ろうではないか! ご飯100グラムのカロリーはおよそ150キロカロリーと、ラーメン一杯のカロリーの3分の1から4分の1、6枚切りの食パン1枚と同じくらいの低カロリーなのだ! 一方、鰹節は、生きて泳いでいる時のエネルギー源ATPが分解されて出来るイノシン酸がたくさん含まれている! この、旨みのもととなるイノシン酸は、全身の細胞を活性化させる働きをもつ重要な栄養素である! この2つが合わさった猫まんまは優れた料理なのだ!」
「はい。こ、これがお客様‥‥じゃなくて被告人さんが作った猫まんまです。どんぶりの蓋を開けますね。ほら! 白くつややかなご飯の上で鰹節が踊っています。そのまま店のメニューに出来る様な、見た目よし、香りよし、味良しな一品です」
「ふむ。米の一粒一粒が立っている‥‥ツヤツヤとした輝きは、まるで宝石の様ではないか! 米のふくよかな香りと、日本人のDNAに染み付いている鰹節の香り‥‥これを美味しいと言えぬなら、他に美味しいと言える料理などないわぁ!」
「‥‥あ、ミケさん、そんなに熱い目で私を見ないでください」
「わあっはっはっ! 科学的に分析すると、ミケが見ているのは正に猫まんまなのだ!」
「これ、猫さんが食べるには熱すぎるんです。ですから、私がミケさんの為に猫まんまを作ったというのがそもそも誤解で‥‥」
(「あああ‥‥おねだりミケ、可愛すぎる‥‥あなたの姿をメモ帳に留めておきたい‥‥」)
「ともかく、裁判長、これが再現していただいた猫まんまです。米は新潟産の一等米。鰹節は枕崎の上等のものを直に削り下ろしています。これに猫の健康を考え、擦り胡麻と薄口醤油でほんの少し味を付け、程よく冷ました状態でした」
(「確かに人間が食べても美味いはず。‥‥そ、そんなことより、ミケをもっとスケッチしなきゃ!」)
「ただし‥‥この猫まんまには、重大な欠点があります。‥‥そう、猫のために付けてある味は、人間にとっては薄すぎるのです! そしてぬるい! 人間には食べられたものじゃないのです!」
「意義有り! 二日酔いの朝にはベストパートナーです‥‥むにゃむにゃ‥‥」
「却下します。続けて下さい」
「‥‥確かに被告は、この魅力に逆らえず一口食べた。しかし、そこで自分の口に合わない事に気付いて流し台へ走ったのです。‥‥その時、彼と入れ替わりに猫まんまを食べた者がいる」
「ニャ?」
「‥‥そうですよね、ミケさん」
「ミケは黙秘権を行使しています。質問を終了して下さい」
●被害者ミケ側の証人の証言
「あたいは、隣の家に住んでいるから、ちょくちょくミケちゃんと遊んでいるニャ。ミケちゃんとはとても仲良しニャ。だから、ミケちゃんがいつも何を食べていて、どれが一番好物なのかも知っているニャ」
「ミケの好物は、この猫まんまでしたか?」
「そう、この猫まんまはミケちゃんが楽しみに、楽しみにしてたものニャ」
「ここに在るのは、現場に残されていた茶碗を撮影した写真です。これを見て、この猫まんまはミケが食べた可能性が有ると思われますか?」
「ちょくちょく会っているわけではないニャ。だから断言は出来ないけど、食べ残しの具合からして、ミケちゃんは食べてないと思われるニャ」
「何故、そう判断出来ますか?」
「だって‥‥ミケちゃんだったら御飯粒一粒、汁一滴まで綺麗に食べるからねっ! まるで洗ったかの様に器もなめているはずニャ」
「ミケが食べていない証拠を示す事は出来ますか?」
「証拠は無いニャ。でも、ミケちゃんが食べたのなら、器にミケちゃんの唾液が残っているはず。検査して欲しいですニャ!」
「化捜研の方、お入り下さい」
「ニャ?」
「失礼します」
「現場に残されていた茶碗がこちらに在ります。鑑定お願いできますか?」
「お任せ下さい。科学の力で真実を明らかにして見せます」
「意義有り! ルミナール反応が出ました‥‥むにゃむにゃ‥‥」
「気にせず、進めて下さい」
「結果が出ました。器に残っていた水分から猫の唾液の成分が検出されました。DNA鑑定の結果、ミケ本人のDNAと一致します」
「そ、そんニャ‥‥ミ、ミケちゃんは猫まんまを食べるときは右足を器に添えて食べるニャよ! もし、ミケちゃんが食べたのなら‥‥」
「器の内側に猫の毛が付着していました。形状を分析するに、ミケの足の毛が抜け落ちた物と判断出来ます」
「ま、負けたニャ‥‥」
●判決
「では、判決言い渡しますね。主文。被告人は無罪。理由。猫まんまを食べたのは、ミケであった為。皆さんお疲れ様でした。これにて閉廷します」
「意義有り! 被告人が一言もしゃべっていません‥‥むにゃ‥‥」