ザ・ファイトマンヨーロッパ

種類 ショート
担当 大林さゆる
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 やや難
報酬 9.5万円
参加人数 12人
サポート 0人
期間 01/15〜01/20

●本文

●基本設定
 冥王星が惑星から除外されてから数百年経ち、衛星カロンが何らかの時空波により、大気が発生した。それに逸早く気が付いたのは、太陽系の外にある銀河系からやってきたカローン星人であった。
 地球人が衛星カロンの環境変化に気がつくのは、それから数十年経ってからのことであった。その頃にはカローン星人が作った人工物や建物が発見され、地球に住む科学者たちは人類の恐怖によるパニックを危惧して衛星カロンについての内情はトップ・シークレットとなった。
 そんなこともお構いなしに、衛星カロンには外銀河系からの格闘家たちが集うようになっていた。なぜならば、この衛星では掟が三つしかないからだ。

1.生物がいると思われる星を破壊するなよ。
2.生物を無益に殺めるなよ。
3.格闘家以外の者に迷惑だと7回以上言われたら、即退場すること。

 それさえ守っていれば、衛星カロンでは何をしてもいいのだ。無法者たちにとっては少し居心地が悪い衛星であったが、格闘家たちにとっては都合の良い闘いの場となってしまった。大気が発生したとは言え、地球の環境と比べると常人には暮らし難い場所であった。それ故、それなりに強靭な肉体を持った者でなければ生き抜いていくのは困難であったのだ。


●主な物語の流れ
 バトルです。基本的には自分で指名した相手と闘うことができます。逆指名された場合は戦うか否か、指名された者が決めることができます。断られた者は別の相手を選択、または残った相手と闘うことになります。乱戦も可です。そして、最後まで勝ち抜いた者が『衛星カロン』においては英雄として讃えられます。いたってシンプルな話ですが、『ドラマ』だということを意識して演技して下さい。
 路線は特に決めていませんが、完全なシリアスではありません。笑いあり、涙ありはPCさんのプレイング次第です。ギャクっぽいのもある程度は大丈夫です。


●お約束のパワーアップ
 半獣化、さらに獣化も可能です。演出の一つとして取り入れて下さっても構いません。人型のままだと倒される可能性が高いです。


●お約束の必殺技
 半獣化、獣化して使用できる能力は『必殺技』として演出できます。ぜひとも積極的に(ドラマを盛り上げるために)使って下さい。ただし、あくまでも『演技・演出』として使うという意味です。


●主な登場人物
キング・デューク‥‥キングと言っても王という意味ではない。アフロヘアで、ラテン系のノリ。
クィーン・ジェム‥‥クィーンと言っても女王という意味ではない。宝石に目がない。
ジョーカーM‥‥ジョーカーと言っても愚者という意味ではない。トリッキーな動きが魅力。
スペード・リース‥‥酒好き。地球に興味がある。根は小心者だが、本番に強い。
ハート・マルク‥‥外見は可愛い。よく分からない物体のヌイグルミを持っている。
ダイア・ソールナー‥‥外見は美女(男性が演じるのも可)。昼寝が好き。
クラヴ・ポール‥‥大食漢だが、牛乳だけは苦手。よく分からないステッキを持っている。
セレナ・フォルゲン‥‥外見は美少年(少女が演じるのも可)。何故か日本刀を持っている。


●友情出演として参加する場合
 主な登場人物たちがドラマのメインとなります。『友情出演』は、いてもいなくても物語には支障がありませんが、いたら面白い、または妙な空間を生み出すことができます。
 1〜4人まで。ご自由に決めて下さって構いません。例えば、解説のお兄さん(ナレーションのみ)、試合を邪魔する怪人(やられ役)、試合中継するアナウンサーなど。
 ティル・シュヴァルツ(fz0021)は『流しの探偵』として友情出演する予定です。彼はこのドラマにおいては『ちょい役』となりますが、今回に限ってはほとんどアドリブで演じます。


●ドラマのロケ現場
 アイルランドのバレン高原で撮影が行われます。付近には『巨人のテーブル』と呼ばれるドルメンの遺跡があります。バレンは岩だらけの荒涼とした大地で、別の惑星にいるような不思議な雰囲気が漂っています。基本設定にある『衛星カロン』のイメージに合うということで、撮影場所が決まりました。
 現場スタッフは全員獣人ですので、思う存分暴れてください。ただし、現地に住む人たちのことも考えて、マナーは守って下さいね。

●今回の参加者

 fa0696 ボルティオ・コブラ(28歳・♂・蛇)
 fa0892 河辺野・一(20歳・♂・猿)
 fa1385 リネット・ハウンド(25歳・♀・狼)
 fa1890 泉 彩佳(15歳・♀・竜)
 fa2196 リーゼロッテ・ルーヴェ(16歳・♀・猫)
 fa2830 七枷・伏姫(18歳・♀・狼)
 fa3293 Even(22歳・♂・狐)
 fa3308 ヴァールハイト・S(27歳・♂・竜)
 fa4123 豊浦 まつり(24歳・♀・猫)
 fa4878 ドワーフ太田(30歳・♂・犬)
 fa4956 神楽(17歳・♀・豹)
 fa5054 伏竜(25歳・♂・竜)

●リプレイ本文

●『ザ・ファイトマン』〜メインキャスト
ヴァールハイト・S(fa3308)‥キング・デューク
リネット・ハウンド(fa1385)‥ダイア・ソールナー
泉 彩佳(fa1890)‥ハート・マルク
七枷・伏姫(fa2830)‥セレナ・フォルゲン
Even(fa3293)‥スペード・リース
ドワーフ太田(fa4878)‥クラヴ・ポール
神楽(fa4956)‥ジョーカーM

●『ザ・ファイトマン』〜友情出演
ボルティオ・コブラ(fa0696)‥名も無き覆面格闘家
河辺野・一(fa0892)‥ジャック・エイプ(アナウンサー)
リーゼロッテ・ルーヴェ(fa2196)‥赤のレフェリー(ディーラー)
伏竜(fa5054)‥ナイン・ストレイズ(解説)
豊浦 まつり(fa4123)‥謎のディーラー(ノアール)
ティル・シュヴァルツ(fz0021)‥流しの探偵(ウェスタンハットの狼男)


●クィーン・ジェムは何故消えた?
 時は24世紀。衛星カロンに格闘家たちが集うようになり、住むためには『登録』が義務付けられていた。義務とは言え、掟の抜け穴を理由に登録せずに住み着く者もいた。登録が義務付けられているのは『現役の格闘家』のみであったからだ。そして、登録カードが作成され、それがカジノ等で利用されているのだ。娯楽と経済と認証の三位一体と言えばそれらしくは聞こえるが、そんなことは知らなくても別にたいしたことではなかった。
 カジノ・バーには、正体不明のディーラーがいた。賭博が得意だということと、髪が美しい黒に輝いていたせいか、いつしかノアールのディーラーと呼ばれるようになった。彼女自身、今まで本名を明かしたことはなく、ディーラーとして存在を確認されているだけであったが、自分が人々から『ノアール』だと呼ばれていることは知っていた。
「賭博に関してなら助言できるけど、格闘界のことなら、あそこに座っている男に聞いた方が無難だね。コブラの覆面を被っているから‥‥分かるはず」
 ノアールに促されて、ウェスタンハットを被った狼男が角の席へと歩み寄る。グラスを持ち、酒を飲んでいる男は確かにコブラの覆面を被っていた。
「すまないが‥‥この女を知らないか?」
 写真を見せると、コブラの男は酒を飲み干した後、こう告げた。
「そいつは‥‥クィーン・ジェムだな。『裏』に落とされた」
 裏とは、地下のデスマッチを意味する。コブラの男は表だけでなく裏にも精通していた。
「裏は表と違って格闘家たちの質が落ちている。誰もが『目先の勝利』にこだわり過ぎて卑怯とも言える闘いが横行している。騙まし討ちに凶器使用‥‥果ては銃まで持ち出そうとする。確かに明確なルールはない。しかし、だからこそ格闘家個人の『質』が高くなければ、近いうちにこの衛星全体が無法地帯になる可能性もある‥‥」
 コブラの男は格闘界の将来を心底心配しているようだった。やはり彼も格闘家としての誇りがあるのだろう。狼男が礼を述べた瞬間、コブラの男は何かを察知した。
「‥‥まさか‥‥裏へ行くつもりか?」
 狼男はふと立ち止まり、ハットを深く被り直すと、振り向きもせず言った。
「‥‥探さねばならんものがあるんでな」
 その後、狼男はカジノ・バーから消えた。


●スペードVS???
 カジノ・バーには巨大な銀幕、所謂スクリーンがあった。生中継でバトルを見ることができ、しかも賭け事までできるようになっていた。バトルの賭けを纏めているのはノアールのディーラーであった。
「スペードの場合は勝ち負け以外に『逃げるか逃げないか』の枠があるから問題なし。その辺は抜かりなしってね」
 スペードのプロマイド・カードを手にしてお客に説明した後、銀幕にはアナウンサーのアップ‥‥流れるような展開で話が進んでいった。
「アナウンサーはわたくし惑星アイアイのジャック・エイプがお送り致します!」
 テロップには『惑星相愛、ジャック・エイプ』と大文字で派手に画面下に表示されていた。
「カメラさん、こっちです! ハート・マルクさんがスペード・リースさんに接近しています! 果たして、勝負となるのかっ!!」
 銀幕を見ていた客は全員「逃げる〜逃げる〜、逃げろ〜!」と叫んでいた。
「どうやら全員『逃げる』に賭けたようね」
 淡々と告げるノアール。スペードは『逃亡の格闘家』として知られていた。知らずは本人スペードただ一人。ハートが「スペードさん、あの‥‥」と告げた途端、スペードは優しく微笑んでいた。
「これまた可愛い格闘家さんですね‥‥ですが、うーん‥‥残念ながら女の子を蹴り飛ばす趣味はないので、また大きくなったらね?」
 言った瞬間、スペードは走り去っていった。
「おおっと、スペード・リース! 相変わらずの逃げ足だァ!!」
「とか言いながら、僕を追い越してますが? 走ることなら負けませんよ?」
 気が付けば、ジャックとスペードの『走り勝負』となっていた。
「しまったぁ! わたくしとしたことがっ?! いつのまにかスペードのペースに飲み込まれております!」
 PSFマイクは走っても音が割れない優れものであった‥って、なにゆえに衛星カロンにあるのですかー!! と言う突っ込みを余所にひたすら走る二人。結果、勝ったのはジャックだった。
「な、なんというどんでん返しでしょう‥‥はあはあ‥まさか、わたくしが勝つとは‥はあはあ」
 息を切らしつつも、懸命に話すジャック。一番大変だったのは二人を追いかけるカメラマンであったことは言うまでもない。
「ははは、カメラマンさんも大変だね? これだけ走ってもギャラ同じ?」
 スペードの無邪気な問いに、思わず苦笑するしかないカメラマンであった。


●ハートVSセレナ
 見渡すと、荒涼とした大地が広がっていた。スペードたちの動きに呆気に取られ、ポツンと立っていたハート。彼女に戦いを仕掛けたのは日本刀を持った男装の美少女セレナ・フォルゲン。銀幕に映る二人の姿に『萌え』を感じる者が数名いたのは秘密ではなく、誰が見ても明らかだった。
 ハートは最初『5指ヒトデ型宇宙捕食生物ラッキー☆スターさん』というヌイグルミを持っていたが、何故かボロボロになっていた。キュートなフェイスはまるでアンティークのような人形のように可愛らしかった。対するセレナは正統派の黒の着流しに胸にはさらしを巻き、右目には眼帯をつけていた。セレナにとって萌えはどうでも良かった。ただ強さを求めていた。求めて求めて彷徨っているうちに、地球の日本刀を知り、何らかのルートで逆刃刀を手にいれたのだ。
 ハートはヌイグルミでセレナの攻撃を受け流し、回し蹴りを放った後、とっさに翼を広げて上昇した。セレナの逆刃刀は一瞬の差でハートには届かなかった。
「‥‥このままでは勝てないようでござるな」
 セレナは何かを待つように動きを止めた。それに気付いたハートは隙ができたと思い、空から急下降してセレナに狙いを定めた。
「いくよ!」
 ハートの決め技が炸裂する!!
「む、あれが噂の『妖精のトリック』 かっ!!」
 そう叫んだのはナイン・ストレイズ‥‥彼は不慮の事故により負傷中の格闘家であった。ここだけの話であるが、彼がそう自己申請しているだけであって、事実は闇に包まれていた。
「知っているのか、ナイン!?」
 バトルある所、必ずいる男、ジャックの激しい叫びに冷静に応えるナイン。
「ああ‥‥延髄斬りから入る恐ろしい技だ。顔に似合わず、あの技で倒された格闘家は数知れない。妖精の悪戯にしては、かなりの大技だぜ‥‥ん?」
「どうしました?」
「上を見るんだ」
 ナインはそう言って、天に向かって腕を掲げた。
「おおおーーーっと、あれは、あの星は‥‥冥王星だぁー!! 冥王星が黄金色に輝いています! 太陽光に反射する輝きはまさに『月』を彷彿とさせるような輝きです!!」
 ジャックはさりげなくゴールドマイクを手に持ち、カメラマンに天空を映すようにと目配せした。
「まるで満月だ」
 ナインの言葉通りであった。
「解っ放ー!」
 黄金色に輝く冥王星を見て、セレナのリミッターが外れた。
「これで決着をつけるでござる」
 見る見るうちに人狼と化し、野生のごとき瞳で居合いの一撃を放つ! ハートは反射的に回避したが、セレナの二撃目は外れることなく、狙うべき箇所に当たった。翼に衝撃が走り、どさりと地に落ちたハート‥‥潔く自分の負けを認め、ヌイグルミを抱きかかえて去っていった。


●クラヴVSダイア
「あれから1時間経ちますけど‥‥最後の食事になるのかも知れませんもの。よく味わってお食べなさいな」
 と言いつつも、さすがに少々イライラが募っていたダイアは、食堂の入口前でうろうろと歩き回っていた。対戦相手はクラヴ‥‥彼は未だに食堂で食事中であった。
「腹が減っては戦はできぬからして、腹八分目になるまで食べるかのう」
 クラヴは料理を少なくとも20皿近く食べていた。1皿は大盛りで、普通の人ならばそれだけでお腹が一杯になる。それなのに食べる食べる食べる。クラヴの胃袋はどうなっているのかと不思議に思うほどだ。ようやく満足したのは、クラヴはステッキを持ち、外へと出た。
「すまんな。待たせたのう。それでは始めるとするか」
 のんびりとした口調のクラヴ。対するダイアの後ろには数名の男たちがいた。皆、ダイアの下僕のようなものだと言っても過言ではない。
「あなたたちは闘いが終わるまで待機していなさい。助太刀は無用です」
 そう言われて、男たちはさらに後ろへと下がった。
「お待たせ致しました! いよいよ二人の対戦が始まります!」
 マイクを手に持ち、赤のタキシードを着たレフェリーが駆け寄ってきた。当然のようにカメラマンも同行していた。
「それでは‥‥レディィィィィィィィィィ、ゴゥー!」
 レフェリーが叫び終わった刹那、ダイアは素早く駆け出した。クラヴは得意のサバットでダイアを翻弄していた。それがかえってダイアの心に火を付けた。
「私は今まで負けたことがありませんの。今回も勝ちますわよ!」
 スライディングヒールホールドを放つダイア。
「ぬ?!」
 反動で転倒するクラヴ。止めとばかりにダイアが寝技へと持ち込もうとした瞬間、クラヴの身体が変化した。言うなればワードックであろう。体重は百キロを越えているが、なんという身のこなしであろうか。とっさに飛び上がり、脇腹にローキック、さらにステッキでダイアの腕を受け流し、片手で彼女の腕を取って投げ飛ばした。
 それは全て一瞬の出来事であった。ダイアの下僕たちには何が起こったのかさえ分からないほどの速さであった。気が付けば、ダイアが倒れていた。
「ダイア様、しっかりして下さい!!」
 必死に声をかける男たち。だが、ダイアは気絶したまま、動かなかった。
「ダイア様をお運びするんだ!!」
 男たちはダイアを抱きかかえて、いずこともなく消えていった。
「ふぅ、やれやれ、動いたらまた腹が減ったわい」
 クラヴはダイアを見送った後、食堂へと戻った。
「いやー、それにしても素早い動きでしたね。勝利した気分はいかがですか?」
 レフェリーのインタビューに、クラヴはこう答えた。
「動くと腹が減って仕方がないのう。まあ、そのために闘っているようなもんじゃ」


●キングVS???
「ヘェイ、そこのセニョリータ。クラヴたちの闘いに割って入るなんざ、いくらなんでもイケナイゼ〜」
 アフロヘアの格闘家キング・ディークは、謎の道化師に声をかけた。道化師らしき者がクラヴたちの間に入り込もうとしていたことに気付き、キングが立ちはだかったのだ。
「そんなに妨害したいなら、ミーがお相手してあげるよ〜。どこからでもかかっておいで〜♪」
 言うが早いか、キングの背に竜のごとき翼が広がった。すると、道化師は自らジョーカーMと名乗り、さらにこう言い放った。
「大いなるモノはこの戦いが簡単に決着がつくのを望んではおらぬ。我はその使徒として、汝らと戦い、この戦いを司り、その快楽を大いなるモノに捧げる‥‥」
「ん? それってどういうことかい〜? 俺の挑戦を断るって意味?」
「否‥‥我は汝と闘う」
「ほ〜、そうかい? 腕が鳴るねぇ〜」
 ボキリボキリと指を鳴らすキング。腕と言いつつ指を鳴らすのはキングにとってはお約束であった。
「そんじゃ、イクゼ〜」
 軽い調子ではあったが、やはり格闘家というだけあってキングはなかなか隙を見せない。さすがのジョーカーも間合いを取りつつ、相手の動きを計っていた。
「へいへい、こねぇならこっちからいくぜ〜」
 キングは自信満々でジョーカー目掛けて肉迫した。だが、予想以上にジョーカーの動きは素早く、豹のような爪で翼を切り裂かれた。
「なにすんじゃーい!」
 そう叫びつつ、次第にキングの身体は完全に竜と化した。それでもアフロヘアを外さないのがキングの粋な計らいであった。キングの重い一撃に、吹き飛ばされるジョーカー‥‥すぐさま態勢を整えると、こう告げた。
「‥‥またいずれ貴方の命は頂きましょう」
 一瞬のうちに消え去るジョーカー。それはまるで転移装置を使っているかのようにも見えた。
「ぐわぁーー、なんか不完全燃焼気味な勝利〜? って言うか、これは勝ちと言えるのか〜?!」
 キングの叫びに、赤いタキシードを身に纏ったレフェリーがどこからともなく現れた。
「審査委員会の基準では、キングさんの勝ちになりますよ。という訳で、キングさんの勝利です!」


「かくして、物語は続くのであった‥‥ちゃんちゃん♪」
 野次馬に紛れて、そう呟くのはスペード・リースであった。
 衛星カロンには、まだまだ謎が多い‥‥。
 大いなるモノとは一体何か‥‥?
 それは今、知る由もなかった。