ドン引き家族の晩御飯アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 猫乃卵
芸能 2Lv以上
獣人 フリー
難度 難しい
報酬 3.3万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/19〜10/23

●本文

 『ドン引き』
 誰かの発言によってその場がものすごくしらけたり、発言者以外の全員が引いてしまうこと。元々は、テレビ業界でカメラのレンズを目一杯引いて(ズームアウト)、広い範囲の風景を映す手法を指していた。今では、ボケやギャグが全くうけなかった時の、きまずい状態を指す。

●プロモーション映像
 (出演者全員が一つの家族と言う設定で、皆で一つのテーブルを囲み夕食をとっている。食事と共に弾む会話)
「ねぇ、あなた。お隣の優子さん、朝から忙しくしてたわよ。娘さんの結婚式の準備を手伝っていて、気が休まる暇ないんですって」
「そうか。結婚式が間近に迫ってきたからな。新婚旅行はどこに行くか決まったのか?」
「海外に行くって言ってたわね」
「へぇ、そうなんだ。私も将来のだんな様には海外連れて行ってもらおうかな。あ、新婚旅行って言えば、成田離婚って言葉、昔流行ったわよね。新婚旅行行ったかと思えば、もう離婚してるっていうあれ」
「お、おい‥‥」
 テレビカメラが思い切りズームアウトし、娘以外の人の演技が止まる。収録スタジオの照明が暗くなり、娘にスポットライトが当たる。静寂の中、別のテレビカメラに切り替わり、娘の顔にズームインする。
「え? え? 私、まずい事言った? 言った? きゃぁ〜!!」
 両頬に手を当てて叫ぶ娘。テレビカメラが思い切りズームアウトする。照明が元通りになり、家族全体を映すテレビカメラに切り替わる。
 何事も無かったかの様に団欒を続ける家族。
「それより、今日も部活で遅かったのか?」
「うん。大会が近いから先輩にしごかれてるの。大変よ」
 食事を終えて立ち上がる娘。
「あら、もういいの?」
「うん。お腹一杯。部活で疲れて、夕ご飯食べて、もう、くった、くった」
「さ、さぶい‥‥」
 (強風の効果音)
 テレビカメラが思い切りズームアウトし、家族がものすごい粉雪の嵐に襲われる。
別のテレビカメラに切り替わり、娘の顔にズームインする。
「またやっちゃった? やっちゃった? えぇ〜!!」
 娘は、両頬に手を当てて叫ぶ。ズームアウトして終了。

●出演者募集
 『ドン引き』させてくださる方を募集しております。もちろん、『ドン引き』してくださる方も募集しております。
 プロモーション映像は、一例ですので、実際の番組内容はお好きにどうぞ。

●今回の参加者

 fa1322 shion(14歳・♂・狼)
 fa3134 佐渡川ススム(26歳・♂・猿)
 fa3135 古河 甚五郎(27歳・♂・トカゲ)
 fa3802 タブラ・ラサ(9歳・♂・狐)
 fa4120 白海龍(32歳・♂・竜)
 fa4361 百鬼 レイ(16歳・♂・蛇)
 fa4391 夜野月也(25歳・♂・犬)
 fa4896 NoeL(20歳・♂・犬)

●リプレイ本文

『パパ 丼引 聡史(どんびき さとし)』役‥‥夜野月也(fa4391)
『ママ 丼引 サド美(どんびき さどみ)』役‥‥佐渡川ススム(fa3134)
『ロン 丼引 ロナウド(どんびき ろなうど)』役‥‥白海龍(fa4120)
『お姑 丼引 甚子(どんびき どんこ)』役‥‥古河 甚五郎(fa3135)
『長女 丼引 紫音(どんびき しおん)』役‥‥shion(fa1322)
『次女 丼引 沙羅(どんびき さら)』役‥‥タブラ・ラサ(fa3802)
『丼引 紫音の彼氏』役‥‥NoeL(fa4896)

●オープニングは軽い駄洒落から
 朝。
 丼引 沙羅が食卓でお弁当を一心不乱に食べている。それを微笑みながら優しく見つめお茶をすする丼引家の大黒柱、丼引 聡史。
 沙羅が食材をほおばりながら叫ぶ。
「この弁当ベリー、うんめー!」

 番組テーマ曲『弁当ベリー、うんめー!』(演奏 shion、NoeL)
「ド・ド・ド・どーん! ビ・ビ・ビ・きー!
 ド・ド・どん・ド・ド ド・ド・どん・ド・ド ビ・ビ・ビ ビ きー!」
 カメラは、テーマ曲に合わせて、どんどんズームアウトしていく。

●お弁当とカレー、どっちも食べる
 食い終わって腹を休める沙羅。
 ドアを開けて、妻・サド美、登場。フリフリのピンクのエプロンに、限界ギリギリのミニスカート。でも、役を演じているのは男性の為、惜しげもなく露出させた脚には剃り残しの脛毛がちらほら、ちらほら。
 襖を閉めた後、くるっと振り返り、伸ばした人差し指と中指を添えてウインク。
「魔法の国の王女様、サド美です。でも、今は愛しの旦那様と可愛い子供たちに囲まれて普通の主婦やってるの。きゃは♪」
 ヒュンとズームアウトするカメラ。
「おはよう。母さん」
「お母さん、おかわり!」
「あらそれ、学校でお昼に食べるお弁当よ?」
「だって、朝食まで待ちきれなかったんだもん」
 ふらふらっと脱力しながらズームアウトするカメラ。
「今日の朝ご飯は、ママのスペシャルハンバーグ?」
「一昨日食べたでしょ。今日は昨日の残りのスペシャルカレーよ」
「たまにはスペシャルじゃない普通のが食べたいな、マゾ美ママ」
「この子は何度言ったら母親の名前覚えるのかしら‥‥」

●そういえば、いま朝ご飯中
 突然ゴロゴロと音がする。見ると、ガムテープが床を転がっていく。扉を開けて姑、甚子登場。ほんと、突然である。
「サド美さん。お掃除が行き届いておりませんよ。ほら、床を転がしたガムテに、こんなにホコリが。息子の嫁として、ちょっとどうかと思いますわ」
「お母様‥‥いくら私が不甲斐ないからといって、その様な仕打ちは酷いですわ‥‥ううううう‥‥」
「おのれ、仕打ちにしてくれるわぁ! なんてね☆」
「父さんどっちの味方なのよ。セイウチみたいな体して。‥‥セイウチと仕打ち、セイウチと、仕打ち‥‥」
 ヒュンとズームアウトするカメラ。
「食事もねぇ、スペシャルばっかりで‥‥家族の健康なんてちっとも気遣ってないんじゃないですか?」
「ひどいですわ、お母様」
「Hey! サド美さん、夕食はまだかいのぅ?」
 いつの間にかロナウドが定位置に座って、会話に割り込んできた。やたらでかいのでロン爺の存在に皆気付かなかった様だ。
「いやですわ、ロンお爺さま。日が暮れるまで待ってくださいな」
「夕方まで待ちきれないんじゃ。明るい内に食べると女性は恥ずかしいものかの? ワシは大丈夫じゃが」
「おじいちゃん、それ、『食べる』の意味違う‥‥」
「おぅ、昨日のティファニーちゃん、おいしかったのう‥‥」
「お爺さま‥‥たべちゃったのですか?」
 微妙な空気が流れる食卓。ロナウドにピンク色のスポット・ライトが当てられる中、カメラはズームアウトしていく。

●爽やかな朝の重い話題の軽い会話
「サラダ、出来ましたよ」
「唐突ですまないがお前達、聞いて欲しい。今まで内緒にしてたが、実は‥‥父さんの会社倒産しちゃった♪ しかも先月に☆」
 サド美の持っていたボウルが床に落ち、カラーン、カランと音を立てる。
 ボウルを撮っていたカメラがズームアウト。
「やっぱり。公園のベンチでため息ついてるだけの仕事なんておかしいと思ったんだ」
「見てたんかい!」
 父さんのビックリ・ポーズにシンクロして硬直する沙羅。
「ねぇねぇねぇ、父さんの会社が、倒産。‥‥な・ん・て・ね?」
 再度、父娘が揃ってビックリ・ポーズ。
「あ、もうこんな時間! ごちそうさま!」
 腕時計を見て、あわてて食事を済ませ、部屋を出て行く沙羅。入れ替わりに、紫音が入ってくる。

「ふぁあ‥‥みんな、朝早いね」
「あなたも早く食事を済ませて学校に行きなさい。授業に遅れるわよ」
「今日、日曜日だよ?」
 高速でズームアウトするカメラ。
「あの子!」
「その内に、『てへっ☆』とか言って戻って来るでしょ。それより、お父さん、会って欲しい人が居るんだけど」
「誰だい?」
「ボクの彼氏。実はもう来てるんだ。ノエルくん、もう入ってきて良いよ」
 紫音とお揃いのパジャマを身に付けたノエルが、登場する。
「おはようございます」
 精神的ダメージを受けながらズームアウトするカメラ。
「お、お父さんの目が黒い内はぁぁ‥‥!」
「子供作るのはまだ早いでしょ!」
 紫音を叱るサド美ママ。
「そんな事ないぞ。ワシの若い頃はのう‥‥あちこちでよろしくやっていたもんじゃ」
「子ども? 赤ちゃんてどうやってつくるの〜?」
 だんだん気まずくなる雰囲気の中、コウノトリのぬいぐるみにズームインした画面に切り替わる。

 何事も無かったかの様に、食卓の情景に戻った。
「そんな事よりサド美さん! 聡史さんを、僕に下さい! 僕は本気です!」
「ポッ♪」
 顔を赤らめるお父さん。
「あ」
 固まる彼氏。
「ノエル君、男の子もOKなんだぁ♪」
 紫音が、ずずぃと彼氏に近寄る。
「ノエルくん♪ 実は、ボクも男の子だったの〜。テヘ☆」
「この家族、大丈夫かな‥‥?」
 食卓の風景は、番組テーマ曲と共にズームアウトしていくのであった。

●嘘予告
「さーて、来週のドン引き一家は?」
「甚子です。わたくし、あくまでも普通の善いお婆様ですわ。和やかな家族の円満な団欒の為、日々努力致しておりますの。
 ねぇ、聞いてくださいよ。嫁であるサド美さん、息子の嫁としてちょっとどうかと思いません?
 お掃除も行き届かず、お爺様の食事も孫の教育もなっていない。ええ、全てサド美さんが不甲斐ないからです!
 こうなったら来週はガムテでみっちり教育ですわね!」
「次回は、『奥様は魔法少女』、『ここにガムテ貼ったの誰!?』、『ロン爺、里帰り』の3本です。また見てくださいね♪」