タラえもん〜アフレコ夏アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
大林さゆる
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芸能 |
4Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
18.1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/17〜08/21
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●本文
●突然ですが『タラえもん』の脇役声優さんと裏方スタッフ緊急募集です!
アニメのアフレコ現場はどうなっているのか、知りたい人、ぜひ参加して下さいね!
●『タラえもん』〜主演キャラクター
主演キャラクター‥‥タラえもん、「タラ太」こと平 大輔(たいら・だいすけ)、ヒロイン役の水野 詩織(みずの・しおり)の3人はすでに声優さんが決まっています。それ以外の役を募集しております。
●タラ太の設定
本名は「平 大輔(たいら・だいすけ)」で、何をやってもタラタラと人よりも行動が遅く、そのせいで「タラ太」という仇名がつけられた。成績もあまり良くなくて、赤点を取ることが多い。気が小さいが、心根は優しい男の子。小学5年生。唯一得意なのはシューティングゲーム。
●タラえもんの設定
タラ太を事故から救うため、26世紀からタイムトラベルのドアからやってきた『熊型ロボット』で、トレードカラーは緑色。
背中にあるショルダーバックから、未来のいろんなアイテムを取り出すことができる。ショルダーバックの底が噴射して、空を飛ぶことも可能。
●今回募集する脇役の声優(職業に関係なく参加可能)‥‥5人〜7人くらい
遠野 清志(とおの・きよし)‥‥仇名は『マンモス』、プロレスラーになるのが夢。めちゃくちゃ音痴だが、本人はあまり気にしていない。実家は小さなスーパー屋さん。タラ太のクラスメイト。
二階堂 真之(にかいどう・まさゆき)‥‥仇名は『キザ男』で金持ちのボンボン、それなのに何故かマンモスと一緒にいることが多い。自慢するのが玉に傷。タラ太のクラスメイト。
京本 敦(きょうもと・あつし)‥‥クラスの学級委員長、ルックス良し、成績良しと、女子にモテモテだが、本人は今のところ詩織に興味があるらしい。仇名は『専門家』、女子には『王子様』とも密かに呼ばれている。タラ太のクラスメイト。
エキストラ‥‥3人〜5人前後。例えば「タラ太のパパ」「タラ太のママ」「学校の先生」など。
●今回募集するスタッフ‥‥2〜5人くらい
例えば、アニメ関係の技術者(音響監督、プロデューサー、ADなど)、取材記者、カメラマン、突撃レポーター(アナウンサーでも可能)などなど。
●主な話の流れ
もうすぐ夏休みの終わりだと言うのに、タラ太はまだ宿題が終わっていなかった。それを注意するのはタラえもん。それでもタラ太は「まだ夏休みはあるさ」とか言いながら、ゲームばかりしていた。
そんな中、タラ太は詩織たちに祭りに行こうと誘われて、行くことになった。帰ってくると、タラ太は何故かソワソワしていた。タラえもんが理由を聞くと「皆、宿題も自由研究もほとんど終わってるんだってさ。僕‥‥ほとんどやってないよ。て言うか、全くやってないよ! どうしよう!」と相変らず、毎年この調子だ。タラえもんもさすがに同情することはなかった。
「そんなこと言わずに、助けて!」とタラ太は言うが、タラえもんはアイテムを出すつもりはないらしい。ますます困ってしまうタラ太であった。
「まだ夏休みは残ってる。遊ばないで宿題やれば間に合うんじゃない」とタラえもんは言うのであった。果たして、タラ太は無事に宿題を終わらせることができるのであろうか?!
●アフレコについて
すでに出来上がったアニメーションの動きに合わせて、声優さんたちは声をあてることになります。スタッフたちは声優さんたちのサポートです。意外とアニメの動きに合わせて声をつけるのは難しいです。その点も考慮して、プレイングを考えてみて下さい。
●補足及び注意事項
今回は「アフレコ現場での描写」がメインになります。この点に注意して下さい。スタッフの方は声優さんたちが無事に仕事ができるようにお手伝いしてみて下さい。
募集人数は参考までに。最大10人までですから、お互いに配慮して参加して下さいね。アフレコ現場内では「半獣化」までOKです。現場の外では人型でお願いします。
●リプレイ本文
●『タラえもん』〜今回の主なキャスト
タラえもん‥‥小山たかみ(NPC)
平 大輔(タラ太)‥‥大原成子(NPC)
水野 詩織‥‥田原美千代(NPC)
伝ノ助(fa0430)‥‥マンモス
日宮狐太郎(fa0684)‥‥キザ男
武田信希(fa3571)‥‥専門家(女子には王子様)
鈴木 舞(fa2768)‥‥エキストラ4役
梁井・繁(fa0658)‥‥大輔の父
浦上藤乃(fa5732)‥‥学校の先生(四條サツキ)
苅部・愛純(fa4350)‥‥スタッフ(お手伝い)
●アフレコ〜リハーサル
本番の前には、リハーサルがある。これはアニメーションに声をあてる仕事でも同じである。今回は出来上がったアニメの動きに合わせて、BGMも流れるらしいが、ここまで完成されたものは稀である。大抵はアフレコに間に合わず、登場人物を意味する赤線、青線、白味、マルセという専門用語を用いて、真っ白な画面を見て、アフレコをすることが多いのだ。こういう場合、キャラクターの表情が見えず、絵の動きと声が合わないこともあるらしい。
『タラえもん』ではそれを防ぐため、アニメの作品が出来上がってから声をつけるようにしているようだ。場慣れした声優ならば赤線、青線などでもなんとかやっていけるが、最近は職業に関係なく、キャラクターのイメージやら、他の理由で声優以外の人も仕事にくることがあるのだ。
「それでは、祭りのシーンに入りまーす。参加者の皆さんは、そろそろ集まって下さーい」
スタッフとして手伝いに入った苅部・愛純が声をかけると、控え室にいた声優たちが現場へとやってきた。すると、プロデューサーは鈴木 舞を見つけると、こう告げた。
「今回は、タラ太のママ役もやってね。いきなりの配役だけど、君なら本職だからできると思うしね。それから、祭りに来た女子高校生と、家族連れの少女の声も頼むよ」
「はい、分かりました。やってみます」
舞は迷わずに答えた。最初からそのつもりで現場に来ていたのだ。声優の場合、このようにしていきなりその場に来てから役が決められることもあるのだ。
「私は‥‥学校の先生ですね。やってみると、ホント‥‥難しいもんですね」
浦上藤乃がそう言うと、梁井・繁が安心させるように告げた。
「キャラクターに成り切って、と言うよりは『その役に溶け込んで』といった感じにやってみると良いんじゃないかな? 浦上さんの場合、女優さんだから台詞暗記して、台本はあまり気にしないでアニメの動きに集中してしまった方がやり易いかも」
「そうですね。そんな風にやってみますね。ですが、こうして実際にやってみると楽しいものですね。絵に命を吹き込む‥‥声優の御仕事がこんなに奥が深いものだなんて」
藤乃は楽しそうに微笑した。
銀色の立ちマイクは3本あり、一本目は主演用、2本目は脇役用、3本目はエキストラ用と決まっていた。つまり、台本を片手に持ち、自分の出番が来たらマイクの前へと立ち、次の出番の人が来たら入れ替わるのだ。その繰り返しでアフレコは行われる。
「詩織ちゃんから電話があってね、明日、お祭りにいこうって誘われちゃった!」
タラ太役の大原成子は声優としてはベテランである。まるっきり違和感がなかった。まるでキャラクターそのものであった。タラえもん役の小山たかみもベテラン声優と言っても過言ではなかった。タラえもんをやらせたら右に出る者はいないだろう。
「それは良かったね。水を注すようだけどさ、宿題、終わったの?」
「まだだよ。そうだ、タラえもんも一緒に行こうよ、お祭り。詩織ちゃんも是非って言ってたしさ」
「おいらは別にいいけど‥‥大輔君のことが少し心配」
「大丈夫だって。夏休みはまだ残ってるし〜」
「そういう、あっけらかんなとこが心配なんだよ」
「相変らずタラえもんは心配症だな〜。大丈夫だって」
二人の息の合った会話に、伝ノ助は内心、ドキドキしていた。『タラえもん』に参加するのは初めてなのだ。なんだか新鮮な気持ちでもあったが、少し不安もあった。だが、自分の出番が回ってくると、そんなことも忘れて無我夢中でマンモスの役に没頭していた。
「おい、タラ太、お前、今年も宿題まだ終わってないんじゃねぇ。って言うか、全くやってないんじゃねぇの?」
場面はすでに『祭り』のシーンへと変わっていた。キャラクターたちのほとんどが浴衣を着ていた。
図星だったが、タラ太は冷汗を流しつつも強がりを言っていた。
「そ、そんなことないよ。ちゃんとやってるよ」
「そーかー? お前の『やってる』は『やってない』って意味だからなー。はははは」
マンモスの言葉に、キザ男役の日宮狐太郎が2本目のマイクに向かって台詞を言った。
「マンモスの言ってることは当たってるね。僕には分かるよ、タラ太がこの時期に宿題終わらせてる訳ないよな。毎年、8月の終わり頃になって焦ってるようだし」
思わずキザ男の表情を真似てジェスチャーをしながら、狐太郎は台詞を言っていた。
すっと入れ替わりに、専門家の役をすることになった武田信希がこう告げた。
「話変わるけど、詩織ちゃんとタラえもん君、見なかった? 二人とも見つからないんだ」
「そーいや、そうだな。二人で何か食べ物でも買ってるんかな?」
マンモスがそう告げると、画面ではキャラクターたちが二人を探すシーンへと変わった。その時、擦れ違う女子高校生や少女の声を、鈴木 舞が声を使い分けて演じていた。少ない台詞ではあったが、別人のような声であることは確かで、ガラス窓越しにいたスタッフたちも感心していたようだった。
詩織とタラえもんが見つかり、夕方になると帰るシーンへと移り変わる。変える間際、マンモスがタラ太に向かって楽しそうに笑っていた。
「じゃあ、また新学期にな。その前に『タラえもん、助けて〜』ってなことがありそうだけどな」
「そ、そんなこと‥‥うっ」
「ここで宿題やってないと、お母さんからゲーム機もお小遣いも取り上げられるよ。宿題は日々の積み重ねが大事なんだ」
専門家の言葉に、タラ太はそれ以上何も言えず、とりあえず別れ際に手を振った。
実家に着くと、案の定、お約束のシーンとなった。
「どうしよう〜、タラえもーん!」
「また何か言われたのかい?」
タラえもんはやれやれといった表情をしていた。タラ太が祭りでの出来事を話すが、タラえもんは今回ばかりは助ける気はないようだった。そんな時であった。ママの声(舞)が聞こえてきた。
「大輔、タラえもん君、夕飯の時間ですよ」
「あ、今、行くよ」
「はーい」
タラ太とタラえもんがリビングに行くと、パパがいた。パパ役の梁井・繁が3本目のマイクへと向かった。
「大輔、担任の先生から電話があった。なんか心配してたぞ?」
すると、学校の先生である四條サツキ役の浦上藤乃が緊張した面持ちで3本目のマイクの前へと立った。タラ太のパパと先生が電話で話すシーンで登場することになった。見たところ、パパが思い出す場面であったようだ。
『失礼かとは思いますが、平くん‥‥宿題は終わりそうでしょうか? まだでしたら、私も協力したいと思っています』
そして、パパが続けて言った。
「てな、先生が言ってたぞ? 正直、パパは恥ずかしかったな。で、大輔、宿題は終わりそうなのか?」
「‥‥。‥‥。‥‥まだ」
タラ太の言葉を聞いて、怒りを顕にしたのはママだった。
「大輔、あれほど夏休み前に言ったのに、どうせゲームばかりしてたんでしょ? 宿題が終わるまで、ゲームは一切禁止です。良いですね?」
「そ、そんな‥‥。‥‥うー、どうせなら、ゲームが宿題だったら良いのに」
「全く、君ってヤツは‥‥」
タラえもんは呆れていた。
●アフレコ現場〜取材
アフレコが無事に終わり、アニメ雑誌の記者とカメラマンがやってきた。どうやら取材で来たようだ。早速、小山たかみ、大原成子が取材されていたが、続いて伝ノ助と鈴木 舞が呼び出された。その間、苅部は声優たちやスタッフにお茶のペットボトルを配っていた。
伝ノ助は記者に質問されて、頭は掻きながら告げた。
「マンモスが音痴っていう設定でしてね。それで、音程外して唄うのに苦労したっすね。『いかに下手に唄うか』を家でも練習してたっす」
「なるほど、そうですか。それから、鈴木 舞さん、今回は4役やってましたね。2役やるのはよく見ますが、3役以上やるなんて稀ですよね」
記者が告げると、舞ははっきりと答えた。
「主演の声優さんたちに対してはできるだけ長所がでるようにしてあげたり、プラスとなるエピソードを話して、アニメを気持ちよく見られるようにもしたいと考えていました。私たちの仕事で番組の視聴率が上がれば、これほど嬉しいことはないですしね」
「舞さんは年齢別に声も使い分けてましたね。さすがですね」
「声優は本職ですから、突然、エキストラの役が回ってくることは多いですよ。そういった経験によって、実績も少しずつ着実に上がっていくと信じています」
舞は自分の仕事に生き甲斐さえ感じているような雰囲気であった。取材が終わると、狐太郎はカメラに向かってVサインをしていた。
「『タラえもん』をこれからもよろしく〜♪」
視聴者にアピールするように、狐太郎はそう告げた。