ラベンダー畑から中継アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
猫乃卵
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
易しい
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/09〜07/13
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●本文
青い空に点々と浮かぶ白い雲。地平線に広がる樹木の帯。大地を埋め尽くす茎葉の隙間から沸き上がる青紫の花。
そこに立てば、風に乗るさわやかな香りが心地よさを届けてくれるのです‥‥
う〜、やっぱ、この時期って言えば、間違いなく『北海道のラベンダー』でしょう! まもなく開花するって!
だから30分の番組一本取って来たよ。北海道、行きましょう。行って楽しんで、ラベンダー畑の魅力を紹介するのです!
スケジュールは、2日を現地での撮影でしょ。予備1日に、前後2日は移動日ね。近くのホテルの予約取ってるよ。
行く所は、個人所有のラベンダー畑です。5ヘクタールは有るという事だから、結構広いよ。早咲きと遅咲きが半々みたい。
加工所と売店が併設されてます。9時から夕方の5時まで営業していて、売り物は色々有りそうだからたっぷり収録出来るでしょう。ドライフラワー、ポプリ、オイルはもちろん、ここオリジナルの商品も売ってるみたいです。そういうのを探してレポートするのも楽しいよ。
番組で購入した花でリースや匂い袋作ったり、お湯に浮かべてハーブバスにしたり、染めた布で枕とかパジャマとか作ったりするのも、もちろん有り!
そういう事で皆、出発までに番組でやるネタ一つ以上考えておく事! いいわね?
●リプレイ本文
収録初日は、ラベンダー畑の散策を全員で行う事から始まった。バスを降りて少し歩くとラベンダー畑が見えてくる。
三条院真尋(fa1081)は、目の前に現れた風景に思わず歓声を上げた。
「まぁ綺麗、一面ラベンダーなのね!」
ティタネス(fa3251)は、初めて見るラベンダー畑の情景に、子供の様にはしゃいでいた。
「きれいだなー。いい香りだなー。‥‥本当に嬉しいって、こういう事なのか? ああ! 来て良かった!」
ティタネスは、全身で喜びを表現し切れなくなったのか、皆の周りを走り始めた。
「ラベンダー、踏まないでね〜」
姫乃 唯(fa1463)が笑って注意する。
「この時期の北海道の風景は清々しくて良いですね」
風間雫(fa2721)の感想に、美角あすか(fa0155)は頷く。
「本当に、北海道の夏の風物詩です」
宝塚菊花(fa3510)も深呼吸しながら同意する。
「うん。やっぱり空気が違うね〜 ラベンダーの紫色が綺麗や〜 しかし‥‥広いね〜」
皆の感想が終わった所で、カメラの前に立っている唯が、きちんと丁寧語を使うお仕事モードにスイッチを切り替える。
「北海道のラベンダーは、今まさに見頃を迎えています! こちらのラベンダー畑は5ヘクタール以上、実に東京ドーム1個が入る広さに、数多くのラベンダーが植えられています。まるで青紫の絨毯を敷き詰めたような光景です!」
一人走り回っていたティタネスは、既にカメラが回り始めていて、皆が散策の為の移動を始めた事に気付き、慌てて皆の後を追う。
あすかもカメラの前に立ち、北海道の涼しさについてレポートする。
「北海道の7月の平均気温は約20度。東京の平均気温約25度と比べますと、人間の体感温度は湿度や風の強さにも影響されますので単純な比較は出来ないのですが、夏の北海道は、さすがに涼しく感じられます」
続いて、キャンベル・公星(fa0914)は、ラベンダーを満喫しつつ、開花期間などについてレポートする。
「こちらのラベンダーは、開花を始めました。桜に例えると3分咲きという所でしょうか。この頃から、ラベンダーの見頃となります。天候に左右されますが、最盛期は例年、7月下旬から8月上旬までとなります」
ひとしきりラベンダーを愛でた後、各自が好きなラベンダー製品を体験・紹介するパートの撮影に入った。
河辺野・一(fa0892)は、ラベンダー畑の中を慎重に歩いていた。
「‥‥やけにミツバチが多いんですよね。というのも、ここでは蜂蜜を作っているからなのです。わたくしは、これからその蜂蜜を使った製品『ロールケーキ』の加工作業を体験してみたいと思います」
場面は変わって、製品加工所の隅。所長を講師役に、ロールケーキの調理体験を収録している。
河辺野が実際に調理しながら、手順を紹介している。
「ボールに卵と砂糖を入れて、軽く混ぜ合わせます。60度のお湯で湯せんにかけて混ぜながら適温になるまで温めます。そうしたら、ハンドミキサーの高速で生地を泡立てます。きめが細かくなったら、ここでラベンダー蜂蜜を加えます。さっくりと混ぜると、はい、甘い匂いのするしっとりした生地に成りました」
更に、あらかじめふるって置いた薄力粉を入れ、軽く混ぜ合わせる。温めたバターと牛乳を加え、生地を作り上げる。あらかじめ温めておいた鉄板で四角く焼き上げると、いっそう蜂蜜の香りが強くなった。
それからしばらくアドバイスを受けながらロールケーキを作り上げると、今度は、付け合せのジャムを作り始める。砂糖の代わりにラベンダー蜂蜜を使ったハスカップのジャムだ。じっくりと丁寧に煮込んで作り上げていった。
レポーター・唯もラベンダー畑の中に居た。
「ラベンダーは早咲きの物と遅咲きの物が半々で、6月下旬から8月上旬位まで楽しめます。そして、あちらに見えるのが加工所と売店です。このフレッシュな花を使った様々なラベンダー製品を購入出来るそうです」
キャンベルは、売店に来ていた。
「こちらは、売店コーナーです。ラベンダーのポプリ、アロマキャンドル、石鹸‥‥色々なお土産が並んでいます。お客の皆様は、見本を手に取って匂いを嗅いだりデザインを眺めたりして、土産物の品定めを楽しんでいます。ここに並んでいる品物は既製品ですが、自分で作ってみるのも楽しいです」
その後、キャンベルはポプリ制作体験教室に参加した。
「ラベンダーの香りには、精神を和らげる効果が有ります。匂い袋として携帯したり、他の布製品に香りを移し、その香りを楽しむ事も出来ます。ポプリは誰にでも簡単に出来ますから、興味を持たれましたら、気軽に製作されてみてはいかがでしょうか」
あすかは、ラベンダーを使ったスティックやファンの製作体験教室に向かった。
葉をきれいに取ったラベンダーを束ね、花の終わった所で束をしっかりと糸で結ぶ。花がぽろぽろ落ちない様に、花の部分を糸で粗く縛ってから、再び根元をしっかりと結ぶ。糸で結んだすぐ上の所で花を包む様に茎を折り曲げ、数ミリ幅のリボンを茎の間をくぐらせて編み込んでいく。編み終わりをリボン結びにすれば、こん棒の様な形のスティックが完成する。
一方、根元をワイヤーで縛ったラベンダーの束を扇状に広げ、根元の方からリボンを茎の間をくぐらせて編み込んで行けば、ファンが出来上がる。リボンの端を処理して、根元をリボンで飾り終えた所で、あすかの顔に笑みが浮かぶ。
「家で自分でやってみた事もあるんですけど、不器用なので、その時は不恰好なものができました。でも今日、この教室でちゃんと教えて貰ったら上手に出来ましたよ♪」
スティックやファンをカメラに向かって小さく振りながら微笑む。
真尋は、ラベンダーオイルを使うアロマエステの体験コーナーに居た。アロマエステを受けながら、ラベンダーオイルの説明を始める。
「芸能人にとって美貌の維持は重要課題ね。ここで使われているラベンダーオイルには睡眠のリズムや体のリズムを整える効果が有って、身体の中から綺麗にしてくれるのよ。そのラベンダーオイルは水蒸気蒸留法と言う方法などで作るわ。水蒸気蒸留法では、ラベンダーの花を蒸しあげて、水蒸気と共に気化したオイルを集めて水を分離したら出来上がりよ」
体験というだけあって、ふくらはぎとか顔面のマッサージを軽く行ってもらえるだけだが、それが心地よく、真尋は途中で少し眠ってしまった様だ。
雫と菊花は、ラベンダー染めの体験教室に来ている。
雫は、夏の空をイメージさせるデザインの夫とペアで着る為のTシャツや娘にあげるパジャマを染めていた。パジャマには香りシートを入れるポケットが付いているので、ずっと香りを楽しむ事が出来る。
「こんな感じに仕上がりました。どうでしょう? 他にも枕やシーツ、スカーフなど色々な物が有りますから、ラベンダー染めを体験されてみてはいかがでしょうか」
菊花は、Tシャツの一部を糸で縛ったり、ロウなどを塗り染まらない個所を作ってから染色する技法にチャレンジした。生のラベンダーを煮出して作った染料液に入れて煮る事数十分、その後媒染を終えたTシャツの出来栄えを確認する。
「草木染めって面白いな〜。これ着て、夏の鬱陶しい季節を乗り切ろうと思うんや。どう?」
ティタネスは、ラベンダーアイスクリームの製造所を訪問している。お願いしてアイスクリーム作りを体験した。
卵黄とグラニュー糖を泡立て器で混ぜたり、牛乳を注ぎ入れながらかき混ぜたり、生クリームを冷やしながら泡立てたり、全部の材料が一つになった所でアイスクリームに仕上げる為に冷やしながらかき混ぜたりと、結構大変だった。だがその後、出来上がった4人前のアイスクリームを一人で完食したので、疲れは吹き飛んだ。
そんな感じで皆思い思い楽しみながら、収録は無事終了しようとしている。最後のシーンは、売店の隅に在るちょっとしたカフェで全員揃ってのティータイムだ。ハワイアンブルーのお茶がカップに注がれると、ラベンダーの花の香りが広がっていく。河辺野の作ったロールケーキとジャムが皆に取り分けられていった。最初にあすかが一口食べ、美味しいと言った。
「ハーブ大好きっ!」
唯は、お茶と甘い物の誘惑に勝てず、通常口調モードに戻った様だ。
ティタネスは、最初の取り分では足りなかったのか、余ったロールケーキを2度3度と切り分けていた。
「‥‥え? 食べるの早い? そうかなあ? これでも、あたし、一応ゆっくり味わって食べてるつもりなんだけど‥‥」
最後はキャンベルが、夕日に染まるラベンダー畑の映像に合わせ、また訪れたいなと呟く。これで、全収録は終了した。