旦那様はアイドル!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 大林さゆる
芸能 4Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 やや難
報酬 23.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 05/17〜05/22

●本文

●芸能業界を題材にしたドラマです。
 旦那様の名前は山口 翔。奥様の名前は香織。
 二人はちょっとしたきっかりで知り合い、極普通の恋愛をして結婚しました。
 ただ二つだけ違っていたのは、旦那様はアイドルで、奥様は裏方の仕事をしていたのです。
 そして、二人が結婚しているというのは今まで秘密になっていたのです。
 何故なら、旦那様は大人気の国民的アイドルだったから‥‥。


●設定〜主な登場人物
山口 翔(やまぐち・しょう)‥‥大人気のアイドル。20代前半〜30代前半の男性ならば可能。歌も踊りも上手で、ファンからも毎日のようにファンレターや事務所経由でファンメールが届く。アイドルだが、ドラマ出演もしたことがある。

青木 香織(あおき・かおり)‥‥翔の奥さんで、本名は山口 香織。20代前半〜30代前半の女性ならば可能。ドラマ等で裏方の仕事(AD)をしているが、ちょっとしたきっかけで翔と出会い、最初はメールのやり取りをする友人だと思っていたが、4年付き合っていくうちに互いに惹かれ合い、密かに翔と結婚。だが、表向きは独身と言うことになっている。ヒロイン役。

宮本 明久(みやもと・あきひさ)‥‥クールな二枚目俳優として知られている男性。翔とはドラマ出演で何度か会っているが、香織と結婚しているとは最初思いもしなかった。密かに香織に恋心を抱いており、いずれ告白しようと内心思っている。

木崎 ミノ(きざき・みの)‥‥日本人とフランス人のハーフで、両国語が話せる女優。ドラマ出演を機に、翔に急接近。大胆にも好きだという風にアピールしている。アンチヒロイン役。


●設定〜他の登場人物
脇役、エキストラ‥‥2〜4人くらい。翔のスキャンダルを逸早く察知した記者やカメラマン、事務所のお偉いさん、ドラマのスタッフ、などなど。ご自由に役を決めていただいて構いません。


●主なあらすじ
 翔と香織が夫婦であったのは秘密であったが、木崎 ミノが翔に急接近したため、スキャンダルが起きる。一部の女性週刊誌では『山口 翔と木崎 ミノの恋の行方は?!』とまで書かれてしまう。さすがに私生活では焦りを隠せない翔と香織。そんなことを余所に、宮本 明久は香織に『俺と付き合って欲しい』と密かに言う。戸惑いながらも、遠慮がちに断る香織であった。
 そのうち、翔と香織が結婚していたことが明らかになるが、ファンたちは賛否両論であった。翔が香織と夫婦だと知った後も、木崎 ミノは諦めず、略奪愛まで考える始末。宮本 明久としては最初信じられなかったが、香織の幸せを考えて、木崎 ミノの強引な態度を引きとめようとする。
 そして、スキャンダルはますます増える一方。この危機を翔と香織は乗り越えることができるのであろうか?! ちなみに結末はプレイング次第になり、翔と香織はまだ結婚式はしていないということになっている。ラストで結婚式をするか否かも、プレイング次第となる予定。

●今回の参加者

 fa0352 相麻 了(17歳・♂・猫)
 fa0669 志羽・武流(21歳・♂・鷹)
 fa4360 日向翔悟(20歳・♂・狼)
 fa4563 椎名 硝子(26歳・♀・豹)
 fa4941 メルクサラート(24歳・♀・鷹)
 fa5559 黒羽ほのか(20歳・♀・鴉)
 fa5627 鬼門彩華(16歳・♀・鷹)
 fa5732 浦上藤乃(34歳・♀・竜)

●リプレイ本文

●旦那様はアイドル!〜キャスト
志羽・武流(fa0669)‥山口 翔(やまぐち・しょう)
浦上藤乃(fa5732)‥青木 香織(あおき・かおり)
相麻 了(fa0352)‥宮本 明久(みやもと・あきひさ)
黒羽ほのか(fa5559)‥木崎 ミノ(きざき・みの)

メルクサラート(fa4941)‥ミノのマネージャー、アイリーン
日向翔悟(fa4360)‥舞崎 伸斗(まいざき のぶと)‥大道具係
鬼門彩華(fa5627)‥元アイドルの芸能レポーター
椎名 硝子(fa4563)‥芸能レポーター
エキストラ‥‥NPCたち


●いろいろと噂が飛び交う中
 ドラマの撮影が終わり、芸能人たちが一人一人と帰っていく。
 そんな中、芸能レポーターの硝子は、今まさに帰ろうとする木崎 ミノに近付き、マイクを持ちつつ、こう告げた。
「ミノさん、翔さんがご結婚されているのは既にご存じですよね!? それでも諦めないと言うのは、不倫も辞さないと言う覚悟がおありと言うことですかっ!?」
 すると、負けじと元アイドルの芸能レポーターである彩華がこう言った。
「あの噂は‥‥本当ですか?」
 だがしかし、多数のレポーターが駆け寄ってくる。それでも硝子は芸能レポーターの意地にかけて、さらに言い続ける。
「ミノさんは諦めないと言っていますけど、どうお考えですか!?」
 そう言っても、木崎 ミノはそっけない態度で何も答えず帰っていく。
「いくら女優さんでもね〜。俺には姐さんの方が何倍もいい女なんすけどね」
 大道具係の舞崎 伸斗がやってきて、レポーターたちは追い返されてしまった。ちなみに舞崎の言う『姐さん』というのは香織のことだ。彼女のことを考えて、あえて名前は言わなかったのだ。
 ミノが駐車場に行くと、彼女のマネージャー、アイリーンが立っていた。
「派手におやりなさい! それこそタイミングを合わせて、マスコミやらに情報を流して、事態を派手派手しく飾ってあげてよ? 恋愛に理由なんて、いらないのよ? 勝てる要素? 強いて言えばミノの方が若い、という事かしら? 若さは武器なのよ」
 車に乗り込んだ後、アイリーンは後ろの席に座っているミノに話し掛けながらマイカーを走らせた。
「‥‥分かってるわ。私は‥‥諦めない‥‥」
 冷やかな表情ではあったが、ミノははっきりとそう言い放った。瞳は燃えているようだった。


「香織さん‥‥あのさ‥‥」
 宮本 明久の声が聞こえて、撮影現場の通路で思わず足を止める青木 香織‥‥微かに香織の身体は震えていた。
「そんなに警戒しないで。香織さんに断わられたのは、かえって良かったと思ってる。何も分からないまま、時が過ぎていく方が嫌だし‥‥むしろ、今は応援しているんだ」
 宮本にそう言われて、反射的に振り返る香織。
「え? 応援‥‥ですか?」
「うん‥‥どうせなら、マスコミで翔さんと結婚してるって暴露してしまえば、かえって二人も精神的に楽になるんじゃないかと思ってさ」
 宮本の言葉に、香織はしばら黙り込んだ後、静かに答えた。
「‥‥考えて‥‥おきます。‥‥お気遣い、ありがとうございます」
 そう告げて、香織は自宅へと帰っていった。


●翔と香織の自宅
 山口 翔は歌番組が終わって、すぐに自宅へと戻った。香織はすでに家に居た。
「翔くん‥‥おかえりなさい」
「ただいま、香織さん」
 そう言って、翔は部屋へと入り、少し経ってから香織に思い切って告げてみた。
「香織さん‥‥マスコミを通じて、即興結婚式しよう! 僕は、キミを誰よりも愛してるよ!」
「ど、どうしたの? いきなり‥‥だって、翔くんは、国民的アイドルで‥‥」
 オロオロする香織に、翔は安心させるように抱き締めた。
「分かってる。分かってるよ。だけど僕は‥‥香織さん以外の女性は考えられないんだ」
 香織は、翔にとって最初は『姉さん』的存在であったが、密かに結婚していたのだ。だが‥‥ついにマスコミでも公に取り上げられるようになってしまった。最初は香織が翔を勇気づけていたが、今では反対の状態になってきていた。


●結婚式をしよう!
「香織姐さん、結婚式あげるんですか? 俺は二人の事、応援してますから。本当っすよ。俺じゃ頼りないかもしれませんけど、何かあったら何でも言って下さい」
 裏方の仕事中、舞崎は香織を元気付けるように言った。ここ最近、香織が何やら落ち込んでいたのは
舞崎も内心は気が付いていたようだった。
「‥‥ありがとう。いろいろ考えてみたけど、やっぱり‥‥結婚式するわ」
「なら、俺が大道具係のプライドで一世一代のセットを作り上げるっすよ。期待してて下さい。で、式はいつですか?」
「‥‥予定では、1ヶ月半後よ。その前にマスコミにはっきりと言わなきゃならないし」
「1ヶ月半後っすね。なんとかやってみますよ。俺だって、こう見えても大道具係ですから」
 舞崎は胸を張って、おどけた調子で言った。


 テレビ中継で、アイドルの山口 翔は香織と一緒に記者会見をした。それを見たファンからは、やはり反対意見もあったが、翔の熱心な姿に感動して応援する者たちも次第に増えていった。
 1ヶ月半後、予定通りに翔と香織は結婚式をやることになった。身内だけの結婚式であったが、舞崎や宮元の応援により、なんとか無事にここまで漕ぎ着けたようだった。
 結婚式は、やはり翔がアイドルということもあって、テレビ中継された。それを見たミノはやはり悔しがっていたようだった。それを余所に、式は安らかに進行していく‥‥。
 新郎、新婦の登場で、身内たちが拍手する。その中には、舞崎や宮元たちの姿もあった。
(「翔くんはわたしの旦那様よ!」)
 そう心に思いながら、大胆にもキスをしたのは香織からだった。思わず翔の方が驚いていたようだったが、すぐに落ち着いたようだ。
 一番喜んでいたのは、二人の家族だった。翔のことを考えて、内密にしていたことが、今‥‥明らかになったのだ。
 二人とも‥‥どうか、お幸せに‥‥。
 そう願うファンも少しずつ増えていくだろう。