近場戦隊カンサイジャーアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 小田切さほ
芸能 1Lv以上
獣人 フリー
難度 易しい
報酬 0.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 02/03〜02/07

●本文

 日本語と日本文化の乱れ著しい今日この頃。なかでも危機的状況なのは、
 あのっ!
 美しい!
「関西弁」
 そして、ボケとツッコミ、まったりはんなり、ボチボチでんな、「粉もん」
 といった関西の文化である。
「最近若者たちがケータイ文字とか言うものを使うせいか、関西弁のよさがなくなってきてまんがな」
「ほんまでんなー」
「ほな、ぼちぼちいきまひょか」
 等といった激烈な議論の末、関西をこよなく愛する文化人が出資しあい、関西文化を擁護するPR番組(地方局)を流すことになった。
 それが今回の企画‥‥「近場戦隊カンサイジャー」である。
 今回の企画では、以下のようなストーリーを元に、下記に例記するキャストを募集している。関西を愛する皆さんは鋭意参加協力いただきたい。
 
☆ストーリー
 日本全国を標準語化し、地方色をすべて抹消しようと画策する悪の組織「標準語軍団」から関西を守るべく、われらがヒーローが立ち上がった! その名も「近場戦隊カンサイジャー」! 郷土愛を胸に、赤・青・ピンク・黄・緑といったバトルスーツ姿に変身し、戦う正義の戦隊。ただし守備範囲は関西だけであるらしい。名古屋や千葉、そして東北の平和なんて知ったこっちゃねーぜと言わぬばかりの郷土愛っぷり(あくまでデフォルト設定)。
 そして、地方色を「ダサい」と排除しようとする標準語軍団に対し、あくまで関西の名物と名所を駆使した攻撃で果敢に戦いを挑む!

☆キャスティング
「ミナミレッド」‥‥必殺技は「コテコテチョップ」。お好み焼き用のコテで戦闘、および「どろソースビーム」。同じく粉もん専用の濃厚なソースで目潰し。庶民の町「ミナミ」を拠点に活動。コテで敵を打ちのめしまくるパワフルな半面、「なんやかんや言うても、腹減ってんねやろ、な?」と敵の下っ端に情けをかけ、お好み焼きを食べさせ転向させる優しい一面も。

「ヅカブルー」‥‥必殺技「ナルシスビーム」「ダンシングキック」。宝塚オペラ風(?)の男女判別不能なメイクと妖しいダンスと歌により周囲約半径3メートル以内を自己陶酔ワールドに変え、敵を魅了する。とどめは踊りながらの華麗なキック。

「アシヤピンク」(女性キャスト推奨)‥‥必殺技「ピンクドレッシング」「ゴージャスネイル」‥‥関西圏某高級住宅街を拠点に、ブランド物で固めたゴージャスな衣装と敵への歯に衣着せぬファッションチェックで敵の戦意をそぐ。それでもかかってくる敵には、華麗なネイルアートで仕上げた爪によるひっかき&高飛車びんた攻撃。

「ナンバブラック」(男性キャスト推奨)‥‥必殺技「終電クラッシュ」「夜景イリュージョン」‥‥関西の某名所である橋を拠点に活動。かなりの実力者だが、いかんせん夜行性で昼間の攻撃力は半分程度。「彼女、もう終電ないで。どうせやったら朝まで遊んでいかへん?」といった甘い低音ボイスと柔らかな関西弁によるナンパ攻撃、さらに特殊な精神波を出し周囲をロマンチックな夜景に見せるイリュージョン攻撃で敵をメロメロにする。

「ジャガーイエロー」‥‥必殺技「ジェット風船」「伝説の44番ヒット」。関西圏に熱烈なファン層を持つプロ野球団への敬意と愛情をエネルギーに戦う。味方が戦闘で劣勢になってくると、「勝負は七回裏からや!」と叫び色とりどりのジェット風船を飛ばし敵を幻惑。なぜか常に背中にサイン入りのバットを背負っており、気合のこもった打撃で敵をふっとばす(ただし近接した状態でのみ攻撃可)。

 他、関西の名所をイメージしたキャスト、必殺技なら自由に追加&変更可。
 例:「ギオンホワイト」「キシワダグリーン」等。

「標準語軍団」‥‥その詳細は謎に包まれている。幹部はかなりの美形であるらしい。 地方色すべてを忌み嫌っている。町で子供達に「お正月のお雑煮、どんなだったかなー?」と聞いて回り、「清まし汁に丸もち」と答えないと誘拐して洗脳を図るという、半ば都市伝説的存在となっている。
 「ヒルズビーム」「オダイバスプラッシュ」といった恐ろしい精神攻撃を駆使するらしい。

●今回の参加者

 fa0201 藤川 静十郎(20歳・♂・一角獣)
 fa0485 森宮 恭香(19歳・♀・猫)
 fa0669 志羽・武流(21歳・♂・鷹)
 fa0922 亀山 綾(18歳・♀・亀)
 fa1013 都路帆乃香(24歳・♀・亀)
 fa1731 大城バクヤ(25歳・♂・虎)
 fa2341 桐尾 人志(25歳・♂・トカゲ)
 fa2878 火野坂・猛(29歳・♂・猿)

●リプレイ本文

 水の都・関西。所はまさにエビス橋。誰が呼んだかひっかけ橋。
 愛嬌ある雰囲気をもつ一人の女性が、川面を見つめ、さびしげに佇む。大柄な作業員風の男が声をかけた。
「どないしたんや? そんなとこで立っとったら、ホストに客引きされるで?」
「心配していただいて、ありがとうございます」
「お? 標準語やな。さては大阪観光に来て、道に迷ったんけ?」
「えっ‥‥私、訛ってないですか? いつも関西訛りが残ってるって叱られるんです」
「訛ってどこが悪いねん。元気出し、訛りも個性や」
「ありがとうございます。関西弁ってあったかくて、好きだな‥‥はっ、いけない!‥‥関西人は敵、敵なのよ!」
 自分に言い聞かせようにつぶやいて、女性がふいに表情を変えた。
「関西人、お前は敵! 『名刺カッター』!」
と、名刺を乱れ投げ。しかもその名刺、石橋にすら刺さる恐怖の合金製である。
「む? ただモンやないな?」
「ふっふふ‥‥標準語軍団戦闘員(=都路帆乃香(fa1013))よ!」
「残念やけどこっちもただモンちゃうで、変身っ!」
 キラーン☆空中一回転して舞い降りてきたその男の真の姿は、
「近場戦隊カンサイジャー、『キシワダグリーン(=大城バクヤ(fa1731))』!」
 岸和田名物だんじり祭りのエネルギーを駆使して戦う正義の戦士! 緑のバトルスーツにはなぜか鉢巻&地下足袋が組み込まれた、ある意味とっても謎の戦士だ!
「必殺『大綱スイング』っ!」
 だんじりをカーブさせる「やり回し」の要領で大綱で敵をからめとり、スイングさせる力技だ!
「いっ、いやああ〜」
 戦闘員、目を回して倒れ。よろけながら起き上がると、逃げていった。

 ★標準語軍団司令部★
「何‥‥『カンサイジャー』だと? そんなダサい連中にしてやられたというのかっ」
と、王座の上で足を組み、戦闘員を説教する標準語軍団四天王が一人、「銀座将軍ギンザセレブ(=志羽・武流(fa0669))」。
 罵声と共に白皙の眉間に前髪ハラリ。ううん、お・と・こ前っ。
「も、申し訳ありませぬ」
「即刻、反撃するのだ!」
 
 翌日‥‥夜。再び「ひっかけ橋」。道行く関西人に腰低く名刺を差し出す謎の男。
「お時間よろしいでしょうか。私こういう者で‥‥」
 眼鏡の下には思いがけない程切れ長な瞳が隠されているようだ。一人のOL風の女性が呼び止められ話に聞き入っている。
「美しい女性の唇から美しい標準語‥‥これ以上似つかわしいものはありません」
 と絶妙〜なタイミングで眼鏡を外し男前〜な素顔を見せ付ける謎の男、実は標準語軍団四天王が一人、新宿将軍カブキナイト(=藤川 静十郎(fa0201))!
 と、横を通りすがった一人の若い女性が‥‥
「方言は日本の宝! 文化! 画一化されたら魅力なんて半減以下やっ!」
「なに‥‥標準語『なんか』だと?」
 カブキナイトの瞳が冷たい光を帯びる。
「お〜確かにええ男やね。けど、標準語みたいなむずがゆいもんで口説かれても、ときめかんな!」
「貴様、何者!?」
「変身っ! キラーン☆」
 空中一回転とともに舞い降りてきたのはピンクの関西戦士、ナントピンク(=森宮 恭香(fa0485))! 古都奈良の文化と伝統を武器に戦う優雅な女戦士!
「行くで、ホーンアタック!」
 奈良の守り神、鹿の角を模ったヌンチャク攻撃!
「ふ、やはり出てきたか、カンサイジャー‥‥行くぞ『ロマネコンティスパーク』!」
 ひらりと橋の欄干に飛び乗って攻撃をかわしつつ、カブキナイトの必殺技! 超一流ホストとして修行を積んだカブキナイトならではの、高級酒の芳醇な香りと共にコール幻聴が鳴り響き、女性を陶酔させる恐るべき技だ! ちなみに男性敵には言い知れぬ敗北感ダメージとなる。
「罠やったんか‥‥くっ、あかん‥‥男前は見てしまう」
 微笑と共にカブキナイトにグラスを差し出され、さすがのナントピンクもピンチである。どうするナントピンク! しかし間もなく空中に、赤、緑、黄色、そしてなぜかシルバーの輝きがキラーン☆近場戦隊カンサイジャー全員集合!
「ミナミレッドでっせ。もうかりまっか?」
 と、「楊枝シューティング」‥‥たこ焼きに用いる楊枝をリボルバー状の楊枝挿しから飛ばして戦う赤の関西戦士、ミナミレッド(=桐尾 人志(fa2341))! 「大阪府民は一家に一台たこやき機」の熱い信念に燃え、関西の食生活のすばらしさを世に問いかける、灼熱の戦士だ!
「関西弁のどこが悪いねん! これがわいらの標準語やでっ。とくと関西の良さ、その身に叩きこんだる。これでも食らえっ、『魂のメガホン攻撃』!」
 と、愛用の黄色と黒のメガホンを武器に、某球団応援歌を歌いまくり逆洗脳する黄の関西戦士、ジャガーイエロー(=火野坂・猛(fa2878))! 某球団が不調の時も、ただひたすらその球団への愛情ゆえに戦う、ある意味非常にけなげな戦士だ!
「お笑いの暴走特急『ウメダシルバー』!! ってシルバー言うたらふっつー六人目の色やないの? 最初やったら強そうに出てきて仲間になるとヘタレになってまう色やん? イヤやわぁ〜って、そこのあんた、フォローせんかい!」 
 ズビシ!! と愛用の合金製武器「シルバーハリセン」で戦闘員達に殺人的ツッコミをかます銀の関西戦士、ウメダシルバー(=亀山 綾(fa0922))。メジャーな喜劇専門劇場に集まる笑いのエネルギーを攻撃に変え、ビシバシとツッコミ入れまくるパワフルな戦士だ! ただしこのツッコミ、味方にも容赦ないのである意味とっても危険な戦士だ!
「おのれ、カンサイジャー!」
 先ほど標準語軍団に勧誘されかけていたOL風の女性‥‥実はそれは標準語軍団戦闘員の変装だった!
 変装をとき、標準語軍団戦闘員標準装備‥‥ややこしいわい! ‥‥つまり、ラメで胸に東京タワーを描いたバトルスーツ姿に戻った戦闘員が、恐怖の飛び道具・名刺カッターを次々に投げてくる。
「ちょう待てや! さっきのねえちゃんやないかい! 言うとったやないかい、『関西弁はあったかい』って! 関西弁の良さを知るもんがなんで関西を攻撃せなあかんねん! 目ぇ覚まさんかい!」
 緑の関西戦士・キシワダグリーンの呼びかけに、はっと固まる戦闘員。
 人情無くして成り立たぬ祭りのエネルギーに裏打ちされた、キシワダグリーンの言葉は荒くとも温かい。そこへ、ミナミレッドが、関西発の食文化のひとつ、「恵方巻き」‥‥節分にその年の縁起の良い方角を向いて食べる風習のある(関西限定)巻き寿司である‥‥を差し出し機転の一言。
「ほなテストや! 今年の恵方はどっちでしょう?」
「えーと、『南南東』?」
「やっぱり‥‥貴女の魂はまだ関西人のままなんや!」
 ナントピンクの呼びかけが、心に響く。
「う‥‥私‥‥私は‥‥ほんまは好きやってん‥‥関西弁も、粉モンも‥‥」
 洗脳がとけ、泣き崩れる戦闘員。
 そこへ、黒のロングコートをなびかせ、美女ぞろいの取り巻きに囲まれ、銀座将軍ギンザセレブ登場! 
「貴様達がカンサイジャーか。さっさとケリをつけてやる。やれ! 戦闘員共!」
 女性カンサイジャー(ナントピンク、ウメダシルバー)をイケメン二大将軍からかばおうとする男性カンサイジャー達を新宿将軍カブキナイトの長い美脚による蹴りが襲う!
「そこだ! ナンバーワンホストキーック!」
 カンサイジャー苦戦! ついにギンザセレブが最終攻撃!
「ふっふふ‥‥君に素敵な星空を見せてあげよう‥‥最終兵器ミリオンスターミラージュ!」
 特殊な精神波を放出し、周囲約5平方メートルを美しい夜景に見せ幻惑する必殺技。特に女性にはめちゃ有効。男性には攻撃しない、というより無視なカブキナイト。
「あ、あかん〜男前や〜‥‥な、何か弱点は‥‥」
 がっくり膝をつきそうになるナントピンクの前に、何かが差し出された。
「これを使うておくれやす」
 洗脳が解けた戦闘員が差し出したもの、それは‥‥高級煙草であった。ナントピンクがそれを口にすると、ギンザセレブ、カブキナイトがその前にひざまづく。
「くっ‥‥煙草を出されたら火つけに跪く‥‥ホストの条件反射を利用するとは‥‥」
「ふっ思い知ったか、勝負は七回裏からや!」
 色とりどりのジェット風船を飛ばし、敵が体制を立て直すのを妨害するジャガーイエロー!
「そぉりゃぁッ! 『だんじりチャージ!』」
 キシワダグリーンの超必殺技が出た! 数百年の伝統を持つ祭車の幻影とともに、山車担ぎで鍛えた強肩による強烈な体当たり技である。右に左に、戦闘員が凪ぎ倒される。
「『ディアウェーブ』!」
 精神波により古都に住む鹿の大群の幻影を見せ、敵の動きを固めるナントピンクの必殺技である。
「くらえ、伝説の44番ヒット!」
 かきーん! ジャガーイエロー、会心の打撃です! 夜空に弧を描くホーーーームランッ!
「覚えていろ、カンサイジャー! 貴様等に受けた屈辱は忘れん!」
 ギンザセレブの捨て台詞と同時に、なぜか空中から大量の薔薇の花びらが舞い散り、逃走する二大将軍の行方を晦ました。まだ戦いの明日は訪れる、がんばれカンサイジャー!
「ちゅーことでまずは腹ごしらえやね。さー、皆はんご一緒に!」
 ミナミレッドの差し出す恵方巻きを全員で食べる。ちなみに食べ終わるまで無言なのがお約束だ!
「‥‥‥‥」
 無言で終わりかいっ!