秘密結社Xアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 小田切さほ
芸能 2Lv以上
獣人 フリー
難度 易しい
報酬 2.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/08〜10/12

●本文

 TOMI TVがお送りする特撮コメディドラマ「秘密結社X」では、ただいまキャストを募集中です。世界征服も地道な一歩から! を合言葉に一生懸命悪事に励む組織「秘密結社X」。ひたすら真面目に一途にかつ地味に、悪による世界征服を目指しているのに、正義の味方や一般市民に妨害されてしまうーーそんな笑いとちょっぴり悲哀に満ちたストーリーに、貴方も参加して見ませんか?

☆ストーリー☆
 地下深く、その組織の本部は存在していた。
 核シェルター並みの強固な壁に囲まれた上、指紋や瞳の虹彩による個人識別セキュリティシステムに何重にも防御された、まさに悪の要塞ともいうべきたたずまいである。
 今しもそこで、世界征服の計画は着々と進行していた。
 結社本部最奥部の一室、「極秘会議室」と書かれた札がドアにある部屋である。
「えーでは、秋の行事予定について何か提案のある人、手をあげてー」
 黒板を背に、漆黒のマントをなびかせた幹部の一人が他の幹部たちや改造怪人たち、戦闘員たちを振り返る。
 もちろんセクシーコスチュームの悪の女幹部も健在である。
「はーい」
 一人の改造怪人が挙手をした。
「はい、改造怪人3号くん」
「えーとぉ、秋だから、小学生とかがよく『イモほり遠足』をやるみたいなんですけどぉ、小学生たちが遠足に来る前に、サツマイモを全部掘っちゃうのはどうでしょうか」
「あっ、それ腹黒〜(注:悪の組織での褒め言葉)。でさ、遠足に来る予定の小学生の目の前でスイートポテトとか料理して、見せ付けながら食べちゃうってのはどうかしら? 小学生達泣くわよ、絶対」
「うわあ超腹黒〜♪ 絶対うらやましがるよねー」
 と、甘いもの好きらしい悪の女幹部も盛り上がる。
「あ、あたし大学イモも好きだなー」
 わーい、とはしゃぐ声が戦闘員や改造怪人からも上がる。
「静かに! 3号くんの意見に賛成の人ぉ! はい、過半数ですので秋の行事予定は『いもほり遠足妨害』に決定しましたー」
 ぱちぱちと拍手が起こる。
「どこの学級委員会ですか」などと思ってはならない。
 悪の組織の計画は遠大なのである。
 こうした地道な一歩から、世界征服が行われることが往々にしてある。
 ‥‥いつどこであったのか聞かれると困るが。
「静粛に! 今回の悪の計画のクリア条件は以下の通りである」
 悪の大幹部が、バン! と黒板を叩いた。
 そこには、
一、早起き(午前6時現地集合)
二、忘れ物をしない(軍手、スコップ、ビニール袋、弁当、水筒)
 ※お料理する人は三角巾とエプロンも。鍋やダッチオーブン、木炭等は秘密結社Xが用意します。
三、横断歩道と正義の味方に注意しましょう

 と、達筆で書かれていた。

「特に三番目の正義の味方には気をつけること! 畑に来る途中、正義の味方にやっつけられないように、一人で行動せずにお友達と誘い合ってくるようにしましょう。横断歩道を渡る時は、ちゃんと左右を確認して」
「はーい!」
 元気な返事が返ってきた。満足げに頷く悪の幹部。
「では本日の世界征服計画はこれにて解散である! 皆、今日は早く寝て明日に備えるように!」
「はーい」
 素直に声をあげる結社員たち。
 と、真面目そうな戦闘員の一人が手をあげて質問した。
「おやつは500円以内とありますが、果物はおやつに入るんですか、それともお弁当に入るんでしょうか」
「うーんそいつは難しい問題だ」
 真剣に悩む超美形悪の幹部。悪の覇道に悩みはつきないのである。


☆募集キャスト☆
●秘密結社X幹部(大幹部含む)
●(同)女幹部(大幹部含む)
●(同)改造怪人
●(同)戦闘員(制服貸与、三食付)

 上記以外の他、結社Xの陰謀を妨害する熱血正義の味方とか、「こらっ! うちのイモに何しよるんじゃ」と叱り飛ばすお百姓さんとか、自由に考案の上、ご応募下さい。
上記のキャストでも、足りない場合は適宜NPCを追加したいと思いますので、全ての枠が埋まらなくても大丈夫です。
 とはいえ個人的にセクシーコスチュームの女幹部は必須な気がします(聞き流してください)。
※エプロンやPCの携帯品ではありません。気分です。

●今回の参加者

 fa0013 木之下霧子(16歳・♀・猫)
 fa1385 リネット・ハウンド(25歳・♀・狼)
 fa3141 宵夢真実(23歳・♂・蝙蝠)
 fa3225 森ヶ岡 樹(21歳・♂・兎)
 fa3982 姫野蜜柑(18歳・♀・猫)
 fa4048 梓弓鶴(22歳・♀・犬)
 fa4396 葉桜リカコ(16歳・♀・狸)
 fa4581 魔導院 冥(18歳・♀・竜)

●リプレイ本文

「うぅむ‥‥リンゴは果たしておやつに入るのか弁当の一部と考えるべきか否か」
 引率の先‥‥じゃなかった、秘密結社X(えっくす)の大幹部・ブラックダスク様(=宵夢真実(fa3141))は悩んでいた。ちなみに現在彼は戦闘員と改造怪人数名を引率して目的地たるイモ畑へ歩いていく最中である。右目にモノクル、背には漆黒のマントとダンディーないでたちではあるが、悩みながらも信号の変わり目には横断歩道を渡りかけていた脚をぴたりと止め、
「皆さん。黄色ですよ。赤ではないからといって強引にわたってはいけません」
 とキッチリ交通規則を守り抜くのであった。
 ちなみに彼の背後からガラガラと音がするのは、ダッチオーブンや携帯燃料はもとよりマッシャーやマイ包丁・マイまな板まで搭載した大八車を手ずから引っ張っている為である。
「ブラックダスク様〜、僕交代しましょうか?」
 と気弱そうな口調で尋ねるのは秘密結社X幹部・ピルビット兎田(=森ヶ岡 樹(fa3225))。長い兎さ耳を肩より下に垂らし、タキシード上下を着込み、インバネスコートを羽織っている。悪のダンディズムはちょっと暑そうだ。
「いえ、結構です。君は昨夜遅くまで『遠足のしおり』‥‥じゃなかった、『悪のしおり』を印刷してくれていたんですからね」
 その悪のしおりには、「一般人に会った時の心得‥‥高笑いと名乗りを忘れずに(例:わーっははは、我こそは秘密結社改造怪人●●だ!)」等、悪の結社員の必須な知識が満載である。
「はあ、出来たら来年からは手書きコピーじゃなくてOA化したいです」
 目をこすりながらピルビット。悪のしおりを手書きして、深夜にコンビニでコピーしてたせいで寝不足なのである。ちなみに手書きなのは、未だに携帯電話と親子電話の子機を間違うようなアナログな上司が多くてパソコン&プリンター購入予算の許可が下りなかった為だ。
 さて現地(イモ畑)に到着。
「皆、悪のしおりは読んでくれたかなあ〜? 今日は芋ほり頑張ろうね」
 赤い目をしながらピルビットが呼びかける。はーい、と戦闘員&怪人達がかわいく返事をしつつ、ピルビットの指示により軍手をはめる。
 続いてブラックダスク様がてきぱきと指示を出す。なぜかマントを脱いできちんと畳み、しかも割烹着と三角巾を着用する手際のよさである。
「では、各自持ち場に着くように。芋は大事に扱うこと、怪我や火傷には充分に注意すること。それと、正義の味方の襲撃に備え、気は抜かないこと。以上!」
 そして戦闘員が次々に密かに掘り出してくる芋をピーラーでしゃこしゃこと剥き始める。
 そこへ甘いもの好きの悪の女幹部、レディ・ムーン(=魔導院 冥(fa4581))も鍋をかかえて合流。
 黒のビキニアーマー+黒マント+リベット付ショルダーアーマーという普段着に加え、マントの下に猫の刺繍つきエプロンという姿である。マントの下にエプロンという配慮が心憎い。誰に対するどういう配慮なんだかが謎だが。そのいでたちに大概ミスマッチな軍手をはめ、甲斐甲斐しく石を集めてかまどを作り、木炭を焚いて蒸し器でふかしイモを鋭意作成する。
「そっちは何を作るのだ? んっ、ショコラスイートポテト? ならばそのココアパウダーにはブランデーを一滴たらすのだ! そうするとだなスイートポテトのほのかな甘みにほろ苦さが加わりお口の中でえもいわれぬハーモニーが」
 とレディ・ムーンがいつもの迫力あるアルトに似合わぬきゃるん☆な声でスイート作りの指示を飛ばす。
 と、次々に出来上がってくるスイーツの香りに誘われるかのように、今一人の女幹部が到着。軍服姿にサングラス、皮ベルトに黒皮鞭を手挟んだクールな男装の麗人ユヅル(=梓弓鶴(fa4048))だ。
「ユヅルさん、30分遅刻です。『悪のしおり』にもあるとおり、作戦行動は時間厳守。単独行動で正義の味方に襲撃されたらどうします?」
 とブラックダスク様に叱られるも、開き直る。
「髪型がなかなかまとまらなくてな。それに、真の悪は遅れてやってくるものだろう?」
「まだ後ろがハネてますね」
 と改造怪人の一人がユヅルの髪の寝癖をよせばいいのに指摘し、早速ムチでビシッバシッとお仕置きを食らう。
「おだまり! 人の寝癖を指摘してるヒマがあったらイモ畑征服に勢を出さんかー!!」
「ひいぃ、ごめんなさい―!」
「ふかしイモが出来たぞ♪ 食べる人―」
 ぱらぱらと塩をふりかけていそいそとレディ・ムーンが手料理を給仕している。その隣でブラックダスク様が黙々と茹で上がったお芋を裏ごし中。
「スイートポテトは口当たりが命です。丁寧に裏ごさねば」
 料理が仕上がるにつれ、甘いスイートポテトの香りが濃く漂い始める。
 その香りに誘われるように、畑の所有者らしい老人と孫の二人連れが駆けつけてきた。
「ああっ、じっちゃんが心をこめて作ったイモを!」
「おのれイモ泥棒!」
 老人は鍬で戦闘員に襲い掛かるが、あっさりと抑えられた。
 孫が涙をためて、叫んだ。
「誰か‥‥誰か助けてっ!」
 その時、イモを盗み続ける戦闘員達を蹴散らし、畑を突き進んでくる謎の青いトラクターが! トラクターからバッ! とスカートを翻し、濃紺のスーツに髪をアップにした、若い女性が空中一回転で飛び降りた。
「おのれ、何ヤツ!?」
「明るい農業生活を守る村役場防衛部隊隊長・川澄理央奈(=リネット・ハウンド(fa1385))! 神聖なる大地の恵みと、村の子供達の夢と希望を奪う者は許さない!」
 ビシッと戦闘員達に指を突きつける川澄おねえさん。
「ふふふ、出たな正義の味方。それでこそ悪が引き立つというものだ。‥‥やっちまいな!」
 びしぃ! とムチを鳴らしてレディ・ムーンが命令すれば、「イーッ!」と叫んで戦闘員達が襲い掛かってゆく。しかし川澄が一瞬早くソバットで蹴りつけ、倒れた相手をすかさず抱え上げ、ボディスラムで投げ落として、一言。
「なんですか女性一人によってたかって! 暴力はいけないと思います!」
 ‥‥その言葉そのまま貴女に返します(オイ)。ともあれ川澄おねえさんの活躍により、ほぼ半数の戦闘員が既に戦闘不能である。
「ぽん子の出番ですぅ〜敵を化かしてやりますぅ!」
 と、ミニスカートからむっちりした太ももを剥き出した‥‥幹部の趣味と想われる‥‥たぬき型改造怪人ぽん子(=葉桜リカコ(fa4396))が
「あなたは踊りたくなる〜踊りたくなる〜ぽんぽこぽん〜」
 と暗示をかけるが、「ごめん、今勤務中だから遊んであげられないんだけど」とあっさり川澄にかわされる。
「うわ〜ん玉砕ですぅ〜」
 とか言ってる間に。大幹部ブラックダスク様の指令が下る。
「全員、警戒態勢! ゴミを分別しつつ荷物を纏めて速やかに退却せよ!!」
 わらわれとイモを抱えて脱走しようとする戦闘員達。
 プロレス技では一度に捕らえられる敵が限られる。そこで川澄おねえさんは声を限りに呼んだ。
「マジカルキャッツ殿、お出会いくだされー!!」
 非常時に時代劇言葉になるのは愛読書の影響らしい。呼ばれて、畑のあぜ道に生えている柿の木から飛び降り現れた、魔法少女二人連れ。ちなみにいつのまにそこにいたのかは謎だ。
「マジカルキャッツ☆ 参上っ!」
 ピンクとブルーのフリフリミニワンピを着用し、黒髪から猫耳を突き出した少女二人組みがポーズを取る。
「小学生の夢たる遠足を台無しにするなんて、文部科学省が許してもこの正義の魔法少女隊マジカルキャッツが許さないのです! 正義を歌う魔法少女マジカルピンク、行きます!」
 ピンクのフリフリ魔法少女・マジカルピンク(=木之下霧子(fa0013))が背中に背負ったバイオリンを弾きつつヘッドフォンマイクで歌い&演奏しまくる。
「あなたのその笑顔で♪めろめろきゅー♪」
 なぜか「ぼえ〜」と聞こえる反響で、直接脳にダメージが及ぶ、その歌声とバイオリンの不協和音は既に凶器である。「うわああ!」バタバタと耳を押さえて卒倒してゆく戦闘員達。
「ぐわああ!」「お、おじーちゃん!」
 なぜか一般市民にも被害が及んでいるが‥‥ま、まあ‥‥いいじゃないか、若さに暴走はつきものだ。
「正義の体育会系魔法少女マジカルブルーだよっ☆」
 とブルーのフリフリ魔法少女・マジカルブルー(=姫野蜜柑(fa3982))
 マジカルブルーの武器は長さ六尺にもなろうかという魔法のロッド‥‥というか既に木刀。それで襲い来る戦闘員や改造怪人達をバコボコと殴りつける。
「この魔法のロッドで叩かれると魔法の効果で深い眠りに落ちちゃうんだよ♪」
「つか、それ気絶! 魔法効果じゃないし! って、いやああぁぶたないでっ! わかりました魔法です、魔法です!」
 戦闘員達が叫びつつ逃げ惑う。
 しかも魔法のロッドには「1トン(重さ注意)」と書かれている気がするが、正義のためなら気にしないで置こう。
「ええい、私の楽しみ、もとい、我らの邪魔をするものは、何人たりとも許せん!」
 食欲を中断されたユヅルがムチをひゅんっと振り上げ、マジカルブルーのロッドをからめとろうとした。
 しかし川澄おねえさんがチョップでムチをぶった切る!!
「袈裟切りチョッープ!」
 続いて、マジカルピンクに襲いかかろうとしていた改造怪人を柿の木枝からのスワンダイブで蹴り倒し、両足をロックして押さえつける「市役所固め」で戦闘不能にする。
「あ、脚が伸ばせない〜‥‥いててて」
「くっ、おのれ農村の手先めが!」
 ちなみにもう一人の女幹部、レディ・ムーンは倒れた戦闘員達に応急絆創膏を貼ったりとサポートに徹しているようだ。セクシーコスチュームの欠点、それは体が冷えることである。女性に冷えは大敵、レディ・ムーンはマントの裏側に携帯カイロを貼ってその上背中を戦闘員に摩擦させてあったまり、戦闘態勢を整えようとしているようだ。
「レディ・ムーン様〜、これくらいでいいですか〜?」
「ま、まだ腰が冷える‥‥秋空の下でのヘソ出しはつらいのだ、もっとスピードアップして背中を摩らんか!」
「はっはい〜」
 一方。
「おっと、消火作業に手間取りました。‥‥しかし手加減はしませんよ」
 とブラックダスク様がようやく木炭に水をかけて消火を終え、調理済み&調理しかけのイモをタッパウェアに封印して立ち上がる(ついでにエプロンと三角巾を外す)。
 ブラックダスク様のマントがなびく。すらりと腰のベルトからレイピアを引き抜き、ブラックダスク様がふわりと風を切りフェンシングの構えを取る。
 魔法少女も、手ごわい相手とみて二人背中合わせになり間合いを計る。
 と。
 チャッチャラチャラチャラチャッチャッチャ〜♪
 時ならぬ着メロが鳴る。しかも某料理番組のイントロだ。ブラックダスク様が内ポケットの携帯を取り出した。
「はいもしもしこちらブラックダスク。あ、はいお疲れ様ですー。‥‥えっ、洗濯機が故障? そういう時はですね。風呂場に洗濯板がありますからそれで‥‥えっやり方がわからない? 仕方ないですね、取り急ぎ帰って直々に指導いたしましょう」
 と携帯を切って向き直り、
「残念ながら今日はココまでのようですね。同僚、じゃなかった他の幹部に洗濯の指導をしなくてはならなくなりました。しかしこれで終わったわけではありません、次こそは我々の勝利を約束しましょう!」
 ふわりとマントを翻し、
「フハハハハ‥‥‥」
 と高笑いをエコーさせつつ去ってゆく(注:徒歩)。
「あっ、私の分のスイートポテトまで持って帰らないでよー!」
 とユヅルが追いかけてゆく。
「寝不足に全力疾走はつらいよぉ〜」
 と、ちょっぴりふくよかなピルビットもどこどこどことその後を追いかけてゆく。ぽん子もミニスカートを翻しつつ駆けて行く。
「な、なにあれ‥‥」
「とりあえず、おイモの三分の一位は守れたね‥‥」
 脱力するマジカルキャッツと川澄おねえさんの瞳に映ったのは、
「全員乗ったかー!?」
「はいっ、レディ・ムーン様!」
「行くぞー! リンリン♪」
 ベルを鳴らしつつ結社支給の折りたたみ自転車を漕いでゆくレディ・ムーンと戦闘員&怪人達の団体であった。
 ところで件の、イモ畑の持ち主の孫たる少年のもとに、後日、
「あくまでおじいちゃんとイモ畑を守ろうとした君へ。我々は君のような勇敢な子供が好きだ。いつか我々の好敵手となって楽しませてくれたまえ‥‥レディ・ムーンより」
 というメモのついたスイートポテトが籠一杯届いたそうだ。

「今日の芋ほり遠足は、ちょっぴりおイモが少ないのです。その代わりに、今日は村役場の敷地内にある柿と山ぶどう、栗が取り放題になっています!」
「うわーい♪」
 川澄理央奈の説明に、子供達の歓声が響く。子供達が遠足を楽しむ姿を、暖かい笑顔で見守る川澄とマジカルキャッツがいた。
「良かったですね皆さん! ではお祝いにお姉さんが魔法のマイクで秋の歌をプレゼントしちゃいます♪」
 マジカルピンクの言葉に、「きゃーっ」「ひえーっ」「助けてー!」という、子供達のさらなる歓声‥‥だよな、多分‥‥が青空に響き渡るのであった。