STREET FIGHTERS 2アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
三ノ字俊介
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
12/02〜12/04
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●本文
「おい、後輩B」
プロデューサーA(仮名)は、後輩プロデューサーB君(仮名)を見下ろして言った。
「お前、企画出せって言ったのにまだ出してないよな」
「は、はあ‥‥」
B君は応えた。
――Aさんが番組落としそうになって、その後始末でここ一週間寝てないじゃないですか‥‥そんなひま無いですよ‥‥。
B君は目でそう訴えたが、A氏は大胆に無視した。
「なあ、アレやれよ。深夜枠だから多少過激だってかまわない。この前のアレは、けっこう視聴率取れたろ?」
A氏のアレというのは、『ストリートファイターズ』という一回こっきりの穴埋め番組である。そのときはちょっとした事故があって、番組枠に穴が開いたのだ。
詳細はともあれ、番組に穴が開いたのは確かだ。しかし放送を休止するわけにはいかない。何かの番組で埋めなければならない。
それでB君が作ったのが、『ストリートファイターズ』という番組だ。その時は夜の製鉄工場を舞台に、10人の男女が戦ったのである。
「でもですね、あんな危険な撮りをしょっちゅうやるのはヤバイですよ」
「おいっ! 後輩B!」
「はいっ!」
B君は条件反射的に応えた。
「早○田大学映像研究部鉄の掟その1!」
「『上級生には絶対服従!』」
「そーゆーことだ。予算は200万。時間は30分。しっかり働け若人よ」
「‥‥はあ」
B君はため息をついた。
***
というわけでB氏、非常に短期間かつ低予算で一つの番組を作ることになった。
彼が出した結論は、企画物で格闘ものということになった。会場は借りると高いので夜間の廃ビルを使い、出場者も新人格闘家を集めて低予算にする。設定はストリートファイトという形である。
スタッフも最低限しか使えないので、司会と進行はBが仕切ることになった。泣けるほどの低予算だ。
「とにかく格闘家の募集だ」
とりあえず廃ビルを舞台に、新人格闘家によるシナリオ無き闘いが始まる。
●リプレイ本文
●ケンカファイト再び
深夜枠の番組は、玉石混合の戦国時代である。このSTREET FIGHTERSもまた、それらの戦国時代の中に踊りこんだ企画である。
刺激の欲しい若者や格闘マニアの間では最初の放送の評判が口コミで広まり、ついに第2回目の放送を呼び込んだ。
スタッフの間では、準備が滞りなく進んでいる。廃ビルを隅々まで掃除し、ガラスの破片などを取り除いて床にマットを敷く。そしてレンタルした四角いはめ込み式の絨毯マットを敷きつめて床は完成。階段の手すりなどの突起物は外され、廊下の角にはクッションが貼り付けられた。過激なバトルゆえに、大きな怪我を防ごうという意図だ。
「こんばんは皆さん。ようこそ熱き格闘家たちの戦場へ」
B氏が、マイクを持って言う。
ここに、第2回はSTREET FIGHTERS開幕を告げた。
●15秒PR『らぴす(fa0149)』
「あ、星真剣友会のらぴすなのです。よろしくお願いなのですよー」
ボクはらぴす。11歳のスタントアクター、猫獣人なのですよー。今回は格闘番組に初挑戦しちゃいます。
ボクの相手はヴァジュラさんです。ボクのメイド服ようじょ対びっくりインド人変身ヒロインの対決ですよー。
細かい経過はさておき、やっぱり子供なので、体力勝負で負けてしまいましたですよー(泣)。スピードでは勝っていたけど、やっぱり大人と子供では勝負にならないですー。
ヴァジュラさんはそのまま、由香さんと戦ったですよー。悔しいけど、体力がつかないと地力で負けてしまいますですよー。ニロ○_
●15秒PR『ヴァジュラ・ソーマ(fa1097)』
「伊達屋一座所属、ヴァジュラ・ソーマと申します。皆様、良しなに」
らぴすさまとの対決を終えたわたくしは、そのまま尾鷲さまとの対決に向かいました。
わたくしはヴァジュラ・ソーマ。牛獣人の、20のモデルです。変身ヒロインにあこがれて、芸能界の門戸を叩かせていただきました。
尾鷲さまは今回欠員が急遽1名出たため、あぶれていました。そこでらぴすさまかわたくしのどちらか、勝利したほうが彼女と対決することになっていたのです。
まあこう言ってはなんですが、らぴすさまが勝つ可能性は限りなく低かったのですが。子供と大人の喧嘩では、子供に分があるはずありません。
メインはもちろん尾鷲さまとの対決ということになるのですが‥‥。
●15秒PR『尾鷲由香(fa1449)』
「尾鷲由香、星真剣友会所属。スタントマンだ。よろしく!」
ウチの事務所の所長(らぴす)が負けたとき、あたしはそのセコンドについていた。
あたしは尾鷲由香。鷹の獣人で23歳のスタントマンだ。
あたしとらぴすは同じ事務所で、所員と所長という関係。子供が会社やってるっていうのもアレな話だけど、まあ、法的には保護者とかがいるんだろ、きっと。
ともあれ所長が負けて、あたしの相手はヴァジュラに決まった。インド人もびっくりのコスプレイヤーだ。
ふざけているようにしか見えないが、外国から見た日本のオタク文化の底は知れないということだろう。
ともあれ戦(や)りあうことになったのだが、戦いのスタイルがとにかく噛み合わない。お互いの所属ジャンルが違うし、なによりあたしは自分の実力を試したくてこの番組に応募したんだ。コスプレとチラリズムを売りにしているヴァジュラにはスキがある。
結果、遠慮なく叩き伏せさせてもらった。まあ、望みどおりヴァジュラはアンダーウェアまでさらしてアピールはしたようだが。
●15秒PR『拝玲於奈(fa1305)』
「ずばばーんと登場。STORMBISTの拝・玲於奈見参!(背後で火薬が爆発。尻に火が付いてあっちっち)」
よ。ぼくは拝玲於奈。狼獣人のプロレスラー、ぴちぴちの17歳! 今回は同じ事務所の、MAKOTOちゃんとやり合うことにした。
とりあえずメインホールにロープを吊っておいたけど、これは使わない。本命は獣化しての壁駆け上がり→トペ・スイシーダでのフィニッシュを狙った。
MAKOTOちゃんとの力量差は、ほぼ五分と五分。まともにやったら、きっと凄絶な潰しあいになったと思う。それはそれで視聴者は喜ぶだろうけど、ぼくが求めているものとはちょっと違う。
もっとショーマンシップにのっとった面白い試合を! そのためには獣化もOKだよね。
とは言ったものの、ちょっと不本意な結果に終わってしまったんだよなー。
●15秒PR『MAKOTO(fa0295)』
「MAKOTOです、よろしく!(サムズアップと同時に胸が揺れる)」
僕はMAKOTO。職業格闘家。17歳の虎獣人。自慢はJカップの胸。
まあ同じ事務所の相手とは、普通戦うことは無い。だから今回は、楽しませてもらうつもりだよ。無論、相手は拝玲於奈。腕が鳴るわ。
僕のメインスタイルは空手。化石化した古流武道ではなくて、現代武道の空手のほう。人間を理論的に壊すための修練を積む、ちょっとマジ入っている武道だね。
玲於奈クンは何か考えているみたいだけど、パワーでは虎獣人の僕にかなうはずがない。だからきっとどこかで奇襲か空中戦を仕掛けてくると思っていた。速さは、玲於奈クンのほうが数段勝るからね。
でも、その辺は僕の読み勝ちだった。獣化して壁を駆け上がり、落ちてくる彼女を僕は、カウンターの回し蹴りで撃墜したんだ。
彼女は失神。もちろん僕の勝ちだった。
●15秒PR『トーマス・バックス(fa1827)』
「(ワン・ツーを放ちポーズをとる)スポーツではナイ、実践式ボクシングヲ見セテあげヨウ」
私はトーマス・バックス。狼の獣人で19歳。職業ボクサー。現在4回戦。
私の今回の目的は、ボクシングの強さをアピールすること。そのためには多少のラフファイトもアリだ。服は見えにくいように黒いジャージで決めて、これまた黒い皮グローブ。相手の禁野小竹は剣道を使うので、懐に飛び込めば私の勝ちが決まる。問題は、長い間合いの相手にどうやって拳を届かせるかだ。
もちろん、勝負は一瞬で決まる。女性なので顔に傷を残すつもりは無いが、多少の怪我は覚悟してもらおう。
私はヒット・アンド・ウェイ主体のアウトボクサーだが、長距離での差し合いでは勝負にならない。ここはインファイターばりに強引に攻め込むのが上策だ。
その結果は‥‥。
●15秒PR『禁野小竹(fa2294)』
「禁野小竹だ。私は武『芸』者ではなく、武道を習ったモデルにすぎん。見世物ではない故、少々バイオレンスなのはご容赦願おう」
私は禁野小竹。本業はモデルである。今回は色々と故あって参加を決めた。
私の専門分野は剣道。ゆえに木刀を持っての参加となる。縛りの少ないルールなので、プロデューサー的にはOKのようだ。
まあゴールデンに行くことがあれば、その辺りも整備されるであろう。
相手はボクサーのトーマス・バックス。4回戦とはいえ侮れん。
木刀の打ち合いは長距離なら有用だが、相手はかなり強引に懐へ入ろうとする。さもありなん、武器を持っている私の間合いでは、接近戦がもっとも弱いからだ。
しかし、それは誘いなのだ。本当の狙いは、懐に呼び込んでの格闘戦。古流柔術の背負い投げによる一撃を決めるのが目的だ。
一度しか勝負は賭けられん。その結果は――。
私の、勝ちだった。トーマスは頭から床に激突し、失神した。
●15秒PR『飛鳥信(fa1460)』
「俺は飛鳥信。キックボクサーだ。これで2度目の参加になる。よろしく」
プロレスラーは強い。俺はその事実を体で知っている。
俺は飛鳥信。キックボクサーで狼の獣人、23歳だ。
キックボクシングをやって何年にもなるが、このところの敗戦は俺の格闘技観を大きく変える出来事だった。
キックが弱いとは思わない。ただ、プロレスラーのタフネスと関節技には、十分な注意と研究が必要だということだ。文字通り身をもって知ったわけ。
だからその雪辱を晴らすため、俺は前回優勝者、THE DIABLOに勝負を挑んだ。もちろん相手は充分研究している。
パワーとタフネスはさすがに向こうが上だ。それは認めよう。
だが、俺はそれに『スピード』で対抗するぜ。
最後まで立っていられれば、俺の勝ちだ!
●15秒PR『THE DIABLO(fa1513)』
「最後に立っている者が誰であるか、それだけが最強を語るのである!」
吾輩はプロレスラー、THE DIABLOである。虎の獣人である。覆面レスラーなのである。前回優勝者なのである。
対戦者の飛鳥信は前回も見た顔である。今回はその雪辱を果たすために我輩に挑戦してきたのである。プロレスラーとしてそれを受けぬわけにはいかない。それに前回は獣化しての勝利で、やや顰蹙を買った。今回は獣化無しで完全勝利し、プロレスラーと我輩の強さをアピールするのである。
さて試合である。試合形式は前回と同じ。ルールも同じ。違うのは会場と対戦相手であるのだが、飛鳥はスピードで勝負をかけてきたのである。
これは、実は愚策と言えよう。格闘家はどこかで打ち合いをしなければならない。速度で対抗しポイントを稼ぐのはボクシングのアウトボクサーの常套手段で、その結果は玄人をうならせる判定勝ちしかない。
つまり判定の無いこの試合形式では、飛鳥のスピード戦術だと勝ち目が無いのである。
結果は、全ての攻撃を耐え切った我輩の勝ち。策を誤ったとしか言いようが無い。
●結果発表
今回の優勝者は、2回連続でTHE DIABLOのものとなった。これは結構驚きの結果である。今後、彼は多少の注目を受けることになるだろう。
【おわり】