秘密結社X〜海が好き!アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
小田切さほ
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芸能 |
4Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
易しい
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報酬 |
14.8万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/05〜07/09
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●本文
秘密結社X。
それは人知れず世界征服を企む悪の組織である。
彼らの合言葉は、「世界征服も地道な一歩から」。
いつかこの小さな悪事が、世界征服につながると信じて、彼らは今日も地道に悪を働く。受験生の前で派手にバナナの皮を踏んですべってみせるとか。「いや〜、『滑って』溝に『落ちちゃった』よ〜☆」とトドメの台詞を口にするのも忘れない。
そして‥‥
今も、彼らの悪の計画がひそやかに進行しつつあった。
秘密結社X本部。
そこは某地の山中深くにある巨大な要塞。特に地下にある中枢部は、結社員のみしか入室できないよう、瞳孔をスキャンして識別する生体認証と、バズーカ砲の弾丸すら跳ね返す超合金扉に守られている。
そして扉の先には、結社の悪の計画を進めるためのさまざまな部屋がある。特殊武器が収納されている部屋や、改造怪人達の手術が行われる手術室などがそれである。
その一室‥‥「会議室」とプレートのかかっている部屋で、結社員たちは悪の計画を進めつつあった。
窓際のホワイトボードを前に、「コ」の字型に並べられた机には、ところ狭しと悪の幹部(大幹部を含む)、セクスィーコスチュームの悪の女幹部(悪の業界では女幹部はセクスィーコスチュームがお約束である)、さまざまな能力を強化された改造怪人、そして猫耳つき黒タイツ姿の戦闘員達が席についている。
「本格的な夏が来る前に、何か悪事を働こうではないか」
というのが、その日の議題であった。
はーい、と改造怪人の一人が挙手をする。
「インターネットの掲示板で見たんですけど、6月某日、海開きに備えて○○海水浴場の浜辺クリーン作戦があるそうなんです」
「クリーン作戦って、あれか。ゴミを拾ったり掃除して、帰りに『うまい棒』とか、ラムネとか、景品がもらえるやつ?」
と、マントをなびかせた美形幹部の一人が確認する。
はいそーです、と改造怪人は答えた。
「なんとそのクリーン作戦に、『正義の味方』が参加するそうなんですよ!」
「なに、正義の味方だと!?」
にわかに会議室が色めきたった。
悪の秘密結社Xにとり、正義の味方は憎んでも憎み足りぬ宿敵であった。
これまでに何度も‥‥「幼稚園児の芋ほり遠足を妨害する作戦」や、「女装メイド喫茶を開き一般市民を洗脳する作戦」や、「激マズチョコレートを配りバレンタインで盛り上がるバカップルを地獄に落とす作戦」や、「温泉旅館のっとり&カニ鍋横取り作戦」を妨害されているのだから、むべなるかな。
‥‥つか、もっとましな計画立てろという感もいまいち捨てきれないのだが。
ともあれ結社員たちは、是非にも正義の味方たちの浜辺クリーン作戦を妨害してやろうじゃないかと盛り上がった。
「待て、どうせなら、折りしも場所は『海』! これを利用して、正義の味方たちをたらしこんでうまいことわが結社側に寝返らせようではないか!」
という大幹部の一言で、そっち方面でも積極的な意見交換がなされた。
白い歯をキラリと輝かせて、いい色に日焼けしたイケメン幹部の一人が言った。
「はいっ。俺は得意のサーフィンで波間からさっそうと現れ、正義の味方を『カモーン』と勧誘してみます!」
「あたくしはビキニで誘惑するわっ! しかも貝型潜水艦で浮上して『ビーナスの誕生』風に登場しまーす!」
せくすぃー女幹部の一人が言った。まだ浜辺は寒いぞ。
「ならば拙者は、『海の家』を乗っ取り、奴らが疲れた頃に素材から選び抜いた絶品焼きそばに冷たい飲み物で陥落いたしまする!」
と改造怪人。
てな具合に、秘密結社Xの面々はそれぞれに、正義の味方による浜辺クリーン作戦を阻止し、正義の味方を寝返らせる作戦に胸をときめかせるのであった。
☆特撮コメディ「秘密結社X〜海が好き!」募集キャスト
●悪の幹部(大幹部含む)‥‥悪の計画遂行において作戦指揮を主に担当する。
●悪の女幹部(大幹部含む)‥‥任務は主に作戦指揮だが、衣装は基本的にセクシーコスチュームがお約束。
●改造怪人‥‥様々な能力を強化された怪人達。見た目には普通の人間と変わらない者もいます。※特殊能力明記のこと。
●戦闘員‥‥猫耳黒タイツ姿に身を固め(変装することも多い)、幹部達の指揮のもとに働く悪人達。
●正義の味方‥‥敢然と悪に立ち向かい一般市民の平和を守る人々。※「コスチュームと格闘スタイル・必殺技名・決め台詞」明記のこと。
●その他、巻き込まれる一般市民など
※結社側の作戦としては、正義の味方を誘惑・倒すどちらでもOK。
※ちなみにたいがいどのキャストも毎回ロクな目に合ってない気がするので、ある意味平等です。
●リプレイ本文
●言えなくて、夏
ざっぱ〜ん‥‥
一面に広がる白い砂浜が印象的な海岸。まもなく海水浴場としてオープンされる予定だが、今日はそれに先駆けての浜辺クリーン作戦の日。一人の男が、ここを訪れた。
「波音が俺を呼んでいるぜ‥‥」
ムキムキッ。
ビキニパンツいっちょで重量級の見事な筋肉を晒し、フロントポーズを取る正義の目方、いや違った味方、グラウンドシェイカー(=かいる(fa0126))。
サンオイルを塗りたくったボディをテカテカさせている彼は、てっきり浜辺で海開きのイベントがあり、筋肉を披露できるものと思い込んでいたようだ。
しかし待ち構えていたボランティアリーダーに「じゃお願いしますね」と無造作にごみ集め用のビニール袋とトングを渡され、
「何〜! イベントのビルダーに呼ばれたんじゃないのか、俺」
と、がっくり肩を落とす。ともあれごみ拾いに精を出すGシェイカー。
そして今一人、クリーン作戦に参加する正義のヒーローがいた。冬にバレンタインチョコをめぐる秘密結社Xの陰謀に巻き込まれ、それと直接は関係ないが危険なチョコを食べて以来、体調を崩していたメキシカンニンジャ・マシラ(=マリアーノ・ファリアス(fa2539))。なぜメキシカンで忍者なのか謎が謎を呼ぶ謎の男。服装はもちろん極彩色のポンチョとソンブレロなメキシカンスタイルである。ゴミを拾い上げるたびに、
「おぉーっとこんなところにゴミが! 美しい女性たちが美肌を晒す場所に、こんなゴミはふさわしくなぁーいっ!」
いちいち大げさにリアクションをするのは、周囲の女性たちの視線を意識しているからだ。正義の味方ならそれらしく黙々と役目を果たす方がカッコよいのだが、そう出来ないのがマシラクオリティ。
「ねーねー、海開きになったら、きれいになった浜辺で一緒に遊ぼうね♪」
「‥‥はい?」
あらまー早熟な坊や、などと声をかけた女性に思われていることなど意に介さず、同じボランティアの女性から貝拾いしている小学生の女の子まで、ナンパしまくるのであった。それでもナンパしながらも一応ゴミを拾っているところはさすが正義の味方。
そして浜辺の一方では、制服姿の高校生男女がドラマを繰り広げていた。
「よ、横山先輩‥‥っ。きょ、今日のクリーン作戦で浜辺がきれいになったら、ここで、デ、デ‥‥」
ゴミ拾いしつつ、傍で同じくクリーン作戦に参加している高校生にほほを染めて思いを伝えようとする、学校制服の白ブラウスが映える小麦色の肌の美少女(=咲夜(fa2997))。
実は、正義の味方ブレザー制服美少女戦士ブレザー・ドラゴンの、日常の姿である。
「‥‥っその、デアミドフしませんか?」
「えっ、前振り片手支持1回ひねり倒立を?」
デートして下さいと素直に言えなくて、さらにぎこちなくなるドラゴンちゃん。今日は憧れの横山先輩にボランティアに誘われ、もはやゴミ拾いどころじゃないほどときめいている。
だが、その一方で、浜辺に並ぶ「海の家」では、ひそやかに陰謀が進行しつつあった。一見平凡なトタン板製の海の家だが、実は秘密結社Xに既にのっとられていた。海の家での定番メニュー、焼きそばやカキ氷などの質を落とすべく暗躍するは会計担当女性戦闘員・アオイ(=森村・葵(fa0280))。安価で材料を仕入れ、高額で売り捌く現代の錬金術を画策中。まずは焼きそばの具材を無料調達。野草や海で採れたワカメ。当然肉はひとかけらも入っていない。
むっちりボディに猫耳&尻尾、ビキニ水着に超ショートエプロン姿のアオイはほくそ笑む。
「自給自足なら仕入れもタダ、売り上げがそのまんま純利益ですネ。名付けて『ぼったくりプールバー大作戦』ですネ!」
って、プールじゃないしそもそもプール違いなんだが、そこをツッコむのは野暮というものである。飲み物もジュースやお茶など各種用意はあるが、アオイの徹底した節約戦術により、通常の5倍は水で薄めてある。そして焼きそばを売りさばく戦闘員たちは、アオイの提案によりアオイにならって水着エプロン+ネコ装備一式の戦闘員服海水浴仕様。調理するのは、赤いビキニの上にフリルつきの黒いエプロンを着た女幹部ジョウ(=門屋・嬢(fa1443))と、ゴスロリっぽいフリフリ水着を着た改造怪人タテポ(=神代タテハ(fa1704))。
ちなみに、ジョウはもう少し材料費を欲しいと予算交渉をしてみたものの、悪の事務員金田富子(=リネット・ハウンド(fa1385))ににべもなく却下される。富子は文書管理から出納事務、出勤簿の整理まで事務処理を担当する事務担当員である。
「駄目です! 正義の味方を篭絡するためにも、悪の節約術を貫くのです! たとえ十年来の親友と食事に行っても、1円単位までワリカンにする、そして店に置いてあるものは塩コショウからティッシュ、かばんに入るサイズのものなら何でも持ち帰る、それが秘密結社員。正義の味方共も、この悪の美学に必ずや魅了されるでしょう」
なんたって、貯金が増えるのですよっ、と真紅のボンデージ風キャミソールに毛皮つきボレロ、顔には赤い十字を描いた派手な格好になぜか出納簿とメモ帳を小脇に抱え、鉛筆を耳に挟んだ富子に言い負かされ、開き直るジョウ。
「えぇい、面倒だ! 材料は適当に使って、適当に調理すればいいんだ! 薄利多売が秘密結社Xのモットーだ!」
いや、そんなにがんばらなくても実は料理が超下手なジョウであった。
「今日は海らしく、ワカメいっぱいでヘルシー焼きそばにするニャ! そうだっ、フジツボも入れてみるみゃ♪」
‥‥ちなみに、外見は愛らしい少女にしか見えないタテポは味覚破壊怪人である。
● 減摩大戦
「ねぇ、そこの彼女―。海の家で休憩しない? そのモチ肌が日焼けしたら勿体無‥‥ん?」
相変わらずナンパしまくりつつゴミ拾いをするニンジャマシラは、浜辺の女性たちの視線がどこかに集中していることに気が付いた。
それは、海パンに麦わら帽子とパーカー姿で、アイスボックスを積んだ自転車を押しつつ浜辺に現れた長髪白皙のイケメン‥‥実は秘密結社Xの幹部・カイン・ド・マルキ(=神楽坂 紫翠(fa1420))
「いらっしゃい。疲れた時には、冷たいアイスクリームでもいかがです?」
「あっ、あの、それじゃ抹茶アイス」
「ついでに、これもどうぞ? 日焼け後の肌に効くローションです」
「ねえねえ、貴方がそのローション塗ってくれるのぉ〜?」
きゃあきゃあと女性たちが集まる。
「べ‥‥別にマシラも水着姿のオネーサンにローションぬりぬりしたいなんて思ってないんだからネッ!」
と呟き一人で海の家に入っていくと、待ち構えていたのは女幹部ジョウ。
「いらっしゃぁい♪」
と頭を下げて、胸の谷間ちら見せ作戦!
目が釘付けになりながら焼きそばを注文したニンジャマシラ、ジョウの作った海草&野草焼きそばを食べて、目を見開いた。
「こっ、このまったりとした食感はっ! おねえさん、料理の天才っ!?」
谷間効果、それともニンジャマシラ、2月の悲劇以来胃腸が鍛えられたか。
「ほんとかい? おーい、タテポ、おかわり一丁!」
ジョウが厨房に声をかけると、おかわりを運んできたのはタテポ。
「あっ‥‥キミは」
「あっ‥‥あの時のお兄さんだみゃん☆」
マシラとタテポ、運命の再会。
「今度こそ、ずっと仲間でいてくれるみゃん?」
「うん、約束するッ!」
マシラ、あっさり秘密結社Xに寝返り。早っ。ところがそのとき、食堂に入ってきたGシェイカー。
「おねいちゃん、とりあえず全部20人前」
と、ありえない量の注文をし、運ばれてきたそれを次から次へと平らげる。
「あ“−、食った」
と、完食してお茶をずずっと飲んでから、叫ぶ。
「不味い!こんな不味いのは初めてだぞ!」
「って言いながら全部食ったじゃん」
冷静にツッコむジョウ。
「まあ俺は色んな意味で鍛えてあるから苦にはならんが、一般人にはちょっと今の焼きそばはキツイぞ! 肉はひとかけらも入ってないし、そこらへんの野草とか海草入れてただろう!!」
「フッフッフッ‥‥そこまで見抜くとはたいしたものです」
厨房から含み笑いとともに現れる女幹部・富子。
「ですが、海の家の料理に味を期待する方が間違っています。おいしい料理が食べたかったら街のファミレスにでもお行き! やっちまいな!」
指をぱちりと鳴らすと、戦闘員達が「イーッ!」という雄たけびとともにGシェイカーに襲い掛かる。
「貴方の心にシーズンオン! グラウンドシェイカーッ!」
気合声と共にGシェイカーが虎縞アイマスクにバミューダパンツの、正義の味方の正装となり、必殺技「グラビティクエイカー」を繰り出す。
「うおぉぉ!」
それは拳でを振り上げ、思い切り体重を乗せたパンチを地面に叩きつけ、大地に震動を起こし周囲にダメージを与える技。
「ひえー!」
戦闘員達はふっとんだ。からくも踏みこたえた富子、タテポ、ジョウ、ニンジャマシラは応戦体勢に。と、そこへ、ガラッと勢いよく海の家の扉を開き、一人の少女が乱入した。
「せっかく横山先輩といいムードになりそうだったのにっ‥‥こ、この焼きそばがすべてをぶち壊しにっ‥‥」
それはブレザー・ドラゴンであった。ようやく横山先輩に、
「こ、今度はあたしから誘って、いいですか? あの、映画とか‥‥」
と、アプローチを試み、
「うん。いいよ」
横山先輩が微笑み、いい感じになりかけた瞬間。
グラビティシェイカーで吹っ飛ばされた戦闘員と焼きそばが、横山先輩の頭上に落下した。先輩はもちろん即失神。ムードはぶち壊しとなりブレザー・ドラゴンは怒り心頭!
「カップル成立を邪魔する者は、例え天地が見逃そうとも、私の正義が許さない。すべてのラブを守り抜くブレザー制服美少女戦士ブレザー・ドラゴン! 聖なる裁きを受けなさい!」
愛用のヌンチャクをブンブン振り回し、戦闘員達をなぎ倒す。ニンジャマシラはそんなドラゴンを見て、半ば本能的にナンパする。
「そこの、強くてカッコいいオジョーサン! 携帯番号教えて!」
善悪区別なくナンパしまくるマシラに、「お前はどっちの味方なんだ」とその場にいた全員が詰寄る。マシラは胸を張って堂々と答えた。
「可愛い女の子たちとキレイなおねーさんたちの味方ダヨ!」
カーン!
ブレザードラゴンの必殺技・ドラゴンインパクトがマシラにツッコミクリーンヒット!
飛距離:300ヤード(何)。
「えぇい、悪と正義の戦いは、肉弾相打つ筋肉戦であるべきですっ!」
富子がついに出納簿とメモ帳と電卓を投げ捨て、Gシェイカーに戦いを挑んだ! つかみにかかるGシェイカーに真っ向からのDDT攻撃!
「皆さーん、一世一代の勝負が見物できますヨー!」
アオイがすかさず、メガホンで砂浜にいた人々を見物に呼び集める。もちろん入場料200円をちゃっかり取ることも忘れない。なぜ200円なのか。それは彼女の平均昼食代だからだ。
しかしGシェイカーの重量でつかみきれずカウンターでショルダースルーで投げられる。戻ってきた戦闘員にぶち当たった富子もすかさずリバウンドでショルダータックル。
「ぐっ!」
そのすばやい攻撃に、Gシェイカーが一瞬よろめいた。くるりと富子の体が回転し、彼女のトラースキックが決まったかに見えたが、その時異変が。
「ま、満潮だー!!」
ズブズブと浸水し始める海の家。もともと超節約建設で、耐震構造も偽造されていた上、海岸線ぎりぎりに建てて冷房代を節約していたためだ。
ガタガターン!
「うわあああ〜!」
正義の味方も秘密結社Xも、崩れる家から逃げ出した。
「な、何がなんだかわからんが、しょせん悪はこのように滅びるのだ〜!」
ムキッと砂浜できめ台詞と共にポーズを決めるGシェイカー。
「キー! おのれ正義の味方たちめ、覚えていなさい!」
富子は出納簿の砂を払って抱え上げ、戦闘員達に命じる。
「イーッ!」
海の家の材木とか調理器具を回収する戦闘員達に、富子が一言。
「焼きそばもです! もったいないオバケが出ますよ! それは貴方達の明日の朝食にします!」
富子に叱り飛ばされ、泣く泣く戦闘員達は節約料理を回収するのであった。幹部の特権と、富子は一人タクシーで優雅に帰還。
「次こそは‥‥次こそは成功させてやるっ!」
ジョウが沈みゆく夕日に向かってダッシュする。
そうだあきらめるな、そいつが青春だ!(何)
そんな事態とは何の関係もなく。
「また正義の味方が出ましたか‥‥懲りませんね。この暑いのに、余計温度が上がるじゃありませんか‥‥」
砂浜で、商売もののアイスを食べながら風に吹かれるカインがいた。だが‥‥
「ねぇ、そんなことよりビーチボールしましょ♪」
「フ、仕方ありませんね。たまには少し日焼けでもしますか」
「やった〜☆」
水着ギャルにわいわいと囲まれていたので、特に不満はない。ひたすら自らの快感原則にのっとり行動する男、カインであった。
●負けないもん!
「やはり、今は中国株です! 思い切って買っときましょう!」
「元本割れしたらどうしマス!? タンス預金が確実なのですネ!」
海の家の売り上げをめぐり、真剣に議論をかわすアオイと富子。
さて、遠く離れた海の上‥‥
ドラゴンインパクトで飛ばされたマシラが、流木につかまって漂いながら、海に向かってナンパしていた。
「おーい、人魚姫―。素敵な王子様を助けに来るなら、今ダヨー♪」
寄せては返す波だけが、その声にこたえるのだった。